【happy re:birthday】
高く飛翔する為には 一度沈み込む必要があるだろう。同様に、自身が成長する為には 深く降りねばなるまい ―己の深奥へと―。
その顕現として、彼等は坑道を下に>>続きを読む
【シェイプオブパーソナリティー】
デルトロ「シェイプオブウォーター」の元ネタ。
苛烈な虐遇行為。手話を扱う女性の存在。LGBTQ、人種、障害、イデオロギー ― 社会的マイノリティ。
異なる個との>>続きを読む
【perfect care ー 手取り足取り“完全介護”】
安心安全な映画。
各人物の心象や概況/症状は 講話に依って逐一処理される上、モノローグやフラッシュバックも多数導入されており 至れり尽>>続きを読む
【この世界の片すみっコぐらし】
他者を我の様に思い、我を他者の様に客観視する ― 人を思い遣るとは自己を識る事。依って他者とは他ならぬ自分自身なんだ。
その鏡の如しリフレクションは、絵本も そし>>続きを読む
【片隅に確かに存在した証しを】
北條に嫁いで来た翌朝。
夜も未だ明けぬ黎明から家事に勤しみ始めるすず。水を汲み 火を起こし 湯を沸かし―。
そんな彼女の一連の所作行動カット群に、彼女の住まい周辺を>>続きを読む
【ターミネーター2.4】
「ターミネーター2」(キャメロン)観賞時に思ったのは『続編ではなく改訂版』。即ち「ターミネーター No.2」に非ず「ターミネーター ver2.0」とゆう事だ。
企画の高>>続きを読む
【模造の極光】
美雪(中条あやみ)が暮らすアパートメント窓辺から覗く河畔や、悠輔(登坂広臣)とのデートで乗船する河川上の遊覧船。舞台が異国の地に移っても二人は変わらず河辺を散策し続ける。
何より二>>続きを読む
【幸福の硬貨】
スリリングな視線劇。
演奏会打ち上げ後の路上。洋子(石田)と聡史(福山)の姿と、それを向かいの歩道から見つめる早苗(桜井)のカットバックに張る焦燥。
フランスのレストランで再会>>続きを読む
【happiness ~ 幸福の申し子】
男(フェニックス)が冷蔵庫に入り込み 無人となった室内を、キャメラはゆっくりとトラックインしてゆく。その後 画面は僅かに左右に揺れ始める。
“アーサー”を>>続きを読む
【伽藍堂に鳴く蝉】
終極の写真/現像過程に於けるネガ/ポジ反転が、同時に 恵理菜(井上真央)自身の否定/消極性(ネガティビティ)から 自己肯定(ポジティビティ)への転換をも徴していて、極めて映画的>>続きを読む
【テセウスの船】
父を置き去りにするバス内キャメラの突き放し具合。頻出する時代遅れな流行歌。幼子居ようが構わず紫煙立ち込めるバス車内―。
時代遅れ。
容赦無く人を置き去り進む酷薄な“時の流れ”>>続きを読む
【FLASH ACT】
「男」にとって父とは打倒される存在であり、父へコンプレックスを抱き乗り越える事で男は成長する ~ エディプスコンプレックス(精神的父殺し)―その精神深淵の彷徨いを、宇宙深淵>>続きを読む
【死や真】
1『何か出そう(?_?)』
2『気のせいだったか…(^o^;)ホッ』
3『と思ったらヤッパ出た~((゜□゜;))』
4 場所と人を変えて1へリピート
……
……
志し低き一つ>>続きを読む
【盲人もし盲人を導かば】
造営物ルーフバルコニーの高みから 下方に集う国民に向け暴言を吐く黒田(中井貴一) ― 先ずは上記場面を“記憶”しておきたい。
強固ペルソナに被われた政治家の本音だとか>>続きを読む
【傀儡】
『ナビを用い目的地に向かう人々』 ― 人がナビに案内をさせているのか、それとも単に人がAIの手足と化しただけなのか―。
歩きスマホ、SNS依存、自動運転 ― 委細承知なテクノロジー依存は>>続きを読む
【さいきょう】
「誰も守ってくれない(君塚良一)」のレビューで私は『家族とは 血を分けたから、同じ屋根の下に集うから家族なのではない。家族とは何か、如何に家族たるべきか、家族であろうと意識して初め>>続きを読む
【since nineteen sixty nine…】
撮影中に科白を失念したリック(ディカプリオ)が、トレーラーハウス/控室に戻るなり その切歯扼腕を辺り構わず当たり散らす。
彼が喚き立てる「>>続きを読む
【深奥よりのエール交換】
自身が今 絶望の淵に居ると感じても、他者の目には それは必ずしも回復不能な苦境とは限らない。
見方を変えれば、客観視出来れば、何処かに屹度ある ― 希望が― 。
自己を>>続きを読む
