penさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

でーれーガールズ(2015年製作の映画)

5.0

主人公の学生時代の過去と大人になった現在の両方が描かれるんだけど、
2つの異なる時間が並行して流れているような描き方が好みだ。過去は過去として時を刻み、一方の現在は戻らない過去を回想する。その差から生
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ただいま、ジャクリーン(2013年製作の映画)

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三竦みの人間関係でその一角が腹話術の人形、心の声があるので最初はびっくりしたのだが、それが決してコミュニケーションが取れない壁を認識させて妙に切ない。
本作にも大九監督が度々使用する「引っ越し」の要素
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東京無印女子物語(2012年製作の映画)

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場所は違うが同じ東京の空の下、3人の女性それぞれが体験する出来事を描く連作短編のような映画。
悩みを抱えながらも最後には空を見上げられる強さを主人公達から感じる。基本コミカルでポジティブなのが良い。
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恋するマドリ(2007年製作の映画)

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お隣さんが楽器弾いてたり、『雨に唄えば』をうっすら思い出す歌シーンがあったり、骨魚を模したグッズを主人公が部屋に飾ったり。
大九明子監督の初商業長編映画で最新作の『勝手にふるえてろ』とは対照的な映画な
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Man from Reno(2014年製作の映画)

5.0

日本人の女性小説家が旅先で1人の男と出会う。その男と親しくなり一夜を共にした彼女だったが、彼はすぐに姿を消してしまう。直後に別の男が現れて彼のことを聴いてくる。一体失踪した男は何者なのか?
一方、ベテ
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われらが背きし者(2015年製作の映画)

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イギリスでの資金洗浄を目論むロシアンマフィアとMI6の攻防が中心にお話は進んでいくけど、映画の始まりとドラマの中心は旅先で偶然出会った大学教授と重要な情報を持つ男の奇妙な友情、そして教授側と男側の2組>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

5.0

他人事で見られる欠点と他人事では見られない欠点が登場人物全員から感じられ、それらの描写の比重がどちらかに偏り過ぎることがなく、抉られながらも笑えるという絶妙な調整の利いたコメディ映画になっている。>>続きを読む

ロスト・エモーション(2015年製作の映画)

5.0

感情を抑制され恋愛することが病気とされる未来の管理社会。その中で感情を持ってしまった男女の初恋を描くディストピアSF。
抑制された感情表現の中で相手を想う気持ちは目線、口許の変化、触れることに集約され
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ホイールマン -逃亡者-(2017年製作の映画)

5.0

車の中という密室空間が状況に応じて異なる意味を持つということを提示しながら、観る側に緊張感や感動を与えてくれる。

リアガラスに映るバイクのフロントライトの光の大きさによって繰り広げられる距離感のサス
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スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

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描こうとしてることは分かるし、歴史と向き合いながら今後シリーズを続けていく為の決意も感じた。
作中の捻った展開や活劇の連続も退屈させない為に挿入されたパートだろう。ただそのパートに移行する為の登場人物
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点対点(2014年製作の映画)

5.0

同時期に香港に引っ越してきた男女。仕事も環境も異なり、出会うことはない。それぞれが街中で点の集合体を見つけ、点と点を繋げると図形になることに気付く。それらを見つけていくうちに2人の距離も静かに近付いて>>続きを読む

ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)

5.0

キメカットの物量で押しまくるのがDCEUの魅力だと思ってるので、それを残したまま、今までで一番一般向けにバランスを取ったスーパーヒーロー映画になっていて、非常に楽しめた。その分『BvS』にあった詩的な>>続きを読む

予兆 散歩する侵略者 劇場版(2017年製作の映画)

5.0

終始不穏な空気が画面いっぱいに濃密に拡がり、朗らかな側面さえあった映画本編とは対照的にホラー方向に針を全振りした傑作。
影は常に強調され、それ以上に強調される光が人影を作り、その人影がゆっくり近付いて
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BRAVE STORM ブレイブストーム(2017年製作の映画)

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地球の危機を宇宙人から救うため、3人の兄妹が未来から現代の日本にタイムスリップした。宇宙人が侵略を開始するのを阻止せよ!

もう『ターミネーター』がパッと浮かぶんだけれども、これはあることをやる為に必
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ミニミニ大作戦(2003年製作の映画)

5.0

この頃もそうだったとは思うけれども、今ではよりキャリアを重ねてスターとなった若き日のマーク・ウォールバーグ、シャーリーズ・セロン、エドワード・ノートン、ジェイソン・ステイサムが顔を揃えて繰り広げる犯罪>>続きを読む

トランスポーター(2002年製作の映画)

5.0

今でこそジェイソン・ステイサムといえば「恐ろしく強い人」という発想はほぼ常識だと思うのだが、これが初めて世に出た時は衝撃的だったのではないだろうか。
かくいう自分も彼のことは『スナッチ』で初めて認識し
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きみの声をとどけたい(2017年製作の映画)

5.0

「きっとこうなるんだろうな」という感じでお話は進んでいくし、本編時間は90分くらいなので結構ダイジェスト的に物語は展開されていくんだけど、友情200%の主人公達の青春模様に心を撃ち抜かれる。
ミニFM
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HiGH&LOW THE MOVIE2 / END OF SKY(2017年製作の映画)

5.0

ストーリーは恐ろしくシンプルなのにアクションがあまりにも濃密で度肝抜かれる。
「ターミネーターが出るワイルドスピード」を観られるとは思わなかった。画面の隅々で人間が戦っている映像は笑うしかない。
ノレ
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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017年製作の映画)

