TakayukiMonjiさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04 真相!トイレの花子さん(2012年製作の映画)

4.0

コワスギ4作目。
“トイレの花子さん”を導入にしてるものの、完全にSFスリラーだった笑。序盤の投稿映像は心霊的なスリリングさだったが、リサーチを進めるにあたって、霊能者が出てくるあたりから、一気にタイ
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.1

スコセッシ新作を劇場で。
Netflixをたまにしか使わないので、前作「アイリッシュマン」は観てないけど、前作同様に200分超えの長編。80歳の大御所はカットすることなく、自由に作ってるんだろうな。た
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-03 人喰い河童伝説(2013年製作の映画)

3.7

コワスギ三作目。
今回は河童の目撃投稿映像から。前作の流れで工藤が入院しているくだりから、市川と田代が現地へ行く。
相変わらず、前作までに登場したものが掛け合わされる展開や、独自の河童解釈が面白かった
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いぬ(1963年製作の映画)

3.8

ハードボイルドに溢れたメルヴィル作品を久々に。アラン・ドロン主演で削ぎ落とされまくった後期のハードボイルド作品よりも、フィルムノワール作品としてど真ん中な感じ。ジャン=ポール・ベルモンドのハットとスー>>続きを読む

哀しみのトリスターナ(1970年製作の映画)

3.9

ルイス・ブニュエル監督後期の70年作。
「昼顔」と初期作品しか鑑賞したことなかったけど、「昼顔」よりもドロドロ。
ドヌーヴ27歳、純真無垢な表情の前半から、後半はずっしり擦り切れたように純真さが消え、
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夏の嵐(1954年製作の映画)

3.8

ヴィスコンティの初カラー作品。
ヴィスコンティは「山猫」しか観たことなかったけど、今作も同じくイタリア統一戦争時代、貴族社会を描く。
極上のメロドラマ。いかにも女たらしのオーストリアの軍人に惹かれてし
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ヴェルクマイスター・ハーモニー(2000年製作の映画)

4.2

「サタンタンゴ」から6年後の2000年のタル・ベーラ監督作。
“伝説前夜”と題されて、昨年特集上映されていた「ダムネーション」とは違って、まさに”伝説のその後”であり、「サタンタンゴ」で見せた完成され
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来るべき世界(1936年製作の映画)

3.8

36年のSF古典。死ぬまでに観たい1001本に紹介されているのと、先日観たアアルトのドキュメンタリー「AALTO」でもこの作品の未来世界の家具をアアルトの家具を使っているという紹介があったので気になっ>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

4.2

もうすぐ終わりそうだったので、駆け込みで出張中の京都で鑑賞。評判通り面白かった。

「グランツーリスモ」と聞くと、ゲームのイメージが強いけど、ゲーマーが本当のレーサーになるという実話で、スポ根好きには
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-02 震える幽霊(2012年製作の映画)

3.8

コワスギ2作目。
工藤のパワハラぶりが序盤から炸裂してて、めちゃくちゃ笑った。投稿者たちと廃墟訪れるシーンで、前作のあれを実現し出すの面白すぎる。
“震える幽霊”なんだけど、ユウコの謎を追う展開で、ホ
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-01 口裂け女捕獲作戦(2012年製作の映画)

3.7

気になってたシリーズ。
モキュメンタリースタイルで、「呪いのビデオ」シリーズみたいなのを制作している映像制作会社が投稿者からのビデオを検証していくスタイル。
すごいくだらないんだけど、面白かった。
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鉄路の白薔薇(1922年製作の映画)

4.0

フランスのサイレント巨編。
これまた壮大な叙情詩だった。素晴らしい。
冒頭の電車事故シーンは、最近見た中では宮崎駿の「僕たちはどう生きるのか」の冒頭の火事のシーンのような迫力、同じくサイレント映画の「
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ゴダールの決別(1993年製作の映画)

3.9

ゴダールマラソン。90年代ゴダール。
映像がとにかく美しくて好みだった。
ぼやかす演出とか、長回しの横スクロールとか、水辺の映像とか、一連のゴダール映像が昇華されている印象。物語の理解はもうそっちのけ
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ハンナとその姉妹(1986年製作の映画)

3.8

ウディ・アレン86年作。
三姉妹を中心に絡み合う男女の恋愛劇。ウディ・アレンスタンダードな一本。
元夫と現夫と姉妹間の三角関係や人間関係が程よく面白い。相変わらず妄想家の男がいっぱい出てきて、小さいコ
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

3.9

評判の良いタートルズ鑑賞。
「スパイダーマン スパイダーバース」を彷彿とさせるストリートアート的なスタイリッシュなアニメーションで、映像も音楽もセンス抜群だった。90年代のヒップホップ使う流れと、BT
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ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>(2015年製作の映画)

3.4

リブート版の第2弾。新作のタートルズの評判がすこぶる良いので、関連作ではないけど観てなかったこちらを予習。
リブート版のリアルなCG造形そのままに、今回はあのサイとイノシシと宇宙生物のクランゲが登場。
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ざくろの色(1971年製作の映画)

4.0

先日鑑賞した「火の馬」に続いて、パラジャーノフのこちらを鑑賞。
序盤から伝記ではないという断りがはいり、壮大な叙情詩を感じさせる。“我が生と魂は苦悩の中にある”というセリフが繰り返される。
全8章立て
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サンライズ(1927年製作の映画)

5.0

ムルナウ監督の1927年のサイレント映画。
「タブウ」に続いて初鑑賞だったけど、大傑作すぎた!
およそ100年前の映画とは思えない、むしろ100年前に既に映画は完成されていたのだと唸らされる大傑作だと
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ミュータント・タートルズ(2014年製作の映画)

