NMさんの映画レビュー・感想・評価 - 21ページ目

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サイドカーに犬(2007年製作の映画)

3.1

いかにも小説を映画化したような作品。
ジャケットのような、明るく元気で爽やかなストーリーではない。
本当に一人の人が日々の暮らしの中で昔のことをぽつぽつと思い出していくような、実話の追体験のよう。普通
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親愛なるきみへ(2010年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

春、若い男女が出会い恋に落ちる。
二週間後、休暇が終わり、女は大学へ戻り男は軍隊へ戻る。二人は文通を約束するが、911事件も起き、とても彼女と過ごしたいので除隊したいなどと言える雰囲気ではなくなる。そ
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スウィート・ノベンバー(2001年製作の映画)

3.2

わけあって、期間限定で奔放に生きているサラ。
この生き方を羨ましいと思うかどうかは見解が分かれるかも知れないが、何にも縛られず、ひとの役に立つことだけを存在意義として生きる、なんて悪くない人生じゃない
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オーケストラ!(2009年製作の映画)

3.3

元著名指揮者で、今は清掃員という
悲劇的な状況にある中年のアンドレイ。
コメディ的に描いているが
実際こんな目に遭ったらと思うと
とんでもないハードな人生だ。
一度成功した後の地味な生活は、
なおのこ
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女の一生(2016年製作の映画)

3.4

この作品を一番おすすめしたいのは、
モーパッサンが好きな方。
と、言えるぐらい、作風が反映されていて、
まさに読書をするように観ることのできる作品。

著者独特の、
急に牛刀でぶった切るような終わり方
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セッション(2014年製作の映画)

3.3

19歳のジャズドラマーのアンドリューは、スパルタコーチに声を掛けられ、猛練習で血まみれになりつつ、憑かれたように半狂乱でドラムにのめり込んでいく。

彼の父親は普通の人で、音楽なんてものにのめり込むの
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クワイエットルームにようこそ(2007年製作の映画)

3.4

とにかく強烈なインパクトが残り、ストーリーや描写を何年経っても覚えているという、私にしては珍しい作品。
これを観て以来、飲み残した処方薬を溜めておくことは絶対にやめようと誓った。
そして、普段からスト
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雨あがる(1999年製作の映画)

3.4

雨上がりの晴れ空のような、心のあらわれるような作品。疲れたとき、何もする気が起きないとき、ストレスを感じているときなどに絶好の作品。
真っ正直で不器用な男と、それを支え時には背中を押す妻の物語。

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ルートヴィヒ 完全復元版(1972年製作の映画)

3.5

キャスト、ロケ地、衣装、豪華の一言。
4時間の長さはまさにワーグナー並みだが、飽きも来ず、必要十分な長さであった。
長さからいって、そうそう観られる機会もないと思うので、観るならぜひしっかり時間を作っ
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ベルリン陥落 1945(2008年製作の映画)

3.4

どうしてこんなジャケットになったのか、これで機会ロスが起こっているならあまりにもったいない作品。これではバトルアクションと思われても仕方ない。

良い作品だった記憶があったので、今回で二度目の鑑賞。
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シングルマン(2009年製作の映画)

3.2

重厚で内省的な大人のドラマ。
愛する人たちを失って生きる意味が見いだせない大学教授の男。

今日こそ死のうと思いつつも、なかなかきっかけを掴めない。
死ぬつもりなので行動はずっと無気力で、人を適当にあ
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あなたを抱きしめる日まで(2013年製作の映画)

3.3

ヒロインのフィロメナは、007の「M」こと、ジュディ・デンチ。
アイルランドの修道院で生き別れた息子を探す旅に出ると、やがて修道院の忌むべき過去が明らかに……。

院長に見つかるリスクを犯してまで、坊
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大停電の夜に(2005年製作の映画)

3.0

今となっては、この都心一帯の大停電というのは震災を思わせるものがあるので、キズを持っている方は閲覧注意かもしれない。

しかし観てみると、人にとって大事な明かりが貴重になってしまった事態により、くしく
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ギリギリの女たち(2011年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

何気なく観ているうち、おや、これは凄いぞ、と感じ出す、幸せな経験をしました。

被災地が舞台となると、悲しさが胸を刺して、私は観るのに少し気合いが要るが、それでもこれは観て良かった。

それにこの作品
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しあわせの雨傘(2010年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

