犬さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

犬

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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.3

4回目の鑑賞でした。やはり、心臓が痛くなる傑作。

サイコスリラーだけど、テーマは「アイデンティティ」なんだろうな。

アイドルという偶像も、女優という虚像も、勝手に崇められ、歪められていく。未麻自身
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.8

「天才は何やっても許される時代」に終焉を告げる映画だった。

クラシックと今作の予備知識は全くなく鑑賞したため、序盤の主人公との会話がやや退屈に思えてしまった。

しかし、全部伏線だった。複数回鑑賞す
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セッション(2014年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

今作は私のオールタイムベストなので、レビュー以下の評論かぶれ拙文を残しておきます。書かないと情緒が治らないのよ。

これは「孤独な人間が居場所を守る映画」だ。

主人公のニーマンは有名音楽大学でジャズ
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キャバレー(1972年製作の映画)

4.5

ここまでの傑作だとは思わなかった。予備知識無く鑑賞してよかった。

舞台は1931年のドイツ・ベルリン。(この時点で勘の良い方は気づくかも)

男女5人の恋愛模様にキャバレーのステージシーンが挿入され
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レイジング・ブル(1980年製作の映画)

3.6

デニーロの増減量やファイトシーンは圧巻。モノクロの映像も素晴らしかった。最終戦は特に美しかったぁ

「弱い犬ほどよく吠える」とはよく言ったもので、あの闘争心は執着心からだろうな。でも、それが主人公の強
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

4.0

サブカルの巣窟大学にいた頃、先輩から「見ていないのが信じられないが、今見ていないなら一生見るな」と言われていた作品が2つある。

1つ目はエヴァ。大人になってから見て拗らせると面倒臭いから。

2つ目
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ショーシャンクの空に(1994年製作の映画)

3.8

今更ながら初めて見た。

囚人たちの心温まるヒューマンドラマ、と思って見ていたら、ラストで「あれまぁ〜」と思った。知力と希望の物語かと思いきや、忍耐力の話だったのね。

個人的にはちょっと、もう少しク
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メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

3.7

「案外、ひとは優しいものだよ」と思わせてくれる作品だった。

好きなものを通じて人のつながり、世界が広がり、自分が見えてくる。壮大なテーマに見えるけど、それが終始縁側で描かれるのがいい。

宮本信子さ
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サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)

3.6

王道、ベタを詰めた映画だった。
でもこういうのって、いいよね。
和製スタンドバイミーを作りたかったんだなぁって節々から感じる。

ノスタルジーと人情噺で構成されるので、老若男女問わず楽しく見られると思
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流浪の月(2022年製作の映画)

3.9

原作は未読でしゅ。
見る人の倫理観と想像力が試される作品だった。

共依存か、高純度の愛と捉えるかで評価が分かれそう。

私はどちらにも振り切らなかった。そのために、全力で感情移入はできないが、登場人
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

2.2

このレビューはネタバレを含みます

あまり刺さらなかった……セカイ系が苦手なだけかもしれない。

しかし、良かった点もたくさんあった。

登場人物は皆個性的で「閉じ師」という設定も面白かった。地震で歪んでしまうと2度と開かない扉からミミ
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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

4.3

いい作品だった。老若男女問わずみんな見てほしい。

最初は主人公のドライさがなんとなく受け付けなかったけど、それも自分のエゴだった。猛省した。

何かが起こった時、すぐに感情が湧き上がるかはか人それぞ
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.8

主人公が自分と真逆のタイプで面白かった。他人の人生を感じられるのって映画の面白さだよね。

ユリヤは「なんかちゃう!」って思えたらひらりとかわせる。いろんな人と出逢っていろんなことをする。人生の色彩が
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

3.1

結論 : おいらはとことん春樹と相性が悪い。

突き詰めるとこの結果に落ち着いてしまうなぁ……原作は読んでいたけれどほぼ別物だった。読書量はそこそこだと自負してるけど、村上春樹はなぜかハマらず今に至る
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サタデー・ナイト・フィーバー(1977年製作の映画)

2.5

女性や人種蔑視がキツかった……
当時はこれがスルーされていたのか……
お父さんも「皿は女に下げさせろ」とか普通に言うし、レイプもあるし、胸糞でした……

そんな狭い世界からの脱却を描いているんだけど、
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オール・ザット・ジャズ(1979年製作の映画)

4.0

10年ぶりに再鑑賞しました。

歌とダンスは今見ても鮮やかでかっこよかったけど、こんなに人間ドラマが描かれていたんだね……元奥さんが本当にいい女だった。彼のことを知り尽くしているから、彼がとりそうな行
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ロスバンド(2018年製作の映画)

