ナミモトさんの映画レビュー・感想・評価

ナミモト

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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.5

本作は多面的。だからこそ、実際に近くて、心が痛くなる。悪は存在しない、みごとにマッチしたタイトル。
さまざまな映画の登場人物が、一同に会してできあがった映画のように感じました。

それぞれの登場人物に
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エルヴィス(2022年製作の映画)

3.8

ソフィア・コッポラの『プリシラ』を鑑賞後に、エルヴィス・プレスリーに興味をもってみました。
オースティン・バトラーとトム・ハンクスとの快演が見ごたえありました。トム・ハンクスの悪いこと悪いこと…笑
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リオ・ブラボー(1959年製作の映画)

4.0

やっぱり、王道ってぜったいに面白い。

西部劇の勧善懲悪ストーリーが、新鮮に感じられて、よかったです。
それぞれの登場人物に、ほどよくそれぞれの個性があって、その個性がどれも愛すべきものでグッド。
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プリシラ(2023年製作の映画)

3.7

切ない、ですね…。女と男って…。

10代の時に、すでに人気のあった歌手エルヴィス・プレスリーと出会ってしまって、当然のように恋して、学校を卒業してから社会にでることなく、人生のすべてがエルヴィスに囲
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デ ジャ ヴュ デジタルリマスター版(1987年製作の映画)

4.1

現実と虚構が入り混じる美しい作品。

前世の記憶の話をした、浴槽のおじさん。
振り返ると塔の女性になるシーン。
すこし、クスッと笑える雰囲気も好き。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

クリストファー・ノーランが、オッペンハイマーを撮ってくれてよかった…!

近現代世界史やアメリカ史の知識は持っていることを前提として、容赦なくストーリーが進みます笑
観客へのサービスでしかない、むだな
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メアリーの総て(2017年製作の映画)

4.0

小説『フランケンシュタイン』を書いたメアリー•シュリーの物語。

エル・ファニングが主役。『哀れなるものたち』と対でみることがおすすめです。人造人間フランケンシュタインの作者が、フランケンシュタインに
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

11歳の少女ソフィと31歳の父親が、トルコのリゾートホテルで過ごした数日間。
母親と離婚した父親が娘と2人っきりで過ごす(おそらく)最後のイベント。

父親が31歳ということは、彼が20歳の時のこども
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市子(2023年製作の映画)

3.1

杉咲花さんの演技が素晴らしかったです。

ストーリーは、時折、それは無理があるんじゃないか。と思う箇所もちらほら。どうやって、踏切まで運ぶんだ…運ぶ途中でぜったい目撃されちゃうでしょう、とか。北くんの
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

まるで、旧約聖書を新たに読み直すような映画。
フレメンの仲間となったポールが、預言をなぞるかのように救世主へとなるまでの本人の葛藤や、息子を救世主にするための母親の執念、恋人が抱える複雑な気持ち…。
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ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター(1993年製作の映画)

4.5

試写会で鑑賞しました。

19世紀半ば、スコットランドから舟に乗って、娘とともにニュージーランドの新しい婚約者のもとにきたエイダ。6歳の頃から周囲と口をきくことを自らの意志でやめたエイダにとって、ピア
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ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択(2016年製作の映画)

4.2

複数の女性たちのそれぞれのエピソード集。

女性たちが周囲の人と関わる中で遭う日常のささいな出来事、でも、おや?と思うようなわずかな違和感をたくみにとらえています。

8ヶ月間同じことを説明したのに、
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.5

後味わるい…気まずい…感がクセになりそうな一作です。
キリスト教の犠牲みたいなことなのかなぁ。

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.2

小説家同士の夫婦。自宅内での夫の不審死。
疑われる妻。11歳の弱視の息子と、犬。

予告編では“事件もの”の印象をもっていましたが、本作は、ヨーロッパの多言語環境と、多言語環境におけるコミュニケーショ
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.7

