寿司さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

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意図的にロングショットを入れてる周到さがある。後はカットできる(余韻で見せることができる)ところを徹底して描写していて美しい話にしてないのがエグ面白い。
政治的な映画に見えつつも佐藤健と阿部寛の関係が
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劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

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冒頭からやたらと「劇場版っぽい」嵐山を撮るカメラの動きがしんどい。ただし、田中美佐子が家に来て共にローストビーフを作るところは当然ドラマの穏やかさを取り戻していて良い。変に背伸びして浮わついた映画をド>>続きを読む

マトリックス(1999年製作の映画)

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思想ごちゃまぜ系サイバーパンク映画として革命的な出来だと思う。中2心を存分にくすぐられた映画として生涯の一本だけど再見するとちょっと恥ずかしいような…
映画館でIMAX上映をやってたので見たけどエンド
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劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

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将来の結婚契約を呪いと見るのはモチーフとしてかなり面白い。ただし、(あえてそのようにしたとはいえ)百鬼夜行の様子は『平成狸合戦ぽんぽこ』の方が数段上。
トバリを下ろして無人となった場所での百鬼夜行なん
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ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

室内でのテレビ投げたりはスラップスティックコメディみたいでおもしれーけど、『アイアンマン2』みたいに味方同士で闘ってるシーンがムチャ苦手だったこともあってあんまり刺さらなかった。
「力を持ったヒーロー
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

政治的とか云々差し引いて『デスプルーフ』並の大復讐映画になってて最高。
プロットだけ見ると愛する幼馴染を無くして時が止まった主人公の復讐劇なのに、意図的に主人公を露悪的な姿でも描くことや、(悪い意味で
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偶然と想像(2021年製作の映画)

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投げやりで破滅的な古川琴音の言動とそこにはまる男の説得力。
研究室内で交わされる言葉と意識の話で浮かび上がる自分の人生への諦めと救済。
「ごっこ」を通して語られる謝罪と融和。

物語ることで救済を描い
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

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車内で愛する(愛した)人の過去(真実)を知るという禁忌を犯す際の車内の岡田将生の顔面力。夢に出そう…。
テクストとテクストの往還、物語内物語をどれだけ咀嚼しきれてるかはわからないけど、自分には刺さりま
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

サイコーにぶっ飛んだ映画。真実を覗き込もうとする観客をのけぞらせるほどのショッキングな手術映像。そのため一瞬だけ妹と観客の反応がシンクロする瞬間があるのが面白い。
映像×アクション×ストーリーすべてが
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カポネ(2020年製作の映画)

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『クロニクル』が大好きなだけにジョシュトランクを擁護したいが圧倒的につまらないので何も言えない。「主人公の主観が曖昧で現実なのか妄想なのかワカラン」という題材は音楽や演劇、絵画では難しくて、題材自体は>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

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シャマランって個人的に日本で最も過小評価されてる監督だと思います。毎回「『シックスセンス』の監督」と題される不憫さが泣けてくる…。
シャマランの映画は怪異と出会った後にちゃんと情報収集してコミュニケー
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

シャワー室でのラブシーンもどきは、しっかりラブシーンの雰囲気だが、それを反転させるゲロがむしろこの映画の雰囲気や友情を取り戻すようなトリガーになってるのが笑えるし、ゲロにここまで価値をもたせてるのがけ>>続きを読む

トゥモロー・ウォー(2021年製作の映画)

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敵の造形はグッとくるが、軍人精神ベースで物事が進むので、理屈が大好きな文系人間の僕には徴兵から転送までのテンポの良さがストレスになってしまう。まぁこれは自分のせいだと思いますが…。
あと、ムキムキマッ
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

アバンタイトルがスターウォーズ並みにブチアガる。前作が繋がりを確認するストーリーだったのに対して、今作は断絶を確認するストーリーになっている。
ラスト、左遷先ののんびりした県北でもらったタコ飯をのんび
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エイリアン/ディレクターズ・カット(1979年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

『死霊のはらわた』(1981年)よろしく、パンドラを自ら開けてその災厄を受ける映画はたくさんある。本作もその一つだ。『vs.プレデター』のイメージなどですっかりキャラクター化されたエイリアンも、初期作>>続きを読む

透明人間(2019年製作の映画)

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透明人間の一番の魅力は何か?それは女風呂をのぞくことでもベッドに忍び込むことでもなく、その存在を知ったとしても他者に存在を証明できないことにある。その存在はディスコミュニケーションをもたらし、主人公の>>続きを読む

東京裁判(1983年製作の映画)

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映画的な面白さは少ないが作り手の真摯さは感じられる。特に対象の人物にフォーカスしすぎず距離を保った脚本と淡々とした佐藤慶のナレーションが良い。特にマッカーサーの人間性から生じているようなダブルスタンダ>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

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決定的な映画的快楽こそ無かったもしれんが「何かスクリーンの中でヤバいことが起きている」的幻惑感こそ映画の真の価値だと信じて疑わない私にとっては最高の映画体験だった。こんな(アホな)映画が腰骨に響くよう>>続きを読む

Fukushima 50(2019年製作の映画)

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試写。
注!この映画に感動した方はこのレビューを読まない方がいいです。そして鑑賞予定の方も。



