詩だ。
画面を横切る役者に合わせたトラッキングショットが隠喩に満ちている。横に平行移動するとき、カメラは必ず障子や簾など宿の境界を過る。そのことにより、各々の宿泊客たちが形成する空間(すなわち関係性、>>続きを読む
原作は『シグルイ』の南條範夫。現代の刺激に慣れた眼にはさほど「残酷」でもなく、後半からは冗長さを覚える。ただ、批判的な視点から侍とサラリーマンを類推する点は偉い。
記憶をめぐるベルクソン風物語かと思いきや、早い段階で思弁SFに雪崩れ込んでいく
これが映画だ。グリフィスもシュトロハイムも、ある場面を撮りたいがために途方もない金と情熱を傾けた。古典映画が持っていた気宇壮大な野心は、そのままフィツカラルドの事業熱と重なる。フィツカラルドはヘルツォ>>続きを読む
神は奇跡をもたらすが、奇跡を起こすのは人の努力。奇跡は人の努力が起こすが、奇跡をもたらすのは神である。実は三度の奇跡が起きており、そのたびに泣いた。
加点:これまで観てきた映画で五指に入る雨の表現
減点:いくらメロドラマとはいえ男がバカすぎる。会話がごちゃごちゃしていて鬱陶しい(ジャック・プレヴェールが書いているらしい。原語ならわかりやすいのか?)>>続きを読む
プロットが複雑すぎて終盤で主要人物の背景の記憶が薄れてきた。名和宏の死に際がかっこいい。
赤ちゃんの堂に入った演技。母子は死体の山に守り抜かれる(しかし序盤では奇襲を受けたネイティブにも赤ちゃんがいることが示されている)。集団戦闘の戦況を把握するための超ロングショットが、現代でやれば退屈し>>続きを読む
見世物小屋・催眠術・陰謀論の三拍子が揃っている時点で特定の研究分野の方々が食いつきそう(もうやられているか?)。ましてやそれがドイツ表現主義の代表作と言われているという。作品自体のクオリティもさまざま>>続きを読む
「不変の海」と同じく、不帰の男を待ち続ける海の女の物語。ただ「不変の海」が見せた見事なクロスカッティングがこの頃はまだなく、そのせいか深い感動はない。素朴な疑問として、グリフィスお好みの海のメロドラマ>>続きを読む
人間の愚行をロバの眼で見ている。ロバの眼はすなわち末期の眼である。