【裏返し】
主人公である女性暗殺者は ファッションモデルでもある設定故に 線が細く、その為 徒手格闘時には打擲に重みが不足している。
代わりに スピード感があれば良いのだが、こちらも振り付けを準え>>続きを読む
【エンロールメント】
極大接写される抗不安薬。脳内御花畑示す色彩豊かな華々達。嗚咽は共鳴され、個人の痛みは集団に取り込まれる。
自己の常識を徹底破壊した上で 成される意識変容、そして解放ー。>>続きを読む
【夏が逝く ~サマーフィルムにのって~】
殺陣は勿論の事、日常生活上の些細な所作行動迄もが 既に勝新太郎を想起させて止まない主人公ハダシ(伊藤万理華)。
特に(劇中劇撮影場面での)凛太郎(金子大>>続きを読む
【ウォーターフォール】
ホーム上と列車内とを酷薄に分断する列車自動扉。自分の意思と無関係に走り出す列車と、それでも尚 抗おうと駆け出すスワン(セドゥー)の可憐しさ―。
人物の距離化、身体性、扉の用>>続きを読む
【詩性無き死性】
海辺とは海岸線であり、陸と海を分け隔てる境界線である。
その境界線は 無論モチーフであるから、生と死の境界線(彼岸と此岸)が容易に思い浮かぶ。
砂浜にある 漂泊し色褪せ朽ちた無>>続きを読む
【うんちが飛び出るぞ―!】
うんちが飛び出るぞ―!
総員衝撃に備えよ!
これは訓練ではない!
繰り返す!
これは訓練ではない~!!
一度は言ってみたい科白(^_^)♪
その道のプロ達が >>続きを読む
【甘言蜜語】
高校入学後直ぐ 二人の女の子に見初められた。
一人は 休み時間の度に私の傍に来て、私をまじまじと見つめ甘言蜜語を囁く云わば“直球の女の子”であり―。
もう一人は、私と席の近いその>>続きを読む
【もろこし畑でつかまえて】
これ迄 かなりの本数を見てきているが『映画が解らなかった』と思った事は殆ど無い。
仮に ストーリー的に、テーマ的に 要領を得なくとも、照明や構図 / 人物配置 / 人>>続きを読む
【にわか】
豪雨の晩に、自動車運転席に座す男(クロウ)のショットで幕開く冒頭。
男がマッチに火を灯すと、サイドウインドウに付着した無数の雨滴達が シャロウフォーカスに依り 煌めくビー玉の様に輝き始>>続きを読む
【ホングコングのコングゴジラ】
破壊し尽くされる街 ― 香港。
「ゴジラに取り替わる事」が目的である“敵”。
コングを米、ゴジラを日本の表徴とするのなら、21年今現在に於いて『香港を破壊する敵>>続きを読む
【狭小な世界】
キャメラは全編に渡って 人物を接写で捉える。
画面は人物に依って埋め尽くされ 景観が映る余地なぞ当然無い。
仮に映ったとしても、人物極大接写故のシャロウフォーカスに依って 霞み、ぼ>>続きを読む
【川面に映るもう一つの世界】
初登場場面から主人公少女:すずは ベッドから転落し、その後も重い足取りで歩み、蹌踉めき、躓き、吐瀉嘔吐し、横臥し苦悶するー。
講話/ストーリーに過依存せず、それら所>>続きを読む
【灯台が指し示す“ to die ”】
ただでさえ画面サイズはスタンダードと手狭であるのに、主人公ウィンズロー(パティンソン)の姿は 部屋間開口部や貯水槽越しに映し出され(フレームインフレーム)、>>続きを読む
【流れ星 ~ Wishing star 】
彗星衝突だとかシェルターだとか どうでもいい。
冒頭、ジョン(バトラー)が見遣るスマホディスプレイ上の「笑顔で写る妻子の写真」。
写真(過ぎ去った過>>続きを読む
【時の無い世界】
不可解な事象の数々は 認知症ではなく“走馬燈”。
そして Father ではなく Murder …。
アンソニー(ホプキンス)は既に死んでいる―。
以下 各場面を振り返り>>続きを読む
【ジーザスクライストスーパーマン】
地上に堕ちて逝くスーパーマンの姿勢は“十字架”だ。
その後の“死”と 人々への強い同情と戒飭の喚起。そして“再誕”(returns は 帰還と同時に 再誕/復>>続きを読む
【マクドマンドランド】
(資本主義)世界崩壊後の荒廃した大地を舞台にした 人類の生存闘争。
モータリゼーション。車両カスタマイズの重要性。そして西部劇的様式―。
ミラー『怒りのデスロード』との親和>>続きを読む
【メモワール】
母(の分身)を巡る父と子の闘い。
遼遠の地で理想/偶像化される実父の存在と、継父故に増幅する確執/軋轢に依り 立ち上るエディプスコンプレックスの主題。
男児の生涯最初の恋愛対象>>続きを読む
