久しぶりに『イレイザーヘッド』をレンタルで観る。というかここ二十年、二年に一回以上は観ている。そんなに需要があるなら買えばいいのだが、あの…邪悪としか言い様のない映像媒体を家に置く事が、なんとなく…厭>>続きを読む
『容疑者X』…
犯人は天才数学者でした。
数学を好きだ、というよりも数学を愛し、宇宙すべてのなりたちを数式のフォーマットで捉え、ゆえに《こころ》というものも数式定理に収斂していく…それが、彼の世>>続きを読む
父親は彼女が物心がついた頃には押しも押されぬハリウッドの大スターだった。
彼女が思春期に差し掛かった10代のときに彼女の母親は、夫の度重なる不倫に精神を病み、自殺してしまう。
彼女は父親を憎み、芸>>続きを読む
失恋したときの、あの気持ちってとんでもなくないですか?
初めて出会って好きになってしまって…デートの約束を取り付ける。
待ち合わせをして、お茶をして、映画を観て、食事をして公園を散歩する。
最>>続きを読む
TSUTAYAにてBlu-rayディスクが二枚、3000円で販売していてます。
先日、『未知との遭遇』と『2001年宇宙の旅』を買いました。
古今東西…素晴らしい映画を語り出せば一日じゃ足らんでし>>続きを読む
パニック映画というジャンルが華やかしい時代があった。ポセイドンアドベンチャーをはじめ、タワーリングインフェルノ、ジョーズ、エアポートシリーズ、大地震などがそうである。これらの作品はアメリカンニューシネ>>続きを読む
イラクのとある市街地。
イラクの便衣兵の攻撃から自軍の安全を確保するべくビルの屋上からスコープを覗き込むクリス・カイル。
彼こそ”伝説”と仲間内から敬意をもって称される凄腕スナイパーだ。
自軍の車両>>続きを読む
この映画の作者であるジョン・ヒューズは90年代にあの「ホームアローン」を製作してバブリーな映画人になってしまったがそれ以前は、小粒ながら正統な青春ものを撮らせたら右に出る者はいない、映画作家だった。>>続きを読む
イザベル・アジャーニの、あらゆる粘液垂れ流しで狂いまくる土方巽ばりの”前衛ダンス”や、カルロ・ランバルディ作によるグチャグチャのクリーチャーばかりが取り沙汰される本作ですが、実はこれ、グロテスクな心>>続きを読む
あまねく”推理”というものが、無限後退する過程を(百科全書的に)描き尽くすことによって、ミステリというジャンルが抱える全ての属性を相対化させ、解体してしまったのが、中井英夫の「虚無への供物」、あるいは>>続きを読む
ロッキー・バルボアは実在の人物です…
もう、それでいいんじゃないでしょうか。
スクリーンに映ってない今も、レストラン”エイドリアンズ”に食材をバンから降ろしたり、イースターでは仲間たちに囲まれてお>>続きを読む
退屈でした(;^_^A
物語に起伏が無い、とか…そんなことでは決してありません。
…昔、演出手法について武市好古氏が”インヴォルブ”と”スポンタニティ”という2つの言葉によって表現していたことを思>>続きを読む
まずは、原作を書いた宮部みゆきについて…
1989年のデビュー作「パーフェクトブルー」こそ地味な印象のミステリだったが、次作の「魔術はささやく」から宮部みゆきのストーリーテラーとしての資質は早くも開>>続きを読む
見終わったて思ったのは、あー、これって紛れもなく庵野秀明のゴジラやなぁってことでした。
俺がエバンゲリオンを観始めたきっかけは長男がハマっていたのに便乗しただけの理由でして、それ以前のガンダムやイデオ>>続きを読む
「ロ~ガ~ン (ಗдಗ。)」「おぉ…ウルヴァリン」「ヒュー・ジャックマンがぁぁ」
なんか羨ましいなー、えーなー、と訳の分からん嫉妬の灯を心の暗黒面にメラメラ燃やしながら、マイミクさんをはじめ、ブロ>>続きを読む
アメリカ映画史上、最悪とされる問題作。以下の文は町山智浩氏のWOWOW映画塾からの、ほぼ引用に拠っています。
これを書こうと思ったのは今まで本作の持つ本当のテーマを俺自身、完全に読み違えていたこと、>>続きを読む
9・11の無差別テロで最愛の父親を失った11才のオスカー少年。
父親の遺体は行方不明のまま形だけ荼毘に付されます。
父親の死を実感できず、元々持っていた神経症的な気質にPSDも手伝って、かれは極度>>続きを読む
この映画は一本のマッチからはじまる。
煙草を吸おうとするがジッポのオイルが切れて四苦八苦してるマックス(ジーンハックマン)にライオン(アルパチーノ)が自分の最後のマッチをか弱い雛を抱えるように掌で守り>>続きを読む
