サトモリサトルさんの映画レビュー・感想・評価

サトモリサトル

サトモリサトル

この日々が凪いだら(2021年製作の映画)

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新宿のシネマカリテで上映されてた時にポスターを見て、何となく好きそうと思って結局観られないまま上映終了してしまったんだけどJAIHOに来たので観てみた。

物語の筋としては、特に映画的な大きな出来事が
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ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

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息をするように人を殺していく様をただ見つめることしか出来ない。
俳優でこの狂気と恐ろしさを体現出来るのって森田剛だけなんじゃないかって思ってしまうくらいの憑依レベルだった。
「ランチの女王」の時もだい
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忘れえぬ慕情(1956年製作の映画)

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日仏合作映画。
昭和31年当時の長崎の風景がふんだんに映されていて、そのレトロな雰囲気やフィルムの色調がたまらない。
室内のシーンはセットだけど、乃里子の呉服屋や友人の慶子の家のしつらいも良い。

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帰らざる日々(1978年製作の映画)

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70年代のムード全開。
この時代に生きたことはないのに感じる懐かしさは何なんだろう。
当時の飯田の風景がフィルムに焼き付けられていて、それを見るだけでも楽しい。
この作品に映し出されている風景が今どれ
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白日夢(1964年製作の映画)

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歯医者嫌いな人は絶対観れない(好きな人はいないと思うけど)
81年版を先に視聴済み。
冒頭の歯科シーンだけでなく、劇中ことあるごとにキュイーンという嫌な音が鳴り続けてそれだけで気分が悪くなる。
タイト
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

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原作読了済み。
製作発表されてからずっと楽しみだった!
聡実くんも狂児も原作のビジュアルとはちょっとイメージ違うんだけど、原作を踏まえつつとっても魅力的なキャラクターになっていてすごく良かった。

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市子(2023年製作の映画)

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劇場を出て家に帰ってきた今もまだ余韻が持続している。
フィクションがフィクションを超える瞬間ていうのがあると思っているんだけど、その瞬間が何度も訪れた。
これは絶対に劇場で見るべき。
結局泣かされてし
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

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全然合わせたとかじゃなくてたまたま空いてたのが今日だったんだけど、水木先生の御命日に観ることが出来た。

水木しげる×横溝正史の世界観×昭和の戦後史といった要素が上手に掛け合わさった見応えのある作品だ
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そばかす(2022年製作の映画)

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もっとぐちゃぐちゃに三浦透子演じる主人公が色々嫌な思いを人からされて苦しむ感じなのかと思ってたけど、そうでもなくて良かった。

強さと弱さの絶妙なバランスというか、主人公を人と違うからといってかわいそ
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湯の町姉妹(1961年製作の映画)

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ポスターとタイトルから池内淳子と島倉千代子が姉妹なのかと思ってしまうけど、そうではない。
お千代さんは池内淳子の友人役。
美容師の設定だったけど、旅館のダンスホールでは「あなたには歌ってもらわなくちゃ
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ガラスの中の少女(1960年製作の映画)

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吉永小百合の初主演作。
そして、その後数々の作品でコンビを組むことになる浜田光夫との初共演作でもある。

画質がVHSからそのまま引っ張ってきた感じで何とも粗くて悪いのだけど、その粗さが物語の暗さをよ
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こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

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ウェス・アンダーソンか迷って山田洋次監督の最新作を観てきました。
御年91歳で90作目。
吉永小百合×大泉洋の親子ってどうなんだろう?って思っていたけど、とっても自然に親子で良かった。
どこの花火大会
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(2022年製作の映画)

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原作を読んでいたので、観たいと思っていた。
現代の日活ロマンポルノという触れ込みみたいだけど、ロマンポルノ感はそこまで感じず性描写多めの恋愛映画という感じ。
そもそも、原作がそんなに性的な話ではなかっ
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美わしき歳月(1955年製作の映画)

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ロケシーンが多くて当時の風景が沢山出てくるのが嬉しい。
映画は本当に風景遺産だなと思う。

戦後10年の東京で各々もがきながら生きる若者たちの群像劇。
メインは木村功と久我美子のカップルだけど何でジャ
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夜の片鱗(1964年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

先に同じ中村登監督の「土砂降り」(1957)を観ているんだけど、両作品共に出演している桑野みゆきの変貌ぶりが凄まじい。
思えば、2作品とも女が男を殺めるという点で共通している。
「土砂降り」の岡田茉莉
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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7月最後の日。
十数年ぶりにジブリの新作を映画館で観た。
作品の内容が殆どわからない状態で映画を観るという体験、中々出来ないことだからいつもより劇場で映画を観る喜びや楽しさを味わえたのがとても良かった
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よだかの片想い(2022年製作の映画)

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原作未読。
過去の実写化作品に比べてドロドロした要素が少なくて見やすかった。
光が広がるラストシーンも爽やかで、横顔のアップが映画の冒頭とは違う表情に感じられる。

先輩役の藤井美菜さんって今何歳なん
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水で書かれた物語(1965年製作の映画)

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吉田喜重って日活で撮ってたのか…!
原作は石坂洋次郎。
扱っている題材が苦手なんだけど、直接的な描写というより抽象的に処理しているのでそこまで生臭くは感じなかった。

この頃の岡田茉莉子って本当に怖い
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69 sixty nine(2004年製作の映画)

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69年の長崎佐世保が舞台。
今やベテランの妻夫木くん、昔はこういうお調子者の役もやってたよなあ。
本当に今観ると主役級のキャストがばんばん出てきて凄い。

バリ封(バリケード封鎖)がバレて無期限謹慎処
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サザエさんとエプロンおばさん(1960年製作の映画)

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江利チエミ主演の実写版サザエさんシリーズの第9作。
今回は同じ長谷川町子原作のエプロンおばさんとのコラボ作品と言っていいのか?

