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隠れた裏テーマは、”父性の不存在”。
映画に出てくる家族はどの家庭も、シングルマザー。
父親の姿はいない。
一方、現実の日本社会は、どこも時代遅れのオヤジばかり。
経済も。政治も。
アベごと>>続きを読む
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IMAX+3Dで鑑賞。
個人的に今まで観た映画で、”ちゃんと3Dになってる”と実感できたのは、「アバター」シリーズのみなので、進化した映像には驚くばかり。
とくに水の描写は、ほぼ本物。
ストーリ>>続きを読む
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いきなり、サッカーW杯カタール大会のシーンが始まるあたりは、アメリカでもサッカー人気というものが、確実に根付いていることを感じさせる。
戦闘シーンは、「志願兵」と「近代戦」という、現在進行中のウクラ>>続きを読む
250億円もの予算が掛けられた大作を、映画館ではなく、スマホの小型の画面で観るという贅沢。
近年の、CGを使わない”リアル志向”の中、あえてロケとCGを織り交ぜながら、コロナ禍の巣ごもりモードのなか、>>続きを読む
名作、リドリー・スコットの「ブラックホーク・ダウン」を上回る、圧倒的な臨場感と生々しさ。
リアルとフィクションが絶妙の隙間を、しかし今なお続く、ソマリアの内戦の終わりなき戦いの生々しさが貫く。
何事も終わらなければならない。このころのMCUには、はっきりと”終わり”が見えていた。しかし、言うなれば、ディズニーは、いまだ「ミッキーマウス」で稼ぐ文化がある。MCUもいつまで続くか…。
時代を超えて、障害を超えて、ジェンダーを超えて。
生きづらさはどの時代も、どの世代も変わらず。
変わらないのは、デル・トロのフィルム捌きか。
興味深い題材にもかかわらず、心に響かないのは1600キロに及ぶ直線を貫くという超自然的なプロジェクトにもかかわらず、やや人間ドラマに寄りすぎたからか。
それでも、ジェシー・アイゼンバーグをはじめ、役者>>続きを読む
明らかなアメリカ(NATO)側の先制攻撃が、実際にこの映画のように堂々とできるのなら、世界はより平和になっている。
しかし現実には、ウクライナではアメリカはただ武器を供与するだけで、戦地に兵士を送る>>続きを読む
過度な官僚信仰を描いた「シン・ゴジラ」から一転、コロナ禍を経て日本の管理組織が全く機能していなかったことが分かった今、本作の「もはや人類は立ち尽くすのみ」という構図は、「シン・ゴジラ」よりもうまくはま>>続きを読む
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飲め、しかし失敗を受け入れろ、前へ進め。
アルコールも死もすべてを受け入れつつ、生きていく。
予測不可能な時代に、ただ「生きる」だけの大切さ、それこそが人生の唯一の意味なのだ。
もう少し短ければ無論、良い。
ただ続編制作が不透明な中で、こうせざるを得ななった側面も。
とにかく、”物語”を見せる、という側面にとおいてはクリストファー・ノーラン版を上回る。
バットマン=名探偵>>続きを読む
旧作の良き部分を尊重しつつ、さまざまなものをアップデート。
撮影技法、ダンス、音楽、ストーリーも。
そして監督スピルバーグもここにきて新たな境地へ。
まさに”今”だからこそ、作られるべき映画。
2021年ベスト。
1990年、日本がバブル期で馬鹿騒ぎする中、アメリカを襲うエイズ禍で、そして日本よりも”文化人”が明らかに尊重されるアメリカでエンターテイメントを追求する人々。
日本国憲法で「>>続きを読む
世界初!?
認知症患者の視点から、この世界はどう見えているか?