けっきょくのところ、どれだけのし上ってこようとも、あなたは女王陛下に飼われたウサギでしかないのよ…という。
「身の程をわきまえなさい」というアン王女の権威の見せつけ方が印象的でした。

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.9

トラウマ・コメディ。
ブラックな笑い。笑いと恐怖は紙一重。
常に神的な存在に見張られている緊張感からくる強度の恐怖症。
ユダヤ教のような一神教文化圏で幼少期から育っていると「あるある」なのかもしれませ
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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.2

ストップ・モーションアニメーションですが…、平面と立体の混淆する演出の見事なこと!
“オオカミ”が象徴する閉鎖的なコロニーから逃げ出した少女マリアの物語。
絵本の世界から3次元の空間に逃げ出してきた主
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.6

スローテンポなので、途中、すこし眠気に襲われました…笑
話の展開のわりには、間延びした尺かな、という印象です。

巨匠になってくると、映画の映画、映画館で映画を観る観客を撮りたくなってくるのが、映画監
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.4

とても良かったです。

ラストのキャッチボールのボールがカメラ側にくるのが憎いなぁ…。こちらにボールが転がってきたら投げて返したくなっちゃうじゃないか…!

「ちゃんとしてなくちゃ」という自意識と、そ
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ノスタルジア 4K修復版(1983年製作の映画)

4.8

静謐な映像美…!

画面の構図をビシッときめてくれる建築物の門やドアのフレーム好きとても、犬好きとしても、自然に侵食されている廃墟好きとしても、眼福の映画です。

蝋燭の火が消えないよう、屋外プールの
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

自分の体は自分のものなのだから、どのようにするかは私の自由。

女性に対する男性性の害を、さまざまなパターンでみた印象です。
登場する男性たちの大半が酷い…笑。

美術と衣装が素晴らしく美しいです。エ
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ポエトリー アグネスの詩(うた)(2010年製作の映画)

4.2

66歳の女性、ミジャは介護職をしながら、娘から預かった中学生の孫と生活している。その暮らしは決して楽ではない。
亡くなった女子中学生の死に自分の孫が関わっていた。
示談に持ち込もうとする加害者家族の親
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.3

失業、事故、戦争…日常を取り巻く状況は悲惨で、主人公の2人も非正規雇用で働く不安定な生活。
でも、暗く落ちこみすぎることなく、どこか諦観した先の希望を感じさせてくれる作品。

真正面でカラオケ歌う人の
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

4.1

レナード・バーンスタインは、ウエスト・サイド・ストーリーでその楽曲の数々を知ったのが最初でした。
クラシックからミュージカルやミサ曲まで、あらゆるジャンルに通じた音楽の天才。
ユダヤ系アメリカ人であり
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ショーイング・アップ(2023年製作の映画)

4.0

美大・芸大の雰囲気
主人公が基本的にローなのが良い
白人とアジア系のペア(ここはファースト・カウと似ている)


映画の中にでてくる作品が、質が高くて、アート好きも納得の美大・芸大映画ではないかと思
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

木漏れ日。
一瞬のひかり。影。
清掃員の生活は、単調で、同じことの繰り返しのようでありながら、日々の出来事で揺り動かされる感情、喜怒哀楽がしっかり描かれていたことが好印象でした。

ラストの役所広司の
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

3.5

白雪姫・バンビ・ピノキオ・アリス・ピーターパン…クラシカルなディズニーアニメ作品へのオマージュが散りばめられた作品でした。クラシカル・ディズニーを観て育った自分は、小ネタ的に楽しかったです。いっぽうで>>続きを読む

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.7

貧困と金持ちの対比。

チョコレート(幸せ、あるいは富)を分け合う(シェアする)ことが美味しさの秘密。

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.7

ぜひ、『墓場の鬼太郎』を読んでから見てほしい映画です。

戦争から復員してきた水木、昭和31年 戦後の日本、戦争で兵士達に投与していたある薬で特需を得た製薬会社、閉鎖的な村社会、前近代的な家父長制、幽
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