京都で下宿屋を営んでいるエプロンおばさんへ立退を要求するという筋なので
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怪物(2023年製作の映画)

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現代シーンにおいて1番好きな映画監督と1番好きな脚本家が組んだと聞けば観に行かないという選択肢はない。
なるべく前情報を入れずに今日やっと観た。

何というかどちらの色も出過ぎずちょうど良い具合にブレ
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ロープ(1948年製作の映画)

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数年前に録画したままずっと観ていなかった作品をヒッチコックの忌日に。

元々ワンシチュエーションもの好きなのでとても良かった。
80分という尺も良い。
思ったよりハラハラはしなかった。

大きな窓から
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かあちゃん結婚しろよ(1962年製作の映画)

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川津祐介がいつまで経っても出てこないなあと思いながら最後まで観ていたけど「終」
調べたら出てないやんけ!
Filmarksが間違ってるみたいです。

最後明るい終わり方で良かった。
それにしても息子の
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襟裳岬(1975年製作の映画)

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CSで再放送してる昭和のドラマでよく見かける女優の山口いづみさん、最近顔と名前がようやく一致した。
本日お誕生日ということで前々から存在は認識していた本作を鑑賞。
正直もっと珍品だと思っていたけど、案
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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

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自分の誕生日に鑑賞。
荻上直子監督の作品が好きなのでチョイスしたら生と死を描いた作品で、自分の生まれた日にこういう作品を観るのは何だか感慨深い気がした。

あらすじだけ読むと「かもめ食堂」や「めがね」
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ひばり・チエミのおしどり千両傘(1963年製作の映画)

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ひばりチエミのバディもの。
弥次喜多の方は何度も観てるけど、こちらは初見。
今回もロードムービーなんだけど、本作は殆ど別行動。
だから2人の掛け合いがもう少し欲しいところではあるんですが、ラスト10分
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警視庁物語 白昼魔(1957年製作の映画)

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サブタイトルが白昼魔なのに、冒頭の車強盗殺人事件は思い切り夜なのは突っ込んじゃダメ?
犯人の木村功は最初と最後しか出てきません。
テレビドラマと同じくらいの尺だからダレずにぽんぽん話が進む。
現代の刑
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好人好日(1961年製作の映画)

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永遠の日本のおじいちゃん、笠智衆の誕生日に。

コーヒーが大好きな変人数学者役が笠さんの朴訥とした感じと独特な台詞回しに絶妙にマッチしていてとても良い。
うさぎ×笠智衆の組み合わせ、すごい破壊力。
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「粘土のお面」より かあちゃん(1961年製作の映画)

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「綴方教室」で知られる豊田正子の「粘土のお面」が原作。
中川信夫監督、怪談映画のイメージが強いけどこんな市井の人々を描いた作品も撮ってたのか。

本当に洒落になるくらい貧しいんだけど、どっこい生きてる
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散歩する霊柩車(1964年製作の映画)

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またラスト5分(これは10分くらいかも)の衝撃が凄い作品を観てしまった…
個人的にモノクロ映像で見ると日本一顔面が怖い俳優1位の西村晃主演。
前にレビューした「赤い殺意」(同年製作!)でも共演している
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密会(1959年製作の映画)

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黛敏郎の劇伴がスタイリッシュで洒落てる。
ラスト5分くらいがめちゃくちゃ凄い。
実際に起きたらこんな感じじゃないかっていうくらい作り物感が無かった。
そしてあの俯瞰ショットになった瞬間で全て解らせる造
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肉体の門(1964年製作の映画)

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1964年。
東京オリンピックの年に公開された作品。

野川由美子の目力が凄まじい。
登場シーンはおどおどしてるもんぺ姿のさえない娘姿なんだけど、パンパンのグループに入ってからはまるで人が変わったよう
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雨の花笠(1957年製作の映画)

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本日錦之介の命日に。
彼のフィルモグラフィーの中では地味な作品だと思うけど、なかなかの良作でした。

お千代さんの持ち味である泣き節を効かせた歌も楽しめます。
「逢いたいなァあの人に」の今作オリジナル
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薄化粧(1985年製作の映画)

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五社英雄監督生誕の日に。

実際の事件を基にしている緒形拳主演作品。
妻を殺めるシーンが印象的。
ラジオが消えて、その後の闇。
ほんの一瞬の出来事。
傍らには何も知らずに眠り続ける子ども。
実際に起き
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

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「復讐するは我にあり」と同じ佐木隆三原作と知って興味が湧いた作品。
全体的にもっと重いトーンだと思っていたけど、思いの外笑えるようなシーンもあって、だからこそ最後の結末がずしんときた。

役所さんが凄
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フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

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今年の劇場鑑賞2本目は公開を楽しみにしていたウェス・アンダーソン監督10本目の新作。
これ正式なタイトルはすごく長いのね。

相変わらず拘りの感じられる画作りで本当にそのまま雑誌が映画になった感じ。
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