はぐれさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

はぐれ

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まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)

3.7

窓から眺める旅に勝るものはない。

精神病棟の患者など出てくる登場人物はみんな狂ってるんだけど最後に上官からの司令に何の疑問も抱かずに殺し合いをする兵士達が一番異常であると感じさせられたから監督の勝ち
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

2.9

プロデューサーのクレジットにリドリー・スコットの名前があることに動揺する冒頭。

話の展開なんかはさすがのケネス・ブラナーって感じなんだけど肝心のロケーションがCG合成感バリバリでなんか消化不良。砂漠
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.3

ダニエル・クレイグのボンドとしての切腹を目撃しているかのようなある種の清々しさも感じる読後感。※畳のシーンがあったからそういう風に曲解してしまうのかも?(笑)

本当におつかれさまでした!!

ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス(2016年製作の映画)

3.7

個人的に2本目のフレデリック・ワイズマン。人種の坩堝であるニューヨークに暮らす人々のスケッチ。それを追っかけるのが楽しくてナレーションなんかなくても3時間なんてあっという間。

終盤に黒人文化研究セン
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

3.6

コードレスってなんて自由なんだろう。そして生演奏だと知らされた時の驚き。雑味の一切ないスパイク・リーの演出も好感しかない。同じフォーマットで他のアーティストさんたちもこのショーをやるべき!

すばらしき映画音楽たち(2016年製作の映画)

3.0

ハリウッドから見た映画音楽史。このジャンルの頂点であるニーノ・ロータに一切触れなかったのがなんか残念だった…。
そしてハリウッドの伴奏はやっぱり明確な主旋律ありきで評価されているんだってことがなんか衝
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ムーンフォール(2021年製作の映画)

2.0

備忘録

鑑賞した日から大分経っているけど唯一思い出されるのは大迫力のCGなんかじゃなくてハル・ベリーの美貌だけだった。なんでこんな映画に出たんだろう?未だに謎🤦(笑)

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.7

陳腐な言い方になっちゃうけどスマホやEDMがなかった頃の恋愛って本当にいいよね。めちゃくちゃ青春を感じるわ🥺

走る走る走る!💨

はなればなれに(1964年製作の映画)

3.3

シンプルメンとドリーマーズも随分前に観ていたからやっと元ネタを観れて感激もひとしお。ザ・シネマ様々!🙏🙏

全く感情移入出来ないクズの3人の強盗の話。最後の銃撃戦は当時からしたら相当斬新でオシャレだっ
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.8

過去の2作品のような人種問題にスポットを当てた作品ではない。SFやホラーにそれをどう絡めてくるのか楽しみにしていただけに、正直肩透かしを食らった感もある。けどパンデミック後に制作された作品だけにジョー>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.1

冒頭の暗闇のスクリーンから次第に聴こえてくるAhmad Jamal TrioのI Love Music。そこにパーティーの喧騒から離れてバツが悪そうに佇むヒロインの姿が視界に飛び込んでくる。このファー>>続きを読む

(1965年製作の映画)

3.5

監督岡本喜八、脚本橋本忍、音楽佐藤勝、主演三船敏郎という豪華すぎる布陣。物語は桜田門外の変にフィクションを織り交ぜたもの。

いつもはぶっきらぼうにアウトローを演じている用心棒役の三船敏郎が自分の恋の
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

2.9

『シェイプ・オブ・ウォーター』のギレルモ・デル・トロ監督作品。オールスター映画。

獣と人間との境界線を見世物小屋を舞台に描いている本作。やはりデル・トロは私利私欲に走る自分勝手な人間に対して大変にシ
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マレーナ(2000年製作の映画)

3.3

街を歩けば誰もが振り返り噂話をする美女マレーナ。その美しさに妬み嫉み醜悪な感情を剥き出しにしてくるおばさま方のなんと醜いこと。そしてそんなマレーナと一夜を共にしようと権力や財力を振りかざしてくる男達も>>続きを読む

ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

3.0

無声映画からトーキー、そして最近流行りのアンビエントサウンドトラックまでを網羅した音声トラックの教科書的な作品。いい監督は耳がいいという定説を立証してくれる内容で嬉しかった。

個人的にはアルフォンソ
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ブラディ・サンデー(2002年製作の映画)

3.9

宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』と同じ年にベルリン国際映画祭で金熊賞を同時受賞した作品。

北アイルランドのカソリック信者による公民権運動のデモ行進にイギリス政府(プロテスタントの多数派)が介入して一
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.8

前作もそうだったけど血は一滴も繋がっていない寄り合いの疑似家族なんだけど、他の血の繋がっている家族と比べてみるとひょっとしたらこちらの方がより強い絆を持ち合わせているんじゃないかと錯覚させられちゃう。>>続きを読む

アルジェの戦い(1966年製作の映画)

4.4

ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の名作『望郷』の舞台となったアルジェリアの首都アルジェの物語なんだけど、『望郷』のセンチメンタリズムがいかに偽物だったのかとはっきりわかるほどの圧倒的なジャーナリズムとリ>>続きを読む

米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯(2019年製作の映画)

3.5

キング牧師やガンジーのような存在になることを恐れアメリカから理不尽な弾圧を受け続けた人権活動家の瀬長さんの戦いの記録。

沖縄県民じゃない人間からすると知らないことだらけだった。こんなのちゃんと日本の
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愛の昼下がり(1972年製作の映画)