空間が、人物が、感情が、そして時間までもが歪められている。
アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞も納得な演技に拍手。
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この車に、”人生”という荷物を載せて。でもその人生そのものも、車。誰かの人生を乗せて走ってる。
私たちは、常に何かを演じている。夫として、役者として、妻として、運転手として、外国人として、スキャンダ>>続きを読む
この予測不可能な事態に、”今を生きる”大切さを教えてくれる。
「とにかく、常に最悪のことを考えろ!」というストア哲学的な、映画。
トランプ前米大統領のルーツともされるアメリカの下宿(娼婦付き)から始まり、古き良きアメリカでもがく、マチズモな男たちの苦闘。
ロケーションも見事。
おそらく、史上初めてのキューバ「グアンタナモ基地」の映像化に鳥肌が立つ。
しかしながら、米国でも、このような”黒塗り”の記録は残るが、日本ではそのような公文書さえも廃棄されるだろう。
そのようだ、日本>>続きを読む
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今後、何本も作られるだろう、シリーズの1作目。
そう見れば、本作だけでもほんの物語の”序盤”に過ぎない。
それでも、ティモシー・シャラメの他が豪華俳優陣と、近年の映画界における”脱CG”に反するかのよ>>続きを読む
2時間45分のストーリーは、ただのアクションの羅列と「裏切り」の連続で退屈なのは確か。
しかし、そのアクションは、ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドでも最高峰。
ただそこに、「スカイフォール」ほど>>続きを読む
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殺人方法など、物語のキーとなる部分が終盤に駆け足で描かれ、現代を映すメインテーマの描き方が多少は中途半端に。
ただ、これは原作の責任もあるが、ストーリーのプロットが「マスカレード・ホテル」と似通って>>続きを読む
事前の設定を「こんなにちゃぶ台返しするのか!」と少々、怒りが来るが、そこもフランス映画らしい、芸術的なアート的、心理サスペンス映画に仕上がっている。
はっきり言ってこの映画は完璧ではない。一見わかりやすい構図が、しかし、それこそがこの社会の欺瞞さを明らかにする。
「ブラックパンサー」で頂点を極め、そして本作の“プロデューサー”として作品をコントロー>>続きを読む
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かつてテスラといえば、「オカルト」のイメージが強かった。あのクリストファー・ノーランの「プレステージ」でさえ、そう描かれていた。
しかし、あまりの天才だけに脳に障害があり幻覚を見てしまうのと、現代の携>>続きを読む
連載含めて全編WEB記事というのは、最近、スマートニュース系列の「SlowNews」が始めた。他方、データは古いが、イタリアは人口1人あたりの書籍発行部数は日本よりも65%多く(2008年)、しかも全>>続きを読む
おそらく、映画史上初めて映されるかもしれないAmazonの倉庫内から始まり、アメリカの、日本にも通じる劣悪の習慣、”自己責任”という名の下に、壮大なアメリカの風景が、ドキュメンタリーと映画とルポルター>>続きを読む
普通なら、「あり得ない」、ということがまるで喜劇のようにめまぐるしくおこり、しかし、それが現実に、確実に「起こりうる」ということが、まさに現代アメリカの悲劇。
脚本と編集と配役と役者の演技力が巧みに>>続きを読む
朝鮮戦争とキリスト教。遠きながらも、驚くほどの共通項を持ち、今、コロナ禍によって多くの高齢者が亡くなるなかにおいても見るべき作品。
「すべてのおばあちゃんに捧ぐ」。
韓国国内でも80ほどしかない高校野球部でも女性が野球を続けること、130km台のキレの良いストレートとナックルの組み合わせなど、新鮮味が垣間見れるシーンもある一方、「韓国にはこんなに上手くナックルボー>>続きを読む
そもそも今の日本を見渡せば、大企業、官僚、政治家など「上級国民」ほど腐っているのが明白なのだが、今どき、こんなステレオタイプ的な上流階級の描き方は正しいのだろか?、と思いつつ、巧みな編集が効果的。
し>>続きを読む
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ここ10年に観た邦画で最高の映画。
ここ最近の女性の人権うんぬん以前に最高の作品なのだが、もちろんジェンダー問題に光を当てつつ、原作にも無かった記述も交え、誰もが抱える過去のトラウマとメディア批判まで>>続きを読む
失業、アルコール中毒、女性差別、DV...。
現代を生きる女性の数々の生きづらさを盛り込みながら、ミステリーかつエンターテイメントに昇華させる。
巧みな編集やストーリーテリングは、あまりにもテクニカ>>続きを読む
果たして、榮倉奈々の配役は本当に必要か?、と最後まで引きずりつつ、その配役の演出も含め、「省略の美学」が隅々まで行き届いている本作は、昨今の日本映画界においても、極めて貴重。
まあ、「平成」の時代を>>続きを読む
今や、恋愛経験がもはや少数の時代に、今更、王道のど真ん中の恋愛映画を世の中に出すこと自体に多少の違和感があるが、今の日本の社会においては、もはや現代を生きる若者が普通の恋愛さえ送ることさえ困難であるこ>>続きを読む
題材は良いが、前作「新聞記者」と本作を観て、基本的にこの監督は、脚本を書く能力が決定的に欠けていると確信。
一つ一つのイベントの描き方は驚嘆するが、その点と点とを結ぶ線の描き方が一辺倒。
作品そのも>>続きを読む