はぐれさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

はぐれ

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漁師(2023年製作の映画)

2.5

荒廃したディストピアな漁村を舞台にしたファンタジー。深田晃司の『海を駆ける』と監督が師事したという同郷の巨匠ラブ・ディアスの作品を足して2で割ったような感じ。そう言えば恩返しに来る巨大魚の化身もどこか>>続きを読む

至福のレストラン/三つ星トロワグロ(2023年製作の映画)

4.0

TikTokやインスタのストーリーなど昨今の秒のコンテンツとは対極に位置するナレーションもインタビューもない4時間にもわたる美食ドキュメンタリー。けど、これが名匠ワイズマンの手にかかると全然長く感じず>>続きを読む

西湖畔(せいこはん)に生きる(2023年製作の映画)

3.0

山水絵巻シリーズ第二弾。前作からかなりアプローチを変えてきたグー・シャオガン監督。山水画のように美しい中国の茶畑のスケッチの間に金欲にまみれた人間の醜いドラマを挟む構造はわからなくはないが少々唐突すぎ>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

3.4

山田太一原作の小説をロンドンを舞台に大胆に脚色したアンドリュー・ヘイ監督作。

都会暮らしでの底知れない孤独、パートナーがいない孤独、そしてセクシャルマイノリティーとしての孤独。「気が狂いそうになる」
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Ryuichi Sakamoto | Opus(2023年製作の映画)

4.5

2022年にNHKの509スタジオで数日間に渡り収録された音楽家・坂本龍一のラストコンサートに追ったドキュメンタリー。

ゲストで登壇をされた教授と親交があった役所広司さんが仰っていてたが長い闘病生活
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ムービー・エンペラー(2023年製作の映画)

3.6

香港版のパオロ・ソレンティーノって感が強いセレブリティーをこき下ろす作風なんだけど、こちらの方が隣国なだけあって感性が近くめちゃくちゃ笑えた😂やっぱ笑いの感性って大事だわ。

主演のアンディ・ラウはい
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ロングショット(2023年製作の映画)

2.1

90年代にとある中国の工場で起こった銃撃事件を扱った作品。

正直苦手な映画だった…。オカダカズチカ似の青年の演技が過剰で全体的に空回りしていた印象。演出もドラマチックに煽りすぎていて感情がついていけ
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逃げた女(2019年製作の映画)

3.3

初めてのホン・サンス。韓国映画には珍しく時代性も社会性も一切ない他愛のない会話劇。ヌーヴェルヴァーグよろしくスタジオも使わなければ照明も焚かない自然志向の撮り方。韓国のロメールと呼ばれている割には小道>>続きを読む

オーソン・ウェルズの オセロ(1952年製作の映画)

3.2

オーソン・ウェルズ×ウィリアム・シェイクスピア。

市民ケーンよろしく結末の棺を運ぶシーンから始まる導入部がいかにも彼らしい。その強烈な深い陰影と立体的な画面構成はひと目でウェルズの映画とわかるから素
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ポリス・ストーリー 香港国際警察(1985年製作の映画)

3.5

ジャッキー映画3本目。

名スタントと名高い2階建てバスのシーンは手に汗握るやつ!
他にもスラム街を破壊しながら進むカーチェイスシーンなどアタオカな場面は枚挙にいとまがないんだけど、その最たるものはラ
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スパルタンX(1984年製作の映画)

2.9

ジャッキー映画2本目。

ラストの語り草になっているユキーデとのタイマイ勝負は圧巻!
ジャッキーのカンフーの殺陣は受けて受けて受けて、耐えて耐えて耐えて、耐えきってから最後に逆転をするからスカッとする
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プロジェクトA(1983年製作の映画)

3.4

初めてジャッキー・チェンの映画を通しで見たけどめっちゃオモロイ!時代を感じさせる演出も多々あるんだけど、その小気味のいい映画全体のリズム感だけは現代の作品にも全然引けをとっていない!

以前アメトーー
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音響ハウス Melody-Go-Round(2019年製作の映画)

3.3

数々の名盤の収録が行われた音響スタジオに迫ったドキュメンタリー。レジェンド達のインタビューはどれも貴重なものばかりだったが、一番響いたのは葉加瀬太郎さんのものかも。

自分にとっての聖地はアビー・ロー
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メイ(2023年製作の映画)

2.9

上海郊外の安アパートで一人暮らしをする口の悪いおばあちゃんを追ったドキュメンタリー。市場でカニを値切ったり婚活相手のおじいちゃんにたかったり、まあ大阪のおばさんに負けないくらいのたくましさ😂

ラスト
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.4

東京国際映画祭にて。以前から日本とは深い関わりあいを持つヴィム・ヴェンダース監督がメガホンを取った現代の日本を舞台にした作品。

舞台挨拶でヴェンダースが「私には日本の魂がある」と仰っていたがまさにそ
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バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

3.7

相変わらずヤバすぎる物量と熱量!

