スベンさんの映画レビュー・感想・評価

スベン

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バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

3.7

ポスターのダークさ以上に、開始3分くらいでやばさが伝わる映画というのもそうそうないと思う。
始終退廃的で堕落の限りを尽くす。本能のままというにはあまりにも無気力で、虚ろな目に目的を感じられず戸惑う。し
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.3

IMAXレーザーにて。
実はテーマ的にちょっと気が重かったし、3時間…と身構えてたけど長さは全く感じず。「テネット」より観やすかったかも。
物理の説と宇宙が繋がるシーンはどこか「インターステラー」に通
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

4.0

ずっと楽しみに待ってた…!タイカ・ワイティティ節炸裂で気付けばサモアのチームを全力で応援してた。
しっかり笑えて試合展開にハラハラしつつ鑑賞後の余韻がまたとてもいい。サモアの国ならではののんびりした雰
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

4.5

まさか本作を映画館で観ることができるなんて…やっぱりとても良かった。
初めて観たドイツ映画でもあり、以後ずっと忘れられない作品。

これ以上悪いことなんてないからこそ、俺たちに怖いものはない。そんな主
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フォー・ルームス(1995年製作の映画)

3.5

ティム・ロス観たさでかなり久しぶりに再鑑賞。
大晦日のホテル。ティム・ロス演じるベルボーイの災難。魔女に襲われたり、人違いで銃口突きつけられたりと厄介で変な客しかいないので最後まで大変そう。更にはバン
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.8

2023年最後に映画館で観た本作。見納めに相応しくかなり見応えがあり、面白かった。
序盤から戦場のシーンの迫力には度肝を抜かれる。さすがリドリー・スコット。現代とはまた違う血生臭さと容赦のなさを見せつ
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レザボア・ドッグス デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

4.5

もう何度となく観た本作を初めて映画館にて。とても贅沢な時間だった。
ダイナーでの雑談からのあのオープニング。Little Green Bagを背景に、鳥肌が出るほどにかっこいいしもうバチバチに決まって
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インファナル・アフェア 4K(2002年製作の映画)

4.7

随分前に観て以来で映画館では初。ほぼ初見の気持ちで。
序盤から当時の香港のあの雰囲気に一気に引き込まれた。どこか危うく、日常のすぐ隣に当たり前のように闇が在る。
以前観た時よりもかなり面白くて目が離せ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ面白かった。鑑賞後の余韻と満足感がすごい。忘れられなくて翌日に2回目を観に行った。
なによりもゴジラの怖さ。
大戦末期〜戦後直後のどん底の時代だからこそ、ゴジラの絶望がかなり効く。そこにと
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カンダハル 突破せよ(2023年製作の映画)

3.8

全方位から迫ってくる敵。しかも追手が一つの組織(国)だけではないのがアフガニスタン、ひいては中東の混乱の根深さと深淵をまざまざと見せつけられる。
そんな中で脱出しなければならないCIA工作員である主人
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ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ(1998年製作の映画)

4.2

多分10年以上ぶり?本当に久しぶりで映画館で観るのは初。
それでも序盤の重めのあの音楽で一気に引き戻された。燻んだ画面の先がロンドンの下町に繋がっているこの雰囲気。小気味いいテンポの会話に拗れたストー
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死霊館のシスター 呪いの秘密(2023年製作の映画)

4.0

やっぱりジェームズ・ワン製作のホラーにハズレなし!しっかり怖いしなによりも面白い。
女子校の寄宿舎という設定がまたホラー向きなのもいい。畳み掛けるような終盤の展開にIMAXレーザーの音響がかなり効いた
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

4.5

めちゃくちゃ面白かった。IMAXレーザーで浴びるレースの臨場感と迫力が最高だった。
あのエンジン音とオーバーテイク時のハラハラ感と高揚感。ストレートラインでのどっち?!と手に汗握る展開…もう祈るような
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紅い服の少女 第一章 神隠し(2015年製作の映画)

3.0

一人また一人と増えていく失踪者。帰還者は口々に山の怪異を仄めかす。
じめっとした薄暗い不穏な日常に忍び寄ってくる「何か」。そんな邪悪なものを爆竹で追い払おうとする台湾独特の風習だったり、雰囲気はとても
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.9

友達でもあり家族でもあり、世界で最も近しいレオとレミ。二人で一つのように居心地の良さが画面全体から伝わってくる。二人で過ごす夏休みは明るくきらきらとしていて、楽しそうに笑い合う姿は眩しい。
だからこそ
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.9

アモルト神父の絶対的な安定感がすごい。演じるのはラッセル・クロウなので説得力もさすが。物理的に強そうなのもいい。
若きトマース神父が意外にも善戦してくれるので、バディものとしても面白かった。
ホラーと
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真夜中のピアニスト(2005年製作の映画)

4.2

不動産ブローカーという暴力と犯罪すれすれの世界に身を置く主人公が、かつての夢に触れた時。見失っていた自分を思い出し、「最低な日常から抜け出せるかもしれない」という淡い期待を抱く。
ピアノを弾く時だけは
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MEMORY メモリー(2022年製作の映画)

3.5

今度のリーアム・ニーソンは記憶を失っていく殺し屋。抗えない現実に、いつも以上の困り顔で弱っていく姿には物悲しさが…。
苦しみながらも、信念に従い銃を構えるリーアム・ニーソンはやっぱりかっこいい。
二つ
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帰れない山(2022年製作の映画)

