nkさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)

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広場の騒乱の中で(タイトル通り)2人のベロニカが邂逅するシーンの躍動感や、人形芝居の動きの表情など、シーン単位での感動は確かにあったが、総体的にはいまいち理解が追いつかなかった。

ロープ(1948年製作の映画)

3.8

特権的な強者は既成道徳に縛られないんだという俗流ニーチェ主義的な論理のもとに行われる殺人は『罪と罰』などを連想しないでもないが、こちらは純粋な遊戯として描かれており、その分グロテスクな物語になっている>>続きを読む

暗殺のオペラ(1970年製作の映画)

3.8

おかしいやつだらけの田舎町を舞台に、反ファシスト闘士の息子が暗殺事件の謎を追うという話なのだが、現在と過去が入り乱れる上に、いつどこの何を意味する出来事なんだかよくわからない場面も多く、不明瞭な物語が>>続きを読む

たそがれの女心(1953年製作の映画)

3.9

贈与と交換を繰り返す中で様々な意味性を帯びていくイヤリングの運動を中心に、恐ろしく精緻に組み上げられた恋愛劇…なのだが、正直なところを言えば、登場人物の言行のあまりのしょうもなさに、観るのが嫌になって>>続きを読む

輪舞(1950年製作の映画)

4.2

映画は男と女と階段があれば成立する、なんて言う人がいるけれども、まさにそれを体現するような映画ではあって、特に妙ちきりんな詩人のエピソードでは、階段による空間移動が、シャンデリアなど「円」のモチーフと>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

3.9

60年代南部を舞台とした、黒人ミュージシャンとイタリア系白人運転手のロードムービー。当然ながら、そこには人種、階級などをめぐる様々な問題が立ち現れる。非常に優等生的な映画で、演出も脚本も芝居も、ごく普>>続きを読む

サンライズ(1927年製作の映画)

3.7

恐ろしく完成されたサイレント映画なのは誰の目にも明白だろうし、サスペンスからコメディまで、田舎の生活から都会の喧騒までをドラマティックに演出するシーンの数々には本当に感嘆したんだけれども、どうしても最>>続きを読む

明日に向って撃て!(1969年製作の映画)

4.3

大自然を走り抜ける馬、爆発で舞い散る紙幣、男と女を乗せて疾走し、やがて打ち捨てられる自転車、どこまでも職務に忠実なウッドコックなる脇役の愛らしさ、銀行強盗のためにスペイン語を勉強するというユーモア、旅>>続きを読む

上海特急(1932年製作の映画)

3.6

物語の骨子は「脂肪の塊」を連想させる、移動と女性の犠牲をめぐるメロドラマ。タイトルの通り汽車が主要なモチーフとなっているが、しかし特急expressという言葉のイメージに反して、この映画で出てくる列車>>続きを読む

地下水道(1956年製作の映画)

3.8

ガスの瀰漫するクソ汚い地下水道を右往左往するパルチザン中隊の末路。どこを見渡しても何の救いもない話。正直観るのきつかったけど、鉄格子の向こうに河の広がる例のシーンには、絶望を超えて不思議な美しさが漂う>>続きを読む

ホットギミック ガールミーツボーイ(2019年製作の映画)

4.1

一昔前のケータイ小説めいた恐ろしく陳腐で強引な物語だが、しかし、本当に見事な映画。全編が独特の不安定な演出に彩られ、特に堀未央奈さんと清水尋也さんが並んで夜道を歩く一連のシーンが素晴らしく、すっかりや>>続きを読む

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語(2012年製作の映画)

3.7

誰もが知る(?)10年代アニメの名作。戦闘少女タイムリープセカイ系百合という、オタク文化の集大成的な趣がある。久々に見返してみると、無理や弛緩なくサスペンスを持続させ、大団円へと持っていく構成の堅実さ>>続きを読む

パプリカ(2006年製作の映画)

4.6

多層化された夢の世界を潜っていくアクションの数々は『インセプション』を先取りするようだが、夢と映画の近似性という点で、むしろ『キートンの探偵学入門』を強く連想するなど。大傑作。

伝説巨神イデオン 発動篇(1982年製作の映画)

3.8

 いよいよ黙示録的な色彩を濃くしていく完結編。一本の映画としては構成がよくなくて、展開がやたら急ぎ足だったりイマイチな感があるけれども、半ば自覚的に破滅へと突き進んでいく運命劇的な凄愴さが生々しく描き>>続きを読む