N70さんの映画レビュー・感想・評価

N70

N70

映画(50)
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アニメ(0)

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.8

 出会ってはいけない2人か出会ってしまう。
いかにも危険人物な岡田将生演じる東昇に近づく、羽村仁成演じる朝陽たち。岡田将生の不気味な表情と、羽村仁成の純朴そうで何を考えているか分からない表情に引き込ま
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バービー(2023年製作の映画)

3.9

 働く女性が生き生きと活躍する社会の実現を、現代社会は追い求めてきていると思う。
バービーランドの世界では、女性が能力を発揮し、それぞれ個性を持っている。わきまえず、堂々としている姿には、女性であるこ
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To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

 レスリーの怠惰さ、醜さを体現する、アンドレア・ライズボローの凄さ。
特に前半はしんどく、自分は何者にでもなれると夢描いたであろうレスリーが、愛する息子と離れるまでに絶望的な状況となり、息子たちのもと
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

 リディア・ターは、並外れた能力や豊富な知識があり、優れた芸術家なのだろう。しかし、権威を持つ彼女は、パワハラ、特別扱いをして平等性を欠くというような問題行動をする。こういった振る舞いをする指導者とい>>続きを読む

午前4時にパリの夜は明ける(2022年製作の映画)

3.7

 生きることに不安を感じる。自分は弱すぎると。そんな孤独感や無力感に優しく寄り添ってくれる作品。
エリザベートが悲しいときに泣いていたように、しんどいときはしんどいと言ったっていい。そんな彼女のそばに
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あのこと(2021年製作の映画)

3.5

 人工妊娠中絶が違法で、女性が中絶をする権利が認められていなかったこの時代に、望まぬ妊娠をすることは、孤立することでもあったということを、淡々とした映像から伝わってきた。
妊娠による体調不良に悩ませら
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それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

4.2

 母親として娘を守りながら、仕事もしているときに、親の老後について考えなければならない世代の人たちの生きづらさを感じる。転換期に直面しているサンドラは、多忙でありながらも、笑顔で娘と遊び、気丈に過ごす>>続きを読む

帰らない日曜日(2021年製作の映画)

3.6

 愛おしい日々も辛い経験も、自分だけが書くことのできる話を、物語として書くことの美しさと苦しみを感じた。
小説家として自立し、書くということに強い意志を持っている様子が、オデッサ・ヤングの凛々しさから
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12か月の未来図(2017年製作の映画)

3.8

 都市と郊外での教育格差の問題について描く。
子どもたちや親といった個人の問題ではなく、構造的な問題があるのではないかという問題提起をし、改革の必要性を伝える。
問題児を退学させることで、問題を解決し
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.3

 嫌われたくない、遠ざけられることほど辛いことはないから。という気持ちと、自分のことをもっと見てほしい、想いを知ってもらいたいという願望で、葛藤する気持ち。恋の切なさをひしひしと感じる。
自分をさらけ
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アネット(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

 ヘンリーとアンは深く愛し合い、愛と憎しみの話かと思ったけれど、題名通り「アネット」の話だったのだと思う。
ヘンリーのような衝動性のある人物はときに眩しく見え、惹かれてしまうのかもしれないけれど、あま
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.2

 どこにいようと、私たちは笑顔になれる場所を探して、辛いことに耐えながら強く生きているのだと感じる。

あらゆる世界に存在する階級。価値観の押し付けや他者を位置付ける行為による、息苦しさ。
〇〇の人と
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.9

 愛していた彼女が、本当の姿かどうかは分からない。客観的に、彼女の表や裏をつくりあげていただけで、そのまま全てが彼女だったのかもしれない。
妻への思いを抑え込んでいた家福が、ドライバーとの出会いにより
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ガール・ピクチャー(2022年製作の映画)

3.6

 性の多様性が尊重されるべき世界であることを証明するような作品で、各々に夢中なこと、色々なかたちの欲求があることを感じさせる。
ミンミ、ロンコ、エマらの「定まっているもの」にとらわれず、自分の世界を広
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さよなら、私のロンリー(2020年製作の映画)

4.1

 盗みなどを両親らと行い、生活をするオールド・ドリオ。
家族は生計を立てるために、仲間のような信頼関係は成り立っているものの、家族としての心の繋がりは薄く、寂しく感じていた。
彼女は愛や優しさに敏感で
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17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

4.0

 オータムの苦しみに寄り添う、いとこのスカイラーがいて良かったけれど、自分の異変に気づき、自分でどうにかしないといけないというプレッシャーのなか、とても孤独だったと思う。
17歳という年齢であるからこ
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.3

「真実を暴く」という責務を負う記者たちは、被害者たちが話することで、傷を負わせることに恐れながらも、社会に変化を起こさせるという強い意志と希望を胸に、果敢に挑む。
権力のある者たちが、立場を利用して
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.0

 マイキーは自分の輝きを豪語し、側から見たら軽薄だ。でも、どんな経験をして、どんな人間なのか、他人からは分からない心の内があるのかもしれない。とも思った。でも、覚悟を持てない彼は、大事なものを守ること>>続きを読む