4.3

とてもよかった。
ピエトロもブルーノも、その家族も時と共に変わっていく。それでも壮大で美しい山は変わらずに在る。
失ったものと得たものがあるからこそ、かけがえのない時間が眩しかった。
これからもピエト
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フォーエバー・パージ(2021年製作の映画)

3.9

分断されたアメリカはマッドマックスやゴッサムシティのような世界になるのか?過去一の無秩序な無法地帯に投げ込まれ、一気に歪んだ戦場と化す。
いつもはカウントダウンやパージ開始のサイレンで緊張感が高まるけ
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幻滅(2021年製作の映画)

4.2

19世紀のパリ。詩人を志し上京した主人公リュシアン。社交界の冷淡さに挫折を味わうものの、新聞というメディアの力を得て、瞬く間に全てを手に入れてしまう。
「嘘も本当になる」世界は成功も失敗も、世間の評価
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ディーパンの闘い(2015年製作の映画)

4.1

久しぶりに再鑑賞。
スリランカの内戦を経て、偽りの家族としてフランスに渡ってきた主人公ディーパンたち。
言葉も文化も違う世界で、意外と器用で働き者なディーパン。しかし日常のすぐそばにある暴力や犯罪が逃
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.6

思ってた以上の重さと衝撃だった。
聖地マシュハドで起こる娼婦連続殺人事件。被害者と犯人という単純な構図ではないのが本作が訴えるテーマであり、一番のきつさだと思う。
事件を追う女性記者を通して、イランの
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パリタクシー(2022年製作の映画)

4.2

人生に行き詰まっていたタクシー運転手の乗客は92歳の明るいマダム。
パリの街並みを背景に語られるマダムの過去は思っていた以上に壮絶。まさに「経験が人を作る」を体現している。背中を押してくれる言葉には圧
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ノートルダム 炎の大聖堂(2022年製作の映画)

4.0

ずっと祈るような気持ちで観ていた。
結果は知っているのに消防隊の到着を待ちわび、ひょっとしたら鎮火できるかもしれない…そんな望みさえ感じてしまう。それほどまでに没入感と臨場感が凄まじい。ノートルダムの
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天使が隣で眠る夜(1994年製作の映画)

3.5

セールスマンと刑事、賭博師と気のいい青年。年齢も職業も違う二組の男たち。友情というにはあまりにも濃い関係は、誰しもが孤独を抱えているからこそ。
ある事件を境に日常は遠のき、堕ちていく男たちの姿には哀愁
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

3.7

密航船の中で出会ったトリとロキタ。本当の姉弟のように日々を支え合うが、ベルギーでの二人を取り巻く状況は厳しい。
ビザがないために麻薬組織の末端の仕事しかなく、密航の仲介者で同じ黒人からも搾取される現実
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憎しみ(1995年製作の映画)

4.3

青春映画でもあるからこそ、思い切り殴られたような衝撃だった。そしてすぐにまた初めから観たくなる。
1995年の作品だけど、団地を取り巻く状況や警察との衝突、暴動と今と通じるものが。
フランスの団地もの
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.9

何かしら欠点のあるメンバーがチームとしても人としても成長する物語。だからこそ全力で応援したくなる。そして立ちはだかるヒュー・グラントの胡散臭さ。(そこがいい)
魔法やアイテムは意外にも本格的で、命懸け
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デスペラード(1995年製作の映画)

4.0

久しぶりに再鑑賞。南米のぎらぎらした雰囲気に容赦ないガンアクションが熱すぎる。
ギターケースがなんかすごいことになるという記憶だったけど、その通りだった。さすがメキシコ…な日常のすぐ側に在る物騒な世界
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

3.7

初鑑賞が映画館という幸運で、リバイバル上映は本当にありがたい。
しかも鑑賞日がタランティーノ監督の誕生日だったらしくてすごいタイミング。(おめでとうございます…!還暦!!)

ティムロスが出てるんだっ
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マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

3.8

映画館で久しぶりに観るニコラス・ケイジ。
一度は金ローで観たことがある過去作の小ネタに、そう!ニコラス・ケイジの映画って楽しいんだった…!と存分に感じさせてくれる熱い作品だった。パンフレットのニコラス
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.5

タイのある山村で崇められる女神バヤンを継承した女と拒んだ女。その娘。じわじわと蝕まれていたものは満を持して一気にやってくる。
ミンに取り憑いた「何か」。変容していく様は凄まじく、怖さ以上に生理的にくる
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.4

カオスな世界での張り詰めた雰囲気。ふとした時に出るアントマンらしさにほっとするし救われる。(特にサーティワンの制服)
スコットがキャシーをピーナッツと呼ぶのもやっぱり好き。親子で頑張ってた。
カーン王
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ダークレイン(2015年製作の映画)

3.3

1960年代のメキシコ。雨が降り続くバスターミナルで身動きが取れなくなった人たち。夜が深まるにつれ、少しずつ起こり始める異変。
外の情報は途切れ途切れのラジオと電話のみという密室劇。モノクロの画面にク
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3時10分、決断のとき(2007年製作の映画)

4.0

久々に再鑑賞。
強盗団のボスであるラッセル・クロウを護送することになったクリスチャン・ベール演じる主人公。
冒頭から散々見せられてきた主人公の不遇さ…吐露する心情が切ない。だからこそ、終盤の選択は納得
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