仇討ち物の最大の見せ場であるはずの、怨敵を討つ場面のカタルシスを犠牲にしてまで、修羅雪の葛藤や哀しみに焦点をあてた潔さが好き。
藤田敏八はこの映画で格好の良い復讐を描かなかった。四人の宿敵のうち、一>>続きを読む
ミニマルに絞られた脚本。映画とはかくあるべし。聴力を失った逃亡者に唯一協力的なのが聾唖の女で、極限の状況を強靭な精神力で生き延びてきた男が、女の親切に触れた途端にあっさり死んでしまうというのも、なるほ>>続きを読む
「そして父になる」にも通じる血縁と家族のあり方を問う物語。四姉妹の演技がそれぞれにハマってる。夏帆も顔は変わったけど良い女優さんになったなあ。しっかり者の末っ子がいちばん重荷を背負っていたという展開も>>続きを読む
遭難、居座り、不倫、虐待、孤独の5つの不幸が猫の妊娠によってチャラにされる映画。現在進行形で生き辛さを感じている人間からするととんでもなく嫌な映画。苦しいこともあるけれどそれでもがんばって生きていくし>>続きを読む
家族団欒の場面が最高に良い。こいつらはレザーフェイス一家のような狂人ではなく、食うために人間を捕食しているだけの、異種に過ぎない。家族でテーブルを囲んで食事をし、テレビを見ながら酒を飲み、夫婦でいちゃ>>続きを読む
アイデアはとても良いのだが、演出がかなり杜撰で勿体ない。もう少し時間かけて練り上げてほしかった。
よく知っている世界なので客観的にみることは難しく、出演者の誰をみても、ああこういうタイプいるいるってな感じだし、発見や驚きはあまりなかったが、それは映画の責任ではなく、ぼく個人の問題。とは言えそこを差>>続きを読む
仕事を断りづらい弱い立場のアイドルへのパワハラ&セクハラを記録したサディスティックな犯罪映画。アイドルの子達に対して1ミリの敬意も愛情もなくエンディングですらBisの曲を流さないという使い捨ての道具感>>続きを読む
学校の手すりにキラキラ文字で「Live Forever」だとか、言葉の代わりにギターかき鳴らす先輩とか、通りすがりの女の子が「ついてこれる?」とか、一歩間違うと完全にダサくなってしまうようなギリギリ危>>続きを読む
普通の女子高生が普通に会話してる様子を映し続けるリアル演出系の映画だが、よほど上手にやらないとこの手の演出は逆目にでるよ、の見本みたいな作品。おっさんに喋らされてる感が尋常じゃない。で、会話に乗れなき>>続きを読む
この当時の小泉政権の失政で日本経済はいよいよのっぴきならない状況に陥っていくんだけども、その手兵の一人として市議会選に出馬した男が何の理念もなく「改革」を口にする空虚さったらない。女性記者のインタビュ>>続きを読む
子供の頃にみた「ザ・チャイルド」(1976)を数十年ぶりにみようと思った。ら最近作られたリメイクだった。
脚本は少々派茶滅茶だけど演出がとても真面目なのでエンターテインメントとして立派に仕上がってる。徹底した入れ込みショット(撮る対象の手前になにかしら人物や小道具等を配置する)の縦構図で動きの少なくなりが>>続きを読む
リベットお得意の「芸術が生みだされる過程」をリアルタイムでサスペンスフルに魅せてくれる映画。劇中で演じられる退屈な演劇と、演じる学生達の身辺に起こるサスペンス、これがまたとっても陳腐なんだけど、リベッ>>続きを読む
「才能のある人間が生きるのは何でもないことなんだよ。宮本武蔵なんてちっとも偉かあないよ、あいつは強かったんだから。本当に偉いのは一生懸命生きてる奴だよ、江分利みたいな奴だよ」とは言うが、一流企業サント>>続きを読む
特別面白いって程でもないが退屈という訳でもなく、好みの演出も多かったりしてそこそこ楽しんでみていたんだけれど、最後のダンスで全てぶち壊し 。 それまでの意図的なロングテイクは人々の猥雑なおしゃべりだっ>>続きを読む
現場でのやむを得ない事情から場当たり的に取り入れた二人一役というアイデアさえ映画的に説得力を持たせてしまうのだからブニュエルの天才は底知れない(後年トッド・ソロンズが八人一役なんてのをやっていたが)>>続きを読む
面白い映画 。
「本当にゴミみたいな人生だわ」 まったくだ。市井の人々の閉塞感を切り取った "それでもひとは生きていくしかない"Life goes on系の映画は今後ますます増えていくように思う。
丁寧に描かれた佳作。ロマンスが瑞々しい。映画内でいきなり12年後に飛ぶんだけど状況を言葉で説明せず新たに配属された新入りの眼で見せるのが巧いと思った(或いは原作のままなのか)監修者の教授が病に倒れて以>>続きを読む
ママがディズニーの魔女みたいで萎える。キャラデザインしたの誰だ。子供が得体の知れない「なにか」に育てられていた、という設定はとても怖いので、最後まで見せない演出に徹していたら良い映画になっただろうに。
たまにこういう傑作が現れるから邦画は侮れない。前半のデートシーンは日本映画史上まれにみるリアリズム。この映画、脇役に至るまでキャラクター造形が素晴らしい。根岸季衣演じる頭のイカれた女ホームレスは凄いと>>続きを読む
前半しんどいほどのリアリズム描写に寄りすぎて後半のシュール展開が浮いてしまった。魔術的リアリズムの分かりやすい失敗例。博多弁が無茶苦茶。
なんて素敵なゾンビ映画なんだ。ちゃんと主人公の成長物語になっている。ウェルメイドなC級映画。
少女鑑賞系の映画だが大勢の少女がでてきて裸まで見せているのに不思議といけないものを観ているような背徳感がない。カメラが対象と必要以上に心理的距離を置いている印象を受けるが、ポルノにならないための苦心だ>>続きを読む
ハーモニー・コリンが時代の寵児と持て囃されてたのも遠い昔のことのように感じる。
ピノチェト政権反対派(NO派)が現代的で斬新な広告戦略を行って民意を獲得する、というのが映画の肝なんだけど、何しろ30年前のチリが舞台ということもあって、肝心のCMがあまり斬新に見えず、2017年の日>>続きを読む
対象を真正面から撮る平面的なショットが頻発するため映像に緊張感が皆無(これを多用するのは現在ではウェス・アンダーソンくらいか)アクションシーンの快感を根こそぎ台無しにするような異常なスローモーション描>>続きを読む
障害者を「見せたい」欲求が「良い映画を作りたい」情熱を上回ってしまっている。結果、物語が負け、ドキュメンタリーが勝った。住田氏が笑う以外の細かな演技ができないので、こういうこけおどし演出に頼らざるを得>>続きを読む