サトモリサトルさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ジャイアンツ(1956年製作の映画)

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ジェームス・ディーン最後の出演作。
主演って銘打たれてることが多いけど、これ主演では無いよね…?
ただ、本当に主演を喰うほどの存在感と演技力だと思う。
石油を掘り当てて顔と身体を真っ黒にしながら狂喜す
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旅情(1955年製作の映画)

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水の都ベネチアで展開するひと時の男と女の逢瀬の話。
キャサリン・ヘプバーンの役、どうやら38歳設定なんだけどそれ以上に見える。
ちらっと見える腕とかに特に年齢を感じた。
でも何かその衰えから来るぎこち
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ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)

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痛々しい場面が多くて途中観るのが辛かったけど、それも演技とは思えない主演のイーサン・ホークの為せる業か。
何かに取り憑かれたように音楽にのめり込む姿を見て、どうしてここまで音楽を愛しているのにドラッグ
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愛の渇き(1967年製作の映画)

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以前、原作を読んでいたけどストーリーをすっかり忘れていた。
正に浅丘ルリ子を見るための映画。
白目を剥いて倒れるシーンすら美しい。
日本人離れした顔立ちだけど着物姿がよく似合う。
悦子の倒錯した愛を見
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遊び(1971年製作の映画)

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映画産業が斜陽となり、大映が倒産した年に製作された作品。
今見るとかなり時代を感じるんだけど、その時代独特の雰囲気がプンプン感じられてそれはそれでとても良い。
突っ込みたくなる展開や演出もご愛嬌。
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ぼくのおじさん(2016年製作の映画)

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寅さんに次ぐ、新しい愛すべきダメおじさん誕生。
松田龍平と丸眼鏡の親和性たるや。
甥っ子のユキオが本当にクレバーでかわいらしい。
「文学性に乏しい」とかの難しい言い回しをさらりと会話に挟んだり、おじさ
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甘い生活(1959年製作の映画)

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イタリアの巨匠、フェデリコ・フェリーニのパルムドール受賞作。
フェリーニの作品は「道」「青春群像」に続いて3本目の観賞。
先日観た「ひまわり」に出演していたマルチェロ・マストロヤンニが主演。

断片的
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ひまわり(1970年製作の映画)

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戦争によって引き裂かれてしまった男と女の話。
こういう話って、どの国でも実際に沢山あったんだろうな…。
なんというか、どちらの気持ちもわかるから誰も責められない。
ジョバンナの自分の元へ戻って来て欲し
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淵に立つ(2016年製作の映画)

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淵に立つ、ってそういうことか。
オルガンの音色と浅野忠信の表情が目に、耳に焼き付いて離れない。

水中のシーンはリアルじゃないけど美しいなと思った。
蛍が自力で泳いで浮上しようとするのは何を表現してい
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日曜日には鼠を殺せ(1964年製作の映画)

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グレゴリー・ペック主演のサスペンス映画。
原題と印象的な邦題は聖書からの引用とのこと。
スペイン内戦が物語の背景となっているので、知識がないと理解が難しい部分もあるかもしれない。

主人公のマヌエルを
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月と雷(2017年製作の映画)

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角田光代の同名小説が原作。
原作を以前読んだことがあったので気になっていた。
メジャー配給でヒットした「八日目の蝉」や「紙の月」のような派手な要素は無い。
そして、多分宣伝要素の一つである濡れ場シーン
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悪魔の手毬唄(1977年製作の映画)

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近年は毎年必ず放送されている気がする市川崑×横溝正史×石坂浩二の金田一シリーズ。
殺人シーンはかなりエグいし、ほぼ全編にわたってどんより陰鬱な雰囲気が漂っているんだけれどふっと笑えるシーンもあるし、何
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乾いた花(1964年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

これ石原慎太郎原作だったのか。
松竹ヌーヴェルヴァーグの1人、篠田正浩監督作品。

とにかく1カットが一々決まっていてスタイリッシュ。
ナイトシーンが多いんだけど、その暗さが良いんだなあ。
これ色付い
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ニッポン無責任時代(1962年製作の映画)

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テレビで放送される度に観てしまう1本。
今年、生誕90年そして没後10年ということで植木等が再び注目されている。
平均と書いて‘たいらひとし’と読ませるC調な男が巻き起こすドタバタサラリーマンコメディ
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赤線基地(1953年製作の映画)

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10年ぶりに満州から故郷に帰ったら、美しい思い出の村はアメリカ軍基地になっていて、生家の自分の部屋はアメリカ兵相手のパンパンが間借りしていた…。

1日で色々なことが起こりすぎだし、10年ぶりに故郷帰
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小早川家の秋(1961年製作の映画)

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司葉子さんの誕生日(8/20)ということで数年ぶりに再見。
小津のミューズだった原節子が最後に出演した小津作品。
それにしては意外や意外、原節子があんまり目立っていなかった。

中村鴈治郎の圧倒的オー
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男はつらいよ 寅次郎純情詩集(1976年製作の映画)

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シリーズ第18作目。
マドンナが亡くなってしまうのは、シリーズ中唯一かな?
そしてマドンナ役が渥美さんより年上なのもシリーズ唯一。
何せ寅さんのことを「坊ちゃん」呼びだからな。

京マチ子と共にゲスト
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ウホッホ探険隊(1986年製作の映画)

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タイトルだけみると「どんな映画だよ⁉︎」と思うけど、実際の内容はある家族(というか夫婦)が離婚へと向かっていくまでを淡々と描いた物語。

