ブラウンソースハンバーグ師匠さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ブラウンソースハンバーグ師匠

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ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

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変ではあるけど、ガイドブックのような礼賛的な日本ではないので、結構好感が持てる。
日本の半ば強引に型にはめようとする「おもてなし」に違和感を覚えていた二人が、車や人の隙間を縫って自由に走り回るシーンが
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ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

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個人的に、円熟味のある見せ方よりも、こういった派手な展開の方が、この監督は面白く感じる。読み解けていないだけかもしれないが、他作品は中途半端というか、今一つ突き抜けていない感がある。
派手な映画に監督
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クラッシュ 4K無修正版(1996年製作の映画)

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僕はペーパードライバーなのですが、昔は頑張ってドライブしてました。一度だけ、停車している車のケツに軽くこすってしまったことがありました。僕は頭が真っ白になりました。運転席からガテン系のお兄さんが出てき>>続きを読む

オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

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ジョンカサヴェテス作品を前にすると、ただでさえ童貞力の強い僕の心がのたうち回る。

「あのね、カサヴェテス君。僕には君のやっていることが分からないんだ。今、画面に映っているシーンはどういう温度感で観れ
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アイランド(2005年製作の映画)

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脱出した後に、主人公とヒロインが初チューをするのですが
「チューってこんな気持ちいいんだ!」
みたいなことを言っていて
「チューってそんな気持ちいいんだ!」
と当時いたく響きました。

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

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事が終わるのを外で待ちながら、「痛いよねえ!痛い!痛い!痛い!」みたいなことを言ってた女の子のイタさに、背中のあたりが痒くなったのは、わたしだけではないことを願う。

そんな感じで、この映画は痛いし、
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花とアリス(2004年製作の映画)

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監督は作品に、「うつくしい」映像表現を追いかけるみたいにして、必ず「しょうもない」笑いを挿入して作品の品格を下げるような真似をする。
わたしはどちらかといえば、後者のファンで、それが前者と上手い具合(
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

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ストリーミング主流のこの時代に、こういう作品を「自ら」掘り出すような手触りは最早ないといって等しい。

レンタルビデオ屋に通っていた当時は、今みたいに「監督」や「テーマ」といった整然なくくりで映画を観
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I Am Easy To Find(原題)(2019年製作の映画)

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まさに監督がテーマとしている、ナショナルとの「相互理解」によって生まれた素晴らしい作品だ。ナショナルのアルバムの方も無論、素晴らしい。

ある女性の一生を、一人の女優の身体で視覚的に表現する。それが「
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カモン カモン(2021年製作の映画)

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いやぁ、好き好き大好き超愛してる。

白黒映像の意図は掴みきれていないけど、渋滞する車の灯りがあんなに優しく映るのを初めて観た。

録音機のマイクを上に掲げて、声ではなく街の音を聞き取る姿勢から伺える
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椿の庭(2020年製作の映画)

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絶対にこんな世界で屁とかこいちゃいけないんだろうなぁ、と思い、「タレンタイム」ばりに屁をこきながら観賞。渚の、慎重に「ことば」を紡ぐようなたどたどしい日本語が、美麗な映像とマッチしている。内容は……す>>続きを読む

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

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ラブコメは好きなんだけど、ラブをシリアスに描かれたら、途端に分からなくなる自分自身に落ち込む。
「ファントムスレッド」を観たときも「内輪ネタのままごとを時間かけて見せんじゃねえ!」とよくキレたものだ。
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市子(2023年製作の映画)

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劇場の壁に貼られた市子に約1分間メンチを切ってみましたが、めちゃくちゃ強かったです。

という冗談も、本編を観て、あながち間違いではなかったんだと心の中で笑ってしまいました。
あと、時間差タイトルバッ
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

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小林聡美が超熟のCMみたいに旨そうな料理を作っているせいで最早、朝方にしか観たくない映画。
アキカウリスマキ監督のリスペクト映画であることを事前に知りながら観賞。カウリスマキ作品のように現地の人達が無
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エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

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フォーカスフィーチャーズのモーションロゴの美しさはこの映画で教わった。
監督の手作り感満載の意匠が、コミカルでライトな作風と噛み合っている。なんか可愛い。劇伴も素敵や。

例えば、誰かをひどく傷つけて
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

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回想をする「今」が過去を再構築していく意識は、古くから小説ではよくある構造だ。それは「回想」という行為を書くこと、その結果によって生成された文章そのものが異化効果を発揮するからではないか。映像はその限>>続きを読む

浮き雲(1996年製作の映画)

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ケーブルテレビに加入していたときに観た。
監督作品はこの映画が初体験だった。衝撃を受けたのを覚えている。

職場の厨房を定点で映している。画面外で男が暴走している。それを煽るようにやかましい音楽が鳴っ
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

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マルチバースというダイナミックな要素を駆使し、世界の問題と家族の問題を同列として扱う演出は見事だ。普通に泣いちゃった。大風呂敷を家族愛というテーマにギュッと集約させていく様は「インターステラー」を彷彿>>続きを読む

愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

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普段、Netflixで作品を観るときは食事やストレッチと並行して「ながら見」をしてしまうことが多いが、この作品については冒頭の空気感から「ちょっと難しいぞ」と思い、娘が婚約相手をつれてきた心構えでどっ>>続きを読む

パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

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「違うんだよ!エルファニングってのはただ可愛いだけじゃないんだよ!なんていうか、こう、ただならぬ浮遊感っていうかさ!いやダメだ!ダコタファニングじゃダメなんだ!(失礼)ダコタファニングじゃダメなんだ!>>続きを読む

バタフライ・エフェクト(2004年製作の映画)

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子供の頃にパパが勧めてくれた作品。
ループものはその突飛な設定であるが故に、コメディ調で扱われるものが多いけど、この映画はミステリー調の不気味な雰囲気を帯びている。
ループの要素もかなりシリアスだ。
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吸血鬼(1932年製作の映画)

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「CURE」のオーディオコメンタリーで、「ライターで対象物を照らすシーンは『吸血鬼』のオマージュだ」とあったので、リバイバル上映へ。

あんまりこんなこと書くものではないが、自分は昔の映画が好きではな
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

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ラースフォントリアー監督や黒沢清監督がフェイバリットに挙げている監督である為、すこし敷居の高さを感じながらもリバイバル上映へ。
文字通りの顔芸映画。顔芸に次ぐ顔芸。ガキ使の「さようなら方正」シリーズの
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回路(2000年製作の映画)

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私はジャンプスケアとゴア表現が凄い苦手なので、ホラーとかスプラッターは普段観ないのだが、この監督については、そういった表現を用いないだろうとある種の信頼を置いていたので鑑賞。

いやあ、信頼していてよ
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ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)

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なんかやたらと評価の高い「CURE」を映画館で観て、
「わっかんねえなあ」という所感と共に彷徨っていたら、いつの間にか監督作品をむさぼっており、そしてついに、
とうとうきました……黒沢さん。

この監
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インランド・エンパイア(2006年製作の映画)

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この監督は「考えるな!感じろ!」みたいな映画ばかり撮るのに、本人は「たくさん考えろ!」みたいなことを言ってくる。
「マルホランドドライブ」の挑戦状がその最たる例だ。
そういえば、「マルホランドドライブ
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サタンタンゴ(1994年製作の映画)

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ポンポさんの当てつけのつもりで。だが、いくらなんでも長すぎる。

映画館で観賞したとき、がら空きだったのにも関わらず女性が隣に座られたので、「7時間超だもんな、この映画ってそういう吊り橋効果的なのない
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

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映画制作の裏側における描写は、普通にためになって面白い。
ただ、ポンポさんの語る「映画」がとにかく狭義で……そこでもうこの映画との距離を取ってしまった。(人生が暗い奴ほど良い感性を得るだとか、本編時間
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枯れ葉(2023年製作の映画)

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監督特有の演技表現である、感情をニュートラルにしたような登場人物たちの表情は、映像の鮮明さもあってか、過去作よりもどこか血が通っているように見える。
だから、過去作ほど
「あ、笑ってる!いま、主人公笑
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

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「青いパパイヤの香り」は、ほとんどストーリーが思い出せないんだけど、料理のシーンでめっちゃ腹減ったことだけ覚えていた。だから、「ポトフ」なんて邦題の映画を作られたら、観に行かないわけがない。

頭から
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スケート・キッチン(2018年製作の映画)

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SNSを上手に駆使した「コミュニケーション」の図り方は、今までのスケボー映画からアップデートされている。オンラインの世界だけで完結せず、そこを通して現実世界で足を運び、実地で顔を合わせる。そうして、自>>続きを読む

行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

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「mid90s」の純度の高い「かっこういい」に感動したものだが、この映画は「かっこういい」からスケボーを綺麗に抽出している。リアリティレベルの高いドキュメンタリーという手法が、それを見事に実現している>>続きを読む

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

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(「KIDS」をやったんだから、こっちもやんないとと思って……つい)

なぜスケボーをやるのかという質問について、「かっこういいからです」と答えられたら、それは満点の回答だろう。
この映画はそれを体現
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KIDS/キッズ(1995年製作の映画)

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若者に向けた警句なのか、ただただ鬱屈としている。これがストリートカルチャーのリアルだ、と言われると偏り過ぎな感じもする。
劇伴はめちゃくちゃ格好いい。スケータービデオと言えば、大抵ブーンバップが流れて
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

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この主人公の生き方が幸せか否か?という議題にそもそも参加出来なかった。
それ以前に主人公の周辺に違和感がありすぎる。
部屋の内装、仕事着、仕事道具……全てが綺麗すぎる!
今日下ろしたのかよ!?初出勤か
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RRR(2022年製作の映画)

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大味な作風がむしろ持ち味になるって普通に凄くない?凄いよ。
という感じで、普段の映画に対する身構えとはモードを変えて鑑賞。
ラーマが暴徒化した民衆を制圧するシーンで「どうせ、無双シリーズみたいにバッタ
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