くろみまりこさんの映画レビュー・感想・評価

くろみまりこ

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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

3.5

一言であらわすならば、
『とても質の高い、打ち切り漫画(の最終話)。』

EP8を観た時点で、今作をまともな作品にするのは物理的に無理(もしくは4時間尺をとる)と誰しもが思っていた中、時間内によくここ
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何者(2016年製作の映画)

3.8

今年いちばん監督の熱量を感じる作品。

想像と創造の映画。
そして人間賛歌だと感じた。
建前、虚栄、偽装、演技、そして本音、全てが人間の想像力を起因とする。それは時におそろしくもあり、愛おしくもある。
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少女(2016年製作の映画)

3.0

(映画鑑賞後に原作読了)

悪くない映画だと思うが、脚本が少々力不足だなぁと感じた惜しい作品。

予告からは、心に闇を抱えた少女二人の閉塞的な世界を描いたものと受け止ったが、どちらかといえばひと夏の友
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SCOOP!(2016年製作の映画)

1.5

(原作映画は未鑑賞です)

大根監督の前作『バクマン』が昨年のマイベスト邦画だったので凄く期待していたのですが、本当に酷い出来で心底がっかりしました。

登場人物すべての思考、発言、行動がもれなく破綻
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世界から猫が消えたなら(2015年製作の映画)

1.9

今年暫定ワースト1位。

退屈という名の拷問を受けた。
映画ではなく、映画のような何か。
海に行きたかったのにとても雰囲気の良い波のプールに着いてしまった感じ。
そして無駄なファイトクラブ、無駄なメト
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君の名は。(2016年製作の映画)

3.3

決して退屈な映画ではないのだが、観る側の脳内補完力が試される作品だった。
主人公二人の恋愛、彗星事故、家族関係、あらゆる面においての"過程"のストーリーテリングが中途半端に省かれ、美しい絵面と歌詞付き
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アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

2.1

ゾンビ映画は、『日常が崩壊し非日常が生まれる混乱』と『ゾンビの気持ち悪さ』が最重要点だと思う。もしかしたら、どんなに陳腐なストーリーでもこの二点さえ素晴らしければよくできたゾンビ映画として評価できるの>>続きを読む

ズートピア(2016年製作の映画)

4.5

まさかの今年の暫定ベスト映画。(しかもぶっちぎりで。)
今年中にこれを越える作品に出会える気がしないレベルの傑作。私のなかでディズニー長編3D映画のダントツ1位な作品になりました。予告映像がパッとしな
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レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

3.8

まだ鑑賞していない人に向けてこれだけは言いたい。それは、『愛は死んだ。憎しみだけが生きている。』という宣伝文句を頭から完全に排除しておくのがおすすめだということ。なぜならまったくといって良いほどトンチ>>続きを読む

小さな悪の華(1970年製作の映画)

2.5

児童ポルノギリギリな上映禁止映画。
同じフランスの少女映画でいうと『エコール』ほどロリロリではなく、『ヴィオレッタ』ほどマセてはいないという感じ。子供でも大人でもない娘たちが映画全編にわたって"発育"
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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

4.0

料理映画でもあるし、親子の絆を描いた家族映画でもある、またロードムービーでもあるし、声を出して笑えるようなコメディ要素や役者が音楽にノリノリになるミュージカル要素もある。そして主人公や息子の成長譚でも>>続きを読む

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

4.7

「今まで見ずに生きてきてごめんなさい!」
というのが初めて見た時の率直な感想。
それはもう、この映画の存在を知らなかった今までの自分の人生全てを呪うレベル。

はじめから終わりまで全てのカットが5億点
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ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

3.4

広告がうたうようなミステリーではないし、エンタメでもないし、泥沼な映画。

オープニングの長回しが最高。長尺映画だからこそできる贅沢な時間の使い方が良かった。序盤の会話劇が面白すぎてもっと見ていたいと
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あなたへ(2012年製作の映画)

3.3

田中裕子さんが大好きな自分にとってはたまらない作品。
自然な演技だとか憑依だとか役者に対する褒め言葉って色々あるけれど、ただ"いる"というたたずまいだけでそのキャラクターが生きてきた人生やら経験やら全
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午後の網目(1943年製作の映画)

4.8

ベスト級に好きな映画。
美大の授業で見て当時衝撃受けたのを覚えてる。
やっぱりこういった、想像させる余地のある作品がいちばん好きだなぁ。
尺2倍でも見たい。

反撥(1964年製作の映画)

3.8

(気が狂れた) ×(美女)=(視覚的快感)
の公式を堪能できる作品。
主役が美形じゃないとそのうちどうでもよくなってきてしまうので、キャロル役のカトリーヌ=ドヌーヴの力は非常に大きい。

主観ショッ
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0.5ミリ(2014年製作の映画)

2.0

気色悪かったです。
大きな声で「私はこの映画が嫌いだ!」と言いたくなったのは久々でした。

起こること全てがただおそろしい。
スーパー介護士さわちゃんはあらゆる老人の心を開く力を持った天使のように描か
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

3.8

『ただの寓話。(※ただし鑑賞後しばらく席を立てなくなるような)』という感じ。
ラストカットの重みのせいもあるだろう。

映画は創作物だ。
それはコメディだろうがドキュメンタリーだろうがフィクションノン
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桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

