いかにもカウリスマキ的な色彩設計。しかしこんなスタイリッシュな貧乏があるかいな…と言いたくなら"ない"のがカウリスマキの良いところだろう。カウリスマキがやたらと沁みるのは俺が歳をとったからか?
いつ>>続きを読む
これを日本語字幕付きで見られたことを喜びたい。まず俺の悪い頭では字幕が付いてても、話がよくわからない(苦笑)。
他のギトリ作品(というほど観たことないけど)と同様にこの作品もまた演劇がポイントなのだ>>続きを読む
ロメールの中では並の出来だが、並であっても面白いからロメールは偉い。
比較的珍しい手持ちカメラ(ステディカムじゃないよね?)による移動撮影で捉えられた街並みが魅力的で、ロメール的な会話よりもむしろそ>>続きを読む
再見。劇場では初めて。
ソニマージュとはつまり80年代に流行った12インチ・エクステンド・ミックスのことか?
ECMの音源を使ったり、映画の音声だけ抜いてECMから発売したり、ある時期以降、ゴダー>>続きを読む
再見、劇場では初めて。
冒頭の小津よりも(地面よりも)低いアングルに空襲警報で避難する際の落下。これだけでいかにも映画という感じですな。切り返しのバリエーション。キモ男(だん)としての長門裕之。
この頃から変わらず映像は引用多数&凝りすぎでクールさにはやや欠けるのだが、にも関わらずフレッシュで微笑ましいのはデ・パルマのその後を知っているから?シネフィリーとオカルトを経由してたどり着く虚無は未だ>>続きを読む
大真面目に観るものでもないが、しかしアングルとか影の使い方とか長回しとかカメラワークとか全然バカに出来ない上手さがある。
マリオ・バーヴァ(撮影監督としてクレジットされているが、リカルド・フレーダは>>続きを読む
再見。4Kレストア(の恐らく2Kダウンコンバート上映)版を下北沢で(来週にも1回だけ上映あり)。
映画ってこれで良いんじゃないの?という様な感じ。『フラワーズ・オブ・シャンハイ』と『好男好女』の良い>>続きを読む
『ミークス・カットオフ』が西部劇の地味な部分を延々と拡大してやっていたのとは違い、この作品における美術の位置は微妙に雑というか、作る過程を細かくは撮れないということでしょうか…(少なくとも美術映画では>>続きを読む
『無防備都市』との比較するのがいいのかもしれない。
根本にあるのは脚本を手掛けたフェリーニ的なユーモア(まず独立した10編から成るという点でフェリーニ的だ)で、"ほのぼの"に見えなくもないが、むしろ>>続きを読む
強固なスタジオ撮影(とそれを下支えする速度の芝居)と垣間見えるアメリカ(映画)の影。冒頭の彷徨いはまるでフィルムノワールではないか。横移動は全部劇的。凝ったフレーミング(フレーム内フレーム!)もお手の>>続きを読む
基本情報、国立映画アーカイブでフィルムを見たがYouTubeにも上がっているので興味ある人は是非(多分かつて出たビデオのリッピング)。
某音楽批評家が1972年頃の音楽は中身はイマイチでも音(録音)>>続きを読む
よく知らないけれど、これ以降続くストローブ=ユイレの史劇作品(?)の原型がここにあるのだと思う。基本棒読み早口だが、やたら演劇的な台詞回しの人もたまにいて、面白い。ちなみに好みの問題だが、60年代のこ>>続きを読む
4Kレストアで見ると異様にデザインされた作品に見えてくる、まるで小津の作品がそうであるように。完璧なセット撮影と縦の構図、ローアングル、雨、そして紙風船。
確かに紙風船は印象に残るが、人情の方は印象>>続きを読む
新文芸坐で4Kレストア版を(ちょっとした自慢、このくらいしか自慢できることがないということでもある)。
小津と溝口の4Kレストアが圧倒的な彫像としてまるで美術館に置かれている古典の鎮座しているとした>>続きを読む
ベロッキオならこのくらいやるだろうという出来だし、要素を取り出せば、かつての作品とあまり変わっていない。ベロッキオ作品としては中の中の出来。
しかしコスチュームプレイとして完璧だし、やはり恐ろしくレ>>続きを読む
『光る女』のレストア(レストレーション)に比べると非常にわかりやすく画質が良くなっている。
『台風クラブ』はピカピカのニュープリント版も観たこともあるが、今回の4Kはそれよりさらに良い。ただ画郭が元>>続きを読む
シャブロルの作品はほとんど似たりよったりなのか?奇妙な味わいの安酒のような映画である。
