フランスを代表する児童文学『プチ・ニコラ』のいくつかのエピソードを交えながら、作者2人の半生を描いたアニメーション。
絵本がそのまま動き出したという雰囲気で、キャラクターの動きも魅力的だし、シンプ>>続きを読む
背伸びしてのぞき込んだ大人達の世界は、誰も彼もが利己的で、うわべばかり見て相手の中身を知ろうともしていない浅はかな姿。それに幻滅し脱ぎ去る事で本当に自立した大人になる姿を、GUCCIのスーツに象徴さ>>続きを読む
乗り物映画を撮らせたらユーラシア一のフドイナザーロフ監督のデビュー作。
兄弟2人が離れた街に暮らす父親に会いに行く鉄道ロードムービー。
輝く日差しの下、走る機関車の瑞々しい事極まり無い映像だけ>>続きを読む
乗り物映画監督フドイナザーロフの面目躍如の、物も人も物語も、片時も留まる事無く動き続けるパワフルで美しい幻想譚。
昔、DVDを買って観ていたのだが、今回のフドイナザーロフ回顧上映に際して劇場で鑑>>続きを読む
内戦中のタジキスタンを舞台にした素朴な恋のメルヘン&ロープウェイ映画!
ドゥシャンベのロープウェイ操縦士と、モスクワから里帰りしている(タジク語が分からないので生まれ育った街は違うのかも)彼の賭博>>続きを読む
上映中、客席からは時折失笑が漏れ、上映後、明るくなった劇場には興奮と同時に、取り繕う様な笑顔が満ちていた。
歴史的なポンコツ・スペースオペラ映画の古典なのは知っていたが、同名人気コミックを原作と>>続きを読む
郷愁感たっぷりに描かれる1981年英国地方都市の映画館を舞台に、年齢や人種と言ったバリアーを乗り越えて生きようとする人々の物語。
とにかく圧倒的な映像美で、特に何か意味がある訳ではないシーンでも>>続きを読む
病で精神が壊れていく父親の介護と友人との不倫に揺れるシングルマザーの日々を淡々と詩的に写し撮った作品。
日々のエピソードの積み重ねで時が刻まれていくので大きな物語は無いが、監督の実体験を元にして>>続きを読む
寄り道しつつパリを横断するロードムービー仕立てで描かれる、旅人に親切にしたら恩返しされた...という"おとぎ話"。
タクシーの中の会話劇かと思ったら、お客様の老婦人の回想シーンが入ったりと密室劇>>続きを読む
一流のポルノ男優を気取ったポン引きヒモ男のポンコツ人生を描いたビターなコメディ。
主人公は本当に人でなしで酷い男なんだけど、お調子者でバイタリティあふれ、とにかく前向きな姿に、ついつい感情移入し>>続きを読む
『タイガーマスク』『鋼鉄ジーグ』をモチーフにした監督の新作は『ファンタスティック・フォー』(いや、むしろ『X-MEN』か)。
「神から与えられたギフトを受け入れ愛さないと、自分も周りも不幸にする>>続きを読む
凄い映画体験をしてしまった。何が凄いって、上映後に「何が何だか分からなかった!」と観客が口にしながら劇場を後するのだ。
正に真のアーカイヴァル映画で、登場する人物は(ナポレオンとイエス以外は)す>>続きを読む
人形浄瑠璃を大胆に取り入れた日活ロマンポルノと聞いて鑑賞したが、トンデモ無いモノを観てしまった。
私娼窟の女郎"死神おせん"とヒモの"富蔵"との話を軸に、心中未遂で非人手下に落ちた盲目の浄瑠璃語>>続きを読む
フランスの未成年亡命者の問題と絡めながら、一人の料理人がシェフに成って行く話。
寂れた海岸沿いの街、美しくも冷たい映像とビターな展開・・・え?これは日本版予告編に騙された!?
