むらみささんの映画レビュー・感想・評価

むらみさ

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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.6

女性の 性的同意 の意思表示とはどこからなのか、本気で考える。
この映画、ニーナを被害者とだけ描いているのか…?

なんだかんだでオトコの添えものになっていった方がなにかと便利、
という人生の選びかた
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川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

死はそこいらじゅうにあるなぁ…


『のどぼとけがこんなに綺麗に遺っているのは本当に珍しいことですよ』と、生前の父を知らないやまだくん(松山ケンイチ)が聞かされるのは、当人にとって何にも替えがたい救い
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ムクドリ(2021年製作の映画)

4.1

おとなはある程度、諦めや慰めの先に落ち着いたところまでこころを持っていけると知っている。
1年後やそのもっと先には、今と同じではないことを経験的に知っている。
だからみっともなくジタバタしたり、怒りや
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ニュー・ミュータント(2020年製作の映画)

3.6

本作は人間の精神の成長や感情の制御などを視覚的に見せてくれる、感受性過多メンターなじぶんには学ぶところの多い内容でした。

オーシャンズ8のレビューでも触れたけれど、やはりキャラクター各々のドラマをい
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ベスト・オブ・エネミーズ ~価値ある闘い~(2019年製作の映画)

4.0

BLACK✕WHITE
問題が2極化で対立式でしか語れない歴史が絡む映画は、観るのにそれなりに体力が必要で全身にちからが入って楽しむどころではないのだが。。

主演がタラジPヘンソンとサムロックウェル
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

4.1

誰と居ても何をしていても、本心がわからないカルリートス。
彼が唯一
生きている
と呟いていたのはラモンと侵入した宝石店のなかでだけ。

必然的に周りから愛されてきた彼にとって、能動的にじぶんから求めた
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.4

大勢に無条件に受け入れられる とか、
思考から離れてからだの感覚のみになる とか。

じぶんの意識から離れてすべてを受け入れてしまいなさい・という協調に取り込まれてしまうことの、なんと開放的な
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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.8

TENET(主義)
エントロピー
アルゴリズム

わからないなりに調べてから臨んだTENET!
全然わからないよ………? 笑

けれどパラレルワールドとして存在する未来だの、タイムパラドク
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バード・ボックス(2018年製作の映画)

3.9

【疑心暗鬼】と【絶望】を視覚化する。

共感や共鳴を心根にしている人間、良心を芯に生きてきた人間ほどすぐにからめとられる設定には、面白さを感じてしまいました。
感情を共有し支えあって共存する人間どおし
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ロマンスドール(2019年製作の映画)

4.1

死に一歩一歩近づいていくときに感じていたいのはたぶん、生きていることを毎時間実感できる何か、
じぶんの身体の輪郭、触感、誰かの体温、
SEXはいちばんじぶんを感じられる行為で、じぶんを忘れられる行為。
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ロケットマン(2019年製作の映画)

3.7

人生で初めての公私の理解者
共同作曲者であるバーニー(ジェイミー・ベル!素敵でした)がじぶんの元から去ったように感じたとき流れた歌。
【tiny dancer】の歌詞を読んだときが、エルトン・ジョンの
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彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

4.2

私は男児の母ですが
おなかのなかの赤子におちんちんが加わったのは、ある日突然のことだった記憶を思い出しながら本作を見ていた。
その4週前の検診まではそこにはなにもなかったのに。
女の私から男の子が産ま
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.6

愛したひとをその後ずっとおなじ温度で愛し続けられるのか、とじぶんに問うてみるとやはり自信はない。
恋愛から共同生活になって、ふたりのこどもが欲しいとなって、子育ての共闘者となって家族になって……

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何者(2016年製作の映画)

3.4

‘じぶん’という不確かなものを、いちいち意識させられてしまうこのSNS時代は本当に生きづらい。
SNSのなかで、発信者は常に人生のメインポジションにいる。
それが見せかけであろうと、素直に表現していよ
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ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

3.6

もの作りを生業とした人間にとっての、登場人物たちのその後を成仏させるための一作。
そこ!ちゃんと受けとめたよジェームズ・キャメロン!!!
的な作品でした 笑

何故また今さら正統的続編を作らなければ
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地上の星たち(2007年製作の映画)

4.3

相手がこどもであれ大人であれ尊重したいと願うときに、かける言葉や行動でマウントをとってしまいたくなるときがある。
結果的にほかの誰かを否定することで輝かせたり、じぶんが前に出たいためだったり。
自己顕
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オクジャ okja(2017年製作の映画)

4.2

スーパーピッグ・オクジャと少女ミジャは会話する。

オクジャにミジャが耳うちしそっと声を届ける、その場面は、
この映画を見終える頃にはただの、長くときを共にすれば生物をも超えた会話ができることもあるか
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男はつらいよ お帰り 寅さん(2019年製作の映画)

3.9

叶わなかった想いと共に生きるつらさと、優しさと。

じぶんがこの‘男はつらいよ’シリーズに本当の意味で傾倒したのは、1989年制作頃以降の満男くん(吉岡秀隆)と泉ちゃん(後藤久美子)の物語になってから
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人生はローリングストーン(2015年製作の映画)

