このレビューはネタバレを含みます
傷を物語るためには生きねばならない、死にたくなるほど退屈な日常を。あるいはこうも言える。互いを/自身を傷つける=創を作る/造ることとは、新たな生の創造であり、単なる死ではない。それは自身が罪を背負うと>>続きを読む
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「少女」ではないはずなのにしかも卓越した少女美が炸裂しているというところに、他人を演ずることの(同時にそこで少なからぬ自己を表現することの)真面目が逆立した形で物語に埋め込まれていて、そしてだからこそ>>続きを読む
安心してこちら側がツッコミを入れられる安っぽさというか、シリアスとコミカルの塩梅の丁度良さというか、そういう微妙な共犯関係が心地良い
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復古主義を振り切り未来に賭けようとするしんちゃんという無邪気な「コドモ」なんてのは今やあまりにも素朴な偶像でしかないし、つまりこの映画そのものが時代的にも実質的にもまさしく懐古の対象ですらある訳で、我>>続きを読む
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生々しさと嘘臭さとのこの塩梅を、絶妙ととるか中途半端ととるかで評価が分かれる気がする。個人的には、そうしたメタ視点を喚起する〈作り物〉感や作品内のオカルト的要素を排除した、もっと現実的な世界観の中でよ>>続きを読む
キラキラした感じに騙されそうになるけれど、相当に暴力的な話だと思う(そうした方法でしか二人の間にある非対称性が和らがない、かつ、そうした理不尽に基づくハッピーエンドという意味で)。
「父親」を真似ることしかできなかった男と、彼を通して初めて「父親」になれた男の話
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(一見そのような舞台装置を用いながらも実は)ミステリではなかったという意味以外ではミステリとして観るべき映画ではなくて、だから冒頭の墜落死体のくだりも不要な演出と見るのではなく、“役者を揃える”ための>>続きを読む
こういうものを面白いと思って、(しかも)ちゃんと形にできてしまっているのが素晴らしい
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犯人の消え方(消し方)がとても上手い。そのことによって常に同型の未解決事件として完成するという構図も綺麗(どこかで見たことのある仕掛けのような気もするが)。