なべさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

殺しの烙印(1967年製作の映画)

3.0

宍戸錠追悼。

「シナリオ通りに撮ったのでは映画を撮る意味がない。だから必ずシナリオ崩しをやる」
これが鈴木清順の制作スタイル。だから普通ならおもしろそう!ってところを、セリフでさらっと流したり、どう
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ミッドサマー ディレクターズカット版(2019年製作の映画)

4.0

※本編のおもしろさは通常版のレビューを参照してください。ここでは追加シーンに関してのみ言及しています。

なるほど。
新たなシーンが観られたのはよかったけど、アリ・アスターがカットしたのも納得な蛇足感
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エンゼル・ハート(1987年製作の映画)

4.3

 フランスで4K UHDが出たので買っちゃった。これ、大好きなんだよなあ。
レーザーディスクで静止したり巻き戻してスロー再生したり散々観倒したので、字幕がなくてもへっちゃらさ!
 何がいいって、映像の
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スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

2.5

うわあああ!やってもた。

 最近おもしろい映画しか観てなかったから、どこかでババを引くんだろうと思っていたが、これだったか。
 韓国映画は邦画より圧倒的におもしろいが、韓国でつくられる全ての作品がお
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地獄の黙示録 ファイナル・カット(2019年製作の映画)

4.8

ふー、疲れた。グランドシネマサンシャインのレーザーIMAXは超満員!ジジイ率も高く、なんだかとてもむさ苦しい。場内は気温も湿度も高く、汗をかきながらの鑑賞。ここはカンボジアか。
思えば1980年の70
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大脱走(1963年製作の映画)

4.2

昔は毎年のようにテレビの洋画劇場で放送されてたのに、最近はとんと見かけなくなった大脱走。放送があった翌日、学校では必ず大脱走の話で盛り上がり、マックイーンのファンが着実に増えていったものだ(ブロンソン>>続きを読む

移動都市/モータル・エンジン(2018年製作の映画)

3.3

 公開前に輸入Blu-rayを買ったんだけど、日本語字幕がなくて理解できてない部分があるかもとレビューせずに寝かせてた作品。今回字幕入りを観たところ、ほとんど合ってたのでレビュー。

 いや、好きなん
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ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷(2018年製作の映画)

2.0

ザ・世界仰天ニュースのほうがおもしろいとはどういうわけだ?
おまえ赤点な。放課後職員室まで来るように。思わずそう言いたくなるホラー。
この素材を使ってこのつくりはないでしょ。設定もストーリーも怨霊の
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叫びとささやき(1972年製作の映画)

3.0

ミッドサマーを撮る前にアリ・アスターがスタッフに観せたと聞いて、数十年ぶりに観た。

学生時代は「え、ベルイマン観てないの? 早く観なきゃ。映画好きを自称するならね」と通ぶったものだが、実のところベル
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T-34 レジェンド・オブ・ウォー ダイナミック完全版(2018年製作の映画)

5.0

ダイナミック完全版が上映されてると知り、チネチッタのLIVE ZOUNDで観てきた。 内容はIMAX完全版と同じだが、ボイスオーバー仕様が解消されてる。ちょっとしたストレスだった同時通訳がなくなったの>>続きを読む

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

4.0

観たいと思ってたのに気がついたら終わっていて、今回やっと新文芸坐で観ることができた。
ムンバイの同時多発テロは数年前の出来事のように思ってたけど、もう10年以上経つのか。
てっきりテロリストに占拠され
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母なる証明(2009年製作の映画)

4.0

どよーーーん。

 観たことがそうではないとひっくり返され、思ってることが反転する撹乱映画。
ゴースト・ストーリーズがつまらなくて、ポン・ジュノ作品で味変しようとしたけど間違えた。味が強すぎる!てかこ
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ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談(2017年製作の映画)

2.3

え、なにこれ? 劣化フラットライナーズ?

怖いのが観たくて、でも夜中にめっちゃ怖かったら嫌だなと思って昼間に観たのに、1ミリも怖くない。
てか、これテレビ映画? 映画的広がりがちっともないんですけど
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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

4.8

なんという緻密な脚本。なんという映画的な編集。あまりに素晴らしくて上映終了後しばらく呆然としてしまった。

ナイブズ・アウトでミステリーのおもしろさを褒めたが、そんなものじゃない。作風が違うから比較し
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007 スペクター(2015年製作の映画)

3.3

 ガンバレルのアイキャッチがエンディングからオープニングへ。旧来の007シリーズと同じになった。
 旧シリーズの007はロシアより愛を込めてとゴールドフィンガーしか持ってないが、ダニエル・クレイグの0
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007 スカイフォール(2012年製作の映画)

4.6

変な映画。

以下、軽くネタバレ。
カジノロワイヤル、慰めの報酬と、散々敵の正体を探ってきたのに、まったく関係のない悪が現れる唐突な路線変更。しかも過去2作では、00ナンバーとしてはかけだしのボンドが
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007/慰めの報酬(2008年製作の映画)

3.9

 初見時におもしろくないと断じて、Blu-rayも買うには買ったがそのままで見返すこともなかったダニエル・クレイグボンド第二弾。新作のためのおさらいとして初ローディング。
 あれ、こんな映画だっけ?
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.9

すっかり忘れてた、こういうジャンルの映画のこと。近頃はシャーロック・ホームズさえアクション重視だったから。これは、オリエント急行殺人事件とかナイル殺人事件とか、いわゆるアガサ・クリスティな本格劇場型推>>続きを読む

X-MEN:フューチャー&パスト(2014年製作の映画)

3.9

老三部作・若三作のBlu-rayがAmazonで800円台だったのでまとめ買い。
まずはシリーズ中一番変な話のフューチャー&パストから。

あれれ、こんなにおもしろかったっけ?
ああ、そうか、初見時は
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.8

フィルマでの評価があまりにも高く、マジかよ!って驚きつつも、ここではララランドやカメ止めも評価が高いから、話半分で観に行ってきた。4DX Screenっていう、側面にも映像を映し出す体感プレゼンテーシ>>続きを読む

ウォッチメン アルティメット・カット版(2009年製作の映画)

4.0

 正義とは何ぞや?

