加瀬さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

100日間生きたワニ(2021年製作の映画)

2.5

前半の幸せな場面から後半の心に空洞ができたような虚無感が映画の魅力だった。後半の虚しさは確かに分かるが、カエルというキャラクターの非現実的さと無神経さにはあまり良い感情は抱けない。
前後半の幸福感と虚
>>続きを読む

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.4

アニメ作りをする映画。1クールのアニメを作るためにこれだけの人員と工程が費やされていることを知る。その熱量に劇中のアニメを視聴してみたくなる。
欲を言えばアニメ業界の世界をもっと見せて欲しかった。
>>続きを読む

ルパン三世 VS キャッツ・アイ(2023年製作の映画)

2.4

ルパン一味もキャッアイも魅力的に見えなかった。「ルパンVSコナン」はそれなりに楽しめた記憶があるだけに微妙に感じた。
掛け合いももっと上手いこと見せて欲しかったし、ストーリーにも特筆すべきことはなかっ
>>続きを読む

パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(2020年製作の映画)

3.4

待ちに待っていたパクソダムの主演作。「パラサイト」で彼女を知った私だったが、凛々しさに加えて、可愛らしさも垣間見えた。

題材から「ベイビードライバー」を連想してしまうがアクション色を強めた本作は直球
>>続きを読む

ワンダーウーマン(2017年製作の映画)

3.4

ガル・ガドット演じるワンダーウーマンの立ち振る舞いだけで言葉にならない満足感のようなものを得られる。彼女の放つ凛々しさは役にハマっていた。DCEUの中でもキャラクターの魅力は随一だと思う。

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

4.0

照生の朝のルーティンを見て、いつかの恋愛がいつの間にか自分の生活に根付いていて、今の自分を形成しているのは自然なことだろうと感じた。
未練がある訳じゃなく、思い出しただけであって何か行動に起こす訳では
>>続きを読む

非常宣言(2020年製作の映画)

4.1

物語の冒頭、飛行機が飛び立つまでのカットバックが効果的で良かった。
地上で行われる犯罪予告の操作と空港で行われる飛行機離陸の準備が同時進行で進んでいく。容疑者の部屋で死体を見つけ、刑事の悪い予感が確信
>>続きを読む

大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

1.2

「シンゴジラ」を意識しているのは明白だった。国会での会議にフォーカスを当てた造りや文字だけで話が進む物語冒頭も庵野作品を彷彿とさせる。意識しながらも差別化を図ったのが本作だと思う。

題材が面白いだけ
>>続きを読む

RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.8

90分の映画は見易くて良い。
主人公が足が不自由な設定が物語の進行のもどかしさとなり、観客を焦らし緊張感を煽るものとして機能していた。
その反面、映画館から抜け出すシークエンスでは他人の手を借りずとも
>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

2.8

映像は言わずもがな美しいのだが、物語の尺の長さに少し不満が募る。
種族間の争いは前作から続き、初作の物語の繰り返しにも思える。鑑賞者はスカイ・ピープル側であるが、物語上の主人公はナヴィであり、感情移入
>>続きを読む

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.7

前作を見ていなくても楽しめる易しい造りで見やすい。ミステリーならではのフォーマットだが、キャストの一新はNetflixだからこそできるリッチな作品だと思う。

前作ほど、ロジックのあるミステリーには仕
>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.3

原作未読、アニメ鑑賞済の私としてはとても楽しめた1作だった。
完全初見の人には向けていない映画だと思う。桜木と流川のハイタッチも伝わりづらいと思う。
声優の変更やCGによる作画は不安にさせる材料だと思
>>続きを読む

ムーンフォール(2021年製作の映画)

2.7

思いのほかとんでも展開で肩透かしをくらった。ディザスタームービーを期待していたからだ。これがローランド・エメリッヒ作品の色であることに気付かされた。
もう少しフラットに見直したいと思う。

バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)

3.1

所ジョージの声に慣れている我々だが、鈴木亮平の声もなかなか良かった。「孤狼の血LEVEL2」の印象が強く、直ぐに顔が思い浮かぶ。本筋の「トイストーリー」シリーズはバズライトイヤーのおもちゃとしての声優>>続きを読む

エイリアン:コヴェナント(2017年製作の映画)

2.8

シリーズ1作目「エイリアン」と比べたらかなり複雑になっている。SFホラーというジャンルとエイリアンの見せ方に魅力を感じていたからか、あまり本作は惹かれなかった。前作「プロメテウス」含めエイリアンの起源>>続きを読む

プロメテウス(2012年製作の映画)

3.4

「エイリアン」を見た時の感覚が蘇った。禍々しさというか、怖いと同時に感じる気持ち悪いの比率のようなものが1作目と似ている気がした。
「エイリアン」は演出によってホラーとして格別だったが、今作では現代の
>>続きを読む

ウルヴァリン: SAMURAI(2013年製作の映画)

3.1

多少のカルチャーギャップコメディ要素もあるが、シリアスなまま話は進む。Xメンらしさもそれほどない。
とんでも日本描写はもはや予定調和。忍者に新幹線とオンパレードだった。間違った認識ならば直して欲しい気
>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.7

3時間を感じさせない圧倒的な迫力だった。3時間ともなれば時間的な長さは確かにあるのだが、ずっと見ていられる、画力がある。
設定のシンプルさも、アクションや
言語の必要性もあまり感じないほどだった。
>>続きを読む

