riikoさんの映画レビュー・感想・評価

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街の灯(1931年製作の映画)

4.3

学生の頃に授業で観た時、
「大人になってからもう一度みてみてほしい」「ラストの受け取り方がきっと変わってくる」
と先生が熱弁していたことをふと思い出して再鑑賞。

心からの感謝を捧げるべきだと思ってい
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横道世之介(2013年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

10年ぶりに観た。
あの頃よりも突き刺さるような感情でいっぱいになった。

それぞれの登場人物の節目に横道世之介と出会っていて、彼を思い出すことは各々の青春の日々を思い出すこととなり、だからこそ皆懐か
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ヒラリー・スワンク ライフ(2013年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

リチャードカーティス脚本の中でもコメディ要素がまったく無いと見聞きして何となく鑑賞を尻込みしていた作品。

時間の有用さを語るのはリチャードカーティスっぽかったけど、富める者しか行動できない虚しさは残
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カラーパープル(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

当事者、あるいは当事者が属する社会に生きている人達のための映画なのかもしれない。
やっぱり「知ってる」と「解る」は別で、涙もしたし心も震えるようなシーンもあったけれど映画内で消化し終わった。

一方で
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Here(2023年製作の映画)

3.3

思わず深呼吸した。リラクゼーション効果抜群の環境音。光の線が降り注ぐような自然の映像。何か起きるわけでもない、起きそうな男女のそれもない。今ここ(Here)にあるものを享受する。それゆえの映画館ではな>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.7

ころころ変わるファッションが自分の未来に対する期待と不安定さの両輪を感じる。
その2つの感情をにこいちできらきらとした思い出として振り返れるあの時代、みんなに心当たりがある。
20年以上前の映画でこの
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

PMSにパニック障害とそれぞれ抱えた2人。

自分で自分をコントロールできないこと、
分からないことを分かり合えること、
これって宇宙と同じなんだな...
宇宙は人にとって不可侵であり、コントロールも
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

やっぱり二度と観たくない。

途切れるWi-Fi、一方的な解雇、汚水の洪水。
上から下、上から下、上から下。

東京タワーから眼下を眺めても、そこにある建物が新築のビルか築数十年のボロ屋なのかは一見に
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

観終わった後、通路に貼られたポスターを観て答え合わせをするような気持ちだった。このQuiet Girlが誰のもとに走って向かっているかは明白で...

"パパ"の言い方だったりラストでは嗚咽が込み上げ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

R指定のBarbieとはさもありなん、ただし寓話とまではいかない。
アカデミー受賞女優がこれを受けるって本人の作品への共感や強い意志を感じる。

性的暴力に関してのあれこれの報道が蔓延る昨今、
「自分
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

NIKEに入社したくなった。
象徴的なBGMと共に現れるadidas社がヴィランに見えるぐらいNIKE側の登場人物や社訓がかっこいい。

私と同じように"一般人"と括られている人たちだったんだよな、元
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

記憶は言語ではなく頭の中に映像として残る。
父との思い出を振り返ると、確かに言葉以外の瞬間的な記憶が多いことに気付いた。
本作でも、そして実感としても、親と子での関わりは言外のコミュニケーションにこそ
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最後まで行く(2023年製作の映画)

4.2

相撲で言うところの押し出し・突き出し。
脚本なんてなんのその、1から10まで心臓鷲掴みのパワープレイ。
わたしの中で「北北西に進路を取れ」や「フェイス・オフ」のような大定番スリルサスペンスアクションに
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ジュリア(s)(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ジュリアの人生をIfで分岐しながらそれぞれ展開させていく物語、ジュリア"達"の(s)なのだと序盤で気付く。

成功と信じて疑わず進んだ道の先、
失敗と悔やんで生き方を変えた先の道、
それぞれが途中で好
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

正直、少し肩透かしを食った。
幼少期のスピルバーグが映画にのめり込んでいく過程こそあったが、映画に焦点を当てた困難や挫折、そして成功を辿る物語だとおもっていた。

でも良い意味で違った、もっとパーソナ
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ワース 命の値段(2019年製作の映画)

4.0

父が亡くなる前に母に残した少額の保険が申請上の細かなことで減額され、最終的にはその手続きの煩雑さやその過程で父を思い出すために受取りを母は諦めた。

公平さが尊重するのは規則であり個人ではない。
特定
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

モードックがガンメンすぎて最後までむりだった、近くのひとごめんずっと笑い堪えられなくて..
死に方がアイアンマン風味なのもそうねグレンラガンも赤いもんね、って..
あいつがいるせいで緊張感のある時間5
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バビロン(2021年製作の映画)