3.8

嫌な笑いがひとつもなく、バンドメンバーの友情にほろりとさせられる。子どもできたら一緒に見たい、そんな映画。

PG12だけど、ちょっとした法律違反があるため? ジェネラルでよさそう。

登場人物全員に
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ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!(2018年製作の映画)

4.0

登場人物がほとんど偏差値5で最高でした。

何も考えずに見られるし、劇場でも笑いが起こっててよかった! メタルはもちろん、音楽好きな人はもっと楽しめると思う。

ユンキ推しとしてはよかったねえええとな
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

3.7

お金って全てを狂わせるのね……

賢くはないけど野心だけで上り詰めるパトリツィアがおろかわいい

完全ないい人、悪い人が出てこないのもリアリティあって面白かった。

一生ご縁がないブランドだろうけどね

『犬鳴村』恐怖回避ばーじょん 劇場版(2020年製作の映画)

1.0

付き合いで見たけど寝てしまいました……
確かに怖くはないけど面白くもない……
ベロベロに酔った深夜2時に見たらちょうどいいかも
途中出てくるこぎたんかわいい。わん!

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.7

『万引き家族』よりも鑑賞後の心地は良かった。
登場人物のバックボーンが台詞から透けて見えて、説明臭くないのに人物像が浮かびあがる。
洗車のシーンと遊園地のシーンはうるうるしてしまったし、この時間がずっ
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.0

映画館かヘッドホンでの鑑賞をお勧めしたい傑作。音作りはもちろんだけど、登場人物全員の心が繊細に描かれていました。 

序盤、自暴自棄になるルーベンの姿には胸が痛むし、途中の穏やかな表情には、こちらも微
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ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

3.6

途中から誰も信じられなくなったけど、鑑賞後「ごめんねええええ」って謝りたい人が1人、2人……
伏線の張り方も無理がなく、回収の仕方は鮮やか。
きっとマチューは類い稀なる聴覚の持ち主ではなく、夢破れても
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.8

これあれだ、たまに出会う、グロくも胸糞でもないのに複数回見られない類の良作だ……胸苦しくなって眠れなくなるやつ……(時をかける少女』と『ララランド』がそう)

思いは言葉にしないといけないんだね……怖
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.4

キラキラ邦画かなぁと思って見たのですが、評判を信じて劇場へ。ちゃんとしっかり面白かったです。ごめんなさい。

娯楽全振りではあるけど、クリエイターの描き方がしっかりしてて、アニメに詳しくなくても楽しめ
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彼女が好きなものは(2021年製作の映画)

3.7

こんなに泣くとは思わず……

当人が見たらどうなのかわからないけれど、10代の真っ直ぐすぎて鋭利になった感情が突き刺さってきた。

誠さんって名前が皮肉ね。
でもこういう、ずるくて色気のある男の人にと
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ひらいて(2021年製作の映画)

3.8

綿矢りさワールドが完全に映画化されてて素晴らしかった。

ひび割れた強化ガラスみたいな愛ちゃん。憐れみつつも愛おしく思ってしまう。

たとえと美雪はあまりにも美しすぎて、欲望むき出し、人間臭さ丸出しの
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名付けようのない踊り(2022年製作の映画)

3.2

踊りの迫力は凄まじい
でも、私にはちょっと早すぎたようで……
田中泯さんが飼う動物の中に、私とと同じ名前の子がいて笑ってしまった
タイトルよかった

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

3.2

楽曲知らなくても楽しめました。
やや中弛みするのは拭えないけど、シンプルな舞台装置が良き。表現の根本を見た気がします。
選挙行こう。

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

3.4

ジュリーって色っぺぇんだな

沢田研二がいわゆるアイドルって頃の姿は初めて見ました。

憂いがある俳優さんって、今ではあんまりいないけど、極地を見た気がする。

終盤は元気すぎな映画だったけど、緊張感
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

2.6

ルビー、お前フレッチャー先生に会え

歌うことが好きなのはわかった。宙に浮かんで胸がいっぱいになるのもわかった。ただ「なぜ歌なのか」が見えない。

酷なことをと申し上げるが、芸術を志す者は「家族を捨て
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オールド・ボーイ 4K(2003年製作の映画)

4.2

やや甘いミステリーであり完璧な復讐劇

最初に、この映画をおすすめしない方は、

•ミステリーにおいてはノックスの十戒を遵守してほしい方
•直接的でなくてもグロ描写が苦手な方
•生物としてのタコが大好
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BELUSHI ベルーシ(2020年製作の映画)

3.4

薬物のナイフで命を削り生きた人

予告編で食指が動き鑑賞しました。しかし、本編は予告以上に良作でした。

ジョン・ベルーシは『ブルース・ブラザース』の小太りの方、くらいの前知識しかありません。一応Z世
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