加瀬さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

3.6

序盤からリズム良く一日を繰り返す主人公を見てエンタメ色の強い作品だと思い込んでいた。だが徐々にテーマの色が強くなり、主人公はタイムループから永遠に抜け出せないような根深さを感じさせる。その演出とテーマ>>続きを読む

アイアンマン(2008年製作の映画)

3.6

ヒーローとロボットの掛け合わせは特に男性には刺さりやすい題材だ。ヒーローらしさもあまりなく、ヒーロー映画としてはあまり機能していないがロボット演出に胸が高鳴る。
兵器を作る会社の社長で高飛車なキャラク
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空白(2021年製作の映画)

3.9

監督は事件の真相を描きたいのではなく、事件のあとに遺された人のヒューマンドラマを描きたかったのだろう。だからこそ万引きの瞬間は描かれないままなのだろう。私の主観ではトラックの運転手には比があると思える>>続きを読む

ある用務員(2020年製作の映画)

4.1

去年「ベイビーわるきゅーれ」を観賞し見事に心を掴まれた。その前作となる本作を見て、リカとシホのキャラクターとアクションを彼女たちの映画が作られるのも納得だった。

前野朋哉のバイオレンスな役は初めて見
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.1

視覚的に鮮やかさもなく、衝撃なものもそれほどにはなかった。どこに着地するかの予想がつかず、展開が読めない。映画の前半はそんな心情であるが、ピーターの内面が露になっていくにつれて見方は変わる。

カンバ
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ベイウォッチ(2017年製作の映画)

3.5

何も考えずに見れるという点で見ていて心地よかった。内容にも無理はあるし、良くできた映画だとは思えない。だが、美男美女による筋肉映画、水着美女映画による派手な夏らしさ、洋画らしさは嫌いになれなかった。コ>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.8

アバンタイトルから作りが上手くて引き込まれた。サブカルな匂いのちらつかせ方に併せて付き合う前とも別れた後とも受け取れる会話が繰り広げられ引き込まれる。

現在23歳、自分の成長の周りにあったカルチャー
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.9

エッジの効いたブラックコメディとして最高だった。コメディ映画として笑わされながらも、その題材の重たさに胸が締め付けられる。見えているものとその芯にあるもののバランス感のようなものに揺さぶられた。
イマ
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

3.1

数年前にマトリックスを見た程度のライト層には難しかった。
1度終わったシリーズに続編を加えることにおいて、メタ的な視点による新作はマトリックスならありだろう。他の作品においては批判されて正解だろうがマ
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音楽(2019年製作の映画)

3.0

会話の独特の間やロトスコープによる見たことの無いアニメーションによって異質な雰囲気を持っている。だが、その中に確かに制作陣の熱量が注ぎ込まれていたるのが分かる。

彼らが演奏する音楽も音楽としては不完
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ONE PIECE ワンピース エピソード オブ アラバスタ 砂漠の王女と海賊たち(2007年製作の映画)

2.4

アニメ鑑賞済みのファンが見返す用の映画に過ぎない。90分にまとめるのは無理なのは誰もが分かる。結果、ダイジェストのような映画になっており、シーンが飛び飛びに思える。詰め込ませてしまったが故に緩急もなく>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

4.5

キャラクターの疑似体験という点で映画体験として格別だった。全てを理解出来るとは当然思っていないが認知症の1割でも知れる意味のある映画だと思う。
時系列も分からなくなり、同じシーンを繰り返されることもあ
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.8

世界が危機に陥っても現実はこうなるかもしれない妙な説得力を持っていた。大味なコメディとして笑えはするが皮肉の効いた脚本のリアリティもあり笑えない。妙なバランス感を持っていた。
悉く上手くいかない原因が
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機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編(1982年製作の映画)

4.3

前作、前々作から引き続き骨太な設定による傑作アニメだった。組織と個人の考えが交錯していく
主人公とライバルが勧善懲悪にならず、個人の正義に道理があるからこそ作品とキャラクターに深みが出る。
これが勧善
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アメイジング・スパイダーマン2(2014年製作の映画)

3.8

軽口を叩くスタイルが僕の思い描くスパイダーマンであり今作のスタイリッシュさはすごく好みだった。
アクションも歴作を思い返しても1番スピード感がある。街中を飛び回るスウィングアクションもヴィランと闘うシ
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

彼らの登場の噂で盛り上がってしまっている以上、ネタバレ注意と表記するだけでもネタバレになってしまい、もどかしい。

映画単体で見るには情報過多だろうが、ファンムービーというカテゴライズをすれば最高。
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

4.2

賛否両論の理由も納得が出来る。美談として出来すぎているとも思えるし、都合の良い脚本であることも理解出来る。バーナムの商法も行動も説明不足と端折りすぎであることは事実であった。

とはいえ、公開当時に劇
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ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

3.1

上映時間が96分とヒーロー映画にしては短いため観やすかった。
だが、新キャラの深堀りと既存キャラの内面の描き方が物足りないとも思えた。
ヴェノム自体がダークヒーローであるため、行動指針や内情の描き込み
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劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

3.3

原作である漫画は7巻まで、TVアニメシリーズのみ鑑賞済み。
原作の連載前に読み切りとして連載されていた物語を映画化したということは聞いていた。
その背景を思えば確かにキャラクターの目的も明確で観やすか
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ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日(2012年製作の映画)