4.3

本を読む
著者の孤独にじぶんの孤独を重ねる。

読書をする度にじぶんの感情にも言葉を与えてくれた作家たちが支えになってきたし、そういう才能が欲しいと思ってきた時期もあった。

作家はさまざまな感情に言
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.4

スラムドッグ$ミリオネアよろしく【愛は至上】というラストで終わるのは、正直に言ってズルい。
そのダニー・ボイル的おとしかたは誰も否定できないし、共感ほど多くの人間の好感を抱かせる方法はないのだから。
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めぐり逢わせのお弁当(2013年製作の映画)

3.9

おとなになってからの恋はーーー寂しい。
相手の躊躇もあきらめも、老いも寂しさも受けとめなければならない。

盛り上がってむやみに信じ続けたり、相手が居てくれるだけで自己肯定感が得られるようなそんな緩急
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カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)

3.5

叶わなかった約束の方が甘い。


若く青々しかった頃から時が経ち、じぶんを囲む人びとも変わりじぶんの置かれる立場も変わり、、
それを成長と呼びある種の達成感も感じ、人生に成功したと感じ入っていても、愛
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ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

3.9

Free
このことばの虚しさがラストに立ちのぼる。

自由を与えられてきた日本人の私には、自由はしぶんの手で勝ち取らなければならない・という価値観は実感として得ることはこの先あるのだろうか。
本作のあ
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マーウェン(2018年製作の映画)

4.1

たくさん、様々な苦しみが描かれていて目まぐるしい。見ていて面白いけれどもつらい。

ロバート・ゼメキス監督作らしい予想外なアングルがたくさん盛り込まれていて、いろいろな角度からマーク・ホーガンキャンプ
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ジュラシック・ワールド 炎の王国(2018年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

人間さまが甦らせた恐竜を、人間さまが望む共生ではなくおなじ生命として共存する道を選ばざるを得なくなる

っていうのは……確かに種の保存的な説得力をもたせようとした目線では崇高と言いたいのだろうけれども
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ダンスウィズミー(2019年製作の映画)

4.0

咲いても、咲かなくても
花は花。

↑は秀逸だったドラマ‘カルテット’からの台詞を借りてきましたが、まさにそれ。
何者にもなれなかったヒトには刺さりまくる、ダンスウィズミーはそんな映画でした。

突然
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東京喰種 トーキョーグール【S】(2019年製作の映画)

3.4

前作と比べ観賞者の評価が下がる理由は、一作めは喰種と人間の生存理由が拮抗して緊張感最高潮だったのが(金木くんと亜門のバトル最高だったな…)
今作は双方歩み寄りだったからなのかな……
それでも見所はそこ
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

4.2

スター・ウォーズサーガ終焉の舞台設定の説得力よりも。
SF映画としての物語の整合性よりも。
(おそらくスター・ウォーズをSF映画とカテゴライズするのは難しいのであろうし。自分にとっては敢えて敬愛するフ
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

3.6

かつて「犬(日本兵)の次は豚(中国兵)が来た」と現地では言われていた台湾にひとり旅したことがあった。
観光施設を周りながら歴史が遺したものを感じながら。
世界のなかで自分がどういう背景の‘人種’に属す
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.3

I know it's a complicated one.
(人生は複雑だ)

じぶんの苦境を誰かを落とすことで際立たせる手法を誰もが選びがちなこの世のなかで、誰も責めることなく落とすことなく受け入
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天国でまた会おう(2017年製作の映画)

4.2

戦時下という逃げられない異次元に放り込まれた時に、未来の見えない閉塞した時間の下でひとはすぐ目の前の金や名声や欲のために動くー
しかしながら、痛みを抱えた他人への愛のためにも動く、ということを描いてみ
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スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

4.0

レイアとルークがまがりもなく兄妹であること、台詞まわしで感じさせる再会の場面がとても素敵でした。

エピソードVII、VIIIと続けて観賞。
本作を愛し制作者と共に立ち上げたマーク・ハミル、キャリー・
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俺はまだ本気出してないだけ(2013年製作の映画)

3.7

社会の歯車から自ら降りて、世間的には人並みの経歴を修められず期待されなくなるお年頃の42歳シズオ(堤真一)。

でもなぁ~、シズオの若者に媚びないところめちゃくちゃ響きました。
常に同じ目線。それかな
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ヤング・アダルト・ニューヨーク(2014年製作の映画)

3.7

40周辺にもなると自分の‘無様さ’を変えられないことに気づいてしまったりもするので、容易にそれに感づかれないように振る舞い出すあるあるが見ていて愛おしかったw
20代で本作を見たらきっと、わたわたする
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かいじゅうたちのいるところ(2009年製作の映画)

3.9

さびしい
という気持ちに名前をつけて、受け入れられたのなら。

大好きなひとがじぶんから離れていってしまう。
ずっと私を楽しませてくれる唯一無二の存在だと思ったのに。
不安が内側でふくらんでゆく。誰か
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ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

4.1

アルフレードがトトに向けた愛情は無償の愛ではない。
時に駆け引きだったり、時に押し付けだったり。
戦争で夫を亡くし未亡人となった母がトトに示せた愛情も無償のものではなく、不器用で無限ではない愛の示しか
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