寿司さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

寿司

寿司

映画(189)
ドラマ(0)
アニメ(0)

怪物(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

正直言ってこの映画の構成の妙はかえってこの映画を凡庸にさせているのではと感じたものの、是枝監督が描く「子どもの世界」が個人的には好みすぎて、(子どもの世界には大人は介在できないし、むしろ介在すべきでは>>続きを読む

Pearl パール(2022年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

怪物誕生というトンデモ映画に見せかけて現実/狂気の越境はかなり丁寧に描写されてる映画だと思う。持たざる者の戦いの構図になっているのもアツい。脚本として目新しさは少ないのかもしれないけど、ゴシックな要素>>続きを読む

ヴィレッジ(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

藤井監督の栄枯盛衰モノの中でも抜群に面白い。横浜流星演じる優が、だんだんと幸せになっていくのだが、劇中劇の能の演目『邯鄲』と演目に使用する能面というアイテムが効いてるせいで、「これから堕ちるであろう」>>続きを読む

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

-

美しい映画のようでギョッとするほどエグい場面も描かれていて、大切にしたい映画。

バレエ教室に通い始めてるところを収めた一連のシーンがむちゃくちゃ良くてなぜかすごく覚えてる。

あのこは貴族(2021年製作の映画)

-

田舎者の自分としては「貴族」側の華子の冒頭から共感しにくいものの、高良健吾が現れる一連のシーンが素晴らしくて、観客が一瞬華子の思いとシンクロする瞬間があって面白い。

テーマ性が強いけど物語の力がある
>>続きを読む

新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

-

走りすぎて曲がり角で急に曲がれないゾンビが出てくる映画にハズレなし。
といいつつ、右に左に動くだけでなく手前にも奥にも動いてる。
バカの感想みたいだけどそれで十分面白い。

死刑にいたる病(2022年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

面白い。白石映画と高田脚本のなせる技か。特に白石映画の雨や泥や血にまみれるシーンは匂い立つような臭さすら感じられてむちゃくちゃ気持ち悪くて最高。

主人公の雅也くん(岡田健史)のコミュ障童貞感や終盤の
>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

話は面白いが自分には展開がロマンチックすぎた。時々挿入される主人公アゲなインタビューシーンも鼻白む。
ただし、ユキノリがバーに呼ばれてボロクソ言われるところは真に胸に迫る。たぶん僕自身があーいうクソガ
>>続きを読む

アントマン&ワスプ(2018年製作の映画)

-

量子世界が爆裂にSF感あるからそこだけで2時間やってほしかった。もったいなさすぎる。

ブラックパンサー(2018年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

冒頭に登場した舞台装置としての「下層階級の駐車場バスケ少年達」がラストに登場して主人公と対峙する一連の流れが最高。
最後に少年が問う「Who are you?」がまさに本作のテーマなのだが、その問いに
>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

-

最近見た中では一番好き。禍々しいのに素晴らしく感情がたかぶる映画的な映画だと思う。

主人公のディスコミュ具合がムカつかずむしろ共感につながる絶妙なバランスを保ってるのも素晴らしい。

ドント・ブリーズ2(2021年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

前作はヤバジジイが「現象」として描かれてるのに、今作ではなんだか「人間」的に描かれててなんだか不思議。
リドリースコットが描いた恐怖の象徴(もちろん様々なメタファーなのだが)としての「エイリアン」が、
>>続きを読む

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

-

初めのヤバジジイが登場する一連のシーンから、ヤバジジイを「現象」として描いているのが面白い。

でも、冷静に考えたら、現実世界にいるヤバいジジイも、「他者」性を感じる以前にヤバすぎて「現象」として捉え
>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

むちゃくちゃな映画が好きな人間としては割と楽しめるのだが、さすがに「最終的にこの世界線の現実を承認する!」みてーな「悟り」シーンが多すぎて胃もたれする。(夫について悟るシーンはマジで泣けるが。)
だっ
>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

冒頭5分の陰惨な血しぶき撲殺シーンでブチアガるものの、後の展開がつまらなさすぎて閉口するレベルであった。個人的にはSFの要素がしっかりある『シンウルトラマン』の方がまし。無論『シンゴジラ』の方が作劇的>>続きを読む

かがみの孤城(2022年製作の映画)

-

原恵一の描く「普遍性」がいつ見てもみずみずしいのに驚かされる。「歩く」「走る」「駆ける」などの「動き出し」と物語の「動き出し」を調和させるのがマジで上手く、アニメ表現でしかできない方法で描いているのが>>続きを読む

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

-

平野啓一郎が「自分もこの時代に生まれたかった」と言わんばかりに登場して、しかも当意即妙な解説加えるのが笑える。
「場所」の議論が当時の東大紛争(もとい右派と左派の闘争)に大きな意味を持っていたことが興
>>続きを読む

中学生円山(2013年製作の映画)

-

団地映画としてしっかり成立している。
一軒屋だと壁が自分を守ってくれるが、団地の距離間のジレンマ(他者の生活を覗こうとするが自己の生活に危険が及ぶので覗けない)がよく描かれている。
ギャグと下ネタで話
>>続きを読む

バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

異界感がずっと楽しい。
娼婦やギャングみたいな、田舎にありそうな「人間が生活する上でのグロテスクなところ」が映像化されててワクワクしてしまった。南米だからなのだろうか。北欧のミッドセンチュリーな家具が
>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

-

全編を通して「心地良い」映画。一方で胸が熱くなるシーンがたくさん散りばめられていて最高だった。(号泣すらできる。)

かなり凄いことをしているから一つ一つ分析したいけど、この映画は酒飲みながら見たい映
>>続きを読む

アメリカの友人 4K レストア版(1977年製作の映画)

-

共依存みたいな台詞にすると瞬間で冷めるような曖昧で微妙な関係を作劇で描ききっているのが渋すぎる。最高。
画面が美しいのは勿論だが単なるゲージュツ映画ではなくしっかりアクションしているのにビビる。

>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

冒頭のチンピラをボコボコにする一連のシーンが良い。というかそこでもう良かった気もする。(どう考えても長いと思う。)
廃屋を拠点に一度集合する丁寧さは必要だと理解しつつも、なんか回復場所で作戦立てるプレ
>>続きを読む

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

-

敵を待ち構えるアクションは面白いけど、この面白さってホームアローン的なピタゴラ装置的な面白さなのではと思ってしまう。

さがす(2022年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

冒頭近くの大阪西成のシーンにうつる安っぽいビニール袋が電球のオレンジ色の灯りに照らされて揺れている絶妙な安っぽさと生活感。
自死を望む妻の表情のクローズアップが醸す重たさ。(本当は佐藤二朗の語りが無け
>>続きを読む

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

-

物語のモラルにノレないところもあるが、音楽、照明、アクションなど全てに力が入っていて圧倒される。特に、陰のある場所でのシーンが凄すぎる。逆光の妙!スゲェ!!!

多幸感溢れる場面から奈落に突き落とすよ
>>続きを読む

スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス(1999年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

今見たら、パルパティーン議長、もっと顔隠せよってなる。

この映画が許容できるかどうかは、映画全体に流れる「なんかレバーやボタンをガチャガチャ押したら上手くいった感」というか、スラップスティックコメデ
>>続きを読む

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

-

向き合うこと、打ち明けること、物語による救済。本作のテーマと完全にシンクロする映画は、まぎれもなく『ドライブ・マイ・カー』である。
村上春樹より青臭く荒削りだが、映画の凄みを味わえる力作。人には教えた
>>続きを読む

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

-

再見。
描こうとしているテーマが多すぎて公開当初はなんじゃこりゃ?と思ったがもう一回見たら(やはりなんじゃこりゃ?とは思ったが)かなり面白かった。
2人のワクワクドキドキ!?島内生活!!みたいなところ
>>続きを読む

スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年製作の映画)

-

再見。

他の人のレビューに「昭和感」とあったが、間違いない。ファーストオーダーの基地の中で跳んだり走ったり隠れたり。やってることは超絶古典的。しかも敵は赤黒基調というわかりやすさ。
それでも、田舎娘
>>続きを読む

アヒルと鴨のコインロッカー(2006年製作の映画)

-

再見。
ブランコ、モデルガン、広辞苑が舞台装置としてだけではなく寓話的な、象徴的なものとして描かれるのは面白い。
アクションが少ないので映画的というよりは演劇的だが、伊坂幸太郎の書く原作の寓話性が良い
>>続きを読む

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

主人公の主観(=聞こえない世界)と聞こえる世界の描き方が面白いとか、聞こえない人の世界がよくわかる…という音響の点から凄い映画というのはなんとなくわかるが、この映画はそもそもの物語の力が凄い。まさかの>>続きを読む

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

リドスコおなじみの?因果応報・栄枯盛衰物語。宇多丸が『悪の法則』レビューでも言ってたけど、リドスコの映画って、栄華を極めてる描写から既に死の香りがしている。
特にレディガガが木の実ナナみたいになって豪
>>続きを読む

罪の声(2020年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

映画的な面白さは置いといて序盤の古舘寛治の語りのシーンに物凄く力をいれててしびれる。
終盤に明かされる「逃げ隠れていた子ども」の宇野祥平のメガネと住んでいる部屋の畳の質感が凄まじい。ただあのショットで
>>続きを読む

戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

-

戦争をしているマッチョイズムを滅ぼすためには戦争反対を唱えて殺さなければならないといった戦争映画に対するカウンターパンチになりうる革命的映画。
青臭いほどの強烈なロマンチシズムが画面に炸裂している。

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

-

画面の中で起きている全てが凄くて驚きっぱなしの二時間。誰もが見たことがあるはずなのに誰も見たことがないものを見せられる感じ。全肯定したい。

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

-

冒頭から中盤にかけては面白いが…ドラマとしての牽引力が決定的に欠けてるように思ったのと、能面と毒草と畳みてーな要素(画面)は楽しいけど終盤のアクションがアクションしてなかったからダニエルボンドの中では>>続きを読む