ばーとんさんの映画レビュー・感想・評価 - 15ページ目

ばーとん

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柳生武芸帳 片目の十兵衛(1963年製作の映画)

2.0

荒唐無稽な時代劇だが自分は剣劇モノに不案内なのでこの映画の良し悪しを判断するには知識が少ないが、近衛十四郎という人は剣劇の名人だそうで、なるほどなるほど…

夢想権之助、宝蔵院胤舜、長野無楽斎という名
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ほとりの朔子(2013年製作の映画)

4.3

二階堂ふみの身体的演技が凄い。そこにいるだけで匂い立つようなエロティックな肢体。才能を感じさせる肉体だ。微妙な関係性のゆるい人間同士の繋がりが次第に綻びを露わにしていく描写が良い。心を許していくに従っ>>続きを読む

ホテル・ニューハンプシャー(1984年製作の映画)

2.0

高校生の頃にみて大好きだった。ラジカルな人間肯定に共感したのか、醜形障害を患う熊に感情移入したのか。ひさしぶりに見返してみたら映画としては少々不格好だと思った。恐らく1984年の時点では良い映画だった>>続きを読む

狼の血族(1984年製作の映画)

2.0

高校生の時にみて大好きだったんだけど、いまみると最初から最後まで恥ずかしかった。カット割りが忙しかったりやたらクローズアップが多かったりの映像もなんだか下品。特撮を寄りで見せたいので整合性を持たせる為>>続きを読む

シャンドライの恋(1998年製作の映画)

3.8

シャンドライはアフリカの独裁国出身の感情的で大雑把な性格の女。西洋芸術に興味がなくクラシック音楽が嫌い。キンスキーのピアノも基本的に嫌い。(「My Favorite Things」が聴こえてきた時だけ>>続きを読む

ヒックとドラゴン2(2014年製作の映画)

1.5

王族の後継を巡っての通過儀礼のおはなし。父親を殺して母親と通じ合うという前作より分かりやすくエディプス的なストーリーになっている。話の通じない相手はぶっ殺すだけという情け容赦の無いところが清々しい。ト>>続きを読む

ヒックとドラゴン(2010年製作の映画)

2.5

ある少年が選ばれし者としての能力を覚醒させて父親を乗り越えていくおはなし。ドラゴンとの本来的な共棲ではなく奴らを飼い馴らすのが最善で、人間に奉仕することが動物にとっても幸せな生き方に違いないと言う、徹>>続きを読む

SR サイタマノラッパー(2008年製作の映画)

4.5

何者にもなれない弱者のための物語。この映画が大好きって人はだいたい友達。負け犬だって夢みたっていいじゃん。こいつらのなけなしの矜持を誰が否定できるよ。もう一方のダメなやつ(AVやってた同級生の女の子)>>続きを読む

崖の上のポニョ(2008年製作の映画)

2.5

オープニングはまるでディズニーアニメのようで、そこから宮崎駿お得意の異世界旅行の逆パターンの物語が進行するが、これが中々ぶっ飛んでいて良い。
しかし終盤になってディズニー的なモノガタリの整合性でもって
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ハウルの動く城(2004年製作の映画)

1.5

宮崎アニメの面白さは、その稚拙な思想・文化史観を異常な妄想力で克服していく過程にのみ宿るので、妄想が暴走すると眼も眩むような傑作にもなり得るが、妄想に力がなければこの映画のようなつまらない訓話めいた代>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.1

この映画に住んでいる町の人々は決して「ゴーストワールド」を観ないだろう。フェリーニすらろくに知らない人達なんだから。「ゴーストワールド」を観ない人々の住む町で「ゴーストワールド」そのものであるイーニド>>続きを読む

ニーチェの馬(2011年製作の映画)

4.3

ニーチェの永劫回帰思想は100%感覚的なもので論理に基づくものではない。理解できてしまえば間違いなく精神を病むし、ニーチェ本人も絶望から逃れようと超人思想なんて無茶苦茶な設定をこじつけるしかなく、あげ>>続きを読む

荒野のドラゴン(1973年製作の映画)

2.5

他愛もないEast meets West系の西部劇だが、OPでクラウス・キンスキーのクレジットが…当然ラスボスなんだろうと思ってたがさにあらず。ラストはまさかの中国人同士の同門対決。(こいつが漫画に出>>続きを読む

パンツの穴(1984年製作の映画)

4.0

高校生時代のフェイバリットだった作品。さすがに今観るとつまらないだろうと思ってたらなかなかどうして良い映画だった。
鈴木則文の猥雑なのにポエティックな映像表現がいつも以上に冴えてるし、惣領泰則の音楽が
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時をかける少女(1983年製作の映画)

4.0

中学生の時にリアルタイムで観て酷い出来だなーと思った記憶がある。いま観るとそんなに悪くない、というかかなり良い。大林宣彦という人がわざわざ好んでキッチュをやる人だと分かっている今ならなおさら楽しめる。>>続きを読む

死霊館 エンフィールド事件(2016年製作の映画)

4.2

この監督ホラー演出が本当に巧いな。
向いてると思うのでこのジャンルでどんどん撮って欲しい。

ラスト近くになって、怪異現象のすべてが家族による虚言だ、と断定される展開は中々斬新。どうせならそれまでの心
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徳川女系図(1968年製作の映画)