一応、ピンク映画の括りにはなっているが性描写に特化した作品ではない。ジャンルとしたらハードボイルドのそれに近いでしょう。しかもこの作品は実験映画のようでもある。
ストーリーラインは極めて単純なものだ。>>続きを読む
まだ、敗戦後の佇まいを色濃く残している、釜ヶ崎の風景にまず圧倒される。
70年代の同じ舞台を活写した、「色情めす市場」のアンニュイで頽廃的な昭和に比べても、その差は歴然としている。
60年安保や学生運>>続きを読む
追悼のざわめきを観た。かなり構えて観たが、扱っている題材が、えげつない割にはすんなり観れた。マネキンに殺した女の内蔵を埋め込み愛撫する男、小人症の兄妹、差別、偏見、近親相姦、さらには、ハンニバルまで、>>続きを読む
大阪は西成の釜ヶ崎(今で言うあいりん地区)での話。
何が凄いといえば、まずこの日本最大のドヤ街、釜ヶ崎でオールロケを敢行したという点だ。戦場は別にしてこれ程危険な土地はないだろう。まぁ、普通に歩く分に>>続きを読む
ウディアレンの作品は大雑把に分けて二通りあるのは、ご存知の通り。
コメディか、シリアスかのジャンルの違い。
或いは、ファンタジーかそうでないかのフォルムの違い、そしてこれから俺が書きたい、オチのつけ>>続きを読む
着眼点は悪くない。ただ設定自体は目新しいものではなく、最近でも日本映画で同じような設定による物語がつくられているし、ずっと時代を遡れば1972年にウディアレンが、「誰でも知りたがっているくせにちょっと>>続きを読む
「川の岸辺にカエルが一匹、向こう岸を見て佇んでいました。そこへ一匹のサソリがやって来ます。『やぁ、カエル君、向こう岸に渡るんだろ?だったら僕も背中に乗せて一緒に連れて行ってくれないかなぁ』。『え>>続きを読む
物語は、二人のゲイのカップルが、ヒョンなことからある一人のダウン症の少年と出会い、彼の保護者として3人で生活していくところから始まる。
この、3人で構成された擬似家族は深い絆で結ばれ、幸福に満ちた日々>>続きを読む
「ジュラシックワールド」。
シノプシスは1993年に公開された「ジュラシックパーク」となんら変わるところがない。
所謂リブートという体の”新作”である。
故に観客は第1作から22年経った今、前作に比>>続きを読む
画面作りに於いては、ここにきて細田守は宮崎駿とは違うディメンションで肩を並べれるまでに至ったように感じた。
遠景やモブシーンなどマクロな描写は大友克洋の漫画のような緻密さでディテールの全てに命が吹き込>>続きを読む
「戦場のピアニスト」「オリバーツイスト」「ゴーストライター」という大作が続いたあとに、ちょっとした骨休めとして作られたバガテルといった趣きでしょうか。
しかし題材が題材なだけに、ニューロティックでケレ>>続きを読む
『ニンゲンは犬に喰われるほど、自由だ。』…とは俺の好きな写真家・藤原新也の『メメント・モリ』に載っている、実際ガンジスの砂州に打ち上げられた人間の死体を貪っている写真につけられた、キャプションである。>>続きを読む
生き方には二通りの生き方がある…というモノローグから映画は始まる。
他者より優位に立ち全ての頂点を目指す生き方。
自然の恩寵を感謝の気持ちで謙虚に受け入れる生き方。
映画はやがて、テキサスの>>続きを読む
大手保険会社の重役を勤め上げた、定年後の男の喪失と再生の物語。
お話はベルイマンの『野いちご』を踏襲しており、生きがいを無くし40年連れ添った妻にも先立たれた失意の男が、妻とセカンドライフを楽しむた>>続きを読む
ヌーベルバーグを横目でスルーしていた映画青年期やったけどトリュフォーの『アメリカの夜』とクロード・ルルーシュの『男と女』だけは何回も観た。
特に『男と女』。
映画と一体化したいくらいに甘くて柔らかく>>続きを読む
どんな言葉をもってしても尻尾すらつかめない映画というものが存在する。
『あの夏、いちばん静かな海。』
ただただ、美しい、新しい、素晴らしい…
俺はこの映画について語るべき言葉を知らない…という>>続きを読む
『ブロードキャストニュース』。
本当に素晴らしい作品です。ニュース制作現場における個性の異なる三人の生きざまを描いているのだか、ディレクター役のホリー・ハンターがムチャクチャいい。
確かな教養に裏>>続きを読む
マーティン・スコセッシ…
現役のアメリカにおける映画作家の巨匠のひとり…はどう考えても買いかぶりやと…[i:163]
今だに『タクシードライバー』が代表作として挙げられるのは、その後のフィルモ>>続きを読む