enさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

さがす(2022年製作の映画)

4.0

ひょうきんな役を演じがちな佐藤二朗だからこそ、父親役に深みが出ていた。岬の兄妹しかり、八方塞がりな状況で暗くなりがちな中に笑ってしまうシーンとラストシーンが強く印象に残る。

無垢の祈り(2015年製作の映画)

4.0

生きることを辞めることが救いにつながる少女の世界を思うと辛すぎる。フィクションの中の出来事であってくれと思わずには居られない。

パラノーマル・アクティビティ(2007年製作の映画)

3.5

生活に根付く恐怖をPOV方式で描くことで、二人が狂っていく様子にリアリティを持たせている。霊の気まぐれで人生狂わされるってかなり最悪な部類に入るなと

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

4.5

サイケデリックで知性と狂気が混在している芸術を観る。坂本慎太郎さんの曲の「それは違法でした」をちょうど聴いていて、ディストピアな世界観に共通点を感じます。

劇場版 STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)負荷領域のデジャヴ(2013年製作の映画)

3.8

アニメがあまりにも完成されているゆえに、ボーナストラック的な感覚で観る。アニメの前日譚でもあり、後日談にもなり得る仕掛けが面白い。

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

4.0

「ワンダヴィジョン」を観たら事の発端が詳細に分かるんだろうけど、観てない自分も想像力を働かせて楽しめました。とっくにMCUないしはヒーロー映画に勧善懲悪でカタルシスを得られるフェーズにはないけど、ワン>>続きを読む

スキャナーズ(1981年製作の映画)

3.5

面白いし、80年代に観たら斬新だったろうな。能力が生まれた背景や能力バトルとか諸々が90分弱で詰め込まれているところもすごい。
能力を使ったら、頭痛が起きたり鼻血を出したりと代償がある感じのロマンがあ
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はりぼて(2020年製作の映画)

4.0

血税が政治家のための私欲に使われる実態が暴かれる姿に許せなさと同時に、誤魔化しきれない欲求への正直なところに滑稽さがある。少しおとぼけた印象を持つBGMもより、滑稽さを加速させてて秀逸でした。
五百旗
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ハニーボーイ(2019年製作の映画)

3.5

オーティスの境遇を考えると色々と辛すぎるけども、映画にする過程でシャイア・ラブーフと父親とで本当にわだかまりが消えていたらと願います。

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.0

90年代半ばのアメリカの文化に触れて生きて本作に共感できる人が羨ましい。本作の時代の空気感の輪郭をなぞった自分でさえ、人格形成に影響を与える10代の青春時代の彼らの内面を除けたような気がする。
90年
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イップ・マン 完結(2019年製作の映画)

4.0

強すぎるイップ師父の活躍の集大成があります。序盤に弟子のブルース・リーの活躍するシーンが差し込まれていて、お約束感には笑ってしまう。
時代が武道を必要としていないことを感じながらも、人道を背中で見せる
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ドント・ブリーズ2(2021年製作の映画)

4.0

前作を観なくても、覚えてなくても楽しめる。盲人の老人の不可侵な狂気や悲しさのバランスが良いです。
序盤からピンチが続くもののラストにピークを持ってくるような起承転結の上手さも感じます。100分に収まり
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スパイの妻(2020年製作の映画)

4.0

主要人物のみなに信念があり、変わってしまったように見えて変わっていないことがわかる芯の強さが感じられる。聡子の強かさに優作と惹かれ合う理由が分かる。二人がどこまでが計算なのか、本当に信頼し合ってるから>>続きを読む

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

3.5

約4時間もあり3日くらいかけて観てしまった。観る側に試されるところもあり、集中力を持続できずストーリーと相まってエネルギーの消費がかなりあった気がする。こういうパワーのある作品は劇場で映えそう。
映画
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26世紀青年(2006年製作の映画)

4.0

とある実験のゴールドスリープから目覚めたら人類がとんでもなくバカになっており、平均値の能力の主人公が活躍する設定から引き込まれる。この設定の中で、それ以上のことは起こらないけど、ゲータレードが諸悪の根>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.0

主人公が肉体を失っても魂が無事なら気にしない気質や世界観で、見た目でなく魂や心で地下世界の住人と交流する様が沁みます。

蛇のひと(2010年製作の映画)

3.5

西島秀俊のノリが良く気さくな関西弁にのせられた人々の話を聞くうちに、思いもしない真相が明らかになっていく。これ以上の山場は訪れないであろう体験を過去にしてしまったが故に、その後の人生はおまけのように自>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.5

悲しみに向き合うことの苦しみと、いつかは折り合いをつけなくては前に進めないと分かりつつ簡単には癒えない傷を抱える気持ちを約3時間沁みるように観る。
傷を見せ合うことの勇気と、他者への信頼が徐々に得られ
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ビースティ・ボーイズ・ストーリー(2020年製作の映画)

4.0

ビースティ・ボーイズに明るくない自分にとっても、彼らのストーリーがスッと心に入ってくる。アドロックとマイクDが過去の自分たちをイジりあいながら歴史を振り返っていく。
友達の関係のままバンド、グループを
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ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(2021年製作の映画)

