サトモリサトルさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

恋化粧(1955年製作の映画)

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2020年の名画座初めは、シネマヴェーラ渋谷で本多猪四郎監督の『恋化粧』(1955)。
大川端の風景が美しい。
柳橋のしっとりとした風情も。
戦時中の回想シーンで池部良と岡田茉莉子が川端を歩くバックに
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東京物語(1953年製作の映画)

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「日本映画の名作を挙げよ」と言われたら迷わず挙げる言わずと知れた名作。
あまりにも有名が故に見ていない人、そして以前見たけどピンと来なかった人も沢山いるはず。
そういう人達にこそ観てほしい。

日本映
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男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日(1988年製作の映画)

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シリーズ第40作。
この作品から「とらや」から「くるまや」へ屋号が変わり三平ちゃん初登場。
そして公開中に昭和から平成へ元号も変わっている。

マドンナの三田佳子さんの姪っ子役で三田寛子さんが出演。
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恋の罪(2011年製作の映画)

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東電OL殺人事件からインスパイアされた作品。
映画の見方としてはあまり正しくないのかもしれないけど、一気見するのは辛そうと思って何回かに分けて観た。
毎回そろそろ止めようと思いつつもう少し観ていたくな
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千羽鶴(1969年製作の映画)

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川端康成のノーベル文学賞受賞を記念して製作された作品。
元々菊治役は市川雷蔵で企画が動いていたが雷蔵の逝去により平幹二朗へ交代。
雷蔵が演じていたらどうなっていたのだろうか。

先に原作を読んでいたん
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内海の輪(1971年製作の映画)

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体調不良の時に観る映画ではなかった…。
ほぼ岩下志麻と中尾彬の2人芝居。
若い2人の美しさが凄い。

不倫が泥沼に発展し始めてからどう決着をつけるのかと思って見ていたけど、そういうことか。
あの場合っ
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男はつらいよ フーテンの寅(1970年製作の映画)

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シリーズ第3作。
今回は山田洋次監督ではなく森崎東が監督を務めている。
やっぱり監督が違うと寅さんの雰囲気も少し違っていて面白い。

ラストの大晦日のシーンが大好き。
とらやだとテレビが白黒の画面だけ
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この子を残して(1983年製作の映画)

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木下惠介監督後期の作品。
広島に比べると少ない印象の長崎原爆を描いた作品。
基本的に淡々と進んで正直少し怠いなあと思っていたら、物語がラスト10分でガラリと表情を変える。
『ひろしま』や『黒い雨』のモ
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男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け(1976年製作の映画)

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シリーズ中でも屈指の名作と名高い1本。
メインの舞台である兵庫県龍野市のロケーションが素晴らしい。
日本画の大家を演じる宇野重吉と渥美清の掛け合いが見どころの一つ。
奇しくも今日は宇野重吉の命日だった
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青春かけおち篇(1987年製作の映画)

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劇作家のつかこうへいが脚本を手掛けた作品。
なんとなく観てみたら意外に良かった。
この時期の風間杜夫さんは「蒲田行進曲」や「熱海殺人事件」など他のつか作品の映画にも出演していて相性はピッタリ。
脇を固
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男はつらいよ お帰り 寅さん(2019年製作の映画)

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元日に映画館で映画を観たのは何年ぶりだろう。
物心ついた頃には渥美清さんは亡くなっていて「男はつらいよ」シリーズも新作が封切られていなかった。
だからこそ、リアルタイムで正月に「男はつらいよ」の新作を
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墨東綺譚(1992年製作の映画)

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何となくこの年の瀬に見るのが相応しい映画。
豊田四郎版を先に見ていたけど、此方も中々というかかなり好きだった。
平成に入ってからの作品だけど、玉の井のセットを始め美術がとても良く出来ていて昭和の雰囲気
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不信のとき(1968年製作の映画)

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有吉佐和子の同名小説が原作。
ほぼ原作に忠実な作りだけど、岸田今日子演じる千鶴子とのシーンが最後に入れ込まれてる。
中盤に出てきてあっさり終わったので勿体無いなあと思ってたらラスボス的に登場。
千鶴子
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路傍の石(1964年製作の映画)

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山本有三の同名小説が原作。
本作が4度目の映画化ということで、当時の日本人には広く知られていた作品なのかな。
東京オリンピック開催の年に公開されて、それ以後はリメイクは作られていない。
オリンピックを
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火宅の人(1986年製作の映画)

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数年前に原作を読んでいつか観たいと思いながらやっと観れた。
勝手にもっと辛気臭い感じかと思ったら、前半はとにかくスピーディーに進んで飽きさせない。
原田美枝子さん、何というか今の時代にあのままいても違
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社長漫遊記(1963年製作の映画)

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森繁久彌を偲ぶと題してテレ東の午後のロードショーでやっていたので観る。
何度も観てるけどシネスコサイズでの放送じゃなかったのでなんか新鮮だった。
フランキー堺の日系3世の役好きなんだよなあ。
変な日本
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越前竹人形(1963年製作の映画)

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今日は若尾文子さん86歳(!)のお誕生日ということで、水上勉原作の本作を観賞。

原作を読んでいるので結末を知ってはいてもラストは悲しい…。
入れ歯を抜いた船頭役の中村鴈治郎、今まで観た中でベストだっ
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犬ヶ島(2018年製作の映画)

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『グランド・ブダペスト・ホテル』が大好きだったので気にはなりつつ実写じゃないっていうのとあらすじでそんなに惹かれず観ないままだったんだけど、凄かった。
ストップモーションアニメって、1コマ1コマ撮影し
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(1966年製作の映画)