3.9

「わー!からっぽだ!」
と、清々しいまでに感じる作品。(褒めてます)

桐島君は出てこないのだけれど、"不在の主役の謎が、脇役によって徐々に浮き彫りにされていく"という話では全くない。どちらかというと
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ちはやふる 上の句(2016年製作の映画)

-

ごめんなさい。久々に映画館で寝てしまいました。
競技かるたのシーンは役者陣のフォームの格好良さもありさすがに見所があったのだけれど、序盤の学校生活や恋模様、幼少期の回想シーンなどが映像として魅力に欠け
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2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

3.7

子供の頃、よく自宅のリビングで流れていた映画のひとつ。
宇宙映画というと派手な音楽や効果音をもちいたり、トラブルや異星人襲来でドタバタパニックが起こるようなイメージしかなかった当時の私にとって、ひたす
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セッション(2014年製作の映画)

3.9

ラストの10分が素晴らしいとされる映画。
結論から言うとあの終わり方は私には合わなかった。
というより、どうしてもモヤッとした後味が残ってしまい、手放しでラストシーンに盛り上がることができなかったこと
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ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

3.6

獲物を狩り、己の欲を満たし、自分に見合うメスを獲得。力のあるボスは仲間に技を伝授し、次第にそれは巨大な群れとなっていく。。まさに野生肉食獣の弱肉強食世界を描いているかのような映画。あらゆるものが手に入>>続きを読む

スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年製作の映画)

4.3

原点回帰の傑作であるように思う。
また、『オーソドックスであるからこそ新しい試みや旧作ファンサービスが生き、最も気持ちよくうつるのだ』ということがあらためて感じられる作品だった。

特に素晴らしかった
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アーロと少年(2015年製作の映画)

3.2

いろいろな友達・相棒のかたちがあるけれど、この作品の主人公であるアーロとスポットの友情関係は例えるならば人間の子供と飼い犬との間にあるものとよく似ている。その特殊で微妙な関係性をそのままのモチーフで物>>続きを読む

渇き。(2013年製作の映画)

3.0

題材が題材なため、はじめから終わりまで緩まない過激なテンションに疲れてしまう人が続出するような作品。
しかし、その勢いが衰えない"ハイ"なテンション、現実では起こりえないような"ブッ飛んだ"登場人物と
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ディバイナー 戦禍に光を求めて(2014年製作の映画)

2.3

超能力スーパーお父ちゃんの息子をたずねて三千里的な話。
ダウジングで井戸を掘り当てる要領で息子たちが戦っていたまさにその場所をピンポイントで当てるそのさまは、いくら親子だからといって第六感を超えている
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オデッセイ(2015年製作の映画)

4.0

2015年の2大『行って帰ってくる物語』、要するにマッドマックスとオデッセイのことなのだけれど。

"しなくても良い系詐欺"トレーラーのせいで結構絶望描写強めのサバイバルなのかなと身構えていたがそんな
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.3

スパイスたっぷりのアツアツチキンにかぶりつきながら鑑賞したい映画No.1。映画館の中が砂埃臭く感じるような迫力。
序盤の砦の群衆シーンから度肝を抜かれた。VFXを多用しているとはいえ説得力のあるアナロ
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女が眠る時(2016年製作の映画)

2.0

「どう撮るか」でわかりやすく語っていたのでそこまで特に難解な映画というわけでもない。意味もない寄りやカットの繋ぎが気になった。静かすぎるのは意図なのだろうけど、画面の魅力に欠けていたので結果印象に残る>>続きを読む

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

4.5

風刺映画。
政治への、暴力への、社会への、親子への批判が散りばめられていてそれらはシリアスとは真逆の方向で演出される。コメディでもギャグでもない作為的コミカル映画、なのに気取ったりオシャレぶらないから
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千年女優(2001年製作の映画)

3.5

最後の一言のためにある映画。

飛び立つ千代子、そして平沢進のロタティオン。もうこれだけでファンとしてはお腹いっぱいな作品。ここまで潔くクレジットに入る映画はなかなかないと思う。
語り手の虚構に現実世
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ヘアスプレー(2007年製作の映画)

2.9

別のことしながら気軽にミュージカル映画見たいなって時に向いてる映画。
登場人物が可愛らしくて微笑ましい。
ストーリーは、特に終盤はとんとん拍子。楽曲も繰り返し見たり鑑賞後に口ずさみたくなるようなものも
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.2

マッチョ・ポルノだなんて言われる理由もわかる。とにかく男臭い。女々しさを微塵も感じさせない映画、だからこそラストシーンのさっぱりとしたロマンスが潔く気持ちよく思える。そこがまた良い。
ストーリーを考え
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メトロポリス(1927年製作の映画)

5.0

生涯、これを超える映画に出会える気がしない。

アーティスト(2011年製作の映画)

3.0

別にこの映画は、モノクロサイレントでしか表現できないような理由があるわけでもなく、そういった実験的な映画でもない。ましてや撮影はデジタルでモノクロはエフェクト。ただただ「昔ふう」をやってるだけなのだ。>>続きを読む