空転したモーターの過電流にショートしたいくつかの回路、自動追跡のようふらふらとちょうを追いかけ、台座から下りれば、ここはどこかわからなくなる。風になる束の間、答えは要らないので、走らせることの自>>続きを読む
社外の予定、仮予定、重要、画期的な予定、フラグ、閲覧先制限あり、終日、承認依頼、承認待ち、承認完了
【今日のラドクリフ占い】今日はまったくいいことのない一日。枕のよだれのしみよりみじめで手の>>続きを読む
電鋸。
夏、だったか、畳を剥がし、角材で根太を組んで、合板を打ちこみ、その上にローズウッドの床材をヘリンボーン柄に張るということで。貼るのは、あらかじめ線を引いて、ボンドをべっとり塗りたくって、溝>>続きを読む
中学生の頃にみて、なんであれほど胸を打たれたのかを確かめたくてもう一度みた。ひとつは、物語を通じてお芝居のピーターパンの台詞や場面のひとつひとつが輝きを強くしていることだった。この物語は古典ともい>>続きを読む
鮫
白い鱗、青い目をした魚は
そのほとんどが筋力で
Rとして距離がのびればのびるほど
大きくなるモーメントが
繊維をけばだたせ
引きちぎりながら
尾びれでぶつのを
腕のひとつで耐えるように
洗いも>>続きを読む
プラグの宛先
君たちこういうことをしたかったんじゃないの?と、やってくれるよジョン・カーニー。軽々ととびこえたフェンス、ほどけたスニーカーの靴ひもが空に垂れる。そうなんだよ、こういうことがやりたか>>続きを読む
耳が良くない
器材も壊れた
G、C、E、A
帰り道がわからなくなった時には
青、にチューニング
してくれる人がいてほしい
なんだっけな。
なんか発行されるもの。
免許証、資格証、パスポート…
うん…だんだん近づいている気がする。
自分を判読可能な形で示すもので…
磁気カードか。
USJの年間パス、金色のカード。
2年間>>続きを読む
背中
そうですね、たぶんそれはどこからみても白く、くすみがなくて、背景も白く、ただ真っ白というには少しオフトーンで、というよりもマットで、消しゴムみたいないえばいいのかな、でもそれは表面の見え方だ>>続きを読む
うまくしゃべれなかった後は、苔の生した心を感じる。とある12月の雨あがり、気温がぐっと下がった、死人の肌のような空の下、一週間引き取りに行けなかったクリーニングを引き取り、偽りの活気に満ちた商店街を>>続きを読む
釦と牡丹
4ピースのひとつとれて傷んだベニヤに転がった。吐き出した痰、煤を被り、黒い汗を垂らしながら、スコップで投げこみ続けた石炭、燃やして吹いた白濁した緑の蒸気、かつて耽ったその煙に咳こんで膝を>>続きを読む
蝶々と蜜蜂
ただ蜜がほしいと足を踏み鳴らして咆哮をあげた。蜂の巣に手をかけ、のばした鼻で蜜を吸った。とろりとした琥珀色の液体が内側に広がり、恍惚と痺れを感じ始める。レディ・ガガ;象みたいに巨大で高>>続きを読む
全部取り替えるしかないですね、なんていわれても、嘘でしょう、水漏れをしているのは管のところでしょう、閉めれば直るんじゃないですか、全部なんてことは、ほらこんなに綺麗でしょう、全部悪いんですか、疑り警>>続きを読む
美しい光を撮る映像詩人が、光と詩を扱うのだから、中川龍太郎ここに極まれりとでもいいたくなる。映像の世界を知らないことで適切な言葉が見つからないことが悔しいが、自然も人工も、さまざまな光に奥行きと起伏>>続きを読む
一日の闘いを終えた
あなたはいま密林にいて、しかしあらゆる輪郭がのっぺりしていて、ちくわのような材質に包まれているので、こじあけるように、いや体をねじこむように前へ前へと進んでいく。体力勝負です。>>続きを読む
幼いころスーパーでよくみかけたケロケロキャンディーは、その名の通り蛙の顔をした棒つき飴で、そういえば、悔しん坊の泣き虫で、みんなでふざけていただけなのになぜかやっぱり泣いてしまって、ひとりで家の前ま>>続きを読む
映画館で視力検査。
視力検査でよくある「C」みたいなやつ。あれって、サークル(Circle)の「C」だったんだね。いやいやサークル(円)じゃないじゃん、切れてんじゃん、っておっしゃる人は目が悪い。>>続きを読む
人にされたいこと
言われたいこと
自分ができないこと
言い訳をして、しないこと
を、全てしてくれたような
やさしい人がいるではなく
やさしくすることでもなく
