なべさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

クライモリ/間違ったターン(2003年製作の映画)

2.5

 観たことのない怖さを味わいたい。

 シリーズになってるなら、それなりにおもしろいに違いない。ラテン語みたいなタイトルにもなんだか洗練味を感じる。まさか13日の金曜日みたいなひどいものではあるまい、
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バスターのバラード(2018年製作の映画)

3.0

 オムニバスならいけそう。そう思ったけどやっぱり合わない。

 撮影はいい。好きな構図、好きなアングル、好きなグレーディング。役者もいい。過不足なくそれ以上でも以下でもない演じ方。役と等倍なキャスティ
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卒業(1967年製作の映画)

4.0

 自分の成長度合いに合わせて、印象がコロコロ変わる映画。平成生まれのダチはベンジャミンをクソ呼ばわり。いや、異常者、ストーカーと罵詈雑言を浴びせていたよw

 初めてこの映画と出合ったのは中一のときの
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

3.7

Qのレビューの続き。

 そしてシン・エヴァ。一応、納得できたし、ストーリーに満足もできた。しかし、見終わってからの心持ちがなんか違う。疑問や辻褄合わせで脳内のシナプスが激しく活性化するあの感じがない
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

2.8

 シン・エヴァのレビューを書くはずが、思いのほか気持ちがほとばしってしまい、なかなかシン・エヴァ本編に辿り着かない事態に(笑)。なので前半をエヴァQのレビューとして記すことにした。

 テレビアニメ版
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スキャナーズ(1981年製作の映画)

3.7

 わはははは。まさかスキャナーズがスクリーンで観られるとは。これもコロナ禍のおかげか。スコアは気持ちの上では満点だけど、冷静に3.7とした。

 LD、DVD、Blu-rayとメディアが変わるごとに買
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ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)

3.0

 中学生の頃に初めて観た時は、すごく騙された感があったローズマリーの赤ちゃん。ローズマリーをレイプする悪魔や産まれた赤ん坊の姿を見せないやり口が許せなくて、何度観ても名作と呼ばれる評価に納得がいかなか>>続きを読む

ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)

4.0

 ドルビーシネマ公開初日に観たんだけど、日が空いてレビューのモチベーションがすっかり下がってしまった。気持ちを上げるために米盤Blu-rayを再生したら、なんと!馬鹿でかい英語字幕が焼き付けてあるじゃ>>続きを読む

ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年製作の映画)

3.9

 ガメラってダサい。子どもごころに対ギャオス、対バイラスや対ギロン(ジャイガーはもう見なかった)を見てはそう思ってた(対バルゴンはちょっと不思議な魅力があるけど)。だって亀なんだもん。亀はかわいいだよ>>続きを読む

検察側の罪人(2018年製作の映画)

2.6

 なんだろう、インパール作戦や新興宗教など、本編に関係ない味付けのノイズ感がひどい。そのせいで物語に集中できない。物語のエッセンスに使うにはインパール作戦は存在が大きすぎる。いや、本編よりずっと闇深い>>続きを読む

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

3.2

 ぼくが高校2年生だった頃、隣国で起きた事件。コリアゲートから朴正煕暗殺に至る数十日間の話だ。一応、登場人物の名前は微妙に変えてあるけど。
 関西は在日朝鮮人が多かったこともあるが、単純に授業で習う世
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クラッシュ 4K無修正版(1996年製作の映画)

4.0

 スキャナーズの昔から、クローネンバーグが大好きだ。無機物と人体の融合、人体の変容や損壊に並々ならぬこだわりを持ち、観客を絶望のどん底に突き落として知らんぷりするあのやり口が堪らなくて、特に前期の作品>>続きを読む

私というパズル(2020年製作の映画)

2.7

 長回しが嫌いだ。意味がわからない。カットを割った方がいいに決まってるのに、時々どういうわけだか長回しで野心を満たそうとする監督が現れるのな。
 本作もそう。オープニングから出産までの導入部を30分の
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キャリー(2013年製作の映画)

2.0

 なぜリメイクしようと思った? どこに勝算があった? てかデ・パルマ版観たのか? オレもなめられたもんだな。

 オープニングのシャワーシーンでもう負けてるから。それもこっぴどく。スローで湯気でボケ感
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ヒッチャー ニューマスター版(1986年製作の映画)

4.3

 「ヒッチャーっておもしろい?」と平成生まれの友だちからLINEが来た。おもしろいよと答えたら「観る?」と聞かれてリバイバル上映されてることを知った。そんなの観るに決まってんじゃん!と、数十年ぶりにヒ>>続きを読む

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

2.9

 もはやジャンル映画として確立された感のある、女性の自意識と異常性を描く女性猟奇映画のひとつ。
 初めてこの手の映画を見た人はショックだろうけど、RAWやテルマを見てきた目にはなんとも中途半端。てか雑
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特捜部Q カルテ番号64(2018年製作の映画)

4.4

 おおおおぉぉぉーー!見応えあるじゃんよ。シリーズ4作目にして、今までのテレビ映画っぽい作風を卒業して、ついに映画としての風格が。化けたな、Q!
 どんよりと陰鬱な北欧トーンはそのままに、よりショッキ
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特捜部Q Pからのメッセージ(2016年製作の映画)

3.5

 シリーズ3作目。前作よりかなり映画っぽくはなったが、テレビ映画感は拭えず、コールド・ケースやクリミナル・マインドの前・後編的なイメージ。
 今回の事件では、宗教と信仰がテーマ。犯人・被害者がともにエ
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特捜部Q キジ殺し(2014年製作の映画)

