木蘭さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

木蘭

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お色気吸血鬼(1978年製作の映画)

2.5

 フィリピン映画とは知らず(メインスタッフとキャストはアメリカ人だけど)、いきなり東南アジアが舞台なのは勿論、おとぼけ水兵二人組の珍道中が始まったのには度肝を抜かれた。

 基本、往年の香港映画を思わ
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悪魔の植物人間(1973年製作の映画)

2.8

 世界三大フリークス映画の一本。
 フリークスの悲しい物語と、彼らを利用するマッドサイエンティストの物語。

 キッチュな変異植物とか、リアルなビックリ人間ショーとか、見所は多いんだけど、編集が悪いの
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ジェシカ(2018年製作の映画)

1.1

 失敗したダルクと言うか、精神疾患を抱えた犯罪少年向け更生施設の群像劇に、意味も無くSFアクションを挟んだ様なチグハグ感あふれる作品。
 少年たちの突然の暴走や突拍子もない行動は、ある種のフラッシュバ
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獣たち(2018年製作の映画)

3.5

 マイ・フレンチ・フィルムフェスティバルで鑑賞。

 ちょっと不穏な、少女の一夏の体験物。
 心に思春期特有の空虚さと闇を抱えた厨二病の女の子が、気がつくと・・・周りは皆んな結構な闇を抱えていた・・・
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恋する遊園地(2020年製作の映画)

3.0

 対人恐怖症で感受性豊かな女の子が、大好きな遊園地の遊具に恋をする・・・という話。

 ハッキリ言って、ほとんどホラー映画なんだが、そうはならないのは思春期の恋とSEXの話だから(実際の年齢は別として
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ヘルスネーク(1974年製作の映画)

3.3

 『エクソシスト』ブームに載っかった西ドイツ製オカルト映画。
 ハッキリ言えばB級エロ・オカルト見世物映画なのですが、パチ物『エクソシスト』とは呼びたくない、何かがありますぞ。

 本家の様に手の込ん
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愛欲の魔神島・謎の全裸美女惨死体(1972年製作の映画)

3.0

 イギリスの孤島に物見遊山でやってきた男女四人組の若者が、一人をのぞいて惨殺される。恐怖の余り心神喪失してしまった生き残りの少女を、精神科医が謎の催眠装置を使って彼女の記憶を呼び覚まし、事件を探ってい>>続きを読む

声優夫婦の甘くない生活(2019年製作の映画)

4.0

 ソ連崩壊直前、湾岸戦争のさなかにイスラエルに移民してきた熟年声優夫婦の物語。
 新天地に降り立ったものの、築いたキャリアを失った悲しみや不安、ヘブライ語の壁に突き当たる苦しみ、社会に居場所を見つけら
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この世界に残されて(2019年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

 静かながら緊張感ある物語を、ヨーロッパ映画らしい透明感あふれる美しい映像で描く上質の作品。
 説明的なセリフは少なく、画面に映し出されるものや自然なセリフの中に、登場人物たちの背景が語られるのも良い
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.5

 まるで絵の様な・・・というのは、この作品の様な映画の事をいうのだろう。とにかく美しい映像と、セリフと音楽に頼らず、されど必要な言葉と限られた瞬間に流れる音楽は躍動感溢れ、これぞ映画という様な作品だっ>>続きを読む

ミッドナイト・スカイ(2020年製作の映画)

2.7

 一つ一つのシーンは美しいのに、散漫な印象が否めないし、テンポが酷く悪い。

 なんだかテレビ映画のミニ・シリーズのダイジェストを観ている様。
 地球と宇宙船のエピソードが絡み合わないし、個々のキャラ
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ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-(2020年製作の映画)

3.0

 今年の初めはケン・ローチ『家族を思う時』だったが、今年の年末は『ヒルビリ・エレジー』と、似て非なる作品を観てしまった。

 ケン・ローチが「社会システム」に問題の焦点を当てたとすれば、こちらは「個人
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シリアにて(2017年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