3.6

遭難モノの映画として緊迫感を勝手に期待していた私にとっては拍子抜けの作品だった。当事者が遭難した過去を経験として語るストーリー構成であるため、生きるか死ぬかの緊迫感には欠ける。
加えて宗教の話が絡む。
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浅草キッド(2021年製作の映画)

3.8

道は違えた師弟関係であるが初心を忘れていないことを気付かされるたけしの行動や言動を見る度に目頭は熱くなった。居酒屋でのハイヒールのボケやタップダンス、そのシーンは随所に散りばめられている。
「芸人だよ
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アメイジング・スパイダーマン(2012年製作の映画)

3.5

サムライミ版やジョンワッツ版と比べても大人よりな作品がマークウェブ版だと思っている。
落ちこぼれたキャラクターでは無いというのは「親愛なる隣人」のキャッチフレーズとはズレる気もする。隣人としての親近感
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.8

リアリティに振り切った話題と間の良いテンポ感によるコメディとしての面白さと殺し屋のアクションのキレの良さを両立させた作品。
サブカルチャーを盛り込んだような会話劇に魅力があり、散りばめられた小ネタの手
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機動戦士ガンダム II 哀・戦士編(1981年製作の映画)

3.0

アニメシリーズを忠実に再現した劇場版1作目とは打って変わってオリジナルのストーリーが形成されている。
アムロのガンダムに乗るか乗らないかの葛藤を描こうとしているのは伝わる。だが、急な戦闘により有耶無耶
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.1

冒頭から脈打つ心臓が映され、生理的に受けつけないような過激な映画であることを匂わせる。グロゴア描写もあるがそれを凌ぐほどの脚本の出来の良さに惹かれていた。
信じ難い現実を目の前にしたときに加害者である
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バーレスク(2010年製作の映画)

4.1

ジャンルはミュージカルとはなってはいるが、ショーガールの職業映画とも受け取れる。心情の吐露に音楽が使われたり、街中でフラッシュモブが始まったりという演出はなく、ステージ上で観客を楽しませるショーとして>>続きを読む

機動戦士ガンダム(1981年製作の映画)

3.6

「大人によって戦争に駆り出される少年」の構図はエヴァを彷彿とさせた。制作はこちらが早いのだが。乗るか乗らないかの選択をするのもまた共通する部分だった。

敵役にも関わらずシャアのキャラクターとしての魅
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新機動戦記ガンダムW Endless Waltz -特別篇-(1998年製作の映画)

3.5

TVアニメシリーズを見たことはないがゲーム(スパロボ)で少し見たことがあるため鑑賞。当時はガンダムデスサイズに興味を惹かれていた。

5人のキャラクターが魅力的でモビルスーツにもそれぞれテーマがあるこ
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ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

3.4

「グレイテストショーマン」や「ラ・ラ・ランド」のようなショーとしてのミュージカル映画ではない。同じスタッフが手掛けてはいるがテイストはかなり違う。エヴァンの心情を他のキャラクター、若しくは観客である我>>続きを読む

パシフィック・リム アップライジング(2018年製作の映画)

3.1

前作はギレルモ・デル・トロらしいドロドロとした印象の作品だった。今作のアクションは前作とは打って変わって晴天の中繰り広げられ見易い。イェーガーのカラーリングやフォルム、動きもスピード感が増し、スタイリ>>続きを読む

騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.3

期待していたものとは少し違っていたのが第1の感想だった。タイトルやポスターからコンゲームものだと思っていたがそうではない。騙すという要素は孕んでいるが業界内幕の様相が強い。宣伝を見るに大泉洋は極悪人だ>>続きを読む

天使のくれた時間(2000年製作の映画)

4.1

仕事をとるか家族をとるかの問いはよく見かけるが、この作品は比較的大人向けだと思う。家族を持つ年齢になった人にこそ刺さる映画だろう。
音楽と映像、クリスマスの雰囲気と相まって素敵でお洒落な作品に仕上がっ
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レッド・ノーティス(2021年製作の映画)

4.1

キャスト3人のポスターを見ただけで気を惹かれる人も多いだろう。情報がほとんどないポスターを見ると制作陣もこのキャストに意味を見出したのだろう。

捜査官であるハートリーと大泥棒であるノーラン、立場が逆
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トムとジェリー(2021年製作の映画)

3.4

2Dと3Dが入り混じる世界観だがトムとジェリー本来の雰囲気は損なわれず、寧ろドタバタ劇の爽快感のようなものは増していた。
アニメーション版トムとジェリーは二匹がジェリーがトムにイタズラをして追いかけっ
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パシフィック・リム(2013年製作の映画)

3.4

ギレルモ・デル・トロ作品の特徴だと勝手に思ってるクリーチャーの造形をもっとじっくり見たかった。
出し惜しみのなさがひとつの特徴だと思ってて次々に怪獣が出てくる。その潔さが映画全体の爽快さを後押ししてい
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きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.2

三角関係であることで恋愛ドラマとヒューマンドラマが両立している。
演技や掛け合いが自然体であることによるリアリティが凄まじい。没入感とはまた違うような、身の回りで頻繁に起きているような身近さを感じさせ
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