NMさんの映画レビュー・感想・評価 - 19ページ目

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パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)

3.3

同じ一人の人間が、酷い悪行をすることも善行をすることもある。

「あたしには分かる、あなたは本当はいい人」と言われても、ブッチは「いい人間じゃないだが心底のワルでもない 人と違うだけさ」と答える。
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スティーブ・ジョブズ1995 〜失われたインタビュー〜(2012年製作の映画)

3.5

最初のプレゼンは、
今となってはその古さに驚く。
何年かのうちにあの大きなiPodが
今の薄く小さな姿になるとは。
彼はこんなにも我々の生活を変えた。

中退したジョブズを心配する先生が
優しく寛大で
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マジック・イン・ムーンライト(2014年製作の映画)

3.0

何事も論理で対応し、皮肉屋で、婚約者も論理的で賢い女性を選び、知識を誇り他人を見下す、手品師のスタンリー。
因みに友人はいない。

そこへ古い手品師の知人ハワードが突然訪ねてくる。霊能者がいるから見抜
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ジャケット(2005年製作の映画)

4.4

戦争で頭を撃たれたジャックは、
一命を取り留め、除隊に。

その後
ヒッチハイクした運転手が、
その車を止めた警官を射殺、
倒れているジャックのそばに
銃を捨て逃走。

ジャックは濡れ衣、
戦争の後遺
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NINE(2009年製作の映画)

4.3

有名映画監督グイドは、今度も大きな作品が進行中。
だが実は脚本が全く書けていない。周囲から追い立てられ、逃げたい一心のグイドの行方は……。

何度観ても好み。8 1/2 同様隠喩的で難解だが、歌とダン
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超高速!参勤交代(2014年製作の映画)

3.5

単なるコメディかと思っていたけど、
観ずに損していた。
面白くて、気持ちの良い話。
難しいことは考えずスカッとできる。

ユーモアは随所に溢れているが、
熱い心の交流もしっかり描かれ、
その揺さぶりで
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アレキサンダー(2004年製作の映画)

3.5

王座争いや戦闘シーンなどが多くドロドロしたあらすじ。
時折残酷なシーンも挟まれる。

各人物の内面もしっかり描かれ、詳しくない人も何となく観られるはず。

マケドニア父王フィリッポスは分かりやすく悪者
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シャニダールの花(2012年製作の映画)

3.3

ヴィアン『うたかたの日々』を基にしているのだろうか?
文章で読むのと違って、
実際体から植物が生えるのを映像で見ると
なかなか気味が悪い。

フェリーニに恋して(2016年製作の映画)

3.5

フェリーニ作品を全部暗記してるようなマニア向けだったらどうしよう、
フェリーニ自体はあまり関係ない普通の女の子の物語だったらどうしよう、などの不安がよぎりつつも鑑賞。
どちらでもなくて良かった。

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百万円と苦虫女(2008年製作の映画)

3.8

普通の人も、こんなにも簡単に前科がついてしまうことがある。

主人公・鈴子は、不良少女でもキレやすい若者でもなんでもないどこにでもいる普通の女性。
だがその代償はとても重い。

自分のことを誰も知らな
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GO(2001年製作の映画)

3.8

在日韓国人、特に二世以降の子たちが
どうやって生きていくのか、少し知れた。

まだ、在日外国人の指紋押捺制度が残っていた時代。

主人公で二世の高校生、杉原(日本名。本名リー)は、
まず朝鮮籍か韓国籍
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ラッキー(2017年製作の映画)

4.0

観始めた途端に、やさしく寛容な気持ちになれた。

アメリカ南西部の小さな町に住むラッキー。
生涯独身。海軍時代に最も安全とされる厨房係に配属されたことからついたあだ名で、今もみんなからそう呼ばれている
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百円の恋(2014年製作の映画)

3.8

何となく観たら意外に良くてとても満足。
アカデミー賞受賞作品。
安藤サクラの本領発揮、独壇場。

主人公・一子はニートだったが、あるとき社会へ一歩出ると、耐性がないこともあり、あっという間に心身ともに
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.2

観始めたら
以前観たことを鮮明に思い出したのは
母役樹木の態度が
強く印象に残っていたから。

テーマこそ派手ではないが、
観始めると釘付けになる。
楽しげに見えて、この家には、
絶妙にぎすぎすした感
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リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

4.5

家族はミゲルを思って音楽を禁じたが、それがかえって反発を招き、ミゲルと家族はバラバラに。
多くの家庭にも、似たような体験があるのではないだろうか。

家族が本当の絆を取り戻す物語。
リメンバー・ミー、
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

3.6

ジェットコースターのような展開で思わず手に汗握る。

ストリープ演じる上場したての新聞社社主・キャサリンがみせる葛藤が作品の目玉。
女性で初の、新聞社発行人。

当時ワシントン・ポスト社はまだ地方紙の
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冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)

3.5

熱帯魚店に訪れる客との人間模様でも
描いてるのかと思ったら
全然違った。

実際の事件がベース。
たまたま舞台が熱帯魚店であるだけ。
主人公一家が
とんでもない事件に巻き込まれる。

もともと壊れかけ
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ベロニカとの記憶(2017年製作の映画)

