7子さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

7子

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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.0

おそらく子供特有のあそこまで強く迫ってくる不安な気持ち、芥川のトロッコとか自分の小学校低学年くらいのこととか、いろいろ思い出した。強風でバタンと扉が開く不穏さ、夜になっても母は洗濯物か、、と思うと、特>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.5

'車の中で一度脱いだがゆえに履きかけの靴'ってものすごい愛おしい、くつろぎと信頼と到着といろいろ意味合いが詰まってる、、「寂しい」と打ち明けてからのやりとりと、温泉で触れるシーンの緊張感。「ミークス・>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

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哺乳瓶にコーラ入れちゃう、サーカスに行ってしまった(と聞いた)母が命がけで綱渡りをしている姿を想像してみちゃう、どこに行っても何をしても結局何にもなれない30代、終始うっすら漂う絶望感・逃避欲、ただ最>>続きを読む

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

4.0

アメリカ伝統文化に馴染みがないのでたぶんいろいろ受け取れていないが、広大な土地をひたすら歩きながら、話が進むにつれてどんどん細やかな人間の機微に迫っていくのがおもしろかった。最後どうなるんだろうと思っ>>続きを読む

SELF AND OTHERS(2000年製作の映画)

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写真の澄んだ目が語りかけてくる、「この声はどのように聞こえるのだろうか」と語りかけてくる、相手の不在・受け取る自分の存在

THE DEPTHS(2010年製作の映画)

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全員が誰かの引き金!マジックミラーをぶち壊せ!他人たち!

阿賀に生きる(1992年製作の映画)

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印象的な会話やふるまいや表情、超すごいんだけど何がそうさせてるのかよく分かってない、衒いのない素のドキュメンタリーの輝かしくも静かなる美しさ。映画が好きだ〜

秘花 〜スジョンの愛〜/オー!スジョン(2000年製作の映画)

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さまざまな出来事は偶然に起こるんだろうけど、人との関係性の中で好意が生じるとかなり意図的に受け取っちゃうかもしれない?と思うと、「パートナーが見つかれば万事思いどおり」は意外と納得できちゃう

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.0

ハルハートリー的なものを期待しちゃってたけどちょっと違った(近年のはA24製作なのね)。オープニング、青空と電線に並ぶ鳩、焚火、店員の視線、警備員のパートナーの視線、保健所の犬たち、車椅子の人、足首に>>続きを読む

ラブゴーゴー(1997年製作の映画)

5.0

超好きだし、これが愛される世界も超好き。ケーキに気持ち託して名前付けるだけでこんなに愛おしく思えるなんて知らなかった、、ダサくてとびきりキュートで素直で最高だよみんな!

1秒先の彼女(2020年製作の映画)

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特に前半の愉快なファンタジーのノリに全然ついていけなくてつらかったけど、時間・過去・記憶のテーマで進んでいく後半の展開はおもしろかった、最後がベタだけど妙にグッときてしまい、だからこそ前半ののれなさに>>続きを読む

トムボーイ(2011年製作の映画)

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扱うテーマ以外に前情報知らずに見たからか、ふるまう様子の迷いやぎこちなさが「(引っ越してきた)子どもだから」とも「自分の思う性別らしさを得たいから」とも思えて、それがすごく丁寧だし見ていて自然に感じら>>続きを読む

フルスタリョフ、車を!(1998年製作の映画)

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あらすじはたしかに書いてあるとおりなんだけど、あらすじから漏れる出来事の量がすごい、常に何かが起きている。だからこそちょっとでも感情的になれる場面での振り幅がすごくて、ぐらんぐらんした。最後のシーンは>>続きを読む

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

4.5

無声で観ても最高の最高なのに、石橋英子×ジム・オクール伴で観ちゃった、至高の映画体験!12月にイメフォで監督4作上映やるのもアゲ

プリズン・サークル(2019年製作の映画)

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受刑者の語りの豊かさにも驚いたけど、同時にその場にいる他の人の聞き方・質問の仕方も本当にすばらしい。話せることのすごさは、同時に、真摯に聞く・聞いてくれる人がいることのすごさだ。でも、こういう安心・安>>続きを読む

人生はビギナーズ(2010年製作の映画)

4.5

優しい人におすすめされて観た、優しい人しか出てこない優しい映画。みんな優しいがゆえにぎこちないんだけど、それでも「小器用に」「効率よく」「上手にコマを進める」みたいなことをしようとせず、優しいままで一>>続きを読む

ベルヴィル・ランデブー(2002年製作の映画)

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皮肉に次ぐ皮肉がすごすぎてちょっと易々とおもしろいと言うのは憚られるくらい圧倒された、すごい!乳母車と自動車の衝突で当たり前のように乳母車が勝つのがビッグラブ!