と思いきや、在る瞬>>続きを読む
なんだかインディーズバンドのレコードをかけている様な、不思議な味わいのモンゴル映画。
ウランバートルのアダルトトイのお店でバイトを始めたヒロインと、有閑マダムのオーナーという対照的な様でいて、共>>続きを読む
実在の無差別殺人犯をアート映画で撮ろうとした監督達の稚拙さと、若き女優の才能でトンデモ映画になってしまった一本。
ミハリナ・オルシャニスカの伝説の主演映画が日本公開される!という事で駆けつけたフ>>続きを読む
2016年にマリウポリのギリシャ系住民を記録した『Mariupolis』を撮ったリトアニア人監督が、開戦間もない2022年3月20日からの約一週間、転がり込んだバプティスト派礼拝堂とそこに避難してい>>続きを読む
ノスタルジーという鍋で煮込んだ家族の物語 in パリ。
1980年代のパリを映した記録フィルムを挟み込みながら、インテリア、ファッション、音楽、映画、車、深夜ラジオ...と、当時を再現した世界の>>続きを読む
シリーズファイナルは文化のギャップというよりは、元気な団塊の世代の親を持つと大変な在る在る話。
家族が大集合してキャラクターが多いのと、乗り越えなきゃイケない大きな困難や物語があるわけじゃないの>>続きを読む
僕はブレンダン・フレイザーの笑い声が大好きで、彼のあの声が又聴けただけでも良かったな・・・。
陸に上がった鯨の様に、自分自身の重みで心や体を傷つけている人々の話。
でも悲しみを抱えてはいるけど>>続きを読む
イラン第二の都市で実際に起きた娼婦連続殺人事件を描いた作品で、ヒロインにも実在のモデルがいる。
有名な事件であり、犯人捜しのミステリーでは無く、犯人と事件を追う女性ジャーナリストの2人の視点を軸>>続きを読む
『フィフスエレメント』みたいな話なんだろ?と思った人も、騙されたと思って観て欲しい!『スターウォーズ』『スタートレック』『007』を掛け合わせて、『フィフスエレメント』で味付けした様なポップでご機嫌>>続きを読む
正に、これぞジャッロ映画の古典!という様な作品。
外連味あふれる映像美と華麗なエンニオ・モリコーネの音楽、クラシカルな調度品と70年代初頭のお洒落なでモダンなファッションやインテリアの中で・・・>>続きを読む
ダリオ・アルジェントがジャッロ映画と共に帰ってきた・・・が、帰ってきたソレは姿は似れど、何かが違う・・・。
ゴブリンを彷彿とさせる音楽と共に始まり、ジャッロ的な残酷描写で娼婦が殺されるオープニン>>続きを読む
映像は素晴らしいが作劇が稚拙。往年の駄目なフランス製戦争映画を思い出した。
当時記録された様々な映像と、スタジオでの映像を組み合わせた大火災の再現は素晴らしいし、前半30分くらいはデザスター映画>>続きを読む
四半世紀前に劇場で奪われたワクワクを取り戻してくれた。ありがとう。
一作目の映画化『D&D』を観たトラウマや予告編から不安しか無かったが、余りにも評判が良いので観に行ったが・・・素晴らしかった。そ>>続きを読む
男達の身勝手な暴力によって人喰い人魚のような怪物(殺人鬼)が生まれる話。
この時代の空気の中でしか生まれない映画。
絵画を具現化した様な映像や凝った音響は幻想的で、ヒロインの不安定な幼さと純粋>>続きを読む
ある程度の歳になると自分の人生や映画について作品で語りたくなるのは大御所監督にありがちな話だが、それを他人の物語にちゃんと落とし込んで作品にした宮崎駿は偉かったんだな・・・と、観ながら思った。
>>続きを読む
老人の痴呆を通して家族を描いた自身の戯曲でデビューした監督が、今回は少年の鬱病を通して描く。
前作は舞台演劇の手法を映画に移植して今一つ効果的とは言い難かったが、今作は映画の手法で描き切った故に>>続きを読む
日本版予告編はミスリードさせているが、イタリアの田舎町の古本屋をめぐる群像劇。
ユニセフのロゴが画面に出た瞬間嫌な予感がしたが、その予想通り、子供の頃に学校や文化センターで見せられた道徳映画のイ>>続きを読む
1954年出版「メグレ警部」中期の一冊を原作に、大胆にアレンジ。随分とキャラクターやエピソードをそぎ落とし、その一方でベティという原作にないキャラクターを登場させ、話の主軸にすえている。
そこから>>続きを読む
塔建造を背景に描かれるギュスターヴ・エッフェルと人妻とのメロドラマ。
それと、「お父さん、良い娘さんがいて良かったね」映画。
ベルエポックのフランスを描いた時代劇としても良く出来ていて、衣装や>>続きを読む
追記
監督名から『獣欲の森』の異名かと思ったら、別作品だった💦
『獣欲の森』はFilmarksに記載無し。
日活スウェーデンポルノ第四弾『獣欲の森』。
資格取得の為に二年間の約束で街を出た恋人>>続きを読む
同じペストの時代を描いたヴァーホーベン監督の『グレートウォリアーズ』などと比べると、ハチャメチャな猥雑さや残酷さに欠けるし、ブラックユーモアたっぷりのグロテスクな表現も余りなく、随分と大人しい印象を>>続きを読む
高橋惠子の妖艶な美とエロティズムだけで1時間半持たせた作品。
制作会社の創立者だった長谷川和彦監督が、舞台挨拶で「何でもっとエロにいかなかったんだ。」と突っ込んでいたらしいが、その通り・・・。>>続きを読む
1990年代のロシアを舞台に、フィンランド人の女学生を主人公にしたロードムービー。
ロシアでロードムービーなので移動の基本が列車とはいえ、客車内での密室劇では無く、車に乗ったり、船に乗ったり、街を>>続きを読む