それにしても王の母親が世界一おっかねえ肝っ玉母さん((⛄))笑

バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)

3.5

余計な予備知識なしに強引に友達とかに見せた方がいいやつやね。どんなに嫌がってた人でも鑑賞後は

\ バーフバリ!バーフバリ! /

ってシュプレヒコールをあげること請け合い(笑)

ミッション:インポッシブル/フォールアウト(2018年製作の映画)

3.3

今作も鬼楽しい。もうストーリーなんかどうでもいい!断崖絶壁のロッククライミングにバイクチェイスにヘリコプターチェイス。そのどれもがトム印の激ヤバのお仕事ぶりでもう最高!これは大きなスクリーンで見なきゃ>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.2

アメリカの赤黒く血塗られた侵略の歴史をスコセッシ×デニーロ×ディカプリオが200分を超えて描ききる野心作。

先住民のオセージ族の持つ石油利権に群がる白いパラサイト集団。アリ・アスターの『ミッドサマー
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アクト・オブ・キリング(2012年製作の映画)

4.3

60年代にインドネシアで行われた大量虐殺。虐殺を遂行して英雄的な扱いを受ける実行犯にその虐殺行為を再現ドラマとして演じさせるというとんでもない二重構造。それがフィクションではなくドキュメンタリーだとい>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

3.6

リンクレイターとケイト姐さんの待望のタッグ作品。コロナ禍の波を乗り越えてようやく日本でも公開😢

ストーリーは家庭に収まってしまった元天才建築家のヒロインが創作意欲を取り戻すまでを追ったもの。有り余る
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.9

ゴジラやスター・ウォーズなどでクライアントの言うことを100%聞かなければいけなかったAIロボット監督のギャレス・エドワーズがその溜まった鬱憤を吐き散らかすかのように制作したSF超大作。だからからか、>>続きを読む

インファナル・アフェア(2002年製作の映画)

3.8

4K版も近々に公開されるとのことで我慢できずに鑑賞。今見ると正直しつこい演出も多々見受けられるんだけど、やっぱり香港が生んだ歴史的なフィルム・ノワール作品だわ。トニー・レオンもアンディ・ラウもどっちも>>続きを読む

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.4

原作があるなんて微塵も思わしてくれないくらい、通常運行のウェス特急。その語り口はやはり唯一無二。にしても、ガンジーを演じたあのベン・キングスレーが白玉のような被り物をさせられて自転車漕いでいるのがもう>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.5

大胆な淡いミントカラー。無感情な芝居と完璧な構図。1950年代への懐古と懐疑。そしてオーソン・ウェルズとステイホーム👾🏠。やっぱ全編ウェス・アンダーソン節が炸裂してましたわ。

地平線が見渡せるほどの
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ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

3.3

オープニングが楽しすぎる。「Open The Door!!」って叫んでんのに飛行機の格納庫の方を開けちゃうコントのような一幕。いや、やっぱりベタは偉大よ。笑いながらも画面に釘付けになってしまった(笑)>>続きを読む

ベロニカ・フォスのあこがれ(1982年製作の映画)

3.4

初めてのライナー・ヴェルナー・ファスビンダー。白飛びするようなどぎついハイライトの中に人間の闇を描く試みが素晴らしい。それに対してまだ正気を保てている登場人物には普通のライティングを施す対位法。

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北(ノルテ)―歴史の終わり(2013年製作の映画)

4.1

『立ち去った女』でヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を獲ったフィリピンの怪物作家ラヴ・ディアスの作品。彼の作品は映画祭でしか見れなかったりするから配信されているのは本当に貴重!

物語は『罪と罰』を下敷き
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ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)

4.2

巨匠タル・ベーラがその独特なスタイルを確立した記念碑的な作品。それがなんと今現在配信されていることを知り早速鑑賞。

鉱山から運ばれてくる石炭を載せた滑車のきしむ音、一面が酒に濡れて怪しく光る酒場の床
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彷徨える河(2015年製作の映画)

4.1

コロンビアのジャングルに住む故郷をなくした先住民の男と学術調査に来た西洋人の男との衝突を描いた物語。

全く異なる哲学を持った2人。現地で見聞きしたことをいちいち紙に書き残し知識を無尽蔵に蓄えることに
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ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011年製作の映画)

3.0

アメトーークのトム・クルーズ大好き芸人を見てたまらず鑑賞。もう普通に楽しい🤤

ドバイの世界一高い高層ビルでのシーンがCGじゃないとかホントヤバすぎるよね🤦ホトちゃんじゃないけどずっと😵って顔をしなが
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星くずの片隅で(2022年製作の映画)

3.2

パンデミックがピークの頃の香港が舞台。富める者は地方へ移民をして、貧しい者は都会へ留まらなければいけない。留まったところでマスクはブルジョワジーの手元にしかなく、下っ端の人間は加熱処理をして同じものを>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.2

風立ちぬからナウシカまで。キャリアの全ての要素が盛り込まれた宮崎駿監督の集大成的な作品!今までの作品は和なら和、洋なら洋と世界観が統一していたんだけど、もう俺には残された時間もないしどうせならどっちも>>続きを読む

エドワード・ヤンの恋愛時代(1994年製作の映画)

3.2

経済的には満たされているはずなのに心が満たされない台北に暮らす若者達の群像劇。台詞のテキストの量は膨大なのに本質的なことは何も語らないし、こちらにも何も記憶に残らない。それが後半に向けて徐々に覆されて>>続きを読む

ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

3.5

ブラウン管テレビ、ビデオデッキ、磁気テープ、アナログSFX。それにフェチズムを見出してしまうクローネンバーグの変態性が毎秒爆発してる(笑)お腹に腕を突っ込んだり鼓動するブラウン管に鞭を打ち込んだりアン>>続きを読む

アレクセイと泉(2002年製作の映画)

3.8

ずっと観たかった円盤化されていない作品がU-NEXTにあることを知りすぐさま鑑賞。

チェルノブイリの原発事故によって汚染されたロシアとの国境沿いにあるベラルーシのブジシチェ村。大半の村民が街へ避難す
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