ブラウンソースハンバーグ師匠さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ブラウンソースハンバーグ師匠

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奇跡の海(1996年製作の映画)

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「地獄に落ちろ~」な葬儀も凄いけど、極端にその逆を行く唐突なラストも凄い。
夫が快方したことで、等価交換的に妻の自己犠牲が肯定されたかにみえる構図が憎たらしい……。
監督の悪魔の微笑みが透けて見えなが
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

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シリアルキラーを思い描くときのカリスマ性のある人間像と、「アングスト」で描かれていたような要領の悪い、言ってしまえばクソダサい部分とが同居してて、倫理観を無視していいなら(しちゃダメだけど)魅力的な人>>続きを読む

マンダレイ(2005年製作の映画)

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一旦「ドッグヴィル」でグレースとは友達になってしまったので、今作はミステリアスな雰囲気もなく(演者が変わったことに特にノイズも感じず)、悲劇のヒロインというメッキも剥がれてしまっている。だから同じ轍を>>続きを読む

ノクターン(1980年製作の映画)

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「エレメントオブクライム」と併せて観た。この作品とグルで俺を睡眠誘発してきたこいつらを許せない。(決して退屈だったわけではない)

エレメント・オブ・クライム(1984年製作の映画)

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この映画は映画館の真っ暗な環境で観ると、最高なコンディションで挑んでも眠ってしまうので、家で観た方がむしろ集中できた。そんな映画は今までなかった。
思ったほど、話もそこまで難解ではなかった。ヨーロッパ
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エピデミック〜伝染病(1987年製作の映画)

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画面上にタイトルロゴがずっと出ていて、それが最初はうっとうしくて、ブラウン管でゲーム起動したときの「早く消えろやビデオ2!」に似た気持ちがあったのだけど、ずっと表示されているものだから、逆に映像の暗さ>>続きを読む

ヨーロッパ(1991年製作の映画)

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あんまり凄さが分かっていないのか、この監督のフィルモグラフィとして考えるからいけないのか……リアプロとパートカラーの演出を素直に飲み込めず。リアプロに映る人間と、実際の空間での人間のやり取りという試み>>続きを読む

アンチクライスト(2009年製作の映画)

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ANTICHRIS♀でもあるし、ANTICHRIS♂でもあるこの世界を生きている私にとって、この映画は優れたセラピーでしかない(錯乱)
監督はシャルロットゲンズブールのおまんまんに親でも殺されたのだろ
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カノン(1998年製作の映画)

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カウントダウンに結構緊張させられ、言うほどの場面を見せられたときに、「ああ、こういうことが出来る奴がポーカーでのし上がっていくのか……」としみじみ思いました。

カルネ(1994年製作の映画)

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この鬱屈としたモノローグはただでさえ共感されにくいのに、そこに演出の過剰性が乗っかっているせいで、更に作品と観客とに隔絶を感じる。デン!ってSEなんなんだよ。クイズの出題音かよ。初期から遊園地みたいな>>続きを読む

クラム(1994年製作の映画)

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ポリコレを意識しても、しなくても過敏に傾こうとするシーソーみたいな現代ということもあり、このドキュメンタリーは痛烈だった。
あらすじを読んだときは、ある種の挑発行為として露悪的な手法を用いて表現する作
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

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当時の日本でどのようにこの映画が紹介されたのか、ちょっと想像しながら鑑賞。

一見ダサいものから、「格好よさ」を見出だすカルチャーへの審美眼が登場人物にあるように、イケテるVS.イケテないの単純な対立
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

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去年のソニックマニアでジェイムスブレイクを観たとき、座りながら演奏していたブレイクがおもむろに立ち上がり、軽い屈伸運動をしながらマイク片手に歌いはじめたので
「なんか軟派になっちゃったな……、この人に
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

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ディズニーとマーベルは、陽キャとは言わないまでも、「生活をそつなく回せている人のコンテンツ」と捻くれていたので、この映画に出会うのが遅すぎました。その為、実世界の人間とスパイダーバースの面白さを共有で>>続きを読む

ファニーゲーム(1997年製作の映画)

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こんな映画は不快でしかないでふ。
観客を不快にさせるのにも「誠意」が必要でふ。
すなわち、観客を不快にさせることにやる気のないこの映画がわたしはくそ不快でふ。
結局、映画というパッケージにしてしまって
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GIFT(2023年製作の映画)

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チケットがA列で「神番や!」と思っていたら、それは石橋英子の音楽ライブに限った話でした。最前列で観る大大大スクリーンはパニック映画の巨大生物に出くわしてしまったような迫力があり、もうゲボが出そうでした>>続きを読む

ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

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冒頭から、「ヤーノシュ!おそかったな!」みたいな場の空気が変わるホープ感と言い、宇宙ごっこに付き合わされるおっちゃん達の満更でもない表情と言い、「ふわぁ~、このままおっちゃんコミュニティと主人公とのブ>>続きを読む

ドッグヴィル(2003年製作の映画)

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この映画の白線の区画は、子供が木の枝で地面に線を引いて「ここ俺の陣地~」と主張するような稚拙さを感じた。だから主人公に「ここを通らないで」と本気で注意する住民はバカっぽい。真面目に白線を避けたり、跨が>>続きを読む