善意とは異なる
いることのやさしさと
や>>続きを読む
最近いろいろ痩せてしまって、夜になると身体に燃やすものが残っていなくて、自分の言動を思い返しては寒気が走り、五日に一回くらいは新しい人に会う元気もない。なげやりで、だから、というわけでもないけれど、>>続きを読む
書き続け書き続け、
書き続けて筆を折る。
A futureがThe futureに変わったことに気づいた時にはもう遅いので、乗り気はしない。
数で勝負
下手な鉄砲数うちゃあたる、
そんなことはなか>>続きを読む
両生類。
楽しくみて、思い出して切なくなるのは、まるで亡霊のようだから。生き生きとしていればいるほど、明るいカラーであればあるほど、無邪気に色をたせばたすほど、彼女たちは透明な肌を失っていくifの>>続きを読む
排水管の出口あたりに黄緑の姿を見つけてびくりと立ち止まった。5月も終わりのよく晴れた日だった。家では声が隣人に筒抜けなので、外に出て電話のためだけに歩いてる途中で、うわ、蛇おる、え、うそ、うん、なん>>続きを読む
オペ。
天才外科医の手術室か。クランケを損傷させることなく、音と映像のシームレスな接合と縫合の技術がすごい。しかし皮膚を一枚めくればすべて入れ替えられた器官だ。麻酔されて直截的な痛みは鈍くするだけ>>続きを読む
鉛筆。
中指にタコができるほどいつも2B鉛筆を握りしめていた。いまは他の指と変わらないくらいきれいになっている。中指のタコ、それはもう消えてしまっているが、思えば少し、誇らしげにそれを見つめていた>>続きを読む
砂と塩。
さらさらと砂を落として歩く。
肌は酷い紫外線に晒され爛れている。
崩れて吹き飛びそうな存在の
足跡だけが確かに残り
埋もれた夜道の誘導灯。
汗はまたたくまに乾いていく。
名残として肌に>>続きを読む
周波数。
わたしが波であるのなら、あらゆるものが方程式で記述され、そのすべてが解き明かされるまで、概念としては死なないだろう。ひとつの時代が終わる、そのときまで、斜陽があたりを剥き出しにして、まだ>>続きを読む
洗濯をしてアイロンをかけずっと
しまったままの夏のハンカチ。
・・・
【今日のアダム占い】記憶を洗うような白い光が瓶に満ちて、埃をかぶった誰かの物語の一部かも。生活は苦しくても気前よ>>続きを読む
ステッキ。
池内紀は内田百閒の第一阿呆列車の解説で、ステッキのことを以下のように述べている。「ステッキはつねづね、足につきそって歩行を助けるよりも、歩みをとめてブラつかせるのに用いられてきた。肉体>>続きを読む
いっせいに青になった交差点。
日々は交渉ごとだらけ。これをしたからあれをやって。その日はこれをするかわりに、この日はあれをしよう。しょっちゅう決裂していては生きていくのはちと厳しい。交渉は双方の妥>>続きを読む
七時間を超える接写のうちに、巧妙かつ狡猾な罠にはまったようなのだが、それがどのような罠なのかついに知ることもなく、死んでいくのだろうと思う。馬の蹄に腹を蹴られたような衝撃が走ったのは覚えていて、鈍痛が>>続きを読む
僕と儡。
僕。ぼく。もう使うなと言われてしまった言葉。頭蓋骨を重くて厚いもので打った時の鈍い音。愛はどんなに歪んでも、原型を失っても、憎しみに変貌しても、下僕でしかない存在であっても、愛であること>>続きを読む
上流から清涼な風が吹きつけてきて目を細めた。北の山の深い緑が遠くにみえる。シャツの裾がゆれ、じっとりかいていた汗が肌を冷ます。川面で銀の滴が小魚のように跳ねている。段差を流れ落ちる小さな滝の音は、聞こ>>続きを読む
刻。
砂利や泥にはなにも刻むことができない。磨り減る前の礫や石にはそれができる。ごろごろとした岸辺から、ただひとつ刻まれたその名を探す。肉親の泥濘は次第にその厚みを増し、しかしそれらを凌駕する潔さ>>続きを読む
彫。
巨大な金板に彫られた壮大な叙事詩。先の潰れたチョークで描かれた洞窟の壁画よりも太く野性的で、濃やかな筆致で描かれた宮殿の壁画よりも豪勢かつ絢爛。その彫りの深さは、山をもえぐる川の流れ。その彫>>続きを読む
走り終わったあと、叫んだことはない。叫んでもいいのにとは思う。小雨のレースの後、走り終わって雄叫びをあげる人がいた。それを羨ましいとは思う。とてもではないけれど、叫ぶなんてことは正気ではできない。とは>>続きを読む