非国民扱いされそうだが、このテの映画は、私が最も苦手とする映画。

終盤の道徳の教科書的かつ暴力的な
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

愁嘆場や終盤の過剰な「ドラマチックさ」は、それがサムメンデスやトーマスニューマンの作家性だとは感じつつも、ギュッと握手する掌をカメラがゆっくり追うその暴力性を静視できないのは、それが「ワンカット」とい>>続きを読む

プレデター2(1990年製作の映画)

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問答無用の超絶大傑作映画。

シュワ氏が人間をやめてプレデターに逆襲する前作も無論傑作だ。泥まみれのシュワが原始の力でプレデターを洞窟まで追いかけるシークエンス(特にシュワの光る目!ヤバすぎ!!)など
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検察側の罪人(2018年製作の映画)

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アブラでギラギラテラテラした中年のクロースアップなどの「本気度」が伝わるショットがいくつもあって、それだけで十分楽しめる。
鼻につくトレンディドラマ然としたシーンもあるものの、、それを超える見応えショ
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28日後...(2002年製作の映画)

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ダニボの秘められた大傑作映画。
プロットはいたって単純で走るゾンビも正直そんなにノレない。
ただこの映画のオモロイのはゾンビから逃走する中で挿入されるロンドンの奇妙なロングショットの数々!コレに尽きる
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ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

登場人物が対処療法的にストーリーに関与してくることと全編通してのスラップスティック感で若干辟易しかけた所で挿入される、敵からの「お前たちが驕り高ぶって新世界を作ってしまったんだ」的な原罪めいた説教。こ>>続きを読む

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(2013年製作の映画)

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あんましコーエン兄弟監督作では人気ないみたいだけど、ぬるま湯に浸かったまま体がゆっくり時間が過ぎてくみてーな謎の感触が好きなのでくりかえし何度も見ていて、ボーッと酒飲みながら見てるとなぜか泣けてくる>>続きを読む

エクス・マキナ(2015年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

SF映画特有の“非人間的(無機物的)な冷たさ”は、観る者に“近未来”を感じさせる。この映画において最も“非人間的”な要素は、無菌・無臭な環境や非現実的な照明などではなくて、文字通り“人間ばなれ”してる>>続きを読む

対馬丸-さよなら沖縄-(1982年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

小学1年生の夏、全校登校日に強制的に鑑賞を強いられた戦争映画。
本作は70分間のアニメ映画で、主人公がキャッチーな丸刈りランニング姿というなんとも牧歌的な雰囲気を醸し出しているにもかかわらず、実際は鑑
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もののけ姫(1997年製作の映画)

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アシタカがタタラ場を訪れたときにそこで生きる女性にチヤホヤされてるのを見てムカつくが、実はとても重要なシーンだと再見して気づいた。というのも、この「共にフイゴを踏む」という体験は、同時に「自分の腕/タ>>続きを読む

イップ・マン 序章(2008年製作の映画)

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震えるほど面白い最強の映画。面白すぎてもう4回見た。
カンフーアクションが神がかり的なのは言うまでもないけど、よく見るとロケーション撮影などが意外と緻密に作られてることに気づく。映画としての総合力とい
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バクマン。(2015年製作の映画)

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最強漫画雑誌(と高校生当時思ってた)週刊少年ジャンプについて2人で熱く話すところは最高だが、主人公2人を「憎めないキャラ」として描こうとする余り佐藤健も神木隆之介も爽やかに夢を追う優良男子高校生になっ>>続きを読む

クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

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ディスコミュが破滅をもたらすなんてそんな教訓めいた話もええが
ロングショットでとらえた無生物のカットをずっと見てたい、、
登場人物の(そして同時に鑑賞者の)違和が情景化されるカットを見て感じるザワつき
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キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー(2014年製作の映画)

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マッチョな体躯からくりだすパンチにキック、ラリアットで無数の敵をブッ倒しながらも自身の“不能感”に思い悩む童貞号泣映画。

守るべき・愛する国(あるいは人とも換言できる)が喪失した21世紀で、自身の力
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ナイトクローラー(2014年製作の映画)

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マイケルムーア監督『ボウリング・フォー・コロンバイン』(2002)やドリューゴダード監督『キャビン』(2011)とセットで見るべし!な暴走メディア映画(目ディア映画?)。
主人公役のジェイクギレンホー
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アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

書き出したらキリがないので少しだけ、、(注!原作ファンの妄言です)。
この映画は確かに日本で描けるゾンビ映画の臨界点を超えようとしている(実際超えているのかも)が、それはあくまで「映像」においてであり
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図書館戦争(2013年製作の映画)

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3年前に劇場で鑑賞。

思い出すたびに呪われた感情のようなものが蘇る恐ろしい映画体験。
戦時下・占領下の日本映画史について研究した人間としては表現の自由を守るために軽々と小銃や機関銃を発砲する思想に虚
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コラテラル(2004年製作の映画)

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本当に大好きで何度も何度も見返している映画(5度目?)。
演者もプロットも愛着がもてる相変わらずサイコーの映画だが、マイケルマンによるガンアクションだけの映画ではないことを先に伝えておきたい。タクシー
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