ドライヴ(2011年製作の映画)

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最初の逃走シーンがすごい情緒的。フルスロットル全開のカーチェイスじゃないのがエロい。その流れからのタイトルバックの画角はゲームのスタート画面みたいで完璧。男女問わず股間が濡れる。なのに後半から「え、同>>続きを読む

ドリー・ベルを覚えているかい?(1981年製作の映画)

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動物!回転体!ワイルドすぎる女!うるせえ音楽!祝祭!全部のせ!!
ビター&スウィートな成長譚ではあるけど、カカオ99%チョコぐらい苦味がくる。
自国について、プロパガンダの色を抑え、あくまで「物語」の
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LOVE【3D】(2015年製作の映画)

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カップルがくっついたり離れたりする展開や、画面いっぱいのマーフィーズロウだったりとかで「ははーん、ドラン監督の『わたしはロランス』はこれを参照したのか~」とニヤニヤしていたら、あっちの方が先でした。大>>続きを読む

エンター・ザ・ボイド(2009年製作の映画)

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本当は映画館で観たいけど、妥協してTSUTAYAで借りちゃった。

二礼二拍手一礼みたく、オープニングクレジットでキモい踊りをするのがこの映画への礼儀と聞いていたので、とりあえず関節痛になるダンスを部
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

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「創作の飽和状態」に対して、ラストシーンが主人公の回答なのだろうけど、そこに持っていくための要素がチープすぎる。軽妙さを履き違えている気がする。

土台となる青春は強引なキャラ立ちで駒みたいに動くし、
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

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滝口悠生の小説を社用車に放り投げるんじゃあないよ。あの滝口悠生を。許すまじ。

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

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屋根裏部屋のお父さんが出てきたときにはもう僕のお父さんも尿意であれくらいになっていてそれがおそろしかったです。

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

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自宅の32インチテレビで指くわえて観てたので、劇場公開はすごくいい体験でした。

皮肉屋で神経過敏なキャラクターのデヴィッドバーンがカメラ目線になって、ライブ「映画」の虚構性をメタ的に示唆するのが無性
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花の影(1996年製作の映画)

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絶対に得意な映画じゃないという先入観で鑑賞したら、全然得意じゃなかった笑
ラブは苦手だ!しかもドロドロ!
雀卓が次々壊されていく俯瞰のショットや、人口密度の高いシーン、「エレメントオブクライムかよ!」
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ダンサー・イン・ザ・ダーク 4Kデジタルリマスター版(2000年製作の映画)

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「奇跡の海」のように宗教上の信仰ではないから、考えを曲げないエネルギーの発生源が分からず、それが彼女を「怪物」のように恐ろしく感じてしまう由縁なのかと感じた。

親切な同僚は、上映中に「うるさい」と指
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ニンフォマニアック Vol.2(2013年製作の映画)

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彼女がセルフ堕胎するシーンは、自分の存在しない方の陰部がすごくヒリヒリしたよ。いってえ。

フィボナッチ数列が再び画面上に表示されたときは、なんかWWEを観てるときの熱狂と言えばいいのか……スーパース
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ニンフォマニアック Vol.1(2013年製作の映画)

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頭の良い人は、下らない話をいかに「高次的に語ることができるか?」という知的欲求からくる遊びをしがちだと思うのだけど、この映画はまさにそんな感じだ。

セリグマンの、猥談を理性的かつ強引に変換する能力に
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SOMEWHERE(2010年製作の映画)

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始まりと終わりのカットは印象的だし、対比がよく効いていてすごく好みなのだけど、肝心の真ん中あたりが記憶に残らない。
贅沢なことを色々していた気がするけど、なんかボーッとしているというか、たぶんそれが主
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

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「ケイコ」を観たときも思ったけど、ハンディキャップの設定を用いながらも、その問題意識に集約せず、それを取り巻く生活の方に重きが置かれていて素晴らしかった。登場人物の「その人らしさ」が鮮明で、わたしは自>>続きを読む

愛のコリーダ(1976年製作の映画)

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わたしがこの映画を観た目的は「楽しむ」為ではなく、「確かめる」ためだ。

この監督はラストシーンでアレがトリミングされるのをしっかり映すタイプか否か。それを確かめる。

わたしの手がかりは、唯一監督作
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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「女王陛下のお気に入り」が監督作の中で一番お気に入りじゃなかったので、次作も肌に合わないかと思ってたけど杞憂でした。

お股の緩い人に対して「頭のネジの外れた」みたいな言い回しをするけども、それは対象
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

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最初は「プレイリストムービー」と銘打たれたプロモーションを期待し過ぎたあまりに、兄貴パートの音楽のやかましさが好きになれなかった。
「強い」楽曲群が、明らかにストーリーを二次的なものへと追いやってしま
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クリシャ(2015年製作の映画)

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監督自らが出演する場合、大抵がその映画における問題の内側、ないしは内側に寄り添う配役を演じそうなものだけど、この監督は外側の人間を演じている。(まあこの映画はクリシャ以外、全員外側みたいなものだ)
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