ChanpuruPooさんの映画レビュー・感想・評価

ChanpuruPoo

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システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたい(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

幼い頃に父親から虐待を受けた過酷な過去を持ち、暴力衝動を抑えられない9才のベニー(ヘレナ・ツェンゲル)は家族と暮らせず、施設を転々とする日々。行く先々でトラブルを起こす彼女にソーシャルワーカーたちも頭>>続きを読む

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

3.7

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 人工ウイルスにより人類がほぼ破滅、猿の知能が進化した世界で、猿の英雄シーザーがその生涯を終えて数世代後。もはや人間は姿を消したかに見える世界で暮らすノア(オーウェン・ティーグ)は、幼馴染や家族ととも>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

元プロレスラーでコーチである父・フリッツ(ホルト・マッキャラニー)の指導の元、父が届かなかった栄光を目指してプロレスの道に進んだフォン・エリック家の4兄弟。しかし、“家族のため”に過酷な努力を重ねる中>>続きを読む

毒娘(2024年製作の映画)

4.5

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新居に越してきた萩乃(佐津川愛美)、篤宏(竹財輝之助)、萌花(植原星空)の3人家族。萌花はとある事情で母を失い、学校には行かずに自宅学習を続けており、父の再婚相手である荻乃とはぎこちないながらも少しず>>続きを読む

のら犬(2023年製作の映画)

3.5

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田舎町で暮らす青年ドッグ(アントニー・バジョン)と、彼を弟分として時にぞんざいに扱うミラレス(ラファエル・クナール)。歪さを孕みながら共依存的な関係となっていた彼らの元に、街の外から若い女性エルザ(ガ>>続きを読む

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

ある夜、大量の犬を連れた車椅子のドラッグクイーン、ダグラス(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)が逮捕される。住んでいた廃屋からはギャングたちの死体の山が発見され、謎が深まる中、聴取にやって来たエブリン>>続きを読む

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

売れっ子スパイ小説家のエリー(ブライス・ダラス・ハワード)はある日、列車の中で謎の集団に襲われたところをスパイを名乗るエイダン(サム・ロックウェル)に助けられる。なんと小説の内容が現実を言い当てている>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.3

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PMS(月経前症候群)を抱える藤沢さん(上白石萌音)とパニック障害を抱える山添さん(松村北斗)は、それぞれ以前勤めていた会社を退職し、今は小さな教材制作会社で働いている。ある日発作を起こした山添さんを>>続きを読む

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.0

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家庭を顧みない父親(マイケル・パトリック)のもと、食事すら満足に得られない日々を過ごす少女コット(キャサリン・クリンチ)。母親が出産を控えているため、夏休みの間、親戚夫婦のもとに預けられることになった>>続きを読む

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

海底人の王国アトランティスの王であるスーパーヒーロー、アクアマン(ジェイソン・モモア)。ある日、彼に復讐を誓う宿敵ブラック・マンタ(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)が謎のテクノロジーで王国を襲撃。>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

4.5

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デヴィッド・バーン、クリス・フランツ、ティナ・ウェイマス、ジェリー・ハリソンからなるバンド、トーキング・ヘッズの言わずと知れたライブ映画。リズムマシンに合わせたギターの弾き語りから始まり、一曲ごとにベ>>続きを読む

VESPER/ヴェスパー(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

バイオテクノロジーが発展・暴走した未来世界。支配層が上空の「シタデル」で暮らす中、荒廃した地上世界で父親の介護をしながら暮らすヴェスパー(ラフィエラ・チャップマン)はある日、墜落した飛行艇に乗っていた>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

明治時代、日露戦争を生き延びた杉本(山崎賢人)は、ある目的のため金塊を探す旅に乗り出し、道中でアイヌの少女アシリパ(山田杏奈)と出会う…。

漫画の映像化という意味では高いレベルで達成しており、初のア
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朝がくるとむなしくなる(2022年製作の映画)

3.4

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会社を辞めたことを親にも言えないまま、コンビニバイトをして暮らす希(唐田えりか)。ある日偶然再会した中学校の同級生・加奈子(芋生悠)とたびたび過ごす中で、希は徐々に内なる思いを解放していく。

等身大
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ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

保安官ジェイク(イーサン・ホーク)の元に突然現れたかつての恋人シルバ(ペドロ・パスカル)。再会の喜びを胸に一夜を過ごした二人だが、ジェイクは殺人を犯したシルバの息子を追っており、シルバはそれを止めよう>>続きを読む

デスパレート・ラン(2021年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

現場から隔絶された場所にいる主人公が、音声とデジタルデバイスの画面のみを通じて事態に関わっていく構造の作品。『THE GUILTY/ギルティ』などに近いが、本作は主人公が一般人で直接事件に対処する立場>>続きを読む

レンフィールド(2023年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

もっとコメディ寄りの作品かと思ったが、どちらかというとファンタジーアクション(ゴア有)要素が一番強い感じで、戦闘力の高いニコラス・ホルトとオークワフィナ(!)のコンビが暴れまくる内容となっている(パン>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

"村ホラー"的な要素を中心に、ド派手な妖術アクションや、血が飛び散る残酷シーンなど楽しい場面が盛りだくさんの本作だが、最大の魅力は劇中登場する悪役たちの造形だ。日本を再び繁栄させるために自分たちは良い>>続きを読む

