たわらさんさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

星を追う子ども(2011年製作の映画)

3.7

ジブリっぽいの極み。トトロの森、独り言が多い女の子、もののけに出てきそうな化け物、ハクのような少年、飛行石とムスカ、ラピュタの3点セット、猫のパートナーetc…。割と早い段階で全部乗せで来るため笑って>>続きを読む

レッドクリフ Part I(2008年製作の映画)

3.3

壮大な製作費の割には物語のテンポとアクションの演出も悪いし、キャラがアニメ的であるため全体的に奥行きが生まれてない。『ゴッドファーザー 』等のシリーズものと比較しても、単体だけで完結していない作品は個>>続きを読む

スーパー!(2010年製作の映画)

4.1

何の取り柄もないただの一般人がコスプレして自称ヒーローを名乗るイカれた作品。MARVELやDCのスーパーヒーローに見慣れて感覚が麻痺っていたが、(当然のことだが)一般人が撃たれると「痛い」ということを>>続きを読む

雲のむこう、約束の場所(2004年製作の映画)

3.6

初めの30分は問題なかったのに、高校生編からエヴァっぽいアニメの知らない総集編に様変わり。たがが3人の学生に政治的背景や科学技術を詰め込みすぎだろ、と違和感を覚えるものの、純情が呼び起こす巨大なエネル>>続きを読む

サイン(2002年製作の映画)

3.0

シャマランが得意とするジメッとした不快感と恐怖を織り交ぜたSFファミリーものであったが、10年代に制作した『ヴィジット』や『OLD』に比べて演出の面白みが少ない。偶然と必然の表裏一体を描くにはもう少し>>続きを読む

アタック・オブ・ザ・キラートマト(1978年製作の映画)

3.4

襲ってくるトイレやシャークネードも存在するのだから、殺人トマトがいてもおかしくはない…。カスのシンゴジラって感じで楽しめましたが、この時代から「俺たちはゴッドファーザーやスターウォーズを超える映画を作>>続きを読む

トロン(1982年製作の映画)

3.5

本作はコンピューター内での世界に入って擬人化したプログラムと衝突する物語だが、後に『マトリックス』や『シュガーラッシュ』などに影響を与える原点のような作品なのではないか。仮想世界という概念という点では>>続きを読む

ヒドゥン(1987年製作の映画)

3.6

激しいカーアクションから寄生物が露わになった一連のシークエンスが見事であると同時に、その後の展開が尻すぼみになっていた印象。ありきたりの主人公刑事には尺を割かずに、寄生生物のニッチな趣味や特殊な習慣へ>>続きを読む

127時間(2010年製作の映画)

3.6

ポスター絵やDisney+配信の情報から『アーロと少年』や『ジャングル・ブック』のような大自然ムービーを想像していたのですが、相当ショッキングなソリッドシチュエーションものでした…。途中ダレる点など『>>続きを読む

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)

3.7

爆弾処理やスナイパーの狙撃シーンと緊張感のある描写が淡々と描かれていき、ドライとも感じる展開の移り変わりは戦争時の日常を表しているのであろう。アメリカ兵視点の記録映画であり、反戦映画として扱うには色ん>>続きを読む

花とアリス(2004年製作の映画)

4.0

少女漫画のようなストーリーなのに、実写で違和感なく描くことができるのは岩井俊二くらいだろう。思春期の独特の感情を切り取りつつ、溢れる多幸感と輝きが映像が伝わる。

トータル・リコール(1990年製作の映画)

3.9

記憶の書き換えによる自己の揺らぎというテーマ性を優れたSFのプロットであるのに、シュワちゃんがいるだけで「ガハハハハ」と楽しめるアクション大作へと変貌している。今となっては火星や未来グッズなどチープに>>続きを読む

ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)

3.6

怪獣シリーズは『ゴジラ(1954)』と『シン・ゴジラ』、『キング・オブ・モンスターズ』しか触れていないので、平成初期の日本を舞台にした怪獣映画といっただけでも新鮮。シミュレーションとしては弱いしアニメ>>続きを読む

処刑人(1999年製作の映画)

3.8

身勝手な正義感は振り翳していく若人や、狂気的なFBI捜査官といい人間味に溢れていて、役者の熱演が作品の面白さへと還元されている(コナー演じるショーンがジェシー・ピンクマンに見えて仕方ない)。

事故現
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レインマン(1988年製作の映画)

3.2

興味が惹かれるテーマであっただけに男が兄に対する目線を変わる動因が才能であることにガッカリ。もし借金を返せてなかったら、弟の兄に対するハラスメントは続いていたでしょう。「自閉症に理解がある作品」風なだ>>続きを読む

コンスタンティン(2005年製作の映画)

3.4

『チェンソーマン』のOPにてオマージュされた神話バトル系映画。個人的には物語に惹かれませんでしたが、漫画的描写の先駆けになった作品かもしれませんね。

恋人たちの予感(1989年製作の映画)

3.8

なんら変哲もない男女のドタバタラブコメだが、会話劇がユーモアに富んでいるため観てられる。男女間の友情は成立しないのではなく、友情は成立するが異性としての認識は免れないんだと思います。

「不倫で結婚は
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フォーン・ブース(2002年製作の映画)

4.0

通話にフォーカスしたソリッドシチュエーションものは幾つかあるが、無の状態から混沌と化していくのがグラデーションがやはり面白い。娼婦がピーピー言って、言わんこっちゃない内に規模がデカくなっていく不幸加減>>続きを読む