【顰みに倣えば】
所謂「錯誤帰属」。
ウィリアム ジェームズとカール ランゲの『人は楽しいから笑うのではなく 笑うから楽しいのだ』に倣えば、本作は『情動昂るから踊るのではなく 踊るから情動昂るのだ>>続きを読む
【ワンツー】
画面左右分割の冒頭シークエンス。右にショウ(ステイサム)、左にホブス(ジョンソン)に裁ち割られた二人は、然し 覚醒 ー 朝食 ー 外出 ー と“鏡像"の様な対称性を見せている。
その>>続きを読む
【パーティション】
マジックミラー越しの男に 自身の手淫行為を見せる亜紀(松岡茉優)。
彼女は男と対面している筈だが、男の居る場所には自身の鏡像が映っている。
その後二人は部屋で共に過ごし 男の手>>続きを読む
【リテラシー】
恩師の危殆に杉原(松坂桃李)が火急駆け付けるが、その手段が『タクシー』だ。
何故映画内人物は、息切らし 汗滲ませ 自らの脚駆使し『走る』のか。それはそれが 単なる移動手段ではなく、>>続きを読む
【カゾク キングオブモンスターズ】
「東京物語」に於いて既に小津は『家族とゆう共同体は幻想に過ぎない』と顕示したわけだが、では21世紀今現代に尚“家族たろうとする事”は果たして何を意味するのだろう>>続きを読む
【死瞬気】
別に曇天なのは東京ではなく、また 少女に依って好天化されるのも街の空ではない。
全ては少年:帆高自身の疑懼/心の曇りであり、彼が道行きを確信したからこそ少女:陽菜=陽光は慶賀する。>>続きを読む
【内的自己救済者】
都会の雑踏から閑散とした田舎町へ。屋外から屋内へ。そして昼から夜へ。
内へ内へ ― ロケーション/時間経過及び舞台設定が 悉く主人公の心象/概況を顕してゆく。
自己深層の淵>>続きを読む
【制服の王様と盲目の国民】
虚偽に依り構築されし社会的性格。制服効果は権威盲信従属者の忖度を呼び起こし そのロールプレイ/役割性格を加速させる。誤想/曲解の末の過剰なポジティブ幻想は 最早妄想次元>>続きを読む
【The End of History and the Last Man】
「ある日どこかで(シュワルツ)」の主人公リチャードは本当に四次元座標系を旅したのだろうか。全て彼の夢想 ー走馬燈ー とゆ>>続きを読む
【Extraordinary】
常日頃顧みる事無き日常普遍の些事は、非日常下にその身を投じ初めてかけがえなきものとして刻まれる―。
TV放映ドラを“日常”とするなら 映画版は“非日常”だろうか。>>続きを読む
【条文の旗幟】
戦っていたのは本当に東亜連邦なる者達だったか。
私には人と“人ならざる者”の戦いに映ったが―。
焦燥/逡巡/葛藤/苦悩 ― 多くの登場人物がその表情にそれらを湛える中、相貌に微>>続きを読む
【靉靆鳳凰】
少女にトラウマを齎す事となる冒頭幼少期の車両事故。
事故後の車内ルームミラーには『血の通わぬ冷たい眼差し』が鏡映し少女を凝視するが、それが後に彼女を苛み続ける『偏見と悪意に満ちた世の>>続きを読む
【Open the door】
二人の少年 ーのび太とルカー が『どこでもドア』の 其々彼方と此方に立ち見つめ合う。その刹那 ドアは閉ざされ、彼等は片言隻語を残し引き裂かれる ―「トモダチ」と―。>>続きを読む
【友死魔怨】
媚諂い、愛想笑い、蒲魚(カマトト)、虚像のトモダチ、仲間を亡失しても放さないスマホ…。
体裁/世間映え第一義で 真自己認識を忌避し続けた虚偽主義者は、皮肉にも本当の自分の姿を目にす>>続きを読む
【Comment te dire adieu】
タイニーブラックドレスを纏ったステファニー(ケンドリック)が、訪れた刑事の詰問に身悶える ー 自分自身の嘘にその身を締め付けられる様に ー。
そうい>>続きを読む
【空を逝く流れ星】
2台の要修理車輌(鮮黄のビートルと 父の形見のオートモビル)。車輌修理に臨む少女の相貌が それぞれのルームミラーに映り込み、傷付いた少女自身も 修理/心の治療必要である事示唆す>>続きを読む
【王の帰還】
ドンシャーリー(アリ)初登場時の装いは さながら王である。
王は後部座席に座る、王だから。王の席は後部座席であり、後部座席座りし者が王である。
彼に帯同するトニー(モーテンセン)の>>続きを読む
【絶命忘れ舞い戻った亡者が見し夢】
相貌に無数の傷を負ったアール(イーストウッド)が 車両走行中、誰も座っていない筈の助手席を静かに凝視する。
彼の瞳には、一体何が映っていたのか-。
そして恥>>続きを読む