4.1

エンドロール中、LA LA LANDのデイミアンのインタビューが頭に浮かんでいた。

【人は、残りの人生を決定づける人と結びつくことはできるが、その結びつきは残りの人生までは続かない。】

人生単位で
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.0

オープニングから最高潮、本当のバスケットボールの試合を観た。ありがとう、井上先生。スラダン世代は映画館にすぐさまマストゴーオン。

マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル(2022年製作の映画)

4.0

ファンムービー!それゆえに過去作への理解があればあるほど破顔するポイントが多い。

本筋とは関係ないけど、あの本人役の俳優がかけた電話の向こうの奥さんの名前も本人の名前だった。
実際におしどり夫婦なお
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シスター 夏のわかれ道(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

「娘が障がい者なので第二子を希望します」

中国の一人っ子政策が生んだ国民への陰影が物語中盤で示される。
障がいを持っていない"女の子供"が親により障がい者の振りを強要され、"男の子供"の出産のための
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

「椅子が身体に馴染んできたんだ!!!」
ここめっちゃ笑った、こういう勢いで話を展開させていくんだなと感じたカット。

一目惚れから命をかける決断までの背景が読み取りきれず置いてけぼり。
あと叔母の環さ
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愛への跳躍(2016年製作の映画)

2.6

9分のショート、あらすじで6分ぐらい説明されてる。
最後の展開が読み易すぎるのとタイムリープのルールがざっくりしすぎてて、ある意味お国柄の時間へのルーズさがよく反映されている…

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

チャドウィック・ボーズマンへの追悼だった。物語と現実が交錯しすぎて嗚咽が止まらなかった。灯りが点いてからも周囲から同様にすすり泣く声が聞こえた。今はまだスコアはおろか感想も付けられない。

スーツの中は?(2012年製作の映画)

3.0

10分というショートながら6分半ぐらいからの急展開に吹き出した。
ラストにかかるグローバー・ワシントンJr.のJust the Two of Usがさらにじわじわくる。

Just the two o
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アムステルダム(2022年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

デニーロアプローチ&ベイルアプローチ!
毎度のことながらクリスチャンベイルのお前誰やねん感がたまんないすね。

史実の一欠片を無理くり引き伸ばした薄いストーリーが2時間強も続くわけだけど、耐えられる豪
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まったく同じ3人の他人/同じ遺伝子の3人の他人(2018年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

生まれか育ちか、このテーマを実在する3人の子供を介して実験したというドキュメンタリー。

生まれ(遺伝子)より育ちの過程が脳に与える影響が大きいことはネズミを介した実験で後に分かっている。
人類の繁栄
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窓辺にて(2022年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

怒りや不満はリクエストの感情だ。
市川がなぜ妻に怒りや不満を抱かなくなったのか、そしてその失ったリクエストの感情は再生することがあるのか。

悲しみを表せないことへの憤り。
真っ先にジェイク•ギレンホ
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コーダ(2019年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

エール(ベリエ家)、コーダあいのうた(CODA)と同じく聾唖者をテーマに扱った短編作品。24分と思えない見応え。

聾唖者の男性にCODAであることを告白する瞬間の映像の"揺れ"がすばらしい追体験だっ
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RRR(2022年製作の映画)

4.4

休日の夜にテレビで勧善懲悪を観て育ってきた自分にとって今日はそれの最高峰を観させてもらった気分。

振り返ればちょっと雑に感じる箇所もあったけど(地図の受け渡し時は会話が通じたのねとか、刑務所の上に張
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人生は二度とない(2011年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

舞台はスペイン。
ガワはハングオーバー、中身はきっとうまくいくを薄めたようなヒューマンドラマ。
定期的にナレーションで教訓とおもしき言葉が差し込まれてくるのが少しくどい。

「人が箱の中に入るのは死ぬ
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スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ダイアナ妃に関しての基本情報のインプットが無いとヒステリックメンヘラちゃんが由緒ある王室を荒らしているように見える。
薄ぼんやりとした知識がある自分ですら苛々しながら観てしまうシーンが多々あったぐらい
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もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

「実家の犬は…」なんて台詞じみた台詞から始まった冒頭、あのエンディングを観てから改めて思い出すとあの台詞はファンタジーの合図だったのかも。

米のインサートが度々差し込まれる。
米は買わなきゃいけない
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.0

パンフレット見ないとわかんないこと多すぎない?と真っ先に思うぐらい神話系の匂いがぷんぷんした。パンフレット完売してるし。皆同じ思いか。

羊がキリストで山羊が悪魔ってぐらいの表層的な理解に留まってる。
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

目は口ほどに物を言う、観るものと観られるものの物語。
Gジャンの口はまるでカメラのシャッター、まさに観たものが吸い込まれる。
靴が奇妙につま先立っていたことも、それによりゴーディと視線を合わさずに生き
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