96時間(2008年製作の映画)

4.0

娘と離れ離れにありながらも仲間内に娘への愛を語るおっさん(ブライアン)の哀愁に惹かれる。元妻からの負の感情をぶつけられつつも悲哀に満ちたおっさんがただ頑張るのに胸を打たれるし、不殺なんてクソくらえの精>>続きを読む

ジェイコブス・ラダー(1990年製作の映画)

3.9

「死に怯えながら生き長らえると悪魔に命を奪われる。でも冷静に死を受け止めれば、悪魔は天使となり人間を地上から解放する。要するに心の準備の問題だ。」

ジェイコブにとって過去の家族の思い出は彼を縛る「死
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アジョシ(2010年製作の映画)

3.5

少女との関係性は少し希薄なため、そこからの救出作戦に乗れず。行き当たりばったりな印象も受けて、キャラとドラマに深みが欲しかった。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

人と人を繋ぐものは一体なんなのか。それは言葉ではなく「物語」であり、小説の脚本や朗読劇、多言語演劇、思い出話のどれかかもしれないし、複合的に絡まった道筋の上に自己を形成している。時には、物語自体に抱擁>>続きを読む

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.6

バイトの店長や先輩、取引先にいる嫌な奴の描き方が妙に生々しく、至る所に日常を展開させていて会話もユーモアに溢れている。固有名詞を散らしたりと、何気ない会話の数々が没入感へと変換されて、ワンセンテンスと>>続きを読む

嘘喰い(2022年製作の映画)

2.5

ふざけた倫理観や治外法権が適用されているネオ東京。コメディになりきれてないため、しょうもない映像が垂れ流されていて、撮影が楽そうだなと勘繰ってしまう。

こっから見せ場のトランプゲームなのにシャッフル
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ガールズ&パンツァー 劇場版(2015年製作の映画)

3.7

アニメーションならではの「何でもあり」を悪い方向に特化させた作品であり、人のリアリティと同時に共感性のカケラもない。如何に町並みと対抗戦車をぶっ壊す摩訶不思議な演出を楽しむ作品。

ドラゴンボール EVOLUTION(2009年製作の映画)

2.6

全体的に質が低いもののボロクソ叩くほど酷くもないB級アドベンチャーもの。基本許容しているのですが、唯一気になったのは悟飯じっちゃんと亀仙流の意志といったものが継承されず自己流で解決してしまうのは如何な>>続きを読む

ONE PIECE STAMPEDE(2019年製作の映画)

3.6

ウソップゥ!! 何やってんだお前ェ!!

オールスターをやるにしては見せ方が上手くなく、ガチャガチャしている印象。この緩急が無いため、出てくるキャラたちに希少性を持たせられていない。そして、みんな説明
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

3.3

下手くそな羅正門。特に言い分が異なることはなく、新たな解釈が出たわけでもないのに何故三幕にしたのかが理解できない。男性の有害性や所有物としての女性を描きたいのであれば、再放送している場合ではなく信用さ>>続きを読む

バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

3.7

邦題や銀色の円盤に期待値を上げてしまったが、意外にもスケールの小さい七人の侍である。異様な出来事や伏線の数々、死と隣り合わせの緊張感が不穏さを常にまとっている作風。物資の貧困に苦しむ地方による私刑はや>>続きを読む

友情にSOS(2022年製作の映画)

3.9

意識不明の重症者を救急車へ通報するという当たり前のことができないイレギュラー性。見て見ぬふりをすればをすれば良いものの、一命を救うモラルとの葛藤が繰り広げれるのだが手にしている女性が爆弾としての役割も>>続きを読む

ミュンヘン(2005年製作の映画)

3.4

憎しみの連鎖による戦争が作り出す空虚さという分かり切ったことを長ったらしく描き、問題提起だけで終わってしまっている印象。物語を展開するために主人公チームが少し間抜けであったり、画力をもとめたばかりに足>>続きを読む

ホーム・アローン3(1997年製作の映画)

3.8

子供の悪戯に引っかかってあげている犯罪集団の優しさ。雰囲気トムジェリっぽいのでアニメ的演出を楽しみつつ、そんな仕掛け作れるわけ無いだろっていうあり得なさを楽しむ作品。『1』のように家が舞台であってこそ>>続きを読む

スターシップ・トゥルーパーズ(1997年製作の映画)

4.0

90年代後半に流行したチープな終末ものの一つかと思いきや、ファシズムを徹底的に風刺した痛快作。軍のプロパガンダ映像の挿入も滞りなく、ある種狂気とも捉えられる登場人物たちのやり取りを終始走り切ったものだ>>続きを読む

アルマゲドン(1998年製作の映画)

3.5

SFやシチュエーションものにしては抜けていて、このおバカっぷりの正体をマイケル・ベイ作品と知って納得。事件の規模感の割には皆能天気過ぎますし、ヒーローショーを観ているような気分でした。

鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー(2022年製作の映画)

2.7

演技には間が必要なことが再確認できる貴重な資料映像。CG技術は仕方ないにしろ、緩急がないせいで物語が超絶安っぽくなっているんですよね。理解のあるスタッフがいたら中世ヨーロッパを舞台にした悪条件を邦画が>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.2

豪華な俳優を使って演出や美術など自由に楽しく制作したのが伝わってくるが、大衆性が限りなく削ぎ落とされた本作。物語自体取り止めのないエピソードが退屈であるため、この雑誌は絶対に買わないだろう。