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なぜ今この作品を取り上げてアニメ化したのか? という疑問の答えは個人的には最後まで掴めなかったけど、繰り返す願望の物語とそれを彩る映像美にそこまで悪くない作品だよなぁと思ったりしている。
ヒロインを務
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ワンダーウーマン(2017年製作の映画)

5.0

太陽が昇るように戦場に下から現れるダイアナの姿にヒーローの誕生を見た。
彼女だけでなく相棒のトレバーも魅力的。国とそこに住む人々を想う普通の男でもヒーローになれることを教えてくれる。

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

5.0

開幕からタイトルが出る辺りが最高、というか個人的には完璧で気分が上がる。
演出や展開は今までの黒沢清監督作品を何本か連想させる(といっても自分も全部は観きれてないのだが)。
宇宙人とジャーナリストの奇
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

5.0

カーアクション要素は音楽に合わせた編集がピカイチでいつまでも観ていたくなるのだが、サングラス、音楽、車といった主人公のベイビーを構成するアイテムが彼の手から離れていってからが特に激熱でした。
音楽を聴
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ダンケルク(2017年製作の映画)

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初っぱなから観客に戦場に放り込んだような感覚を味あわせた後、登場人物の背中からいま起きていることを捉えたショットが織り込まれ、観る側に徹底的に体験させようとする1本。
生き残れるかどうかというシンプル
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帝一の國(2017年製作の映画)

5.0

漫画的表現をその良さを失わないまま実写に落とし込んだお手本のような漫画原作映画。
ズームイン/アウトといった撮影、時折挟まれるPV的映像も素晴らしく、1つの映画としても品質が高い。

基本は学園コメデ
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無限の住人(2017年製作の映画)

5.0

話の順序立てた流れよりも様々な敵との戦いを団子串のように繋げて、斬られても斬られても戦い続ける万次の姿を描いた1本。ヒロインともいえる鈴との関係性に敢えて深く踏み込まず、不死身の男が不死身であり続ける>>続きを読む

ZIPANG ジパング(1990年製作の映画)

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高嶋政宏演じる地獄極楽丸による100人斬りの冒頭が楽しすぎて素晴らしい。これぞ活劇。正統派な刀から個性的な刀までを取っ替え引っ替えしながら、バッサバッサと斬りまくる。
長回しで一気に連続斬りする姿を捉
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名探偵コナン から紅の恋歌(2017年製作の映画)

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アクション、ミステリー、ラブコメの配分がバランス良く、百人一首に恋の歌が多いことを活かして「恋」を主題にしたストーリーがテンポ良く展開された快作。

舞台やメインキャラクターが大阪というと過去作『迷宮
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レゴバットマン ザ・ムービー(2017年製作の映画)

5.0

バットマン映画として、DC映画として、ワーナー製作の映画として非常に優れた1作。
映画の中に溢れ返ったパロディやメタネタが分からなくても、笑って泣けるファミリームービーとして良質なのが何より素晴らしい
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ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜(2017年製作の映画)

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夢と現実が交錯しながら物語が展開されることで、ロードムービーと冒険活劇という2つのジャンルを往き来しているような映画になっていた。
ただ描写の拠り所が夢よりも現実に比重を置いているようなので細かい部分
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アルカナ(2013年製作の映画)

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同名漫画が原作で少し読んだこともあるのだが、もう少し軽い雰囲気だったような。映画単体でいうなら不穏さは割りと出ている。

全体的に低予算な雰囲気は漂ってはいるが、 主演の土屋太鳳を始めとして岸谷吾朗や
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ストリート・オブ・ファイヤー(1984年製作の映画)

5.0

ストーリーもアクションシーンもドラマの演出もとにかく直球。なのに心から惹かれてしまう。光と影と煙とマイケル・パレにやられっぱなしの90分。

途中色々あって街に戻るまでの中盤の珍道中パートはこの話の転
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すべてが狂ってる(1960年製作の映画)

5.0

若者達の姿を捉えた街中での長回し、顔への大胆なクローズアップなどの撮影がバシッとキマって、全てがお洒落。
モノクロ映画のはずなのに画面から多彩な色を感じられるのは、衣装や美術に監督の並々ならぬ拘りがあ
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咲 Saki(2016年製作の映画)

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原作アニメ前章のドラマほぼノータッチ、麻雀知識もうろ覚え状態。
原作重視と思しきビジュアルやキャラクターに最初は面食らったものの、それに慣れれば麻雀に青春を賭けた女子達の心理戦と個性(むしろ特殊能力か
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映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険(2017年製作の映画)

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『君の名は。』で少し不思議な青春が描かれたけど、少し不思議といえばこっちもそう。意欲作という評も分かる凝ったドラマが紡がれる。

前作の盛り上げ方と比べるとクライマックスは少し大人しい気もしたが、
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

5.0

尋常でないほどエマ・ストーンの魅力が爆発していて最高だし、挫折と妥協を繰り返しながら夢を目指した男女の物語としても良かった。
前作『セッション』で燃えまくったクライマックスとは対照的に、今回は涙腺をと
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ナイスガイズ!(2016年製作の映画)

5.0

1970年代後半のアメリカを舞台に、ポルノ女優の死亡事故がきっかけで人間的にダメダメな探偵(としっかり者の彼の娘)と武闘派の示談屋が手を組んで、事件の裏に隠された陰謀を解き明かそうとするバディムービー>>続きを読む