マスク(1994年製作の映画)

2.7

言わずと知れた往年の名作。大人の自分が見てもあまりハマらなかった。トムとジェリーを実写化したような表情が印象的だった。

吹き替えのイメージが強い映画なので吹き替えでも見ておきたい。

メッセージ(2016年製作の映画)

3.6

決してテンポが良いとは言い難いがそのワンカットワンカット、その展開の全てに観客を惹きつける、画力の強さ、見せ方がある。焦らした見せ方をするが、その価値のある展開が用意されている。
ジャンルこそSFだが
>>続きを読む

X-MEN:ファースト・ジェネレーション(2011年製作の映画)

3.3

シリーズのキャラクターたちのエピソードを補強してくれる本作。プロフェッサーとマグニートーの関係性を理解することは、世界におけるミュータントの在り方に直結する。

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(2022年製作の映画)

3.7

ファーストガンダムの1話にフォーカスを当てて膨らます本作は、あまりにも玄人向けだろうと思っていた。実際は意外と新規参入者にはちょうどいいのではないかと思った。
アクションも人間ドラマも程よく楽しめる。
>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.3

震災の描写はやはり引っかかった。私は震災の被害を大きく受けた経験はない。
ファーストカットから更地となった地に草木が芽生え、震災を想起させていた。実際に震災を題材にしていて、プレートをミミズに置き換え
>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.5

恵まれた家庭で育ち、血筋による束縛が強い華子と田舎から出てきて自力で現在の自分を確立した美記。どちらかと云えば美記よりかなと思いながらもどこか違う気がする、と劇中での自分の立ち位置を模索していた。>>続きを読む

ウルヴァリン:X-MEN ZERO(2009年製作の映画)

3.7

ウルヴァリンのオリジンストーリーとして、デッドプールの登場作としても機能する本作。エックスメン旧三部作に繋がるのも、デッドプールのあの展開に繋がるのも納得のいくものだった。
深堀するには今更な気もする
>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.8

過去2作「アス」、「ゲットアウト」と比べると、エンタメ性と社会性のバランスがまた違っていた。スペクタクル大作映画としてエンタメ性は増しながら、社会的なメッセージは一見分かりづらくなっている。そこに気づ>>続きを読む

四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

4.7

「サマータイムマシン・ブルース」は未視聴。アニメ「四畳半神話大系」のみ視聴済み。
私は1度見たら忘れられない独創性に心を掴まれていた。Disney+で6話構成で配信されているもの視聴したが映画版をおす
>>続きを読む

恋空(2007年製作の映画)

2.8

この手のキラキラした青春恋愛映画は全くといって見ないので新鮮だった。
女の子の憧れを具現化したような輝かしさが眩しいと思っていたが、原作がケータイ小説であることを聞いて納得した。実話をベースにしたケー
>>続きを読む

ザ・ファブル(2019年製作の映画)

3.3

気楽に見れる1本という意味で選んだ本作だったが、原作未読だからか割と楽しめた。
殺し屋としてのパートと日常パートの緩急を楽しむ本作だが、アクションもギャグ要素も
ちょうどよく見易い。特別良い訳では無い
>>続きを読む

最後にして最初の人類(2020年製作の映画)

3.2

映画と呼べるのかも分からないほど目新しかった。どのジャンルに属するかも分からない。朗読映画とでも言うのだろうか。いずれにせよ見たことの無い映画ジャンルだった。
朗読内容としてはSFに分類されるであろう
>>続きを読む

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

4.1

タイムリープものでも極めて特殊だった。対象が1人でないこともそうだが、その現状に達観しているという点だ。
確かにタイムリープに陥った主人公の描写は見飽きたとも言える。そのシークエンスを飛ばしても十分に
>>続きを読む

ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

3.6

ルパン映画でいちばん有名な本作。今回見返してみて、制作陣を見返して宮崎駿の監督作であることに気づく。上手く言葉には出来ないがルパンとクラリスはどことなくジブリ映画的にも見えてくる。
クラリスが心を盗ま
>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.1

予告の段階でB級感が漂っていたから見ない人も多いと思う。列車を舞台にした映画と間違った日本描写が好きだから映画館へ足を運んだのだが思いのほかこれが良かった。

意外だったのだがストーリーが面白いことだ
>>続きを読む

バリー・シール/アメリカをはめた男(2016年製作の映画)

3.5

パイロットアクションはトップガンに通づる。CGなしで撮影する気概はトム・クルーズらしい制作姿勢だ。

トム・クルーズの感情の読めなさが良い。もはや何も考えていないともすら思える笑顔を見ていると「はめた
>>続きを読む

ルパンは今も燃えているか?(2018年製作の映画)

3.0

カリオストロの城と同時上映され話題となった本作。鑑賞してみてその理由に納得した。あの頃のルパンファンには堪らないのだろう。

絆のようなもので繋がっているという展開は個人的にはあまり好ましくなかった。
>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.8

時間をかけたキャラクターの描きこみが丁寧で良い。だからこそ師弟、恋人の物語でありながら家族愛と夢を追うルビー、家族3人の自立の物語としてそのすべが重工に造られている。仮にろう者、コーダである脚本がなく>>続きを読む