penさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

透明人間(2019年製作の映画)

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孤城に囚われていた女性が脱出して自由の身になったら、城の主が透明人間となって彼女を自分のものにする為に孤立させようとする。彼女は追い詰められながら、主と対峙する…とあらすじを書くと、映画はクラシカルな>>続きを読む

イップ・マン 完結(2019年製作の映画)

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これからを生きる人々が目立つ内容になっていた気がする。人としての誇りを穏やかに示すイップ・マン師父は最後までその態度を保ち続け、完結とはいうけど、いつまでも観ていたい気持ちが残った。

前作の継承が自
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MOTHER マザー(2020年製作の映画)

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タイトル的にも話的にも秋子を中心に据えつつ、作中の眼差しはむしろ周平の方に向けられている。でも秋子の周平に対する態度や向ける行動を通して、やっぱり秋子自身も描いているなと。というのも周平、秋子に褒めら>>続きを読む

バッド・エデュケーション(2019年製作の映画)

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完璧であろうとして崩れていく、そんなヒュー・ジャックマンの演技が印象的。どんなに追い詰められて、取り繕ってきたものが剥がされていっても、教育者としての矜持を捨てられないのが、立派というより逆に哀しい。>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

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多感な10代の少女の日々を静かに丁寧に追いかけていく映画なのかなと想像しつつ臨む。もちろんそういう面が大部分を占めているけども、それと同じくらいに暴力の匂いが充満していて、その不穏さで心中穏やかでない>>続きを読む

7500(2019年製作の映画)

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JGLの本格的な映画復帰作。ベルリン発パリ行きの飛行機を乗っ取ろうとするテロリスト。寸でのところで操縦室のドアに鍵をかけるが、入り込んだ犯人の一人に機長は刺され、主人公の操縦士も負傷。機長を刺した相手>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

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グレタ・ガーウィグ監督の作品は初めて観た。
楽しかった過去を暖色、ままならない現実の現在を寒色、それぞれのパートに入る際に現在は身体を画面右手に向けて、過去は画面左手に身体を向けて始まるように分けて描
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ヴァスト・オブ・ナイト(2019年製作の映画)

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通信に紛れ込んだ謎の音声の正体を探ろうとする一夜を描いた、SF映画。アンドリュー・パターソン監督はこれが初めての長編らしい。デビュー作には強い将来性とその人なりの個性が出ていると、多少いまいちに感じる>>続きを読む

ハリエット(2019年製作の映画)

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服を脱ぐ場面で背中が映ることが2回ほどある。その時に背中に刻まれた傷跡で、彼女が受けてきたものを感じる。ハリエットはその傷を背負いながら自由を手に入れる為に走り、彼女の背中を追いかけるように、多くの人>>続きを読む

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

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声を押し殺しつつ笑いながら観ていた。同時に2020年にこういう感じの映画が作られるって結構珍しいような気もした。

冒頭で「Kill the Head productions」と出る。それから劇中で度
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フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)

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冠婚葬祭、街の各所で行われる催し物やパーティーが印象に残る作品だった。そうやって沢山の人が出てくる出来事が続くから、次第に大きな街でも人の顔を覚え始める。しばらく過ぎた頃には、知り合いのような気分で本>>続きを読む

四月の永い夢(2017年製作の映画)

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冒頭の映像的に時間設定は彼が亡くなってから一巡した春? と思っていたら夏の物語だった。そしてこれは良い幽霊映画だった。ホラーではない。主人公の抱えた気持ちが、不在の彼をこちらに強く意識させる。

リア
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アップグレード(2018年製作の映画)

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かなり良かった。評判は目にしていたので多少期待値高めに臨んだら、それ以上のものを見せてくれて満足。

何者かの襲撃によって首から下が動かなくなったのを、首の後ろに小型のCPUを埋め込むことで回復。それ
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ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)

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公開当時どうして観なかったのかと思うぐらいによく出来ていた。そもそも最初、父親役にブライアン・コックスが配役されていて驚いたのだが、この人の熱量こもった演技もまた本作のクオリティの高さを支えている。>>続きを読む

ラブバード(2020年製作の映画)

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情熱的に結ばれたカップルは4年経ったら喧嘩ばかりで破局寸前。そんな最中に友人のパーティに向かう途中、殺人事件に巻き込まれる。目撃者から犯人扱いされた二人はパニックになり、思わずその場から逃走…で始まる>>続きを読む

ザ・ブック・オブ・ヘンリー(2017年製作の映画)

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大切に思える人の為に、自分の能力を活かそうとする。しかしそれが本当に最良の解決方法なのか。それを教えてくれる人はいない。少年が不在となった後、残された人達にだけそのことが分かる。
同時に少年の不在は、
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イップ・マン外伝 マスターZ(2018年製作の映画)

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マックス・チャンの「高速」としか言いようのない一挙手一投足に目を奪われる。屋台街で繰り広げられる序盤の戦いから素晴らしい。
『イップ・マン 継承』の時点でこれ1作じゃ勿体無いと思わせるキャラクターだっ
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イップ・マン 継承(2015年製作の映画)

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前2作から続けて見ると妻のウィンシンとの話が一番胸に沁みた。1作目への目配せを感じるお粥のくだりは、いつの時点で取り入れたんだろう。二人のドラマの完結でもあった。

外れたボタンを使った気持ちのすれ違
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イップ・マン 葉問(2010年製作の映画)