ロストロストロスト/何もかも失われて(1976年製作の映画)

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「リトアニアの作家になるためにはリトアニアに戻って活動するしかない」的なことを言っていた(よね?)人が「どこも自分の故郷じゃないからどこの場所にもすぐ慣れる」と言うようになること。「何十年も前に別の誰>>続きを読む

焼け石に水(2000年製作の映画)

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2週間くらい前になぜか突然、猛烈に(大して見たこともないのに)ファスビンダー(的なもの)を見たい気持ちになっていたので、ベリーグッドタイミング!客観的に見たら物語もみんなの言動もめちゃくちゃだよ〜とお>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

'何かが起きた'瞬間はこの映画にもあったけど、それが一番起こってほしい家福とみさきの間で起こらずに最終的にめちゃくちゃ言葉で説明されちゃって、あれで解決したことになって戸惑った、残念すぎ!「文學界」対>>続きを読む

本気のしるし 劇場版(2020年製作の映画)

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「私にはそんな資格や権利ないんです」と言っていた人が最後は「これは運命なんです!」と言う変容っぷり!う、運命って、、!空っぽになった暗い部屋に居合わせる逃げられた男2人とか、してやったみっちゃんが車の>>続きを読む

ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

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「2」は「1+1」だけど、「1+1(個人と個人)」と「2(「ふたり」ということ)」は違うんだろうか、「2」ってどういう状態のことをいうんだろう。水、雲、雷。どうしても真理を知ってるヤンヤンの立ち位置だ>>続きを読む

壁画・壁画たち(1981年製作の映画)

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人物歩み寄ってくる壁画、移動する壁画、壁画と時間の移ろいが印象に残っているので、2Dである壁画が違う次元に広がっていくことにおもしろみを感じたのかな。自分が将来お店やるとしたら(何の)、誰かに壁画描い>>続きを読む

ドキュモントゥール(1981年製作の映画)

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ぱっと糸が切れるように、平静を保てなくなり流れる涙。鏡の切れ目で(見え)なくなっちゃう自分の一部を操る。肉塊と肉塊の戯れ。「一人にしないでよ」「それが全部じゃない、友達と楽しかったでしょ?」。「悲しん>>続きを読む

デッドマン(1995年製作の映画)

4.0

「アメリカ、歴史、銃、言語、先住文化、霊性、詩、暴力、工業化」
20代のうちにあと1〜2回映画館で見られたら確実にバイブルになる

パーマネント・バケーション(1980年製作の映画)

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「物語は、点と点をつないで浮かび上がる絵のようなもの」「ここからここへの物語」
パターソンに通じるものがあるな〜

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

5.0

映画館で見られる機会を待ってた〜ありがとうありがとう!一つの身体動作を繰り返すだけで、ジャガイモの皮は剥けるし、肉はきれいに捏ねられていく。「なのに」なのか「だから」なのか、一つ一つが少しずつずれて歪>>続きを読む

すべてが許される(2006年製作の映画)

4.5

「許してくれる?」への「無理(だと思う)」=「許さない」になってしまうんだろうか。みんなが今に必死、でも物語は思いきって時間を飛ばして迷いなく進む、そのギャップが唯一無二。物語や人物像に類稀なる何かが>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

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反復とメタ発言(と思しき発言)は健在。濱口竜介が「PASSION」アフタートークで「言葉の多さには、身体性(「PASSION」では、人物が身体を動かすこと)で帳尻合わせる」と言っていたけど、ホンサンス>>続きを読む

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

5.0

ふたりが2回目の博打に行ったタイミングで、この映画の中でエヴァが自分で決めた行動ってひとつもなくて、全てが周りの思いつきと自分含め全員の運でしかないじゃん、と怖くなったけど、ラストシーンがまさに彼女が>>続きを読む

ダウン・バイ・ロー(1986年製作の映画)

5.0

それぞれの人物のこれまでがあって、今こうして共に時間を過ごし、そしてこれからがある、それ(過去・現在・未来)が一生であり人生だけど、ジャームッシュによればそれが日常で生活って感じ。とびきりチャーミング>>続きを読む

ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

5.0

今回の特集のパンフ買って、鑑賞前に永瀬正敏のコラムを読み、観賞後に角田光代のコラムを読み、人間愛でホッカホカな心になっちゃった。ジャームッシュの人間愛が彼の映画に触れるあらゆる人の人間愛を呼び覚ますと>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

5.0

最高だった、、号泣!私は熱い想いや熱い心を持っている人が本当に好き。'never for money, always for love'って、真実(マジ)で言うみたいな。毎日次から次へと呆れかえるよう>>続きを読む

8 1/2(1963年製作の映画)

4.5

夢か現実か過去か妄想か分からないところでとにかくいろんな人に囲まれて次々と話しかけられては中心でいなし続けていた彼が、最後にみんなが手を繋ぐ大きな円に飛び込んでいく、「映画なんてないんだ」、でも人生が>>続きを読む