誰が言ったかフランスのヒッチコック。悪口ではなく事実として、この緩み方はヒッチコックではあり得ないだろう。>>続きを読む
まだあと2回、今日と明日(水曜日と木曜日)Strangerで19時45分から上映があるので興味のある人はぜひ。
ジョン・カサヴェテスの映画は好みの問題で言えば正直苦手なのだが、好き嫌いを超えて凄いこ>>続きを読む
3D上映を新所沢にて。ピクシーズのTシャツをバカにされた主人公の部屋にはレディオヘッド、ルー・リード、ラモーンズのポスターが貼ってある。
スサーナの胸に対する切り返しに苦笑。ブニュエルのネオレアリスモ=ロッセリーニ 嫌い(と読んだことがある)は、結局キリスト教=カトリック嫌いのことではないのかとシニカルなオチに大笑い。悪女=スサーナと善>>続きを読む
露悪的なヨーロピアンな(?)下ネタ&差別のオンパレード(ただしセリフ上でだけ)の序盤に苦笑。これを撮ったことでダニエル・シュミットはユダヤ人差別主義者の烙印を押された(と蓮實重彦×黒沢清×青山真治の対>>続きを読む
メチャクチャ良いとまでは言わないが、しみじみと良い作品だなとは思う。ゲイポルノではあるが、映画のプロデューサーを主人公にしているだけあって、スクリーン(『カラビニエ』?)とか撮影現場とか映画内映画とか>>続きを読む
鉄道がストライキしたため渋滞でごった返す金曜日の夜。なんとクレール・ドゥニ的な設定なのだろう。
というのもクレール・ドゥニは最近はともかくとして空間を狭く使うのが特徴だからだ。この"狭さ"を見よ。>>続きを読む
今は、この映画の重みを、僕はしっかりと感じていたい。
そう、この重みは、彼ら、彼女らだけが背負っている重みではない。われわれひとりひとりがしっかりと受け取るべき重みなのだ。
こんなにも「克服す>>続きを読む
探偵ものにボクシング賭博といういかにもヌーヴェルヴァーグ勢が好きそうなB級映画の骨組みを借りつつ試行される奔放な音の実験。
ただしその実験を支える基礎体力が半端なく、ほとんどの場面がホテルの数部屋を>>続きを読む
ぶっとい望遠レンズとはカメコ(カメラ小僧)にとってファルスの代理なのだ、と賢明な友人が言っていたが(?)、では銃がカメラをぶっ飛ばすこの作品はどう解釈できるのだろうか?
いや実のところ、そういう解釈>>続きを読む
労働としての壮絶さが画面に反映されている映画。
『コシュ・バ・コシュ』でもそうだったが、この人は垂直方向(つまり重力に逆らうような)のアクションを好む(『コシュ・バ・コシュ』ではロープウェー、この作>>続きを読む
まるで最近のジャ・ジャンクーのような特大のアジアン・エモ(ただしヨーロッパの資本入りまくり)。
この人の最良の作品ではないんだろうなと思いつつ、メチャクチャ大仰なのに(冒頭で船が沈んで、いきなり時間>>続きを読む
凝ってるけど華麗とは程遠く、むしろやりすぎでダサいがそれが味。珍味ではあるがハマると抜け出せない味ではある。
アコギのサウンドホールにカメラを入れている(実際にサイズ的にサウンドホールにカメラが入る>>続きを読む
最後のテロップ。
"この映画は自然と動物に対する愛によって制作されました。本作の制作でいかなる動物も傷つけていません(うろ覚え)"
まで含めてこれほど笑える映画はなく、どうしようもない人間ばかり出>>続きを読む
再見。
ムラートワの映画はシュールと評されることも多いが、むしろ現実の延長にあり、類型的な日常映画からは排除されてしまう異物やノイズを取り込んだリアリズムに属するものである(らしい。ネットを探したら>>続きを読む
老人ばかり出てくるけど、いい映画だ。
どの場面か忘れた(のが情けない)が、音楽の背後で動物の鳴き声がやたら大きな音で被さってて、なるほどイオセリアーニは音楽で言えばエルメート・パスコアル(ブラジルの>>続きを読む
再見。こりゃ素晴らしい。イオセリアーニの中でももっともよく出来ている部類に入るのではないだろうか。
「思いついたプレーの中で最も難しいものを選択している」とロベルト・バッジョ(サッカー選手ですな)は>>続きを読む
『落葉』を経てイオセリアーニ節が完成形へ至った傑作。イオセリアーニ最高傑作の1本か。流麗なカメラワークはもちろんのこと、音楽を含めた音響がこんなに過激だったとは、初見の時は完全に見落としていた。
ま>>続きを読む