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作品の大きな山場はサモ・ハン・キンポーとの激突だった気がする。ラストバトルで異種格闘技戦を成立させて『ロッキー4』的な展開に昇華していくのは素晴しかったけども、この熱さを生み出しているのはやっぱりサモ>>続きを読む

イップ・マン 序章(2008年製作の映画)

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毅然とした態度を保ちながら、武術のこととなると内心嬉々としているのが伝わってくるイップ・マンのキャラクターが好き。作中最強だと思うんですけど、地に足ついた人物造詣だからか、序盤から応援したくなりました>>続きを読む

インビジブル 暗殺の旋律を弾く女(2018年製作の映画)

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盲目の主人公が頼るものは耳に入ってくる音。そして明るさの移り変わり。
それら2つを観ているこちら側に伝わるよう、映像で表現するのがとても上手くて感心した。
音が聞こえた方にカメラを向けたり、画面の奥で
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チャーリーズ・エンジェル(2019年製作の映画)

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評価分かれているみたいだけれど、割りと楽しく観られた。世界各国を巡り、秘密道具を駆使しながら、自らの能力で任務をこなす。基本はフランクながら、生き死にの部分は結構ドライ。これらの要素で、007シリーズ>>続きを読む

タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

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クリス・ヘムズワースって長い手足を使って機敏なアクションすると、1つ1つの挙動がキビキビしているから画になるんだなと。だからマイティ・ソーでの腕を大きく振り回して見得を切るようなポーズも映えたのかな。>>続きを読む

ザ・ライダー(2017年製作の映画)

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馬と触れ合っている時にだけ画面に陽光が挿し込むから、その瞬間は主人公にとって大切な時間なんだろうなという印象を抱く。

同時に本作は手離していくことを描いているから、ますます馬に乗って走る時間が輝いて
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博奕打ち 総長賭博(1968年製作の映画)

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あるグループの策謀がボタンのかけ違いを起こし悲劇の連鎖を生む物語に、『仁義なき戦い』の萌芽を見たような気がする。同じ脚本家だし。相手のことを想えばこそ…でかけた情けがことごとくすれ違い、組織の論理によ>>続きを読む

HOUSE ハウス(1977年製作の映画)

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「おもちゃ箱をひっくり返したかのような…」という表現が使われるのを時々目にするが、まさにそれに適した映画だった。

特に印象的な撮影がある訳では無かったんだけれども、その撮られたものを素材にして、自分
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さびしんぼう(1985年製作の映画)

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アクロバティックで過剰なコメディシーンに「好き勝手やってるなぁ」という気持ちを抱く。あんまり好き放題にドタバタしていて、人によってはうるささを感じるかもしれない。自分も少々感じたけれど、画面から人が出>>続きを読む

ピースメーカー(1997年製作の映画)

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人からお借りした『アウト・オブ・サイト』を観て、この頃のジョージ・クルーニーの出演作を調べていたらこれに行き当たる。そういえばずっと昔、TV放送時に観ていた記憶。懐かしくなって再見。盗まれた核兵器とそ>>続きを読む

ライフ(2017年製作の映画)

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レベッカ・ファーガソン、ライアン・レイノルズ、ジェイク・ギレンホール、真田広之と、豪華キャストであることを忘れていた。そういえば当時凄い出演陣だと話していた気がする。
そんな面々が地球外生命体と生き残
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屍憶 SHIOKU(2015年製作の映画)

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『リング』『呪怨』の製作で知られる一瀬隆重氏が関わっているので日本で観られないかな、と数年前から気になっていた作品。amazonプライムで見放題になっていたので観賞する。

台湾のホラー映画って初めて
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映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ(2019年製作の映画)

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何かの後ろ姿にノイズがはしる冒頭の描写で、この作品は発想が面白い映画かもしれないと思う。実際アイディアに感心しながらそれに絡めた物語に感動させてくれる作品だった。

まずキャラクター達が移動していく本
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ファーゴ(1996年製作の映画)

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フランシス・マクドーマンドとピーター・ストーメアの関係に『ノーカントリー』のトミー・リー・ジョーンズとハビエル・バルデムを思い出したけど、本作での追い詰める側はマクドーマンド。仕事に徹し、真顔になった>>続きを読む

ブロー・ザ・マン・ダウン~女たちの協定~(2019年製作の映画)

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インディペンデント系の脚本賞にノミネートされた作品というので、シナリオに重きを置いた映画になっているのだろうかと思ったけど、映像的にも新鮮味(町の風景からくるものだろう。雪の景色と海が良い)と印象的な>>続きを読む

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

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オープニングがアニメから始まって実写に切り替わって、映像で遊ぼうとしている意気を感じる。映画全体、ハーレイも映像も自由を謳歌するように縦横無尽。
ただ文字演出は面白かったけど、ここまでやるならロトスコ
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星屑の町(2020年製作の映画)

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終盤の展開が、急いで終わらせなければいけないような使命感でもあったかのように駆け足で、驚いてしまった。
いなくなった父親への想いやその感情から離れることを決める愛の心の動き、独立しようとする真吾が結局
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野性の呼び声(2020年製作の映画)

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原作よりもバックの無邪気さ加減が強いなぁと最初は感じて少し不安になったけれども、これがどんどん成長していく様を90分の中で丁寧に表現していて、最初の状態もアレはアレでありだったなぁという気持ちにさせて>>続きを読む