たわらさんさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

ガンズ・アキンボ(2019年製作の映画)

3.6

2丁拳銃にさせられて生活が不自由になるドタバタコメディかと思いきや、想像以上に無関係な人が退場していき笑いにくい。初期の方のエドガー・ライト作品を彷彿とさせる演出は、ゲーム・仮想世界のような本作と合っ>>続きを読む

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

3.8

誰かと共にいることが必ずしも孤独感を拭う事は出来ない。佐々木は青春の輝きそのものであり、その灯火が燃え尽きたことで悠二は過去に囚われていた現実に向き合う事になる。

ソニック・ザ・ムービー(2020年製作の映画)

3.0

控えめに言ってソニックが煩わしいので愛着なんて持てず、面倒事を起こしまくる災害になっているんですよね。ソニックがチート過ぎて、人間サイドの必要性が感じられませんし、バディアクションものとしてクオリティ>>続きを読む

アラビアのロレンス(1962年製作の映画)

3.7

完全版(227分)視聴

中東が大国の利益のために犠牲を強いられることが、この60年の間にも幾度と繰り返されるのは人の貪欲さは進歩することはないのだろう。作品を追うだけではロレンスに魅力を感じなかった
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劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ(2003年製作の映画)

3.2

『セレビィ』と同様に『もののけ姫』感が強く、ポケモン映画にジブリもどきが多いのは気のせいだろうか。マサトとジラーチの関係性があまり微笑ましいとは思えなかった。主題歌は良い。

流浪の月(2022年製作の映画)

4.5

地に足が着いている一般人とは打って変わって、逸れ者である2人が流浪の月と例えられているのは秀逸。自分の都合のいいように解釈していき、他者を記号化していくことで生まれる悲劇を見せられた。その同情は他者に>>続きを読む

ゲーム(1997年製作の映画)

3.9

やはりデヴィット・フィンチャーが手掛けた緊迫感のある映像は見応えがある。独り身のおじさんがテンパっているのは面白いし、ニュース映像の差し替えなど序盤の仕掛けが良い。

ただ物語のオチも巻き込まれ型なイ
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スパイキッズ(2001年製作の映画)

4.1

ホームアローン+Mr.インクレディブルのようなスパイドタバタ劇。ティム・バートン作品のような映像的快楽があり、スパイキッズや細かい笑いどころ、ブラックジョークと古臭さは仕方ないもののファミリー映画の良>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.2

ウルトラマンの再構築ではなく、現代に蘇らせたウルトラマンの総集編に近い。思い入れがない身としてはウルトラマン入門編として楽しめたが、意図的に難しくさせている台詞回しにより入門の割には勧めにくい作品とな>>続きを読む

ミスター・ベースボール(1992年製作の映画)

3.2

助っ人外国人にフォーカスした題材は面白いものの、ダラダラ尺を割いた割にはドラマが薄味。打ち合いの駆け引きなどの野球描写に割いていたらラストの選択もアツいものになったのではないか。アメリカ映画ではあるの>>続きを読む

呪怨(2002年製作の映画)

3.7

霊の演出は良いものの、登場人物の行動がご都合的であるのでリアリティが削いでしまっている(役者の演技力も相まって)のが勿体ない。

岸和田少年愚連隊(1996年製作の映画)

3.0

なにわ風不良系ノスタルジー。時代性が顕著に表れていて、現代的な価値観からしたら何が良いんだかと冷めた目で見てしまうものの刺さる人には刺さるのであろう。

火口のふたり(2019年製作の映画)

4.0

堕落的な2人による刹那的な関係をエロティックかつノスタルジックを同時に描いていく。直子には少なからず未来に希望を抱いてており、対する賢治は今にも崩れそうな面持ちが全編に渡る。地震が来ても避難はせず、直>>続きを読む

行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

3.7

ド派手なアメリカンドリームを主張する作品がある一方で、抜け出すことのできない貧困層の物語があるのも事実。まさに公開が近かった『mid90s』をノンフィクションにしたような作りであり、負の連鎖が続く鬱屈>>続きを読む

東海道四谷怪談(1959年製作の映画)

3.6

シンプルイズベスト怪談。小道具や演出に当時なりの創意工夫を感じる。

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.2

虐めやレイプ(加害者が理解していないのがタチが悪い)は若さや無知で許されるべきではない。過度な制裁によって前途ある青年の未来を潰すのか、という言い分があるが、被害者の未来が損なわれていることを留意しな>>続きを読む

回路(2000年製作の映画)

3.3

黒沢清作品とアリ・アスターの『ヘレディタリー』でも同様なのだが、霊現象に対して懐疑的な自分とはどうも相性が悪い。本作を筆頭に黒沢清作品の抽象的な作風を自分なりの解釈に落とし込んだところで、冷静に見ても>>続きを読む

星の王子ニューヨークへ行く(1988年製作の映画)

3.9

ベタながら王子の知性と教養、寛大さでニューヨークとの街とのギャップがあるのが痛快。終盤は失速してしまいましたが、出向く先全てに強烈なキャラがいたり、マクドナルドのパパラッチとかコメディ描写が尖っていて>>続きを読む

ライムライト(1952年製作の映画)

3.5

時代と共に映画は移り変わり、本作は歴代のチャップリン映画の中でも一線を画すかもしれない。純粋なドラマは当時としては新鮮でも今となっては平凡な印象。チャップリン自身も作品に思いの丈を込めているのだが、そ>>続きを読む

ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!(2020年製作の映画)

2.9

1,2作目を楽しんでいた世代が観るには荒唐無稽過ぎてしょうもないし、本作から入る新規層には優しくない作りであるため、とても中途半端な作品になっている。俳優やシリーズのファン向けなのかもしれませんが、一>>続きを読む

バブル(2022年製作の映画)

2.6

実写版『デビルマン』が映画作りでしてはいけないことを網羅した教科書だなんて言われてますが、アニメ映画から選出するなら『バブル』は教科書候補でしょう(バブルマン)。舞台装置としての登場人物、目的がないた>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.7

抜けているキャラたちの噛み合わない会話は漫才なようで面白く、そのグルーヴ感溢れるブラックコメディが痛快である。ただ阿保キャラばかりでは胃もたれしてしまうところも、バランスを考えてキャラを配置して場面を>>続きを読む

浅田家!(2020年製作の映画)

4.0

汚れた写真から家族を浮き出すことで復興と再生に様々な意味を持たせている。写真には過去を感傷するだけでなく復元装置としての役割があり、人の温もりや繋がりを浅田家の家族を通して感じさせてくれる。

二宮の
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はちどり(2018年製作の映画)

3.5

様々な要素は詰め込んではいるのだが、ウニが理不尽な現状を把握する小さな前進を描いたのが本作であり、劇的な変化が起こり得ないのが現実に即している。散漫とした全てのテーマに対して回答を示さないことは人生の>>続きを読む

魔女の宅急便(2014年製作の映画)

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大人が機能しておらず、街の倫理観が凄まじいとんでも映画。キキも含めて住民が尖り過ぎていて感情移入を妨げるし、旅立つ高揚感のかけらも無い(百歩譲るとして、魔女に対する扱いが酷いのに送り出した魔女連盟が鬼>>続きを読む

名探偵コナン 純黒の悪夢(2016年製作の映画)

4.1

近年のコナン映画のシフト表を見るに、メインキャラの多くが出勤している本作。キャラクターと世界観、物語、全てにおいてぶっ飛んでいるコント映画でもある。フィクションの中にもリアリティは重要であることを再認>>続きを読む

BLEACH(2018年製作の映画)

2.5

原作なのか本作のみの難点なのかは分かりかねるが衣装を筆頭に全体としてチープな作り。物語面では一護の動機付けと死生観の踏み込みが甘く、ルキアとバディものとしてのクオリティも低い。映像面では河川敷やロータ>>続きを読む

映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園(2021年製作の映画)

4.1

対局的なしんちゃんと風間くんの関係性にフォーカスしつつ、近い未来に起こるであろう進学先問題と亀裂が入った友達関係などの踏み込んだ描写に感心する。過去作オマージュのようなアクションや小ネタなどのファン要>>続きを読む

ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2020年製作の映画)

3.4

魅力あるキャラの不在、お馬鹿アクションも歴代に比べたら地味、弱すぎる物語の推進力、過剰な上映時間と散々な出来。世界を救うんじゃなくて、小さな世界の小さな物語で良いんです。

ミュウツーの逆襲 EVOLUTION(2019年製作の映画)

3.7

本作自体が98年のオリジナル版のコピーであり、作品がミュウツーのメタファーになっているのが面白い。本作の特筆した点は3DCGならではの水や光の映像美や、ポケモンの皮膚や人の髪の多種多様な質感であろう。>>続きを読む

劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲(1998年製作の映画)

4.0

完全版(85分)視聴

クローンの存在意義を問う深いテーマ性かと思いきや、物語が進むにつれて"ポケモン映画"に成り下がってしまった印象がある。ミュウツーの寂しがり屋な一面が浮き彫りになってきて品格が失
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

4.1

日露戦争の勝利、満州国の建国と勢いに乗っていた日本が存在していたのは事実であり、その驕りと慢心が本国の被害に少なからず関与してしまった時代の切り取りがなされている。もはや大和は当時の日本を象徴するモニ>>続きを読む

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.0

少年期に体験することは全てが新鮮であり、本作のスティーヴィーは少し年上の悪ガキによって好奇心は加速していく。行いの良し悪しは置いておいて、友と過ごした時間や変化を味わった時間は輝しくフィルムに刻まれて>>続きを読む

ドラえもん のび太のワンニャン時空伝(2004年製作の映画)

3.8

起承転結の承が抜け落ちたような駆け足だったが、国民的アニメの映画に必要な劇場版ならではの世界観や壮大なアクションがあり、旧ドラの大団円に相応しい内容。のび太の声が母親感強くて全体的に少年らしさが無いの>>続きを読む

無垢なる証人(2019年製作の映画)

4.4

1人の成人男性と1人の自閉症の少女が心を通わせていく微笑ましさがありながらも、弁護師側の目的は自閉症の少女を証言台に立たせるという邪心が混じっている歪な構造が面白い。正直なところ視聴者目線では目撃者の>>続きを読む

機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編(1982年製作の映画)

3.6

戦争の物語から個人にフォーカスされるのだが、総集編なのもあり心情の変化が急過ぎて人間ドラマが面白いとは言い難い。シャアも私情に揺さぶられてチープに見えてしまうのだが、良くも悪くも人間的である。念願のザ>>続きを読む