3.4

エリック・ロメールの『六つの教訓話』シリーズの第6作。

最終作ということもあり歴代のヒロイン達が冒頭の妄想シーンでゲスト出演しているのがうれしたのし♪
本編はやっぱ妻帯者の男で時間と金のあるやつはろ
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クレールの膝(1970年製作の映画)

3.1

エリック・ロメールの『六つの教訓話』シリーズの第5作。

フランスの片田舎の湖畔の美しさと若者の恋愛に絡んで来ようとするおっさんのきしょさの見事なコントラスト(笑)ずっと触りたがっていた少女の膝を撫で
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ハズバンズ(1970年製作の映画)

3.3

カサヴェテス版『強飯の女郎買い』。これが高座だと志ん生師匠あたりが可愛く茶目っ気たっぷりにダメンズを演じてくれるので微笑ましく聴けたりもするんだろうけど、こちらは女性に対して常に上から目線で高圧的で1>>続きを読む

峠 最後のサムライ(2020年製作の映画)

3.5

無名塾で師弟であった仲代達矢と役所広司が同じ画面にいる!もうこれだけで胸が熱くなる。

監督は『雨あがる』の小泉堯史。スタッフロールには黒澤組の面々。

題材も武家社会の終焉である戊辰戦争に焦点を当て
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モード家の一夜(1968年製作の映画)

4.5

エリック・ロメールの『六つの教訓話』の第3作にしてロメールの最高傑作と呼び声の高い本作。

あまりに濃厚なテキスト。あまりに精密な会話劇。俳優達の一言一句、一挙手一投足を見逃したくなくて気付いたら身を
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コレクションする女(1967年製作の映画)

3.6

エリック・ロメールの『六つの教訓話』シリーズの第4作。

貞操観念のない女に振り回される2人の男の話。この映画いい意味でも悪い意味でも登場人物がいちいちキモイ。いい歳をして若い女の尻を追っかけておきな
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シュザンヌの生き方(1963年製作の映画)

3.1

巨匠ロメールの「六つの教訓話」シリーズの第二作。

彼女の前で「こいつは身体だけはいい」と言ってのける清々しいほどのクズのギヨーム。そしてシュザンヌがそんなクズ野郎と付き合っていることが理解できずに終
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モンソーのパン屋の女の子(1963年製作の映画)

3.2

巨匠ロメール初の連作、「六つの教訓話」シリーズの第一作。

決して学生には見えない見た目はほぼほぼおっさんな主人公のクズい恋愛話。脈なしの高嶺の花か脈ありの野の花か。自意識過剰で自惚れがすぎるそのキャ
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ああ結婚(1964年製作の映画)

3.2

ひまわりを観た後にどうしてもマストロヤンニとソフィア・ローレンのハッピーエンドが見たくなって堪らず鑑賞。もちろん監督はデ・シーカ。

次から次へと若い娘の尻を追っかけるクズの主人公とそんな男とまんまと
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ひまわり(1970年製作の映画)

4.2

最近何かと話題になっている本作を久しぶりに鑑賞。今見返してみると前とは全然違った印象を受ける。

一番ビックリしたのが戦死したと思っていた夫が別の女性と結婚をしていたことを知って失意に打ちひしがれる主
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アネット(2021年製作の映画)

3.1

奇才レオン・カラックスの新作にしてナイトメアなロックオペラ。

もうくすりとも笑えない、てか、笑いどころが全然わからないスタンダップコメディをこれでもかと浴びせられる苦行のようなパート。そしてノーヘル
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英雄の証明(2021年製作の映画)

4.1

「本当の美談は恥ずかしがって顔を出さない」

そんな格言が鑑賞中にずっと頭をよぎっていた。巨匠アスガー・ファルハディの最新作。

主人公の「普通のこと」をことさら大きく取り上げて、彼を祭り上げて利用す
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.5

RAWのジュリア・デュクルノーの新作。前作の時にも感じたけどこの監督は今まで触られたことのない痛覚を刺激してくる天才。いや!やめて!お願いだからそこには触れないで!って思わず懇願したくなるような未知の>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

2.9

ひとつの出来事をいろんな視点で繰り返し語るいわゆる「ラショウモンムービー」なんだけどこの映画を見て改めて黒澤明と脚本家の橋本忍の偉大さに気付く。

演出もストーリーも冗長だし上映時間も無駄に長い。同じ
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ドリームプラン(2021年製作の映画)

3.3

原題のKing Richardがめちゃくちゃしっくりくる。
「ドリームプラン」なんてあいまいな言葉でオブラートに包まないでー!ってくらい自己中のヤバイ父親の話😂

映画の中では悪役として描かれていたけ
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ナショナル・ギャラリー 英国の至宝(2014年製作の映画)

3.7

初めてのフレデリック・ワイズマン作品。絵画の修復作業員が「作業は全て絵画の上に塗られたワニスの上で行われるのでいつでも作業前の原画の状態に戻すことが出来る」と語っているシーンが刺さった。そうか。作業員>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.6

オスカーナイトの1週間前に駆け込みで鑑賞。
噂以上の良作だった🥺
去年の『サウンド・オブ・メタル』の時も思ったけど静寂なシーンって何であんなに雄弁なのだろう。やはり映画ってサイレント映画が起源だからそ
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