ウディ・アレンの最高作は『マンハッタン』でも『アニーホール』でもなく俺は『ハンナとその姉妹』やと思っているが、いちばん好きな作品はというと、これがまた別で、『カイロと紫のバラ』なのだ。
映画好きな>>続きを読む
最高に安っぽいドラマやった。
盛り上げるプロットをあちこちにちりばめて置きながら何も回収されることもなく無様な男が無様なまま取り残されて画面はフェイドアウトする。
ミリオンダラーベイビーのイ>>続きを読む
脚色が良く練られた、見本のような作品。
香山リカは言う…自我同一性確立の危機に正面から立ち向かわなくても済む、日本女性のライフスタイルに於いては、それで足りない『何か』なんて莫大な苦労や葛藤と引き替>>続きを読む
テキサスはダラスに生まれ育ち、電気工として働くロン・ウッドルーフはテンガロンハットにトニーラマのブーツ、でっかいバックルのベルトで締めたブーツカットのジーンズにウエスタンシャツをインした、いで立ちで一>>続きを読む
1984年のロスアンゼルスオリンピックのレスリングで金メダルを取った、性格の対照的な兄弟と、彼らのスポンサーである財閥のお坊ちゃんの、事実に基づいた愛憎劇とその先に待つ悲劇を丹念に丹念に描き切った傑作>>続きを読む
まずは、この映画の舞台となるインドネシアの現代史をざっくりと…
第二次世界戦後、オランダ領にあったインドネシアをスカルノが国家としての独立を達成し、同国の初代大統領となる。
しかし、革命によって生み>>続きを読む
俺は根っからの野球好きでして、プレーそのものを観ることはもちろん、野球にまつわる様々なエピソードを拾い集めるのも俺の趣味の一つでもありました(ちなみにプレーヤーとしての俺はと言いますと少年野球時代から>>続きを読む
9時間に及ぶホロコースト・ドキュメンタリー映画「ショアー」の作者、クロード・ランズマンは、自作を次のように位置づけております。
「自分の映画はスピルバーグの商業主義的ホロコースト映画『シンドラーのリ>>続きを読む
これはジェンダーという、人間にとって最も原初的なアイデンティティが”近代”に”殺される”悲劇の物語だと、思うわけですが、ほぼ同時期に観た「イミテーションゲーム」(今年の暫定ベスト・ムービー)も、通底に>>続きを読む
老夫婦が主役の映画って、昔から好きなんですよ。
古くは「黄昏」、最近では「愛・アムール」なんてところでしょうか…
夫婦を演じるのが思い入れのある役者なら尚更です。
彼らのキャリア、そして彼らが生き抜>>続きを読む
今更、このジャンル映画に、世相をメタファとして反映させるという、「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」から始まった一連の”ゾンビ映画”規格を絶対視する、ジョージ・A・ロメロ原理主義を標榜するつもりはあり>>続きを読む
「夕凪の街 桜の国」を初めて読んで以来、こうの史代さんの新著はあらかた読ませて頂いてます。
「この世界の片隅に」が三巻の単行本にまとめられたものを手にした時…作者は遂にヒロシマを真っ向から描こうとし>>続きを読む
高度に発達した、AIに感情的思考ができるか否か…
そんなもん、出来るに決まってるやん…と、これはもう、ジャイアントロボが、草間大作少年の”戻れ!ジャイアントロボ[m:76]”という命令を無視し、自己>>続きを読む
あれっ?今年のアカデミー作品賞、なんだっけ?…と、調べましたらコレやったんですね~。
ノミネート作品を見てたら、この中じゃブッチギリで「マッド・マックス・怒りのデスロード」やろー、と思うわけですが…>>続きを読む
「世の中には2種類の人間がいる、ひとつは…」ってフレーズ、たま~に映画や小説なんかで出会いますよね。
「騙すヤツと騙されるヤツ」なんて、imidasとか知恵蔵にも載ってそうな…最早、慣用句と化したお馴>>続きを読む
…本作はいわゆるドキュメンタリー・タッチで撮られているわけですが、よくよく見れば構図やカメラ・ワーク、そして編集がハリウッド的なんですね。
16ミリのザラついたフィルムを更にブローアップしてボケボケ感>>続きを読む
実に骨太でリッチ感満載の”日本映画”でした。
まずは音。
劇伴を極力使用せず、ひぐらしの鳴く声、川のせせらぎ、火がはぜる音、生い茂る葉に風が孕む音、波が受刑者たちを洗う音、同じく逆さ吊りにされた受>>続きを読む
この作品を観終わって、まず思ったのは、コレかなり危険な映画やなぁ~ってことでした。
色のコントラストが、いわゆるネーチャーモノに見られるようなパキッとしたものでなく、明らかにテレンス・マリック映画に>>続きを読む
書きたいことは山ほどあるけど。。。
いちばんのツボを一つだけ…
ベルの父親役….
まぁアニメ版を踏襲するなら、同じ出演者の中でもイアン・マッケランのような、好々爺…と思うところに、永遠の万年青年>>続きを読む
去年は日本アニメーションの当たり年だったようで、本作も良作としてのポジションを得ているようです。
これって典型的なスクラップ&ビルド…死と再生の物語ですね。
ただ、問題は主人公の、精神的な聾唖~自>>続きを読む
…ウディ・アレンはその膨大なフィルモグラフィーの中から「マッチポイント」を自身の選ぶ最高作に位置づけております。
「アニーホール」でも「マンハッタン」でも「ハンナとその姉妹」でもないんですね。
何>>続きを読む
地味です。
ウルトラセブンとメトロン星人の卓袱台の闘いくらいに、地味です。なんなら舞台劇にしても面白いかも、と思います。
ストーリーのアウト・ラインはネットでもあちこちに挙げられているようにアーサ>>続きを読む
ま、なんとなくは分かってましたけど(俺が学生の頃に読んでた)少年ジャンプ・テイスト、フル・ストロットルな内容でしたな。
努力・友情・勇気。
反戦? キリスト教的信念?
あらへん、あらへん。あるの>>続きを読む
観て来ました、クリストファー・ノーランの最新作、「ダンケルク」。
俺のノーランに対するザックリとした印象は以下の感じです。
❶ 皆さんご存知のように、とにかくフィルムに拘る。
タ>>続きを読む
今さら、ポール・バーホーべンとはなんぞや?を…ダラダラ書き連ねるのも、しんどいので、彼の来歴やら作風などは、wikiや他の方々がお書きになられているブログに詳しいかと存じます。
…前作『ブラックブッ>>続きを読む
いつものように、セブンイレブンに炭酸水とアイコスを買いに行く気軽さで、チャリンコ5分のところにあるシネコンに、かなり早めに行って来ました。
そしていつものように、発券機から吐き出されたチケットを、写>>続きを読む
「本を読むことは野球を観ることと似ている」~とは、河本三郎氏の、何かの著書の中での言葉だったと思うんですが、その、箱庭に流れる時間の流れ方の典型がスティーブン・キングの“長編”だと…思うわけです。>>続きを読む