YusukeNakanishiさんの映画レビュー・感想・評価

YusukeNakanishi

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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

セリーヌ・ソン監督は時間と場所が時にぶつかり合って、いかに人生に重くのしかかってくるかを描く。
全てはタイミング。

あっという間の24年間。
永遠のような2分間。

韓国という国には思い入れがある。
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ティル(2022年製作の映画)

3.5

物語はまさに人類の歴史とともに始まるのだ。物語をもたない民族はどこにも存在せず、また決して存在しなかった。あらゆる社会階級、あらゆる人間集団がそれぞれの物語をもち、しかもそれらの物語はたいていの場合、>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.6

表情が乏しく、ぎこちなく、不器用でも、
日々一生懸命に生きる人を大切にしたい。
そしてそんな人ほど信頼できる。

携帯番号の紙落とすなや。

くるりのえいが(2023年製作の映画)

3.5

挑戦的な音楽を作り続けるくるり。
挑戦の間につくるシンプルでストレートなアルバム。
それがたまらなくいい。

制作現場でのバンドマン言語のかっこよさってなんなんやろ。あぁやって曲作るんやね。

枝葉のこと(2017年製作の映画)

3.5

お前がそれ言うんかい。
お前も大概やぞ。
言わんけどな。
(言うたら案の定、関係こじれる)

制作を始めると思いきや、マスターベーションを始めてしまうあたりが苛立ちと鬱屈、そして葛藤の日々である。

逃げきれた夢(2023年製作の映画)

3.8

自分勝手な人とそれまでに築き上げてきた関係性を相手方は崩したくない。それは自分を守るために、身につけてきた相手方の心得である。

自分勝手であることが普通で気づけない。それは父親が強い時代に育ってきた
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

3.9

利用価値の判断で一瞬で消されるシーン。
清々しいほどロキタへの配慮がない。
性的搾取、大麻の売り子、VISA申請、
母からの心ない言葉。

日本人に現実味のない社会問題が世界にはたくさん。

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.5

三宅監督の夜のシーンがとても好きだ。
混線する感情を川や電車なと色々な線が交わることで表現したシーンが良かった。ロングショット大好き!

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.5

競技時間の何倍もの理不尽や非効率を含む時間の堆積。
その中にある物語。
部活の素晴らしさはたぶんそこ。

KDとハイタッチする渡邊雄太も
ドラフト指名される八村塁も
女子バスケのオリンピック銀メダルも
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.5

強いと思っていた兄。
初めての女性。
不安定な中で大切なものを知り選ぶ。
それって素敵やんと思う反面、
許容範囲で失敗してねと強く願う。

許容範囲で多くの怪我をさせること。
それが大人の役割やと思い
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.7

地方出身者の自分にとって、
残る者、出る者のテーマは結構身近。
18、25歳で出る者を経験した自分。
出る時のあの複雑な気持ち。
やはり難しい。

シングストリートもそうやったなぁ。
アイルランドとイ
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オペレーション・ミンスミート ーナチを欺いた死体-(2021年製作の映画)

3.5

戦争という大きすぎる出来事に対して、
あんな小さい部屋で練られる作戦。
その対比がおもろい。

女神の見えざる手ばりの展開を期待していたら、
「終わってしまった」というのが正直なところ。

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.0

この世界は、まったくの偶然で、
別様の世界に変化しうる。

メイヤスーの『有限性の後で―偶然性の必然性についての試論』の帯の言葉。

偶然と想像。
「偶然」が3作のテーマ。
1話目の芽衣子とつぐみのタ
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.1

「女性に去られるという根源的な恐怖」
女性の不在をきっかけに自分と向き合う
これを描きたかったと監督は述べる。

自分も向き合うことから逃げてきたし、
強者の態度を取っていた人が去られることで、
弱さ
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マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”(2019年製作の映画)

3.5

ブランドビジネスから離れたマルタン。
僕はファッションデザイナー、
クリエイティブディレクターじゃない。
この発言だけでも、今のファッション業界で働いている姿が想像できない。

最後の言葉は
ファッシ
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Summer of 85(2020年製作の映画)

3.5

1985年とThe Cure『In Between Day』
John Carney『SING STREET』がちらつく。
2人の監督が映画で使用するくらい思い入れのある
The Cure『In Be
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.5

