このレビューはネタバレを含みます
『Oの物語(Histoire d'O)』の続編(というか削除されたとされる最終章)『ロワシーへの帰還(Retour à Roissy)』を、上海に舞台を移して寺山修司が映画化した作品・・・しかし何故>>続きを読む
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フランス退廃文学の古典『Histoire d'O』を映像化した作品で基本的には原作を忠実にトレースしているのだが、登場人物たちの性格付けや立ち振る舞いが少しずつ違い・・・いや、真逆な時すらあり・・・>>続きを読む
驚異の6時間9分に恐れおののいたが、全編動きのある手持ちカメラの映像は頻繁にカットが切り替わり、そこに映し出されるけたたましい乱痴気騒ぎと露悪趣味的な映像のつるべ打ちに、退屈する事無く時間が過ぎた。>>続きを読む
北欧らしい薄曇りだけど清涼感のある光で、しっとりと描かれたホロコースト物。
他のホロコースト物にありがちな、むき出しの暴力や死に神に心臓を捕まれている様な感覚は余り描かれず、リトアニアから亡命し>>続きを読む
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伝説的なパントマイム・アーティストであるマルセル・マルソー。本人は黙して語らなかった対独抵抗運動中の逸話を、従兄弟の証言を元に劇映画化した作品・・・だそう。
先ず、致命的に主演俳優のパントマイム>>続きを読む
パン屋を営む夫を亡くしたシングルマザーと娘が、行き場を失った未婚の妊婦を助ける話。
お腹の中から湧き出るエロスを感じる作品でした。
良くありがちなプロットである分、モロッコ風味が匂い立つ・・・>>続きを読む
主人公の心の葛藤や成長を描いた物語・・・というよりは、主人公の目を通して描かれるアメリカの望まぬ妊娠をした少女や中絶医療にかかわる施設、弱い立場の女性が置かれた現状を描いた作品。
ある種のロードム>>続きを読む
派手さの無い地味で冷え冷えとした小作品でした。
脱獄モノにつきもののハラハラドキドキの展開は皆無で(もっとも史実なので結末は分かっているせいもあるが)、計画を練ったり準備したりする展開はバッサリ>>続きを読む
キアヌ・リーブスは相変わらず切れっ切れの動きだが、回を重ねる毎に作品の輝きは失われていく。
話のスケールがデカくなればなるほど、話はチャチくなるのが辛い。
得体の知れない互助団体的暗殺者ギルド>>続きを読む
いかにもフレンチコメディといった笑いあり涙ありの鉄板スポーツ物をベースに、LGBTQ+というひねりを加えた作品。
ゲイやオカマ、トランスジェンダーを扱ったフレンチコメディは多いとはいえ、フレンチ>>続きを読む
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殺されようとする元親衛隊員のセリフの様に、生きていれば誰しもが罪人になるが、死神(悪魔)に捕らえられてはいけない・・・と言う話。
とまぁ、そんなに簡単にまとめられないテーマではあるが。
それに>>続きを読む
奇怪な建築物をゆったりと映し出す16mmフィルムの粗いモノクロ映像・・・そこに被さられる音楽と朗読劇・・・たったそれだけなのに、異常な緊張感と感情の起伏を呼び起こすアート系SF映画。
(朗読される>>続きを読む
見ている内に、これはドキュメンタリーなのかフィクションなのか良く分からなくなってくる作品。
83歳の新人探偵セルヒオさんが老人ホームの内情を潜入捜査するという体ではいるのだが、実際には事前に施設>>続きを読む
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いかにも最近の大作ロシア映画然として、金はかかって派手だけど・・・というタイプの作品。
まずは仕事しろ。お前ら仕事しろ。
一度もマトモとして消化活動してないんじゃないか?コイツら。
多少非現>>続きを読む
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ムカつく上司と二人っきりで孤島の3K職場で働いたら、頭がおかしくなった・・・という話。
凝った絵作りや音で不穏な空気を漂わせ、神話の要素をまとわせた何処かキッチュな舞台装置の中で、名優演じる不潔>>続きを読む
老いて認知症を患った老人の視点を主にして進む戯曲の映画化。
同じテーマを扱い、アニメ映画化もされたスペインのコミック『皺』は、コミックの文法で見事に「年老いて自我が消えてゆく恐ろしさや切なさ」を描>>続きを読む
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内容的に一寸ユニークでブラックな企画をしてみました・・・という出落ち感が否め無いかな。
アイディアとしては面白いけど、ドキュメンタリー映画としては、加害者も含めてもっと色々と掘り下げないと、ラスト>>続きを読む