ハイ・ヒート その女諜報員(2022年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

オルガ・キュリレンコ演じるシェフが実は元KGBだった、という内容のアクション映画。スタントはスピード感があって本格的だが、作品のタッチとしては軽め。敵を全員倒して乾杯!というエンディングだが、いやいや>>続きを読む

Bi Gan | A SHORT STORY/ビー・ガン | ショートストーリー/壊れた太陽の心(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

15分の中にビー・ガン監督ならではのビジュアルイメージが詰まっている作品。狭い室内から列車へと驚きの飛躍をする場面を筆頭に、おそらくアナログ的な手法を駆使することにより、目の前に超現実的な世界がたち現>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

「組織」を描くというトリッキーなアプローチだった『シン・ゴジラ』とは対象的に、「個人」の物語を描こうとするアプローチ自体は好きだし、CGのゴジラは、特に海のシーンが圧倒的に素晴らしい(逆に陸のシーンは>>続きを読む

テイラー・スウィフト:THE ERAS TOUR(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

過去の楽曲をライブで披露すること自体は一般的なことだが、衣装や演出がガラッと変わっていく点やライブ全体のボリューム感、観客のボルテージには圧倒させられるものがある。様々なジャンルを横断しながら、それぞ>>続きを読む

ストールンプリンセス キーウの王女とルスラン(2018年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

クラウドファンディングにより日本公開された作品。大傑作という感じではないが、このタイミングでウクライナの「普通の」映画に触れられたのが良かったと思う。王女という立場から逃れて外を世界を旅したいと夢見て>>続きを読む

私がやりました(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

軽妙なノリのコメディ作品で、大仰ですっとぼけたユルさも込みという感じだが、女優に対するセクハラなど男性のもつ加害性への批判が織り込まれている。「真実」を語ることを許されなかった女性たちが、「虚構」を用>>続きを読む

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

バイオレンスでマンガ的なアクション要素に振り切った作品で、ドラマの薄さは正直物足りなさを感じたが、美しく広大な荒野の一本道でのチェイスには、シンプルゆえに根源的な映画的興奮がたしかにあった。犬から逃げ>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

個人的にはシリーズの中で一番好きな作品となった。これまでのシリーズでは、基本的に損得や契約がキャラクターの行動原理となっており、血も涙もないハードボイルド的な世界観が特徴だった。それに対し本作では、危>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

現代の必殺処刑人モノにおける名シリーズの3作目。舞台を海外に移し、撮影も色味を抑えたクールな画調となっており、これまでとはまた違う味わいがある。主人公マッコールさんのやり過ぎ感が売りの本シリーズだが、>>続きを読む

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

想像以上にゴアな笑いが満載で驚いた。また、ゴアだけでなく、例えば東屋でのすったもんだなど、なんとも間抜けで可笑しいシチュエーションで笑わせるところもある。冒頭登場し、熊に喰われてしまうカップル二人のネ>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

リンクレイター監督らしい軽やかな演出とキャラクターの生き生きとした描写が光るドラマで、良い意味でどこかさっぱりとした味わいがある。そして主演のケイト・ブランシェットは、天才建築家としての過去を持ちつつ>>続きを読む

スイート・マイホーム(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

前半から中盤までのホラー/スリラーとしての面白さはかなりのもので、自分自身の基盤たる"スイート・マイホーム"が根底から脅かされる脅威、次々と起こる不審な事件の"得体の知れなさ"がもたらす恐怖にゾクゾク>>続きを読む

ホーンテッドマンション(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

軽くてユルいタッチのホラーコメディで、劇場ではところどころ笑いが起きていた。一方でビジュアルやファンタジー的な演出の斬新さはあまりなかった印象。見所はクセ者揃いのキャスト陣で、影のある役が似合うラキー>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

「アステロイド・シティ」は劇中劇=作りもの、であることを最初に明かしてしまう、監督の近作では顕著なメタ構造の作品。トレードマークである徹底的にコントロールされた作りものめいた作風について、"そのとおり>>続きを読む

ほつれる(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

不倫相手の死からはじまる物語。俳優たちのリアリティある演技と、それを追うカメラのクールなタッチが相まって、それぞれの場面の居たたれない空気感に、こちらも胃がキリキリしてくる(=映画としてはとても面白い>>続きを読む

ドラキュラ/デメテル号最期の航海(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ホラー/モンスター系の映画を手掛けてきたアンドレ・ウーヴレダル監督の最新作。撮影や美術は風格があるし、モンスター的おどろおどろしさと幽玄さを兼ね備えたドラキュラの造形・演出は流石。また、黒人である主人>>続きを読む

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

身体の変容というモチーフは、成長や老い、まったく新しい価値観を体現する新世代と旧世代の相克のメタファーとして見ることができ、様々に解釈して楽しめる作品となっている。奇妙なマシン類や荒廃した街並みなど、>>続きを読む

ブギーマン(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

恐怖体験を通じて心の傷を乗り越えていくジュブナイル・ホラーとして、なかなかの佳作。ブギーマンが家族を失った喪失感のメタファーとして明確に描かれるため、物語を通じて主人公一家が向き合うべきものとしての切>>続きを読む