1.5

これはつまらないね。東映ポルノで見たいのはこんな退屈なドラマじゃないんだよ。

スーパー!(2010年製作の映画)

3.0

神の啓示を受けた気の狂った男が信者の女と手を組んで次々と暴力的犯罪に手を染めるというマンソンファミリーみたいなお話。
アメリカンヒーローものの体裁でアメリカの正義に対する問題提起をしているんだけど、反
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アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

3.7

定型的なパニック描写を嫌って作者の考える「リアル」を追求するあまり逆に真のリアルから遠ざかってしまった漫画版よりずっと良かった。人間って案外簡単にパニックに陥るもんだからね。有村架純はホント可愛い。女>>続きを読む

終わりなき叫び(2010年製作の映画)

2.5

歴史的に常に政情が不安定で危険なイメージのつきまとうチャド共和国の
映画を観たのは初めてたっだ。ドメスティックな内紛と中華系グローバル企業進出による人員削減で割りを食うのは当の国民だという物語、という
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アウトレイジ(2010年製作の映画)

1.0

人間不在、ユーモア不在、サスペンス不在、リアリティ不在。人形劇みてるみたい。暴力団抗争のwikipedia読んでるみたい。

ヘルハウス(1973年製作の映画)

1.7

悪魔vs科学という構図のお話なんだけど、科学者の言うことやら自作のマシンやらが全然科学じゃなくて、悪魔以上にオカルトなのが怖かった。

スペル(2009年製作の映画)

3.5

面白いけどサービス満点すぎて怖さは無い。ずっと笑いっ放し。楽しいからいいけどね。サム・ライミは巨匠になってもたまにこういう映画を撮ってくれるから信頼できる。

アベンジャーズ(2012年製作の映画)

2.0

下手に他国へ攻め込むと痛い目にあうと敵が認識することで軍事による抑止力が生まれました、というラストの結論は良いけど、なら核兵器なんか登場させるなよ、強大な軍事力としてのヒーロー達の存在がブレるだろ…>>続きを読む

裏窓(1954年製作の映画)

4.0

主人公の目線だけでストーリーが完結していて楽しい。もしかすると全てが男の妄想に過ぎなかったのかも?という印象すら抱かせる白昼夢感が好き。

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

3.5

前半部は完璧。正確な時代考証に裏打ちされたリアリズムと、ファンタジックな表現が素晴らしい。説明過剰にならず映像に語らせる技術、ひとつひとつのシーンが計算され尽くしていて無駄がなく、演出は独創的でアイデ>>続きを読む

サクリファイス(1986年製作の映画)

3.5

例えば正義が悪を倒すためには死の危険に身を晒さねばならないし、人間が成長するためには心地良いモラトリアムを脱するための苦渋に満ちた選択を迫られるもので、映画というモノガタリにおいて幸福や平和を得るため>>続きを読む

死霊館(2013年製作の映画)

4.0

70年代を舞台にしたクラシック・ホラー風味の逸品。こだわりを感じさせるカメラワークが良い。長回しを多用しホラーにありがちなクローズアップも少なめ。化け物をみせるのも必要最小限。ホラー映画を観て久しぶり>>続きを読む

バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)

2.0

映像と語り口に品があるので完全な駄作だとも言い辛いが、終盤の強引すぎる展開はあんまりっちゃあんまりだな。

君の名は。(2016年製作の映画)

1.2

つまらなすぎてビックリした。恋愛描写で言うなら完全な欠陥品で感情移入の余地もない。世間では高評価なんだろうかと思ってたら辛口レビューが多くてちょっと安心した。映像は綺麗なところもあったので良かった。

カルト(2012年製作の映画)

1.1

監督はドキュメンタリービデオの名手なのだから、なにか驚かせてくれる仕掛けが用意されてるんだろうと期待していたが結局何もなかった。演出がドキュメンタリー風というだけのチープなフィクションホラーであって、>>続きを読む

座頭市物語(1962年製作の映画)

3.5

めくらってのはエロティックなんだな 。勝新演じる座頭の女性的な所作がたいへん艶やかで、どこかホモセクシャルな恋愛物語のよう。死病を患う用心棒ひらてみきの中性的で儚い印象も相俟って、男性的で痛快な剣劇も>>続きを読む

ヒルズ・ハブ・アイズ(2006年製作の映画)

2.0

冒頭30分たっぷり使って家族のキャラ設定を描いたのは良いが、最後まで70年代パニックムーヴィー然とした外部から迫りくる困難に立ち向かう家族というスタンスに終始していて「悪魔のいけにえ」や「クライモリ」>>続きを読む

父の秘密(2012年製作の映画)

3.5

この物語における最大の不幸は、深刻な現実を通して浮き彫りになる父娘の相互不理解で、母の死に関して明らかなトラウマを抱える娘を、粗暴で自己本位な父親はまるで気遣うことが出来ていない。一見仲良さげに見える>>続きを読む

胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)

4.2

天才の呼び声高いグサヴィエ・ドランをようやく観た。なるほど、こいつは確かに凄い。常時、ウェットとクールが渾然としている珍しいタイプの感性。要所で見せ場をきちんと用意するサービス精神が良い。イケメンだし>>続きを読む