ファーンを強くもなく、可哀想にも描くことはない。
自分で意思決定を下す女性の姿が描かれている。
素晴らしい描き方だと感じた。

リーマンショック後の自分は就職活動期でキャリアセンターの講義を聴いていた
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劇場(2020年製作の映画)

3.5

永田の心情は描かれているのに、沙希の心情がほぼ描かれていないのは又吉さんの体験をもとに書かれた要素が大きい。沙希のモデルの方の心情を勝手に描く事を嫌い、配慮されたのではと勝手に推測。

永田をわからん
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

3.5

熱中する事やその環境が全てでそれが崩れると簡単に壊れていくのが思春期。

賢く美人で大人しい吹奏楽部の女の子がヤンチャな子と付き合って、メイクも濃くなって高校辞めてったなぁと映画後に思い出す。

取り
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.5

ラコステやポロのビッグシャツ、あとショートパンツの丈感が映画の背景を上手に表現してるよね。

インテリジェンスとエロスが肝やと読んでんのよ〜。トーキングヘッズも彫刻もなるほどなぁ。

アプリコットがぁ
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COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

3.6

ポーランド民謡の力強さ。
あの人を好きになってはいけないの。オヨヨイ。
抑制的でストイックなくせに溢れ出る表情の豊かさよ。最小限。それがよろし。

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

3.5

出演者の経歴や生育歴のリアリティ。監督のテーマである生と死。赤ちゃんの死と海のシーンからクレオが生の意味を見出す。横軸からラストの縦軸がさすがの演出。それにしても、赤ちゃんモチーフにしがち。

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

3.5

アビーとスーザンソンタグ、そらフェミニズム。パンクカルチャーの文脈やレイヤー、周辺にある背景を知っていれば…。BLACK FLAGとTalking Headsどっちも好きな自分ならどうなったやろ。ボコ>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.5

好意の一方通行。中目黒のクラブでの夜。自信を失ったマモルがテルコの好意を受けて元気になるシーンがいかにも自分本位な男性。それでもテルコにとっては愛ごときがなんだ。

We Margiela マルジェラと私たち(2017年製作の映画)

3.6

anonymity≠four stitch=symbolic
「We」に秘められたのは責任の所在を分散する事。
神聖化されるブランドの背景にある普通の理由。
メディアが伝えていないチームの働き。
「民
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.0

男女間での言いたい事が言えない。
男性が陥るパートナーへの無関心。
それを正当化する社会構造。
気づいても、もう遅い。
人の振り見て我が振り直せ。

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.5

とても多い夜のシーン。
対となる昼のセックスシーン。
そこは夜に描かない。
破られそうで保たれている均衡。
黒が素敵でした。

ブルーに生まれついて(2015年製作の映画)

3.5

手に入れたいものはなんとしても欲しい。
それ以外はわりと簡単に手放せる。
そんな映画。

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

3.8

戦時下の日常を強く生きた人々。現在もこんな時代だからこそ、日々の暮らしの豊かさを大切にという事か?

永い言い訳(2016年製作の映画)

3.5

西川作品って女性陣の撤退が早いよね。
あとは男性陣の自意識との葛藤。
クソみたいな最後の別れって絶対ある。

シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.0

にいちゃんの思い痛いほどわかる。
ジョンカーニー作品の音楽の良さ。
ジョンカーニー作品の恋心。
ただの青春映画やのに最高かよ。

女神の見えざる手(2016年製作の映画)

4.0

脚本が素晴らしいです。
男性の見立てなんて甘っちょろい。
音楽はMax Richter
衣装はSAINT LAURENT
スローンを引き立ててました。

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

3.8

大学時代に読んだ漫画。
追う事の地獄。
待つことの地獄。
成し遂げられなけば地獄。
成し遂げても地獄の可能性あり。
aviciやん。

火花(2017年製作の映画)

3.5

諦めたり辞めたりする芸人を見てきて、火花のような瞬間の熱量であっても、世の中に影響が少なくても、精一杯にやったその瞬間の熱量はきっと無駄じゃない。と又吉先生は伝えたかったのだと思います。

BPM ビート・パー・ミニット(2017年製作の映画)

3.5

エイズ危機とその周辺の芸術。
プレデートにはダメ。絶対!
いい映画でした。

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.0

自分が自分を裏切ってしまう行動。
ロングショットのメタファー。
牛腸茂雄作品の使用。
監督も原作者も最高。