避けられないと思ってみた。
冒頭、ゴダール自身が身体や物を叩いて音を出すように、イメージと音の関係が主題になっているようで、音が異様な仕方でつながれている。視覚的なイメージとの対応関係があるようで、>>続きを読む
避けられないと思ってみた。
実存主義が参照されるように、役よりも前にある身体が撮られる。
そのときの演技の即興は、ジャズの即興のようだということなのだろう。
屋外で彫像を見るシーンでは、三人は走り>>続きを読む
避けられないと思っていたのでみた。
とにかく現代の感覚で視聴できてしまい、どれほど革新的だったのだろうかと思う。
まずもって、オーソン・ウェルズの声が素晴らしく、とくに演説シーンの演技はすごいし、し>>続きを読む
避けては通れないと思ってたけど、ふつうに面白かった。
癖の強いおじさんたちが、汗をかきながらケレン味のたる議論をし、矛盾の可能性をついていく……ほぼ「逆転裁判」だった。
とはいえ、デイビスが繰り返>>続きを読む
避けては通れないのでみた。
難解であるけど、そのコンセプトは分かるし、全カット美しい。
静止した人物をゆっくりと回り込んで撮るようなシーンはなんとも耽美的で、イメージのちからを感じる。
過去と現在>>続きを読む
避けては通れないので、意を決してみた。
今後も繰り返しみることになるだろうから、その都度、追記することになると思う。
まずもって、やはり会話シーンでのカットは異様なのだけど、それが非常に気持ちがよい>>続きを読む
原作者を敬遠していたのだけど、よいと聞いていたのでみてみた。
稲垣吾郎と新垣結衣の演技をしっかり見たのは初めてだったのだが、とてもよかった。
稲垣吾郎の役所は、当て書きかと思うほどにはまっていたし、>>続きを読む
とても素晴らしかった。
恋することと、身体を使用することと、性愛という、異なりつつも重なり合う主題が、異なるタイプの身体をもつマリーとアンヌとフロリアーヌの観点から描き出されるわけだが、そのタッチが>>続きを読む
とてもよかった。
俳優もよかったし、画面は静かだが力強かった。
とりわけ冒頭の安藤サクラの表情や、風に揺らぐ杉がそうだが、後者は、揺らいでいないように見えても実際には揺らいでおり、しかしながら重心を>>続きを読む
敬遠しているタイプの邦画だと思っていたけど、なんとなく機運が高まったので視聴したものの、やはり自分向けではなかった。
アニメ制作群像劇ながら、「ハケン」を獲ることをゴールに据えることで、狭義の制作現>>続きを読む
敬遠してたけどよかった。
原作自体がさまざまなマンガのアイデアを試すような作品だったけど、映画における平面性の表現のアイデアも試されているように思えた。(というより、そのアタリを付けて見たのだが)>>続きを読む
素晴らしい作品だった。
映画的なアニメではなく、まさにアニメ的映画で、二次元の平面はすべてがスクリーンになり、背景も人物もすべてが映画的操作の対象となって、想像力のままに縦横無尽に映像は分節・連節さ>>続きを読む
色々と言われていたけど、思いのほかわるくなかった。結末というよりも叙述トリックの方が重要で、そのための伏線は張られているし、さいごの見せ方も親切だ。
まず、あまりに完成されているがゆえにさまざまな制>>続きを読む
素晴らしかった。
共同体に根ざす家父長制を問題にしつつも、信仰を原理に、共同性を作り出す。会話において。
それは理念の水準でもそうであるし、女性たちが自らの生を肯定し連帯するときもそうである。
と>>続きを読む
丁寧な映画化で、とてもよかった。
コメディではあるものの、過剰な演出はなく、適度な間としゃべりでもって笑うことができ、原作に特有のテンポ感が出ていたように思う。
何度も繰り返され、その度ごとに聡実く>>続きを読む
よかった。
不勉強を恥じるが、日本における「ホームレス」をめぐる表象との違いを強く感じさせられた。
現代のノマドとしてアメリカの大地を放浪し、自然とつながりつつ、生きていくだけのお金を稼ぎ、ときに>>続きを読む
面白かった。
フェミニズム映画として、典型的に誇張されている表現も感じるけれども、結局のところ、ひとりひとりが自らのアイデンティティを引き受けていかなければならないのはたしかだろう。そしてそれには、>>続きを読む
よい映画だった。
タイトルバックで「75」がぼかされているのは、他の要素の代入可能性を暗示しているよう。
倍賞千恵子のしゃんとした背筋と声が凛として美しいのだが、その身体が死を選択するに至るまでがハ>>続きを読む