 密室の心理劇なんだが、語りたい物語の為に状況を作っている様な作為性とリアリティの無さに、ただただ不快な事が目の前で演じられるだけで、全く入り込めなかった。
 心理ドラマも、極限状態の人間を描きたいの
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ソニア ナチスの女スパイ(2019年製作の映画)

3.6

 美しくもたくましい女性がヒロインという事もあって、バーホーベンの『ブラックブック』を連想させますが、彼方よりもエレガント(?)で悲壮感は無いし、酷いエピソードも少ないので見やすいです。
 ヒロインの
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ドラキュラ対フランケンシュタイン(1971年製作の映画)

2.0

 ヒッピーが集う海岸沿いの遊園地に建つ見世物小屋。そこは医学会から追われたマッドサイエンティストのフランケンシュタイン博士が夜な夜な拐わせた娘さんを使って死人を蘇らせる実験を繰り返していたのだ!

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愛欲のえじき(1970年製作の映画)

3.0

 終始匂わせる(一応、ラストに明かされる)過去のトラウマから、人を愛しても生きている相手との性交渉が出来ず、新聞誌上の訃報を調べては葬儀に通い、遺体に触れては性衝動を満たすヒロイン。
 そんな彼女を死
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アウステルリッツ(2016年製作の映画)

3.0

 定点カメラの長回しで、風景や情景を語りも音楽もなく、ただ写しとっていく。

 こういうソクーロフの『精神の声』みたいな作風と知っていれば、「群衆」三部作なんて観に行かなかったと思うが、この一番古い作
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粛清裁判(2018年製作の映画)

1.3

 専門家を大衆と対立させ、恫喝して利用すると言う方策は現代性を帯びるテーマなのだが、恐ろしく退屈!

 それはそうで、裁判などと言うものは退屈なもので、ましてや被告人が告訴内容を受けいれ対立軸が無いの
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国葬(2019年製作の映画)

4.0

 長い!寝落ちもした!でも退屈ではない!

 スターリンの死を告げるラジオ放送を聞く国民の姿から始まり、彼の葬送の儀に至るまでを映し出す記録フィルムを、2時間強にわたって淡々と繋いでいく。
 まるでソ
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ザ・ライフルマン(2019年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

 ドイツ兵に母親を殺され、ドイツ軍の補給を断つ為に軍に家を焼かれ、疎開を余儀無くされたロシア帝国統治下ラトビアの純朴な少年が、退役軍曹の父親と准尉の兄と共にライフル連隊に身を投じ、第一次世界大戦と革命>>続きを読む

AK-47 最強の銃 誕生の秘密(2020年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

 カラシニコフのAK開発物語なんだけど、開発物語としては、全く盛り上がらない。
 次々と立ちはだかる技術上の問題とか、政治的困難とかをクリアしながらAKが採用されて万歳ウラー🙌があってこそのカタルシス
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おもかげ(2019年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

 鬼ごっこの鬼にタッチされた人は鬼に成る・・・みたいな話。
 ちょといい女風のダメ女が、周りの善良な人たちを不幸にしていく様を、透明感のある美しい映像と音楽でじっくりと描いていくサスペンスに満ちた作品
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ウルフウォーカー(2020年製作の映画)

4.5

 ストーリーは児童文学的な素朴でシンプルな話しなんだけど、色と音楽の使い方が素晴らしくて、画面いっぱいに繰り広げられる美しい絵の連続と曲に心打たれます。
 オーロラの挿入歌の組み合わせも見事で、感涙。
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異端の鳥(2019年製作の映画)

4.5

 東欧の田舎は恐ろしい・・・という話。

 欧州残酷譚的な映画を見慣れていない人にとっては、グロテスクでブルータルなエピソードの連続に目を背けたくなるかも知れませんが、比較的見慣れている人には、それほ
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ある画家の数奇な運命(2018年製作の映画)

4.6

 ドイツ現代美術の至宝ゲルハルト・リヒターの人生をモデルに、叔母をT4作戦によって殺された画家と、彼女を死に追いやった親衛隊の医師との物語を、様々なモチーフの反復と対比を繰り返し描き、数多のエピソード>>続きを読む