3.5

(過去鑑賞)
ミュータントタートルズをリアルなCGの造形でリブートさせたアクション作。
夕方のテレ東でアニメが放映されてたし、「激亀忍者伝」という名のファミコンソフトの時からやってたし、親しみのある亀
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サン★ロレンツォの夜(1982年製作の映画)

3.7

ダヴィアーニ兄弟の82年作。
イタリアでは8/10の夜を「聖ロレンツォの夜」と呼んでいて、流れ星に願いをかける風習があるらしい。1944年のトスカーナ地方の小さな村が爆破予告をされて、村人たちは村から
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.1

シリーズ4作目。
前情報として120分くらいで収まってた過去作と違い、169分あるのを確認。どんだけやるんだと思ったら、「豚マシ野菜マシアブラマシニンニクマシマシ」な具合のアクション映画だった笑。すげ
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

3.9

前作のラストで四面楚歌状態になったジョン・ウィックが襲いかかる暗殺者たちから逃げまくるところから始まる。
序盤からユニークなアクションシーンがてんこ盛り。ナイフと斧の投げ合いだったり、馬の蹴り足を使っ
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悪の力(1948年製作の映画)

3.7

「苦い報酬」という邦題も付けられていたらしいが、直訳の「悪の力の方がしっくりくる。フィルムノワールの傑作ドラマとして、スコセッシのフェイバリットにも入ってるのを確認。
大きくはフィルムノワールに括られ
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大地(1930年製作の映画)

4.0

ソ連の無声映画、1930年の作品。
ウクライナにおける集団農場の始まりを描いた作品。
これはなかなかすごい作品だった。躍動感があって、幻想的な要素もあって、内面的な抒情詩的な描かれ方もされてて、骨太の
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大いなる遺産(1946年製作の映画)

3.8

その後何度か映画化もされている、「逢びき」で成功を収めたデヴィッド・リーンの46年作。原作は未読だが、ディケンズの有名な作品。
オープニングから壮大さを感じる風景のカットの連続で、その後のリーンの大作
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黒猫(1934年製作の映画)

3.6

34年作の古典スリラー。
不吉な象徴としての黒猫。夫婦が電車で居合わせた怪しい心理学者と事故にまきこまれ、これまた怪しすぎる洋館に迷い込んでいく展開。洋館に住む男がフランケンシュタインと見間違えるよう
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カラスの飼育(1975年製作の映画)

3.9

75年のスペイン映画。
「ミツバチのささやき」のアナ・トレントが主演。純粋無垢な表情の奥に危うさを感じさせる主人公アナ役を好演。「カラスの飼育」とは、カラスを育てても目をくり抜かれないように気をつけろ
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アアルト(2020年製作の映画)

4.0

美術手帖プレミアム会員限定の試写会へ一般応募して参加。コンパクトにアットホームな試写会でよかった。試写会後に、監督のトークセッション!

タイトルは、アルヴァ•アアルトではなく、「AALTO」。監督曰
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タブウ(1931年製作の映画)

3.7

F•W•ムルナウの遺作となった、31年のサイレント映画。
南太平洋のポリネシア島を舞台に撮影され、現地の島の人たちがそのまま出演しており、ドキュメンタリーの視点も持ち合わせた作品。似ている作品に、「黒
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アトランティック・シティ(1980年製作の映画)

3.5

ルイ•マルのアメリカ作品。
若きスーザン•サランドンが主演。
フレンチノワールっぽさもありつつ、クライムあり、ラブストーリーありの渋めのアメリカ映画って感じ。
主演のバート•ランカスターの哀愁はよかっ
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春画先生(2023年製作の映画)

3.5

試写会参加。
春画の世界に魅せられていく女性と春画研究家の男(春画先生)の偏愛コメディ。
春画の名画が無修正で登場し、春画の深みを探求していくような美術的なアプローチの映画を想像していたけれど、想像と
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火の馬(1964年製作の映画)

3.9

初パラジャーノフ。
「ざくろの色」が有名なのでそちらもそのうち鑑賞する。

イワンとマリチカの悲恋の物語。
民族音楽と不思議な映像が相まって、全体的にとても神々しい空気感。色々な要素が混ざり合いすぎて
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ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)(2022年製作の映画)

3.9

ゴダールドキュメンタリー鑑賞。
ゴダールマラソン中だったので、ちょうどほとんどの作品を鑑賞していたこともあり、おさらいとしても、ゴダール入門としてはわかりやすくて面白いドキュメンタリーだったと思う。
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新ドイツ零年(1991年製作の映画)

3.9

ゴダールマラソン。91年作。

ベルリンの壁崩壊後、新ドイツ零年を描く。
最も印象的な言葉、”人生における龍(ドラゴン)について”と語られるドラゴンのこと。
ドイツの歴史とこれから。社会主義の崩壊を象
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ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

3.8

またしてもやられた。U-NEXT配信終了と聞いて急いで鑑賞したが、配信終了日がいつのまにか延長してた。。まあ配信終了詐欺は全然ありがたいんだけど。

アニエス・ヴァルダのドキュメンタリー。
ゲダール通
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ヌーヴェルヴァーグ(1990年製作の映画)

4.0

ゴダールマラソン。
アラン•ドロンがゴダール作品に初出演。
90年代ゴダール突入。

人生の意味を問うような質問と、”男と女”の噛み合わないくだりなど、従来からゴダールで取り上げられてきた台詞が続くが
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