【(アサ)シン エヴァ 補完計画】
暗殺者は暗殺を行う、暗殺者だから。そこに何故も理由も無い。それでいい筈だ。
然し 本作主人公エヴァ(チャステイン)はそこに理由を求めるのだ。
マクガフィンに過>>続きを読む
【焔に誘われ 身を焦がし 恋に燃え逝く蛾の様に】
焔越しに二人の女が見つめ合う。後景雑多は漆黒にのみ込まれ 彼女達の相貌を橙色に染めてゆく。相貌に映り込む焔はゆらぎ、恋の惑いと昂揚を表徴する。>>続きを読む
【想定内の空気感染】
佐藤浩市が挙手を募ると「俺が〃が」と次々に手が挙がる。
彼等の挙手は果たして志願なのか 責任感なのか、それとも場の空気や 強制に依るものかと一寸思う。
電源喪失に伴う〈暗闇〉>>続きを読む
【神話、或いは根源なる人の貌】
モノクロームなルックが 始源且つ無装飾な印象を与え、極少の科白に依る寡黙性が ドラマを諦観と絶念に満たしてゆく。
パノラマで捉えられる人の気配無き山河の美しさ。(>>続きを読む
【一人ぼっちの宇宙戦争】
表層一義的には 公式アナウンス通り“イマジナリー”を標榜しているものの、その“実体”は 解離性や 遺伝(母の分身)、憑依、呪詛 等、結局は“何でもあり”な印象だ。
問題>>続きを読む
【屹度 朝は来る】
佐都子/清和/朝斗の親子三人が 揃ってマンションを後にする。
その直後、無人となった屋内に電話の着信音が響き渡る。
まるで、伽藍堂と為った自身の胎内に、我が子を探し求める母親の>>続きを読む
【ハーモナイゼーション】
十把一絡げに言えば『同一人物』の“ビルドゥングスロマン”。
同じ靴、同じ趣味。居酒屋で行きそびれたチケットを見せ合うミラーリング。L/Rに乖離して聴くステレオフォニック>>続きを読む
【Yakuza to Kazoku】
工業地帯排気筒に燻る排煙。男達の口元の紫煙。ボンネット上 立ち昇る白煙。
「ヤクザ」と共に、この20年で益々 「社会悪」の認識進む「温室効果ガス / 受動喫煙>>続きを読む
【この製材所で 天使はバスを降りた】
抑、聖人君子である必要なぞ全く無いわけだ。
宗教とは 虚像のストーリーを皆で共有する事が重要なのであり、それ自体本来的に嘘の要素を孕んでいるのだから。
でも>>続きを読む
【トリニクって何の肉】
2020最低級認定
事実を識る前と識った後、其々で映される子供達の食事シーン。
自分達が口にする肉も 同じ命である ― 常日頃 気にも止めぬ“命の等価性”を 改めて想起>>続きを読む
【Romantic ~ 非実像】
男の(実像ではなく)面影に恋した少女は、自らを(男にとっての)片影と化す事で その恋を永遠のものに昇華/成就させる―。
恋慕う男を階段上から見下ろす少女の切な>>続きを読む
【生切る】
無形文化財/最期の瞽女:小林ハル。
100年前に障害と共に生きるとゆう事。障害の直裁的困難に加え、付きまとう差別と虐遇。極小共同体の理不尽な慣例=掟。親の心 子不知。
パワハラ/>>続きを読む
【Rapture - 狂喜】
フーゴーとグイルンメイ、其々から伸び 壁面に浮かび上がった二体の影法師は、その境目を溶解させ まるで融合した一つの生命体である。
幾枚の鏡に映し出された無数のフーゴー>>続きを読む
【潮流】
頻出する河川と橋梁。
道頓堀川上戎橋から臨む菓子メーカーの看板。自動車で渡る瀬戸大橋と その袂のロケーション。渡英した阿久津(小栗旬)は現地でも 河川及び橋梁を後景に選んでいる。
そし>>続きを読む
【Othello】
犬養(綾野剛)と少年のオセロゲーム。
敗戦濃厚と為った犬養が意図的に盤面をひっくり返す。
裏返し合う白と黒は、その後の白衣/ドクターデスと黒衣/犬養の相剋 ― その黙示だろうか>>続きを読む
【父親失格】
葬祭場に赴く一登(堤真一)が、その旨を妻:貴代美(石田ゆり子)に伝えた後、自ら自動車を運転し目的地へ向かう。
上記場面を見ただけでも、作品の志しの低さが諒解できよう。
ネクタイ>>続きを読む
【刮眼】
原作未読/アニメ未見。
おそらく皆が委細承知であろう基本設定/情報が一切無い状態で観に行く。以下感想―。
無限列車客車内 ー 通路側に着座する杏寿郎。その横並びに座す炭治郎は窓側で>>続きを読む
【Half Way】
パトリックウィルソンの相貌上に懸架する眼鏡に、日本軍の攻撃に依って焔と化す港湾の太平洋艦隊が映り込む。
惨劇と 驚きの表情 -アクションとリアクション- を一画面中に集約させ>>続きを読む