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

4.2

 皆が心に鎧をまとうようになり、人に関心が持てず、信頼できない社会になることに危機感を持った。
“辛さ”を表に出すことが、弱さにならない社会になってほしい、していきたい。と思った。

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.6

 運命を受け入れることは過酷なことでもあるけれど、映画を撮る才能を持ってしまった人間が、自分の使命を自覚し、苦しみながらも数々の名作を生み出してきたのだと、感じた。

スザンヌ、16歳(2020年製作の映画)

3.3

 はじまりにはワクワクするけれど、”はじまり”があると、”終わり”が見えてきて、何かを失うことに不安になり、焦ってしまう。そんな複雑な気持ちを表現していると感じた。
そして、戸惑いながら恋愛をする、ス
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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.6

 自身の境遇が幸福であるか自由に判断することさえ許されない、固定的な価値観で支配された世界。個人の意思を奪われた女性たちの、抑圧された社会の恐ろしさを描く。
何がおかしいという違和感をアリス同様に、観
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パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

3.4

 主人公マーラは悪女で、強引なやり方で裁判に訴えられるも、裁判官が信用しているところに少し疑問を持たなくもない。けれど、ロザムンド・パイクの視線の動きや華麗で堂々とした振る舞いに、マーラのペースに引き>>続きを読む

わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.3

 ユリヤは自分本位で、弱さもあるけれど、生き生きとした姿が魅力的だ。
何かと正解を求めてしまう社会なのかもしれない。ユリヤも何かを探すようにずっと悩んで、迷う。だけれども、直感を大事にして、大胆な決断
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ブリタニー・ランズ・ア・マラソン(2019年製作の映画)

3.6

 成果が出ると嬉しいけれど、結果が全てではない。自分なりに頑張っていれば、それだけで素晴らしいことなのだから、自信を持っていいんだ、と思えた。
自尊心が低いがゆえに自分のことを哀れんでいると感じる、そ
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イーグル・ジャンプ(2016年製作の映画)

3.9

 自分の可能性を信じられないことはあるけれど、エディの諦めなることなく挑戦し続ける姿に、凄いと思った。
そして、周囲に駄目だ、無理だと言われたり、馬鹿にされても、自分の決断を信じる芯の強さに圧倒された
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わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

 クリスが自分自身の将来を考えはじめながらも叔父さんを大事に思い、農場から離れることを躊躇う気持ち、叔父さんが姪の背中を押したいという気持ちと農場を守るためにはクリスの支えが欠かせないことからそっと見>>続きを読む

明日への地図を探して(2020年製作の映画)

4.0

 「変化すること」は人生に彩りを添え、ワクワクするものであるけれど、変わることに恐れることもある。そのどちらの気持ちも抱きながら日々過ごしているのだと感じた作品。
マークがマーガレットと出会ったことで
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モキシー ~私たちのムーブメント~(2021年製作の映画)

3.4

学校生活では納得できないことも多くあったけれど、抗うことをせずにやり過ごし、行動することができなかった。
この作品で、理不尽な現実に対して声を上げることの意義、アクションを起こすことの大事さを感じた
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2つの人生が教えてくれること(2022年製作の映画)

3.9

 人生は、巡り合わせで予期しないことも多く、私たちは迷いながら、様々な場面で決断をしていると感じた。
苦難や葛藤、人生を歩んでいくことの居心地の悪さはある。それでも、励まし合って乗り越えたり、喜びの瞬
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

 娘の殺人事件が解決されないことに怒りを覚えて警察に抗議するミルドレッドにも、病で余命いくばくもない署長を悩ませ、町中を揺るがす出来事を起こすミルドレッドに反感を持つ人びとの気持ちも、理解はできる。>>続きを読む

パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

3.2

 エンとザンが本気で恋に落ちる様子が、可愛くて切なかった。
少し生意気なエンが、愛に気づき、別れに傷つき、成長していく姿が描かれていると思った。
自分のことを特別な存在であると思い上がったり独りよがり
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ファーゴ(1996年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

 妻の偽装誘拐を企む男と、男に依頼された悪党2人の奇行によって、雪の積もる地域で次々と殺人事件が起きていく様子が可笑しかった。
予期しない状況にあるからか、考えが浅いからなのか、詰めが甘く洞察力によっ
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天下無敵のジェシカ・ジェームズ(2017年製作の映画)

3.8

 物事を肯定的に捉えてポジティブに言葉を受け取り、クールで魅力的な私のことは、自分がよく分かってるというような、ジェシカが好きだなぁと思った。
元彼と元妻に未練のある2人が出会い、相手と向き合う姿を描
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マリー・ミー(2022年製作の映画)

3.5

 住む世界が違いすぎる。という2人のラブストーリーだけれども、出会ったときから互いを遠ざけれることなく、相手の生き方を尊重しているところが、良いと思った。
SNSを通した世間の声、評価に振り回されるこ
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.0

 家族の中で聴者とろう者という立場の異なるなかで、分かりたくても分かち合えない苦しみもあるということを、恐れることなく描いていると感じた。
人の苦しみを理解するというのは、思い合う家族であっても難しい
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