3.6

原作とは違った印象。
主人公はもう少しコミュニケーションが下手な老人のイメージだったが、映画では割と普通に娘の面倒などを見ている。

だが少しずつ、この人なんかちょっと人格に変わったところがあるな……
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去年の冬、きみと別れ(2018年製作の映画)

2.0

すごい小説があると聞いてはいたが、
ぼやぼやしていたらあっという間に
映画化されたので、
先にそちらから観ることに。

目玉は最後のどんでん返しとのこと。

宣伝では特に三人が前面に出ているが、
それ
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.5

不条理過ぎて逆にすがすがしいほど。
もちろん爽快とはほど遠い。
不可解と緊張の連続。

主人公スティーブンが自分を選ぶことは
ルール上不可らしく、
絶対に他の人を選択しなければならない、
というところ
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ニーチェの馬(2011年製作の映画)

4.5

不毛の荒れ地建つ粗末な家。
そこに住む父と娘の、ある六日間の物語。

と聞いて私は、
その六日の間に予想だにしない訪問者でもあるのか?
そして六日後には運命が全く一転してしまうのか?
といったことを考
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ボウリング・フォー・コロンバイン(2002年製作の映画)

4.0

演出の工夫は取り混ぜつつも、直観的に現実を分からせてくれる。
それにより、ドキュメンタリーだからと難しく構えず観ることができる。

エンタメ性もあり、社会問題にあまり興味がなくても面白く観られる作品。
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野獣死すべし(1980年製作の映画)

4.3

主人公・伊達は、警官を刺殺し銃を奪う。
そして違法カジノ店を襲い、おびえながらも、数人を確実に撃ち殺して大金を手にして逃げた。

この男は一体何者なのか、徐々にその素性が明かされていく……。

伊達は
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チョコレートドーナツ(2012年製作の映画)

4.3

原題『Any Day Now』(意:いつでも いますぐにでも)。
これは歌詞の一部で、いつの日かこの苦しみから解放される日が必ず来る、と続く。

終始悲しくて涙を誘う。休まる暇がない。涙活にも最適。
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世界はときどき美しい(2006年製作の映画)

3.3

フジの8ミリフィルムで撮られたそうで、画素数の荒さを活かしていて、それが美しい。

年齢も場所もばらばらの大人たちの、短い5つの物語。
章ごとの主人公目線で語られていく。ショートフィルムを並べたような
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デタッチメント 優しい無関心(2011年製作の映画)

4.4

若者の、誰とも気持ちを分かち合えず孤独に打ちのめされる日々。
そこに手を差し伸べてくれる大人は少ない。

彼らはやむを得ず強がって、周囲を攻撃して生きる。
生徒たちは何についてもテキトーな態度で、自分
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デイヴィッドとギリアン 響きあうふたり/ピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴット(2015年製作の映画)

4.5

『シャイン』での衝撃を未だ忘れない。
厳しい父のもと悲惨な少年時代を過ごした天才ピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴットの半生を描いた衝撃作だった。

これはその『シャイン』のその後の生活、現在のヘルフ
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潜水服は蝶の夢を見る(2007年製作の映画)

4.3

すごい映画。
こんな作品は初めて観た。

主人公が左眼以外は全身麻痺で、
かつ主人公の視点で語られる。
しかも実話を元にした作品だとは。

ジャンドーことジャン=ドミニクは
ファッション誌ELLEの編
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イル・ポスティーノ(1994年製作の映画)

4.5

パドロが浜辺でよむ詩

島のこのあたり
海は海そのもので
絶えず溢れ出る
いいと言い
いやと言い
またいやと言う
青い波と泡と動きの中で
いやだとくり返し
静かにしていない
”私は海”と言いながら岩に
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リバーズ・エッジ(2018年製作の映画)

4.5

実は俳優陣をよく知らなかったのだが、鑑賞してみて、この人たち以外に考えられない、というぐらい全員がはまり役。

役を自分のものにしているというより、みんなそれぞれ、本人そのもののよう。
もともとそうい
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溺れる森(2006年製作の映画)

3.4

ミュージックビデオのような、
イメージ映像を観ているようで、
アーティスティックな画作り。

様々な物の影、闇、
そして水中の描写がゆらめき、
終始ミステリアス。

冒頭から、
居眠りしたり、気絶した
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そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

3.5



拓次役・菅田将暉の演技が秀逸で驚いた。

脚本の妙と相まって、拓次が明るく振舞ってはいるものの、家族に対して申し訳ない、役に立つ男になりたい、という引け目を隠していることが観ていると、何となく伝わ
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私の男(2013年製作の映画)

3.5

震災の描写があるので、
傷のある方は閲覧注意。

雪深い流氷の島、奥尻。
沖を震源とする地震と津波が起き、
住民たちは避難所(警察署だろうか)へ。

その幼い女の子は、
一人パジャマ姿でいるところを
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