 陰謀や戦争にも加担する粗暴なヒーロー“コメディアン”(政府認可)が殺害される事件が発端。これを捜査する“ロールシャッハ”(非合法ヒーロー)は、この事件はヒーロー狩りなのではない
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夕陽のギャングたち(1971年製作の映画)

4.1

ガキの頃からテレビの洋画劇場で散々観倒した映画だけど、レオーネ作品の中ではライブラリに加えるほどではないとずっと思っていた「夕陽のギャングたち」。ロッド・スタイガーの役が、これ絶対イーライ・ウォラック>>続きを読む

ミスター・ノーボディ(1974年製作の映画)

3.3

観るたびに印象が変わる映画がある。年齢やその時の体調、あるいは時代のムード、そういう要素に左右される作品。ミスター・ノーボディもそう。熱狂的に好きな時もあるのに、あれ、こんなにつまらなかったかなと思っ>>続きを読む

黒薔薇昇天(1975年製作の映画)

2.8

1968年、ウルトラセブンの後を受けて始まった怪奇大作戦。変身ヒーローも怪獣も出てこない怪奇犯罪ミステリーにぼくは夢中になった。SRIの牧史郎という科学者に魅せられたからだ。悪に同化してしまいそうな際>>続きを読む

エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

4.2

お正月韓国映画三連荘のラスト。
ポスタービジュアルがダサくて、予告編も響かず、全くノーマークだった作品。
予告編占いの得意な友人が絶対におもしろいというから一緒に観に行った。

わはははははは!最高じ
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

ポン・ジュノの新作とあらば観に行かぬわけにはいかない。そう思っていたらなんと先行ロードショーがあるではないか! 割引の効かない一律1,900円もポン・ジュノなら惜しくはない。そんなわけで新年早々胸糞な>>続きを読む

国家が破産する日(2018年製作の映画)

3.8

お正月は韓国映画三連チャン。たまたまなのだが、3本ともおもしろくて、今年も韓国映画は期待できそう。

1997年に韓国が陥ったデフォルトの恐怖を、韓銀通貨対策チーム長、金融コンサルタント、町工場の経営
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荒野の七人(1960年製作の映画)

3.8

メキシコの田舎の風景を背景に、エルマー・バーンスタインの勇壮なテーマが鳴り響く。それも1曲まるまる。
スター・ウォーズと同じく、オープニングでこの曲がかかるだけで(内容の良し悪しに関わらず)、ああ、荒
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プレデター(1987年製作の映画)

4.5

 何度めだプレデターw

 シュワルツェネガー作品では一番好きかも。コマンドーからのプレデターの流れが好きだ。コマンドーのメイトリックスとダッチのキャラが被っているので、同一人物だと思って観るのがぼく
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コマンドー(1985年製作の映画)

2.8

何度観ても、娘が攫われること以外すっかり忘れてしまう映画。おかげでいつも新しい気持ちで鑑賞できる。つまらないのに地上波でやってるとつい最後まで観てしまう。そういう不思議な魔力はあるんだよな。最近日本語>>続きを読む

ウエストワールド(1973年製作の映画)

4.0

フォロワーさんに勧めたものの本当におもしろいのか、思い出補正が働いてるだけじゃなのか不安になってきたから、確認するつもりで観てみた。

おもしろい!

そりゃ今どきの金のかかったSFに比べたら美術もセ
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007 ロシアより愛をこめて/007 危機一発(1963年製作の映画)

3.6

タイムラインの中に007の過去作がちらほらしてて、つられての鑑賞。
ダニエル・クレイグのボンドを観るまでは、ボンドといえばショーン・コネリーで、そのショーン・コネリーの出演作の中でもロシアより愛をこめ
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

4.0

ルーカスの考えてたエピソードVII〜IXは、ミディクローリアンの話になるはずだったという。
しかしディズニーによる新三部作は、特に描きたいテーマやストーリーがあるわけではなく、イベントビジネスとして、
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戦争より愛のカンケイ(2010年製作の映画)

3.9

 中年鳥類学者と自由で奔放な娘バイアの恋愛もの。ジャンルとしては恋愛コメディになるんだろうけど、そんな単純なものではなく、思想、人種、差別、迫害、環境など、フランスの政治史のエッセンスが巧みに織り込ま>>続きを読む

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗(1966年製作の映画)

4.0

他に欲しいソフトがいっぱいあるのでずーっと後回しにしてた西部劇だが、先日レオーネの「ウエスタン」を観たことで西部劇熱が再燃。折しもAmazonで6枚3,000円キャンペーンをやっていたので、夕陽のガン>>続きを読む

ベルリンファイル(2013年製作の映画)

3.7

ハ・ジョンウ 窮地に踊れ、標的の男 オールナイト3本目。
オールナイト3本目ともなると、目は冴えてるんだけど、結構ヘトヘト。でもその分、映画のエッセンスというか核がよく見えるという不思議。

まずアク
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