東独のシンガーソングライターであるグンダーマンの人生が「1975年~」と「1992年~」2つのタイムラインを交差しながら描かれる。
それぞれの時代は、再現された風俗でドイツ人には一目瞭然なのかも知>>続きを読む
「Emanuelle」の名前がタイトルに踊ってはいるが、ラウラ・ジェムサーが女流カメラマンを演じるジョー・ダマト監督の「黒いエマニュエル」シリーズとは関係ない一本。
『ワイルド・ギース』に便乗し>>続きを読む
基本のストーリーは『不思議惑星キン・ザ・ザ』に沿いながら、地球人のキャラクターを一新したり、ロボットなど新しいキャラクターを加えてアニメ化。
ヨーロッパのアニメらしい豊かな色彩と動きは素晴らしい。>>続きを読む
『ブラック・コブラ・ウーマン』。
ジョー・ダマト監督とラウラ・ジェムサーとのコンビで、“ラスト・エマニュエル”のサブタイトルが付いているものの、「黒いエマニエル」シリーズでは無い一品。
ナイト>>続きを読む
ロスに出てきた家出娘が、おばさんが経営しているホテルに転がり込んだら、そこは奇人変人の魔窟でした!・・・という話。
70年代のアメリカっぽい錆びた様な、すえた様な臭いがスクリーンから漂ってくる場末>>続きを読む
冒頭から70年代初頭のヨーロッパらしいキッチュでサイケデリックな画像を次々と繰り出された時には、これから一体何を見せられるんだ!?と思ったら・・・外国からパリにやってきた田舎娘が、悪い大人に利用され>>続きを読む
男運の無い女の子の話かな・・・と思ったら、後半突然として怪奇譚になったのでビビった。
『未来を乗り換えた男』に続き、またもやパウラ・ベーアさんに翻弄される男を演じるフランツ・ロゴフスキさん・・・>>続きを読む
戦慄の90年代ノルウェー・ブラックメタル・シーンの中心となった"インナーサークル"の事件を劇映画化。あの当時の俗悪な感じを、現代の映像技術で再現しているのは見事。
当時、メタルを聴き始めた自分は>>続きを読む
期待と脱力が交差するユーロトラッシュ界のフランス代表ジャン・ローランが撮った、フランス初のゾンビ映画であり、国民的(?)ポルノ女優ブリジット・ラーエの一般映画(?)デビュー作・・・という記念碑的作品>>続きを読む
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壮大なプロジェクト、膨大なフッテージ・・・の片鱗を全く感じさせ無い、閉鎖空間と僅かな登場人物で繰り広げられる人生に悲嘆した女性のドメスティックな物語でビックリ。
食堂からくすねた料理を暴食しても>>続きを読む
ジョルジュ・バタイユの『眼球譚』の映画化作品。
原作のシーンを見事にモンタージュして、全く別物の作品に仕立て上げている。
あまつさえ、どこか屈託ない若々しく露悪趣味的で、性のエネルギーに満ち溢>>続きを読む
終戦直後、田舎町の宿屋の後家さん(夫は戦時行方不明者)と、彼女をめぐる男たちの情景を描いた艶話。
舞台美術の様なセット(作り物的な窓の向こうに模型の列車が走ったりする)や衣装、俳優の演技といい、>>続きを読む
一審で無罪を勝ち取りながらも、マスコミや大衆から妻殺しの犯人と疑われた夫の二審を描いたサスペンスあふれる法廷劇。
これを観たフランス人は事件のあらましを知っているので、再劇にならない様に、架空の>>続きを読む
まるで古いオモチャ箱の様にポップでカラフルな色彩とデザインで、アンティークなアイテム一杯の映像が飛び出すし、主人公とヒロインも、パパを演じるチェキー・カリョも可愛らしくって、歌って踊って飛び跳ねる>>続きを読む
地方を回っては民話や伝説を収集する若い学者が体験する怪奇譚。
横溝正史ミステリィ in 白ロシア とでも言うお話し。
衣装、小道具、セットのデザインやアイディアが良く、味わい深い印象的なシーン>>続きを読む
核戦争直後の破滅した絶望的な世界を、モノクロ映像に黄色(もしくは青)で彩色した画面で描いていく。
博物館の地下倉庫に身を寄せる主人公たちを中心に、絶望に包まれた人々を淡々と描くシーンは、タルコフ>>続きを読む
脱獄物なのだが、囚人視点ではなく、看守視点なのは珍しい。
オープニングから仄暗い青い闇と、炎と電灯の赤い光とのコントラストが美しい画面と、重くドラマチックなテーマ曲に引き込まれてしまう。
初めは>>続きを読む
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美しくもヒンヤリとした画面と、柔らかでありながら鋭い緊張とに満ちた空気、微笑みに満ちながらも、どこか残酷でグロテスクな様・・・まるでカトリック教会の中に迷い込んだ様な演出で、どこからとも無く訪れて、>>続きを読む
ヒュー・キース・バーン追悼上映で鑑賞。
オーストラリアの低予算映画なのだが、アナログ感あふれる映像は魅力的だし、男も女も若くてマッチョな肉体を晒してくれるのが清々しい。
とはいえ、『マッドマッ>>続きを読む