3.5

バンドにアンディ・ウォーホルが関わってニコが加入した程度の知識で観たが、それ以上にドラマがあってバンドの精神性とメンバーの美学の一端が感じられる。

さよなら渓谷(2013年製作の映画)

3.5

被害者と加害者にしか分かりえないことがあって、第三者にはどうしても理解できないものがあるけど、それを分かろうとする記者に人間の妙を観る。ラストにかなこの行動の意味、俊介の思い、記者の好奇心の果てが交差>>続きを読む

音楽(2019年製作の映画)

4.0

坂本慎太郎、岡村靖幸、ドレスコーズとガワだけ見てもアツい。音を楽しむから音楽だと言うことと、気づいたら音楽が好きになってたことを思い出させる原体験みたいなものを想起させます。

アングスト/不安(1983年製作の映画)

3.5

異常で狂気に満ちて最悪過ぎる。生育環境の不幸の産物が世間に放たれて、全く無関係の人々が惨殺される嫌さしか残らない。殺人鬼が常に何かに不安に駆られながら、落ち着かない演技には鬼気迫るものがある。

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.0

自分がもし音に限らず、今ある身体機能の低下や喪失が生まれたらとルーベンの心境や境遇を観ながら考える。
その状況でできることをするほかないけど、理想と今との乖離に苦しみながらどこかに折り合いをつけて前に
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スーパーサイズ・ミー: ホーリーチキン !(2017年製作の映画)

4.0

人の目を引かせながらも、問題提起して本質に迫らせる監督の手腕が輝いていた。資本主義ならば何をやっても良いわけではなく、人道あっての経済活動であるべき。
知らずに何かに加担していて、人を苦しめる側になら
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スーパーサイズ・ミー(2004年製作の映画)

3.5

冒頭から僕たち私たちはファストフード大好き!ってな具合の頭の悪そうな歌から始まって良すぎる。本題の1ヶ月間3食をマクドナルドの商品を食べることと、身体への変化の計測など、意外と細かなレギュレーションの>>続きを読む

誰も知らない(2004年製作の映画)

4.0

残酷なことだけど、親は子供が独り立ちできるまで育てるための適正や環境を用意できないと、親子お互いが不幸になってしまうなと。子供を育てられないことを親だけの原因にすることも良くはないし、物語上でも子供た>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

5.0

超大作のパワーが非常に感じられるスパイダーマン映画の集大成を観る。テレビで流れる予告映像くらいの情報量の新鮮さで本作を体験できたことがなによりの幸福かな

神宮希林 わたしの神様(2014年製作の映画)

3.5

スピリチュアルでセンシティブな内容であることはさておき、樹木希林さんが見ている景色から何を思うのか、その一端を感じ取れた気がする。そして、希林さんの洋服の着こなしが非常にカッコ良く注目ポイントの一つで>>続きを読む

青空どろぼう(2010年製作の映画)

4.0

教科書の小さいスペースからは知り得ない経済の発展のために犠牲になった人々の生き様を観る。経済の発展に伴い自分の行動や生き方が誰かを傷つける側に加担していないかを社会、世界全体で考え見直さなければいけな>>続きを読む

平成ジレンマ(2010年製作の映画)

4.0

ある事件を取り上げるマスコミに対する戸塚校長の語る言葉に非常に胸が打たれる。本質は戸塚ヨットスクールの教育方針の是非にあらず、学校に馴染めない結果行き場を失った子供達の因果は何かである。
自立して生き
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ホームレス理事長 退学球児再生計画(2013年製作の映画)

4.0

非常に心臓がキュとなるシーンが幾度もあるが、可能な限り元高校球児たちが抱える問題を映し出す制作陣の気概が感じられる。理事長も監督など「ルーキーズ」の運営陣の損得勘定が出来るほど器用さがないゆえの真っ直>>続きを読む

死刑弁護人(2012年製作の映画)

4.0

安田弁護士の大義と信念に気概が非常に感じられる。マスコミが取り上げるセンセーショナルで人々の食いつきが良さそうな部分に踊らされて被疑者に石を投げつける民衆の一人になっていないか顧みる。
声が大きく聞こ
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長良川ド根性(2012年製作の映画)

4.0

お国が右を向けと行ったら、右を向くしかない中で活路を見出したところで、今度は左に向くようにと長良川と生きてきた人々が不憫で仕方ない。これに対して政治家がイメージアップのためのパフォーマンスで問題に取り>>続きを読む

さよならテレビ(2019年製作の映画)

4.5

数々のドキュメンタリーを撮ってきた東海テレビが自社の報道部の様子を写したドキュメンタリー

自身の目で現物や現場を見ること以外は、作為性や都合の良く切り取られた事象なのではないかと、メディアの機能につ
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ヤクザと憲法(2015年製作の映画)

4.0

社会のセーフティーネットの隙間から取りこぼされたものの行く末の一つにヤクザがあるという実録を観る。そして暴対法などの法や規制で締め上げられて、ヤクザであるものやあったもの、そこに関わるものに対する世の>>続きを読む