面白かった。
多彩で動きの多い画面は、それだけで「見ている」気にさせてくれる。
こう言ってよければ「スマブラ的」なのだが、それゆえにどの演技に注目すべきかが分かりにくいのは難点か。
やはりグウェン>>続きを読む
良い作品だった。
マイノリティはオピニオンを求められ、それが市場主義においては商品となる……わけだが、その過程を商品化しかえす、市場主義の反省的意識が撮られている。
市場主義に対する抵抗というよりは>>続きを読む
慎ましい作品だと思った。
アッシジの聖フランシスコを対象にしながら、主に撮られるのは、かれを中心にした共同体の生活で、聖痕の秘蹟を受ける場面などの象徴的な場面は扱われない。
もっとも有名エピソードは>>続きを読む
とても素晴らしい。傑作。
アニメでできることを突き詰めているように思う。
まずもって、キャラデザのデフォルメ具合が、フィクションとリアリズムの塩梅を示している。これが実写だと、これほどの説得力はない>>続きを読む
分かるような分からないような作品だった。メタファーかと思えば、それが文字通り現れてくるというか。
ともあれ、ひたすら有害な男性性の気持ちわるさが描かれており、同じような顔で、同じような言葉で、お前が>>続きを読む
2回目だけどやはり面白かった。
冒頭の逆再生のショットが予告するように、次第に事の発端へと遡っていく構成が、エンタメとして分かりやすく上手い。
これから何が起こるのかではなく、何が起こったのかを問う>>続きを読む
とてもよかった。
こういうのが好きなんだろう、という要素・シーンがすべて入っているようで、悔しいけど素晴らしい。
OVAから、さまざまなジャンルに第二小隊のメンバーを置いて、描きたいものを描くよう>>続きを読む
よい作品だった。
ただ、映画という時間芸術に固有の問題も感じた。
まず、登場人物はみな何かしら困難を抱えていて、その錯綜が一連の出来事として提示されているわけだけど、そのしわ寄せが誰に来ているのか、>>続きを読む
よい映画だった。
ただ、美しく撮ってしまうことの問題も感じた。
在日クルド人がどのような境遇にあり、なにに悩んでいるのか。難民申請を中心に、日常と困難を描くもので、多くのひとがみるべきだと思う。>>続きを読む
よい作品だった。
回教徒に扮することで生き延び、名もなきものにされてしまったひとの名前をペルシャ語に託すことで記憶に留める。
どうしてもアガンベンの『アウシュヴィッツの残りのもの』を想起するが、た>>続きを読む
やはり繊細な映画で、ミシェル・ウイリアムズ演じる「リジー」が素晴らしかった。
『ファースト・カウ』同様の主題だと思ったが、各登場人物の配置などが異なるために、だいぶ異なる印象を受けた。
ただ、根底に>>続きを読む
面白く、鋭い作品だった。
『國民の創生』を実際に批判的に参照しつつ、そのうえでクロスカッティングを効果的に用いるなど、アメリカ映画をフッテージに、その理念を問題にしているようにも感じた。
また、ア>>続きを読む
資料としてしばしば見返すけど、やはりよい作品。
どうしてもヒロシが我に返るシーンは泣ける。
20世紀のニオイにあてられてしまったヒロシとミサエだが、長年歩き走ってきた足に蓄積された「ニオイ」を嗅いで>>続きを読む
本当に素晴らしい傑作。
脚本も演技も撮影もすごくよく、イヤホンで聴いていた音楽が挿入される場面は、未来を文字通り描くようで、思わず泣いてしまった。
母親との出会いなおしであり、母親が娘と出会いなお>>続きを読む
終始画面が美しく、素晴らしい映画。
とくに、お父さんの運転する車が暗闇のなか小さくなっていくシーン。
あみ子の主観性を反映しているようで、静かな場面だけどとても力強いものがある、
しかし、なにより>>続きを読む
よい作品だった。
途中で挿入されるアニメーションが素晴らしく、その他の演技も細やかに力を入れるところに入れていてとてもよかった。
こういうアニメが作られていることは嬉しい。
また、前評判の通り、『>>続きを読む
自分向けの作品ではなかった。
背景や空気感の表現はよく、またキャラの演技(スカートのはためきはとくに)もよかった。
(ただ、スカートを捲る場面やキスシーンはどうかと思う)
けれども、全体のテーマな>>続きを読む
素晴らしい映画。
複数の記号系の横断を主題とした作品として読みました。その意味で分かりすぎてしまうところもありましたが、5回くらい泣きました。
音声は、(目に見えない)画面外を占めうる記号系として>>続きを読む