脚本が森田芳光なんだけど、彼自身の監督作よりも台詞の面白さを感
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しとやかな獣(1962年製作の映画)

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控えめに言って最高な映画。
こういうブラックコメディ大好き。
計算し尽くされた構図と光の美しさ。
歌舞伎の出囃子のような曲にのって展開されるタイトルバックから痺れる。

すごい夕焼けの中、狂ったように
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フィラデルフィア物語(1940年製作の映画)

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1940年にアメリカではこんなに楽しいラブコメ映画が作られていたなんて!
今観ても殆ど古さを感じないのが凄い。

主演のキャサリン・ヘプバーンは正統派美人っていうわけじゃないけど、所々ハッとするような
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M★A★S★H マッシュ(1970年製作の映画)

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朝鮮戦争下における野戦病院が舞台のブラックコメディ。
手術シーンや負傷兵が担ぎ込まれるシーンなどはあるけれど戦争映画に見られるような悲惨なシーンは殆んど描かれない。

基本的に登場人物がみんな変。
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レナードの朝(1990年製作の映画)

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1969年の夏に起きた実話を基にして作られた作品。
ロバート・デニーロとロビン・ウィリアムズという、2人の名優の共演。

病気を扱った話ってどうしても苦手意識があるんだけど、これは観ることが出来て良か
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5時から7時の恋人カンケイ(2014年製作の映画)

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いわゆる「不倫」を扱っている作品だけれど、日本みたいにドロドロしてなくて風通しの良い感じ。
けれども、やっぱり不倫は不倫な訳で…。

現実はこんなに綺麗な感じにいかないだろうけど、映画だしこういう世界
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男はつらいよ 望郷篇(1970年製作の映画)

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最近またBSジャパンで「男はつらいよ」シリーズを放送してくれるようになって嬉しい。
何度観てもやっぱり良いなあ。

本作はシリーズの第5作目。
山田洋次監督は当初、この作品でシリーズを終わらせる予定だ
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駆込み女と駆出し男(2015年製作の映画)

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井上ひさしの「東慶寺花だより」が原作。
強力な俳優陣が集結していて見応えがある。
それから、1カット1カットが絵になるほどの美しさ。

話の内容としては重いので、時折挟まるコミカルなシーンが息抜きが出
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スタア誕生(1954年製作の映画)

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ジュディ・ガーランドの顔って何か不思議だ。物凄い美人に見える時もあれば、逆に不美人に見える時もある。
クルクル変わる表情に目が離せない。
歌は言うまでもなく素晴らしいんだけど、表情の豊かさもミュージカ
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生きる(1952年製作の映画)

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数年ぶりに再見。
クレジットに名優の名前が出るわ出るわ、豪華すぎてため息が出る。
けれども、主演の志村喬を筆頭にいわゆるスター達ではなく脇を固める渋い面々で構成された作品。
現代の「バイプレイヤーズ」
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若草物語(1964年製作の映画)

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これ、てっきりあの「若草物語」の日本版かと思ってたら全然関係ないオリジナル脚本だった。
いわゆるお正月興行のスター女優豪華共演!的な一本。
なのでストーリー展開は結構雑。
元々、ルリ子と浜田光夫がカッ
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郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946年製作の映画)

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これまでに何度も映画化されている古典的名作。
本作は3度目に映画化された1946年版。
観ていて古さを殆ど感じない。
ストーリー自体が普遍的なものだし、役者の演技がしっかりしているので安心して観ていら
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ふきげんな過去(2016年製作の映画)

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前田さん監督作ということで、ゆるい感じの話を想像して観たらイメージと違った。
割とシリアス、というか暗い。
基本会話で見せていくんだけど、音が小さくて聞き取り辛い。
でもシュールなやり取りや、言葉のチ
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ブルックリン(2015年製作の映画)

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1950年代に、アイルランドからNYへ移住したエイリシュが自分が生きていきたい場所と本当に愛する人を見つけるまでの物語。

船酔いで苦しむシーンは壮絶。
追い込まれたら人間ああするしかないよね…。
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センチメンタル・アドベンチャー(1982年製作の映画)

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クリント・イーストウッドと実の息子のカイルが共演した一本。
本編を彩るカントリーソングがとても印象的。
イーストウッドは歌も歌えるんだなあ。

カイルは本編ではイーストウッド演じるレッドの甥・ホイット
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ハロルドが笑う その日まで(2014年製作の映画)

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レンタルビデオ店でポップなジャケットに惹かれて手に取ったら、以前王様のブランチの映画コーナーで紹介されていて観たいと思っていた一本だった。

北欧映画ってシリアスな場面でもちょっとおとぼけな空気が漂っ
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悪名一番(1963年製作の映画)

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【八尾の朝吉、東京へ行く】
悪名シリーズ第8作。
今回は、金融会社の1億円近い金を盗んで逃亡した男を探し出すため、朝吉が清次と共に東京へ乗り込む。

東京オリンピックの前年に公開の作品ということで、工
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

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夢を追い続けることの難しさ、そして夢を叶えるために手放さければならないもの達の愛おしさ。
「もしも」の世界の煌めきを観ながら、ああ、ずっとこのままで終わらないでほしいと思ってしまった。

ハリウッドが
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ゼロの焦点(2009年製作の映画)

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何故か何度も見返してしまうほど大好きな一本。
「ゼロの焦点」は原作よりも野村監督版よりも、この犬童監督版がベストだと個人的には思っている。

オープンセットで再現された昭和30年代の金沢の街が素晴らし
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