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森鴎外の同名小説が原作。
現代とは比べ物にならないくらい身分や性の差別が厳しく自由な恋愛が出来なかった明治の世の悲恋譚。
森鴎外って正直「舞姫」しかまともに読んだことなくてなんとなく手が伸びない作家な
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最初の晩餐(2019年製作の映画)

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公開初日に観賞。
「家族ってなに?」
「家族でもわからないことがある」
台詞でも度々語られる家族というものの不確かさ、脆さ。
テーマ的に目新しさはないけれど、未だにこういう映画が作られ続けているってい
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人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

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小栗旬が思ったより太宰だったけど、ちょっと色男が過ぎる。肺病で悶え苦しむシーンは演技を超えた迫力があった。
3人の女たち皆強かったけど、最終的に正妻の宮沢りえが優勝だった。
ラストシーンが、太宰という
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千羽鶴秘帖(1959年製作の映画)

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雷蔵の誕生日に鑑賞。
角川のシネマコレクションに登録してから、大映の未見の映画が見放題で楽しい。
これ地味に良作。なんで円盤になってないんだろう。

ストーリー的には王道時代劇という感じで目新しさはな
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(1957年製作の映画)

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松本清張の同名短編小説が原作。
これまで幾度となく映像化されているけれど、その最初がこれ。
でもかなり改変されているので、別物のよう。

「顔」というタイトルだからか、やたらと主人公の顔のクローズアッ
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黒の奔流(1972年製作の映画)

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松本清張の「種族同盟」という短編作品が原作。
全体的に70年代初頭のギラギラした空気感が漲る感じの作品。
だから、演出が今見るとだいぶクサいって言うからちょっと面白に見えちゃうシーンもあるんだけどそれ
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女のみづうみ(1966年製作の映画)

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川端康成の小説「みずうみ」が原作。
とは言いつつ、ストーリーは全く別物で原作の要素はハンドバッグのくだりだけ。
正直あまり期待しないで観たのだけど、思いの外良かった。

あらすじだけ見ると、陳腐なメロ
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五瓣の椿(1964年製作の映画)

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山本周五郎の同名小説が原作。
商家の娘・おしのが家庭を省みない淫蕩な母とその女に関わった男達を次々と殺していく復讐劇。

とにかく出てくる男がクズだらけ。
特に伊藤雄之助扮する好色な医師が憎らしい。
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青春怪談(1955年製作の映画)

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獅子文六と市川崑はテンポの良さが共通していて、個人的には相性が良いなと思った。

若いカップルが主体のようでいて、実際のメインは轟夕起子・山村聡の熟年カップルだな。
特に轟夕起子はハマり役だった。
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愛河(1958年製作の映画)

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婚前交渉をするか否かで揺れる男女のお話。
今の時代に観ると、日本も随分変わったんだなあ〜と隔世の感有り。

パッケージや主要キャストにクレジットされてないんだけど、田宮二郎が叶順子を弄ぶクズ男の役で出
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殿さま弥次喜多(1960年製作の映画)

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今年の名画座初めは神保町シアターで明朗時代劇。
錦之助嘉葎雄の兄弟コンビの若さが躍動していて清々しい気分で観られる。
そこに、美空ひばりと丘さとみが絡んでそれぞれのロマンスも。
喜多さんとお八重ちゃん
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東京暮色(1957年製作の映画)

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数年ぶりに再見。
小津映画の中でも異色とされている作品。
当時のキネマ旬報日本映画ランキングで19位にランクインされ、小津自身が「19位の監督だから」と自嘲したエピソードにもあるように世間的に失敗作と
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銀座っ子物語(1961年製作の映画)

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東京オリンピック(1964)開催の3年前に公開された作品。
まだ川が流れていた時代の銀座が映し出されている。

スポーツマンの3兄弟が同じ女性を好きになるという今の少女漫画などに通じるようなあらすじ。
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女の座(1962年製作の映画)

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所謂東宝オールスター出演のお正月映画だけど、娯楽作品と言うにはあまりにビターな味わい。
東京オリンピック開幕直前の変わりゆく東京の様子と絡めて、ある一家の緩やかな崩壊を描いている。

テーマや人物設定
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白昼堂々(1968年製作の映画)

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「男はつらいよ」第1作の前年に公開された作品。
渥美清と倍賞千恵子がこの作品では夫婦(1年間の期限付きの契約結婚)になる!
渥美清演じるワタ勝が求婚するシーンでは、いざとなると奥手な寅さんとは違う一面
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シェーン(1953年製作の映画)

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大好きな山田洋次監督の「遥かなる山の呼び声」の元ネタ的な作品ということを知ってから、いつかは観なければと思っていた一本。

デジタルリマスターされているので、映像がとても綺麗。
ライカーが雇った殺し屋
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追憶(1973年製作の映画)

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妥協しない女。
主演のバーブラ・ストライサンドにはそんな役がよく似合う。

もっと甘ったるいメロドロマかと思ったけど、結構ビターな内容だった。
政治的な部分は正直よくわからない。
思想が違う男女が愛し
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新婚道中記(1936年製作の映画)

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この邦題どうなのよ…。
お互いの些細な秘密がバレたことがきっかけで離婚することになった夫婦の離婚が成立するまでの90日間の中で起きるドタバタコメディー。
よく知らないけど、昔はすぐ離婚できるわけではな
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