3.0

 タイトルのダサさと北欧の刑事ものってところがずっと気にはなってた。シリーズ化されてるくらいだから、きっと人気があるのだろうと。アマプラに1作目以外の3作品がリストアップされてたので試しに観てみた。>>続きを読む

ドーベルマン・ギャング(1972年製作の映画)

2.7

 小6の春、ぼくらの間でめちゃくちゃ流行った映画。まだ観てなかったY田君にも「絶対観た方がいい!」と強力に勧めたところ、彼は天王寺ステーションシネマで隣に座ったおっさんにいたずらされるというスキャンダ>>続きを読む

薔薇の名前(1986年製作の映画)

4.2

 大好きなのに家のライブラリにはない悔しい一本。ショーン・コネリーを追悼したくてレンタルして観た。
 これこれ! このタッチ。久々に見る一癖も二癖もある連中にしばし酔いしれる。思えば、ロン・パールマン
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ザ・プロム(2020年製作の映画)

2.9

 ひとことで言うと雑(絶賛レビューが並ぶところ大変申し訳ない)。もっと言うと、ミュージカルってだけで内容問わず絶賛するミュージカル乞食向け作品。
 LGBTQの中でもスルーされがちなレズビアンを中心に
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ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

5.0

 「アメリカはいい国です。財産もできたし、娘もアメリカ風に育てました。自由も与えた。家名を汚さない限りは。男ができました。イタリア人ではないが。夜遅くまで遊んでも怒りませんでした…」
久々に聞くボナセ
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コリーニ事件(2019年製作の映画)

4.9

 とても見応えあった。ドイツらしい知的表現の極みのような作品。予告編で、ナチスの戦争犯罪を暴く法廷ものだとはわかっていたが(法廷は出てくるがいわゆる法廷ものとは少し違う)、本作で明らかになるのは、ユダ>>続きを読む

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

3.0

 なるほど、ドライでソリッドな語り口。ここからさらに編集して、ジャジーな劇伴をつけて、もっとタイトに仕上げますって初号試写を観たような気分。
 ストーリーはとても好きなんだけど、夢中になれない。ゾクゾ
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ザ・ハント(2020年製作の映画)

4.0

 もうテネットと鬼滅以外に映画はやってないのか!ってくらい新作が乏しくて、でもとんかつDJアゲ太郎とかは死んでも観たくなくてたどり着いたのがこのザ・ハント。ポスターの豚とぼくらのブラムハウスってこと以>>続きを読む

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)

3.8

 ロマンチックめいたジャケットを見て、ジム・キャリーのラブロマンスなんて1ミリも興味ねえわとうっちゃってた。
 ところが独盤スチールブックのジャケット観てびっくり仰天! まあ見てみて↓

https:
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オー!(1968年製作の映画)

4.0

 ベルモンド傑作選2本目は、ロベール・アンリコとジョアンナ・シムカスの青春三部作の最後の一本「オー!」。今回の傑作選で一番のお目当て。

 ああ、最高じゃん!今のフランス映画が失った役者の個性がたっぷ
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大頭脳(1968年製作の映画)

3.0

 ジャン=ポール・ベルモンド傑作選。なつかしー!でも思ってたより雑〜w

 今の感覚からすると内容的にはイマイチ。いや、大頭脳はもっとおもしろかったはずなんだけど、それってテレビの洋画劇場で観た記憶な
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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

3.3

 ドラマやテレビアニメの続編映画化が嫌いだ。テレビで始めたことはテレビ内で完結して欲しい。そうした映画はおよそ内容、演技、構図がテレビ的で、劇場のスクリーンで観るような仕上がりになってないから。アニメ>>続きを読む

ボルサリーノ(1970年製作の映画)

3.6

 リオの男が急に観たくなって探したんだけど全然配信されてない上、Blu-rayも廃盤。仕方なく、ジャン=ポール・ベルモンドが出ている他の作品を探したもののやっぱり配信されてないんだよなあ、これが。それ>>続きを読む

ドライヴ(2011年製作の映画)

3.8


 最近、レフンがいい!というのをよく見かけるので、気になって観てみた。

 昔、ザ・ドライバーって映画があった。チャラい役が多かったライアン・オニールがどういうわけだか寡黙な逃し屋ドライバーを演じて
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天気の子(2019年製作の映画)

2.6

 手描きの絵は、ときに写真のリアリティを上回る。天気の子の背景画や人以外の描き込みはそれはもう圧巻。ディテールアップし、陰影を操ることによって強化された超現実が何やらとても特別な意味を持って見えた。>>続きを読む

ブレイド(1998年製作の映画)

4.5

 マハーシャラ・アリでリメイクされると聞き、久々に観てみた。なんと、Blu-rayが開封されてないじゃないか!なんたる体たらく。なんたる怠慢!(だってDVDで飽きるほど観たんだもん)。

 ハイランダ
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(1974年製作の映画)

3.0

 タルコフスキーの鏡が早稲田松竹でかかるというので行ってきた。鏡を単品で劇場で観られる機会なんてもうなさそうだもん。
 知らない人のために言っておくと、鏡はタルコフスキーの最高傑作だといわれている映画
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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.7

 時間のことなら俺に任せろ。メメントとインターステラーのDNAを感じさせる凝りに凝ったノーラン最新作。初見より2度目、2度目より3度目の方がより深く理解できる情報量たっぷりの足し算映画だ。
 かぁーー
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