シェルブールの雨傘とストーリー上は別にリンクはないようだ。
ただ最初の音楽が主題曲のアレンジであったり、活躍の舞台が雨傘工場という関連ぐらい。
むしろ登場のジョギングのシーンは特に、ドヌーヴのおばさん
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たった一人のあなたのために(2009年製作の映画)

3.2

1953年、いまだ女性の唯一の幸せは家庭を持つこと、という文化の残る古きアメリカ。
アンが帰宅すると夫が浮気中。そのまま豪邸を飛び出し、預金を全て下ろしてキャデラックを購入、二人の息子をピックアップし
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AV(2005年製作の映画)

2.8

はじめはよこしまな目的の学生たちだったが、最後には……?

めちゃくちゃなストーリーのコメディだが、勉強になった点もあった。
作品によるとだが、
・尖閣諸島の歴史は、香港ではあのように認識されている。
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後宮の秘密(2012年製作の映画)

3.0

王座争いがテーマ。ドロドロ系。
ヒロインだけでなく、王宮に生きる様々な人々の栄枯盛衰が描かれる。
陰謀は一つではなく、幾つにも重なっていて、次々と別の事実が明らかになっていく。

そして最後に明らかに
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アポロンの地獄(1967年製作の映画)

3.3

古くて面白い。独特で、まるで映画を観たことのない人が作ったよう。

台詞が大変少なく、ストーリーなんてもう有名だから観れば解るでしょうというスタンスだろうか。観る方は想像で補うことも必要。

実際赤子
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氷点(1966年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

原作を大分端折ってあることが感じられるものの大事な筋は伝わる。
家族の形が次々と変化していく様子がなんとも人間的で悲しい。
ある殺人が招いたその後の家族の迷走の物語。

「どこへも行きたくありません…
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シモーヌ(2002年製作の映画)

3.2

物語が予想外の方向に転がっていき、
社会派ドラマ、ラブストーリー、コメディなど
様々な要素がミックスされている。

嘘に嘘を重ねているうち、
してもいない罪を着せられそうになるところ
なども面白い。
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チェリーについて(2012年製作の映画)

3.2

いくつかのエピソードを繋げたような印象。
あの恋人はどうなって、友達はどうなって、
妹はどうなったか、新恋人は、
などその後の結末に触れられないままで
終わってしまう。

結局のところ、チェリーことア
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女優マルキーズ(1997年製作の映画)

3.3

当時の文化や風俗が感じられ、マルキーズ以外にもリュリやらモリエールやら実在の人物も登場

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

4.9

人間はどこから来て、地球はどうやってできたのか。観る度に何かしら新たな示唆がある。

鮮烈なオープニング。どういう状況なのか観客はさっそく推理や想像を巡らせる。何だか随分前にどうも見覚えが、身に覚えが
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愛を綴る女(2016年製作の映画)

4.3

まさかのというストーリー。悲しくそして壮大。
愛って、家族って、こころって、そんな簡単なことじゃなかった。
これが愛だ、解るか?と問われた気分。

タイトルからして、まあ手紙か何かを書くけどすれ違いで
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(1954年製作の映画)

3.8

1954年イタリア作品

少女が、大道芸人の男に売られるところから始まる。
少女の姉が既にその芸人に小間使いとして売られていたが、先日来行方知れずとなってしまい、男はまたこの家に、今度はその妹を買いに
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ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011年製作の映画)

3.8

911のパニックをアクション的に撮った作品かと思ったら違った。事件の後の、ある少年の物語。

少年・オスカーは、3人家族。特に父親と大の仲良しで、冒険仲間であり大親友でもある。

この少年はとても頭が
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夏の終り(2012年製作の映画)

3.3

画が綺麗。家の中の様子が、少し薄暗いところが懐かしくレトロで、きれいに整頓されていて、畳やすだれの様子がさぞ居心地が良いだろうと感じさせる。初夏らしき田舎の自然も見事に美しい。淡路島だそう。ここで撮れ>>続きを読む

デザート・フラワー(2009年製作の映画)

4.0

てっきりシンデレラストーリーかと思った。プリティウーマンみたいな。

そうではなく、世界の現実を描くシリアスな内容だった。
ソマリアの砂漠地帯に育ち、幼児割礼と縫合、まだ幼いのに親の決めた急な結婚、遠
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