penさんの映画レビュー・感想・評価

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異人たち(2023年製作の映画)

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驚くほど原作小説を尊重しながら孤独であること、それに寄り添うことを軸にしたシナリオになっている。異なる時代を生きた両親とのすれ違いと対話が、この映画に独自の魅力を与えていた。ノスタルジィを誘う風景が日>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

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ジャンルごった煮の贅沢さで楽しんじゃった。同じ空間で日常と非日常が同居し、歪んだまま季節が進んでく。思い出の中にいた友達を確かめるように見る、スマホに残した写真と頭の中の記憶。中心の二人の掛け合いが良>>続きを読む

ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター(1993年製作の映画)

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サム・ニールやハーヴェイ・カイテルから顔を出す支配欲と暴力から生まれる緊張感に息が詰まりながら、最後まで描かれる触れるという行為と何も知らぬままあの選択をするアンナ・パキンを追いかけていた。

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

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最近のガイ・リッチー監督作は観る度に色んな方向で満足感が残り、これは特に。
deal(取引)をベースにしながら一定の距離感を保って生まれる関係性、組織の都合に振り回される個人の事情、二つの線が螺旋状に
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映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)(2024年製作の映画)

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世界は音楽にあふれている。誰かと演奏する喜び、離れていて顔を合わせていなくても音楽で繋がれる喜び。それら音楽の魅力を謳歌することが作品全体で満ちみちており、堂々と空気に流れる音色に色と形をつけているこ>>続きを読む

ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突(2024年製作の映画)

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このシリーズがいかにいつでも映画でやれるポテンシャルを持ち、仮にスクリーンでなくてもドラマシリーズとして続けられることを証明する作品になっていた。
ふんだんに特撮を使ってあらゆる角度から描く怪獣との戦
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ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

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メインの株関連は売るのか、売らないのかでハラハラしたものの、作品全体で特に興味を惹いたのは様々な人々のコロナ禍における生活の描写だった。
しっかりマスクして仕事する人もいれば、地域によってはマスクもせ
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仮面ライダー555(ファイズ) 20th パラダイス・リゲインド(2024年製作の映画)

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時間と年齢を重ねてきたのをライダーでも感じる。パンフレットのインタビューで田崎監督が10周年と20周年の記念作品の違いを語っていたが、とてもしっくりきた。

姑獲鳥の夏(2005年製作の映画)

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映像の情報量が凄まじくて、観ているだけで惚れ惚れする。
画面のあちこちに目がいってしまう。
オーディオコメンタリーは実相寺監督と原作者の京極夏彦氏の対談。面白い。

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

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食いものにする側。ジャンル。IMAX。
後半のテンションが尋常でなかった

エクスペンダブルズ ニューブラッド(2023年製作の映画)

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元々クリスマス主役のスピンオフ企画から本編シリーズ4作目となった経緯もある為か、全体の規模感は小さい。また、ラストの(瞬間的にトリックだと悟れる謎の)種明かし等どうかしてる部分もある。
それでも総合的
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

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冒頭に船がゆっくりと画面を横断するが、その映像がこの映画で流れる時間を提示する。その時の流れに身を浸せれば、あとは持たざる者達による友情に貫かれた犯罪映画を楽しむことができる。
進行はゆったりとしてい
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枯れ葉(2023年製作の映画)

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好転の兆しの見えない現実の中でも大切にすべきことを肯定するような、ささやかで好ましい映画だった。みんな愛しい。

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

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こんなに映像的に豊かで、忍び寄る戦争の怖さも感じさせながらも互いの信頼に満ちた素晴らしい映画を観られて良かった。

一貫して電車が登場して出会いと別れの中にある成長が描かれるので、まるでロードムービー
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ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS(2003年製作の映画)

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久しぶりに観たが「モスラ」に焦点を絞ったエピソードはやはり良い。尺的にストーリーも凝縮されていて、全体的にダレる感覚は無かった。ただ機龍のエピソードは前作主人公のまま進めた方が良かったような気がする(>>続きを読む

劇場版 とっとこハム太郎 ハムハムグランプリン オーロラ谷の奇跡 リボンちゃん危機一髪!(2003年製作の映画)

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1時間淀みなしの傑作。
雪が振り電車が線路を通る街の遠景が映る冒頭で出崎統監督の作品だ! となる。それから光の使い方や連続PANと作品を成立させる要素に一々グッときながらも、特にスプリットスクリーンの
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

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撮影と編集、僅かな音すらバッシバシにキマる映画なのに、映画の中の殺し屋はカッコよくない。痺れた。
失敗を通して殺し屋の実力と有能さが描かれる。そもそも失敗してはいけないのでは、という疑問はさておき。
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(2023年製作の映画)

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合戦も壮観だが、それ以上にその後の死屍累々が印象的な映画だ。
人の多さが作中の死体の山の説得力を強くする。
でんでん太鼓の移動がそのまま焼け跡の軌跡にもなっているような

劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの(2023年製作の映画)

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日本ではあっという間に過ぎ去った秋という季節の情感がある美しい映画だった。
風にのってクレアの家に入り込んでくる茶に色づいた葉の描写だけでも細やか。

お母さんへの誕生日プレゼントを探すささやかな物語
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さよなら ほやマン(2023年製作の映画)

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外界からやってくる美晴の髪色が青で、ほやは青い海からやって来て、主人公たちの心の中には海に対する想いがあり…と、海が作品全体の要素として震災についての物語とリンクしていた。
両親が行ってしまった向こう
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

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醜悪な搾取構造が完成された閉鎖的な村の恐ろしさ、それを作り出した人間の強欲さ。最悪な出来事を前に、ゲゲ郎と水木の関係性が眩しい。
妖怪の存在、戦争の記憶、高度経済成長が産んだ犠牲…水木作品の要素を経由
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スライ:スタローンの物語(2023年製作の映画)

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この人の手掛ける作品は肉体を行使するというより、酷使するといった表現が適している気がするとたまに思う理由を何となく知れたような。
決して陽性ではない、むしろ暗い影を背負っているようにも感じられる、それ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

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次に新しいゴジラ映画が作られる時はドラマパートは本作から引き算していけば良いと思うし、一方VFXを交えた映像は確実にこれより上を目指す必要がある。
そういう意味で今後作られるゴジラ映画の一つの基準にな
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タタミ(2023年製作の映画)

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試合での戦いの裏でまた別の戦いが始まり、代表選手と監督が政府の圧力によって精神的に追い詰められていく。息の詰まる描写と白熱の競技描写が交錯する優れたスポーツ映画。
衝突とすれ違いを繰り返した後に生まれ
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オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

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"ハンドル" の秘密で別の大作映画を思い出した。
飄々とちょうど良い映画を撮るガイ・リッチー監督に好感。

「ちょうど良い」とは何か。
肩の力が抜けた状態の楽しい時間が、ずっと続く感じ。日曜の昼下がり
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