このレビューはネタバレを含みます
ラスト付近で主人公が呟く「今はもうない町の風景に、なぜこれほど心を締めつけられるのだろう…」という台詞がきわめて重要だと思う。この一言がなければ本作は傑作ではありえなかった。巨大な喪失に、ただ「描く」>>続きを読む
美しい描画、湿っぽいモノローグ、感傷的な恋愛。クライマックスのベタベタな愁嘆場は観ていてキツかった。
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奔放なイマジネーションが次々と展開されて楽しいが、内容自体はきわめて閉鎖的、保守的な血縁主義にしか見えなかった。雛人形が片付けられてないと婚期が遅れる!とか言い出す女子高生とか、いつの時代の話だよ……
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何だかよくわからず、作品として破綻している印象を受けた。特にヒロインの楓が絡む描写は全体的にひどい(特にクライマックスの謎の説教)。鯨が街を破壊していくシークエンスは魅力的だった。
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紛れもなく傑作だと思う。小学校の廊下をパンで左右に行き来して雨と雪の成長過程を表現してみたり、雪が自らの秘密をあらわにする一幕の美しさなど、凝った映像表現が楽しめる。
古めかしい家族観、ヒロインの魅力の乏しさなど気になる点は多々あるが、時に大胆に、時に繊細にひとつひとつの場面を描き出していく映像美は、それを補って余りある。
世界最大のSNSを立ち上げ、これ以上ない大成功を収めながらも孤独を深めていく男の物語。ホモソーシャルの嫌らしい雰囲気や、ジョックスとギークの文化的な対立が仄見えるのも面白い。ジェシー・アイゼンバーグの>>続きを読む
長大な原作を二時間ほどの映像に無理矢理詰め込んで、順当に破綻した映画。だいたい長い旅路があってこそのあの結論だったはずなのに、映画ではその大半が省略されてやたらコンパクトにまとまっている(まとまっても>>続きを読む
主として『イェルサレムのアイヒマン』発表とその後の大論争を取り上げ、思考の人アーレントの肖像を描き出す。映画としては感興に乏しかった印象。ハンス・ヨナスの描かれ方にもやや違和感が残った。
京都アニメーションが世に問うた傑作にして問題作。全ての悲劇を自らの罪として背負い込むヒロインが、「赦す/赦さない」という本来あるべき物語の枠組みを無効化してしまっているところがポイントでしょう。過去>>続きを読む