エッチの国のアリス(1976年製作の映画)

4.0

 自意識過剰で性に臆病な図書館の司書アリスが、鏡の中の不思議の国に迷い込み、歌って踊って時々エッチな事をして、性に目覚めた大人になる・・・というミュージカルコメディ。

 これは楽しい!
 歌も踊りも
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女王トミュリス 史上最強の戦士(2019年製作の映画)

3.5

 両親を失った貴種の子が、庇護者を得て謀反人を討ち果たし、強大な王と成ると言う、チンギス・ハン等に通じる伝説譚。

 ヒロインのお父さん、他人の縄張りで狩りをしたあげく、地廻りのヤク・・・じゃなくて戦
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スター・トレック BEYOND(2016年製作の映画)

4.0

 どうしてスタートレックには、こんなにまで融通無碍ながら揺るぎない「型」があるんだろう⁉︎と、感動する。

 スポック大使が亡くなりはするが、何かシリーズを揺るがす様な事は無いし、リブート開始の時の様
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ラ・ヨローナ ~彷徨う女~(2018年製作の映画)

3.0

 グアテマラ内戦時代の大統領の一人で、苛烈なゲリラ対策で名を馳せたホセ・エフライン・リオス・モント将軍の裁判と、中南米の妖怪ロヨーナ(ジョローナ)とを組み合わせた社会派ホラー。

 冷戦の東西対立や、
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ハード・デザイアー/真夜中の貴婦人(1986年製作の映画)

3.0

 イタリアB級映画御用達のセクシー女優セレナ・グランディ主演のエロ映画。
 いかにも80年代のイタリア・エロ映画な感じの映像や音楽、ファッションで、照明の使い方とかは流石に美しい。

 倦怠感と淫らな
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魔界探偵ゴーゴリIII 蘇りし者たちと最後の戦い(2018年製作の映画)

3.7

 遂に連続シリーズも第三弾(第五章&第六章)で完結。

 意外な結末・・・どころか大どんでん返しのつるべ打ち!
 しかも、最終章の段階で、全く伏線も無かった新しい物語やキャラクターをぶち込んで来て度肝
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魔界探偵ゴーゴリII 魔女の呪いと妖怪ヴィーの召喚(2018年製作の映画)

3.2

 本当にコレ、劇場で公開したの!?という連続テレビ映画としか思えない形式の第二弾(第三章&第四章)。

 ゴーゴリの作品からネタを盛り込み、物語が進んでいきます。第四章は勿論、中編「ヴィー」からインス
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カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇(2019年製作の映画)

4.7

 ニコラス・ケイジ出演でラブクラフトの作品を映画化だなんて不安しかなかったけど、まさかの悪魔合体!

 原作の徐々に、そして何だか分からない勢いで手遅れになってしまう様を、力業で映像化!
 とんでもな
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剣の舞 我が心の旋律(2019年製作の映画)

1.0

 伝記映画はドキュメンタリーでは無いので、架空の人物が出て来ようが、エピソードを脚色しようが、歴史修正主義とののしる事は無意味だし、むしろどう味付けするのかが醍醐味なんだが、ここまで素材の味を殺しまく>>続きを読む

17歳のウィーン フロイト教授人生のレッスン/キオスク(2018年製作の映画)

3.3

 邦題や日本版予告編から想像する様な心温まるヒューマンドラマって感じでは無く、現と夢が交差しながら、エロも挟んでくる残酷なメルヘンで、フロイト先生らしい物語なんだけど、良く考えたら、17歳のウィーンっ>>続きを読む

LETO -レト-(2018年製作の映画)

3.0

 伝説のバンド・キノー(кино)のヴィクトル・ツォイと、ザーパルク(зоопаок)のマイク・ナウメンコとの物語に、マイクの妻ナタリアを絡ませた物語。
 「レト」って何だ?と思いましたが、「лето
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