シャルロット・ル・ボン監督の『ファルコン・レイク』(仏,2023年)。原作は同名のグラフィック・ノベル/バンド・デ・シネによるもの(邦訳『年上のひと』バスティアン・ヴィベス作,原正人訳,リイド社,20>>続きを読む
主人公のチャーリー(ブレンダン・フレイザー)はゲイの恋人を失ったあと、アパートに引きこもり、200キロを超える巨体を抱え、その病的な生活から死を迎えつつある。家に来るのは、友人のアジア系の看護師のリズ>>続きを読む
聴覚と視覚のディバイドが視覚化され、「障害」の視点が語られずとも、伝わってくる良作。ただ、この映画の真価はそこにあらず、岸井ゆきのの「普通」の女性の身体性と人間性とが役を通して、浮かび出され、東京にあ>>続きを読む
アイルランド本島沿いにあるイニシェリン島。牛飼いのパードリック(コリン・ファレル)は読書好きの妹シボーン(ケリー・コンドン)と二人で暮らしている。ある日「親友」であるコルム(ブレンダン・グリーソン)に>>続きを読む
ヴァイキング(デーン人)たちの王国の一つ、ラプシ王国で王子として生まれたアムレートは、叔父フィヨルニルに国王である父オーヴァンディルを殺され、かつ母グートルンを奪われる。なんとか王国から逃れたアムレ>>続きを読む
二転三転、四転、五転くらいする、ハイジャック・アクション・コメディー。カンフー・アクションあり、家族ドラマあり、スパイ・スリラーあり、キャビン・クルーの人間ドラマあり、その上、それをすべてコメディーで>>続きを読む
70年代東欧のブタペストを舞台に、あやしげな日本人の幽霊トミー谷と三十代に差しかかった女性リザ、そして彼女の周辺で相次ぐ奇妙な死亡事件を調査する刑事ゾルタン、そして複数の人間が絡みながらも、奇想天外な>>続きを読む
ただただ美しい映像がこれでもか、これでもかと言わんばかりに観賞者を叩きのめし、かつ追憶へと誘う。もちろんこれは『アフター・ヒューマン』の話なのだけれど、実はもうすでに「人間」の物語は終わり、ヤンと共に>>続きを読む
ナタウット・”バズ”・プーンピリヤ監督の長編映画の三作目である。第二作目の長編監督作品はあの『バッド・ジーニアス』(タイ、2017年)であり、彼のスタイリッシュな才能が遺憾なく発揮され、そしてそれが>>続きを読む
自身の劣悪な養育環境から「正義」を追求することを目指し、親の援助もなくバーで働きながらも大学の法学部を卒業して、弁護士志望の若者ルディ・ベイラー(マット・デイモン)。ただ大学は卒業しはしたものの、コ>>続きを読む
アーレントの思想をできるかぎり易しく解釈し、彼女の人生や交流関係を通じて示した佳作だった。哲学者ゆえの激しい言葉とそれに伴う孤独が身に染みる。
デトロイトにラジオ番組の音源を取りに来ていたジョニーは久しぶりに、母の死をきっかけにやや疎遠になっていた妹のヴィヴと電話で話す。ヴィヴは9歳の息子ジェシーを育てながら、双極性障害の別居中の夫ポールと>>続きを読む
1920年代半ば、牛飼いたちが活躍するモンタナの荒野の中、フィル・バーバンク(ベネディクト・カンバーバッチ)とジョージ(ジェシー・プレスモン)の二人の兄弟が牧場を仕切っている。牛たちを市場に出すとき>>続きを読む
ノルウェー映画『ファイディング・ダディ——怒りの除雪車』(ハンス・ペテル・モランド監督、ステラン・スカルスガルド主演、製作:ノルウェー・スウェーデン・デンマーク、2014年)を同モランド監督が米国で>>続きを読む
アメリカ、ワシントン州のある町、1999年、ちょうどラジオで「2000年問題」が騒がれていた頃、両親を自動車事故で失い、40代(!?)の母方の祖母と同居し、高校に通う女子高生ビバリーはある日、母親た>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
トム・ホランド主演、スパイダーマン/ホームシリーズ、ひとまずの完結! と説明すると「なあんだ」という感じがすると思いますが、SONY系列の二シリーズのヴィラン、そしてスパイダーマンが大揃いで、つまりス>>続きを読む
主人公が朝起きた時になぜか理由も分からずに殺されかけ、そこから逃げても次々と多くの殺し屋たちに狙われ、そして殺されてはまた元の朝に戻るというお約束ループもの。最近では『フリーガイ』『ハッピー・デスデ>>続きを読む
ガイ・リッチーとジェイソン・ステイサムのコンビ映画再び!
アメリカ、ロサンゼルス。ある中年の新人、H(ジェイソン・ステイサム)が現金輸送を営む警備会社に入社。射撃や他の訓練の成績はイマイチ、社員>>続きを読む
狂ったように魅入ってしまった。イタリア映画フェリーニの伝統を色濃く感じる作品。物語としての都市空間とナポリの海に囲まれた風景が折り重なり、老人たちのつぶやきと若者への期待、サッカーをめぐって狂乱する大>>続きを読む
前作もなかなかフランス社会を皮肉るエグいところをついていた作品でしたが、さすがに二作目はそうした風刺やユーモアは(特に一作目の成功の後には)萎縮して、それほどまでに楽しめないと思っていましたが、これ>>続きを読む
まあ、MCUのカンフー・アクション、かつトニー・レオン、ミシェル・ヨー、オークワフィナの豪華キャストといえば、否が応でも期待せざるえないのですが、楽しめはしたものの、少し食い足りない感じもしないでは>>続きを読む
上映当時(2009年)に随分と話題になった、ジェームズ・キャメロンによるSF大作。異星パンドラにおける地球と異なる生態系や、そこの先住民族であるナヴィの人々の造形など、新しい試みが多く見られたであろう>>続きを読む
昭和中期、高度成長期時代の大阪、不法居住地域に住み、焼肉屋を営む在日韓国人家族の物語。第二次世界大戦で片腕を失くした父親の金龍吉(キム・サンホ)、その妻の高英順(イ・ジョンウン)、龍吉の前の妻との間の>>続きを読む
主演のゾーイ・サルダナが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のガモーラ役を射止めたのがよく分かる、女暗殺者としてのハマり役の一作。リュック・ベッソンの作品としては、彼の作品の基本的なモチーフがその>>続きを読む
先日に観た『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督、2021年公開)から、村上春樹作品を原作とした映画を追うために、この作品を手に取った。公開からそれほどに評価もされておらず、かつ映画化でその作品世界>>続きを読む
眼福。登場する女性たちのそれぞれの美しさが引き出され、日本のエリック・ロメールを観ているようだった。井口作品、女性に限らず、俳優の本質を捉えることに優れている気がする。『ニシノユキヒコ』は特に木村文乃>>続きを読む